日本歯科理工学会誌
Online ISSN : 2188-417X
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30 巻, 4 号
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原著
  • 西山 典宏, 岩井 仁寿, 藤田 光, 岩井 啓寿, 高橋 治好, 矢口 剛宏, 池見 宅司
    2011 年 30 巻 4 号 p. 259-265
    発行日: 2011/07/25
    公開日: 2017/05/08
    ジャーナル フリー
    本研究では,4-メタクリロイロキシエチルトリメリティックアンハイドライド(4-META)添加(MC)および2-ハイドロキシエチルメタクリレート(HEMA)添加(HC)ワンステップボンディング剤を調製し,ボンディング剤への水の添加量が歯質アパタイトの脱灰量および歯質接着性に及ぼす影響を調べ,4-META添加の効果をHEMAのそれと比較検討した.MCおよびHCボンディング剤への水の添加量を増加すると,歯質アパタイトの脱灰量は増加するにも拘らず,接着強さの向上は認められなかった.エナメル質接着の場合,MCおよびHCボンディング剤はともに約20MPaを示したが,象牙質接着の場合は,MCボンディング剤が約15MPa,HCボンディング剤が約13MPaを示し,MCボンディング剤はHCボンディング剤より高い象牙質接着性を示した.以上の結果から,遅延型アレルギーを引き起こす可能性のあるHEMAの代わりに使用するモノマーとして4-METAは有効であることが判明した.
  • 生駒 祥恵, 倉田 茂昭, 楳本 貢三
    2011 年 30 巻 4 号 p. 266-274
    発行日: 2011/07/25
    公開日: 2017/05/08
    ジャーナル フリー
    市販の4種類のレジンセメント,4種類のレジン添加型グラスアイオノマーセメント,1種類のグラスアイオノマーセメントおよび4種類のプライマーを用いて,ジルコニアセラミックスに対する接着性を検討した.さらに,各セメントの圧縮強さを求め,引張接着強さとの関係を検討した.その結果,サーマル負荷2,000回後,プライマー未処理による4種類のレジンセメントのジルコニアに対する引張接着強さは,1製品は7.5MPaであったが,ほかの3製品はサーマル負荷中に接着子が脱離した.また4種類のプライマーで処理したジルコニアに対するレジンセメントの引張接着強さは向上したものの,サーマル負荷5,000回後,ほとんどゼロとなった.レジン添加型グラスアイオノマーセメントの接着では,サーマル負荷5,000回後には2製品で大きく減少したが,1製品では水中2日後の強さと有意差はなかった.また,各セメントの圧縮強さと引張強さとの間に相関性は認められなかった.
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