日本歯科理工学会誌
Online ISSN : 2188-417X
Print ISSN : 1884-4421
ISSN-L : 1884-4421
33 巻, 3 号
選択された号の論文の1件中1~1を表示しています
総説
  • 大野 弘機, 遠藤 一彦
    2014 年 33 巻 3 号 p. 205-217
    発行日: 2014/05/25
    公開日: 2017/07/14
    ジャーナル フリー
    金属接着を完全なレベルにまでに高めるためには乗り越えなければならない大きな課題が2つ存在する.1つは,水による接着界面の破壊であり,もう1つは,レジンの重合収縮・熱収縮に起因する接着界面の残留応力である.これらの2つの因子は,接着を破壊する大きな駆動力となる.本論文では,水による接着界面の破壊をテーマに,➀水中浸漬後における接着界面の水分濃度変化,②水中浸漬後における接着界面の状態変化,③熱衝撃剥離試験による接着界面の耐水性評価について述べた.また,レジンの重合収縮と熱収縮による接着界面の破壊をテーマに,➀重合収縮・熱収縮によるメタルフレームの変形の可視化,②超音波顕微鏡による接着界面の応力測定について述べた.最後に,重合収縮・熱収縮によって生ずる硬質レジン前装冠の臨床的問題を論じた.口腔内における接着構造物の長期耐久性を高めるためには,これらの課題を解決する必要がある.
feedback
Top