試料保管条件がデュアルキュア型セルフアドヒーシブレジンセメントのせん断強さおよびせん断弾性係数に及ぼす影響について検討した.実験には市販のデュアルキュア型セルフアドヒーシブレジンセメント3種類[G-CEM ONE(ジーシー),BeautiCem SA(松風)およびRelyX Unicem2 Clicker(スリーエムジャパン)]を使用した.試料はイオン交換水中に浸漬し保管(Wet),シリカゲルを同封し乾燥状態で保管(Dry)または10,000回のサーマルサイクルを行った(TC).ベースラインとしてセメント練和開始1時間後にせん断強さの測定を行った.また,各保管条件について光照射群と無照射群を作製し,Punch法にてせん断強さの測定を行った(n=10).光照射群のせん断強さは無照射群と比較して大きい値を示した.Dryのせん断強さはWetおよびTCと比較して小さくなる傾向を示した.またDryのせん断弾性係数はWetおよびTCと比較して大きくなる傾向を示した.このことから試料保管条件はデュアルキュア型セルフアドヒーシブレジンセメントのせん断強さおよびせん断弾性係数に影響を与えることが示唆された.
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