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日本災害復興学会論文集
Online ISSN : 2435-4147
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一般論文
2013年フィリピン台風ヨランダの復興における住民組織の実態と可能性
立部 知保里, 宮本 匠
原稿種別: 一般論文
2019 年 14 巻 p. 1-11
発行日: 2019年
公開日: 2021/11/05
DOI
https://doi.org/10.34606/jsdrr.14.0_1
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本稿は、2013年フィリピン台風ヨランダの被災地であるセブ州北部の農村・漁村において、災害復興過程の中で設立された住民組織(People’s Organization: PO)を取り上げ、POを構成する人々の生活状況やPOに対するとらえ方、及び評価を明らかにし、今後POが持続・発展するために必要なことを考察するものである。POは女性、そして決して学歴や所得が高くはない人々を中心に構成されている。調査参加者は家計の向上やコミュニティの結束を目的にPOに参加しており、POに対する評価や参加度、貢献度はおおむね高い。POの持続・発展に必要なこととして調査参加者の多くは「協力」や「結束」を挙げている一方、うまく進んでいないと言われるPOでは個別具体的な課題も抱えている。POの活動は問題に直面した当事者らが主体性を獲得し、長期的な視点で生活向上や地域再生に寄与するボトムアップの動きと見ることができる。POを起点としたよりよい市民社会を構築していくには、POを超えた交流によってメンバーが刺激し合い、お互いの問題を共有・相談しながら取り組むことが求められる。
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平成27年9月東北・関東豪雨後の常総市における中間支援組織と地域における中間層の関係
茨城NPOセンター・コモンズとたすけあいセンターJUNTOSの活動の質的変化
頼政 良太, 宮本 匠
原稿種別: 一般論文
2019 年 14 巻 p. 12-22
発行日: 2019年
公開日: 2021/11/05
DOI
https://doi.org/10.34606/jsdrr.14.0_12
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災害発生直後に,多くのボランティアが被災地に駆けつけ支援を行うことは一般的になってきている。しかし,復興期におけるボランティア活動はあまり注目されていない。そこで,本研究では平成27年9月東北・関東豪雨によって甚大な被害を受けた常総市で活動を展開するたすけあいセンターJUNTOSに着目し,その活動の質的変化についてインタビュー調査を行なった。さらに,JUNTOSおよびその周辺の活動について,当事者と共にV.S.O.Pモデルを用いた類型化を行なった。調査の結果,住民のPartnerとなる団体が,V.S.O.Pモデルの全体を俯瞰してみながら,必要な支援をつなぐ役割が重要であること,さらに,V.S.O.Pモデルでは想定していなかった住民の中の参加者層,中間層という新たな概念も重要な役割を担っていることが明らかになった。住民の中間層によって住民同士をつなぐ役割が非常に重要であり,こうした中間層を発掘、育成することがPartnerの役割であり,中間層が多様になっていくことが被災地の復興のためには非常に重要である。
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