本研究では,CAD/CAM冠用ハイブリッドレジンブロックの物性について比較,検討するために,市販されているレジンブロック8種類を用いて,2軸曲げ試験,2体摩耗試験およびダイナミック表面硬さ試験を行い,さらに無機フィラー含有量を測定した.2軸曲げ試験は,5℃と55℃の水槽に浸漬したサーマルストレスを8,000回負荷後の試験も行った.得られた値は,一元配置分散分析および多重比較検定(Tukey法)を行い,無機フィラー含有量との相関関係をPearsonの積率相関係数を用いて調べた.その結果,レジンブロックにより物性が異なり,すべてのレジンブロック間で無機フィラー含有量に有意な差が認められた.無機フィラー含有量に対する曲げ強さ,摩耗量および表面硬さとの相関関係を分析した結果,摩耗量は有意な負の相関,表面硬さでは有意な正の相関性を認めたが,曲げ強さとは相関が認められなかった.
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