【目的】口腔カンジダ症はがん治療中に発症するリスクが高いことが知られているが,発症した際に用いる抗真菌薬は種類が少ないため,抗真菌薬耐性カンジダ株の出現は問題となる。今回,がん患者におけるカンジダの抗真菌薬感受性の検討を行った。
【対象および方法】対象は広島大学病院歯科を受診した頭頸部がん,食道がん患者86名であった。舌背から検体を採取後,クロモアガー培地に塗抹,培養後コロニーの色調と形態からカンジダ菌種を同定した。抗真菌薬感受性は,抗真菌薬MCFG,CPFG,5-FC,FLCZ,MCZ,ITCZ,VRCZ,AMPH-Bの最小発育阻害濃度(MIC)を測定した。
【結果】38名の患者から42株のカンジダ(C. albicans 32株,C. glabrata 10株)を分離した。そのうち4名からC. albicansとC. glabrataの両菌種が検出された。MCFG,FLCZ,MCZ,ITCZ,VRCZのC. glabrataのMICは,C. albicansと比較して有意に高く,C. glabrataからMCZとITCZの耐性株が,それぞれ3株検出された。
【結論】分離されたC. glabrataからアゾール系抗真菌薬耐性株が複数認められた。口腔カンジダ症予防のために口腔衛生管理を行うとともに,口腔カンジダ症を発症した際の迅速なカンジダ菌種の同定と抗真菌薬感受性試験を行う重要性が示唆された。
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