市販の4種類のレジンセメント,4種類のレジン添加型グラスアイオノマーセメント,1種類のグラスアイオノマーセメントおよび4種類のプライマーを用いて,ジルコニアセラミックスに対する接着性を検討した.さらに,各セメントの圧縮強さを求め,引張接着強さとの関係を検討した.その結果,サーマル負荷2,000回後,プライマー未処理による4種類のレジンセメントのジルコニアに対する引張接着強さは,1製品は7.5MPaであったが,ほかの3製品はサーマル負荷中に接着子が脱離した.また4種類のプライマーで処理したジルコニアに対するレジンセメントの引張接着強さは向上したものの,サーマル負荷5,000回後,ほとんどゼロとなった.レジン添加型グラスアイオノマーセメントの接着では,サーマル負荷5,000回後には2製品で大きく減少したが,1製品では水中2日後の強さと有意差はなかった.また,各セメントの圧縮強さと引張強さとの間に相関性は認められなかった.
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