日本透析医学会雑誌
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27 巻 , 4 号
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  • 川口 良人
    1994 年 27 巻 4 号 p. 243-246
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 広重 欣也, 松尾 典夫, 由宇 宏貴, 高杉 昌幸, 副島 正典, 黒岩 昭夫, 高橋 尚, 大谷 晃
    1994 年 27 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    当科での過去10年間の血液透析患者480例における悪性腫瘍の合併状況について検討した. 24例 (5.0%) に悪性腫瘍の合併が認められ, 臓器別に肝癌が9例と最も多かった. その9人中7人は基礎疾患として糖尿病を有していた. また, 9人中6人は透析導入時あるいは導入後1年内に肝癌が発見された. 外科的肝切除術, 経皮的肝動脈塞栓術と抗癌剤動注の合併療法, 経皮的エタノール注入療法を7人に施行し, それぞれ有効性を認めた. 治療直後の高カリウム血症以外に重篤な合併症は認められなかった. また腎不全患者においても血清αFP値は肝癌合併例で有意に高値を示し, 診断や治療効果の判定に特異的に有用であった. 肝癌合併の早期発見のため, 定期的な超音波検査や血清αFP値の測定が透析導入以前より必要と考えられた.
  • 武林 祥裕, 石田 直人, 角田 隆俊, 渡辺 順, 飯田 宜志, 飛田 美穂, 平賀 聖悟, 佐藤 威
    1994 年 27 巻 4 号 p. 255-261
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    膠原病に対する血漿交換療法の導入理由 (適応), 有用性および血漿交換療法施行後の血清学的検査値の変化と臨床症状の改善度との相関性につき, 血漿交換療法を施行した膠原病患者19例 (RA 8例, MRA 3例, SLE 8例) を対象としてretrospectiveに検索し検討した. RAでは, 8例全例に二重膜濾過法 (DFPP) を, そのうちの4例は免疫吸着法 (IA) を併用した. MRAでは, 3例全例にDFPP, そのうちの2例は, IAを併用した. SLEでは, 8例中1例は全 (単純) 血漿交換法 (T. PE), 7例にDFPP, そのうち3例でIA, 1例でT. PEを併用した. 血漿交換療法が導入された理由 (適応) は, RA・MRAでは, 多発性関節痛および進行性腎障害, SLEでは, 進行性腎障害および神経系合併症 (意識障害) の改善を目的として行った. RA・MRAの全例で関節痛の軽減ないしは消失を認めた. この症状の改善が血中RAHA値の低下と相関したのは, 11例中5例 (45.6%) のみであった. 進行性腎障害を示すMRA 1例において腎機能の改善を認めた. SLEでは6例の腎障害合併例中5例 (83.3%) で腎機能改善に有効であった. さらに1例に脳症の改善に有効であった. 臨床症状の改善の程度と血中抗核抗体, 抗DNA抗体の減少率とは8例中6例 (75.0%) で相関した. 長期的予後については, RA・MRAでは定期的な血漿交換療法を必要としたが, SLEでは短期的血漿交換療法によりえられた症状の改善は長期継続した. また問題となる副作用は認めなかった. 今回の結果より膠原病患者の保存的治療抵抗性の疼痛緩和, 腎障害および脳症に対する血漿交換療法の有用性が示された.
  • 北村 栄作, 林 晃正, 勝二 達也, 岡田 倫之, 中西 功, 椿原 美治
    1994 年 27 巻 4 号 p. 263-269
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    イオン性低浸透圧造影剤, イオキサグル酸 (ioxaglate) の血液透析 (HD) による除去の効率と機構について検討した. Ioxaglate (20mlのhexabrix® 320) を4人の維持透析患者に経静脈投与後, 再生セルロース膜ダイアライザー (AM-SD-15Hまたはそのhigh-flux typeのAM-Neo-2001UP, 各々の膜面積1.5m2) を用いて4時間のHD (QB=200ml/min, QD=500ml/min) を施行した. Urea N (UN), creatinine (Cr), そしてioxaglateのクリアランス (CL[ml/min]) を, ダイアライザーに流入する血中溶質濃度の変化から (CLB) と透析液中溶質濃度から (CLD) の両方により計算した.
    AM-SD-15Hを用いたHDでのioxaglateの除去率 (RR[%]) は78±5 (mean±SD) であり, RRUN (65±4), RRCr (61±4) よりも有意に高値であった. AM-Neo-2001UPにおいても, RRioxaglate (81±3) はやはりRRUN (68±5), RRCr (62±4) よりも有意に高値であった.
    AM-SD-15Hを用いたHDにおいて, ioxaglate, UN, CrのCLBは各々103±11, 174±5, 143±9ml/minであった. AM-Neo-2001UPでは, これらのCLBは各々, 127±4, 188±2, 146±6ml/minであり, AM-SD-15HでのCLBよりもCrを除いて有意に大であった.
    IoxaglateのCLDはAM-SD-15Hで61±14, AM-Neo-2001UPで85±18ml/minと, いずれもCLBより有意に低値であり, 各々のダイアライザーにおいてioxaglateのCLBの40%そして33%はダイアライザー膜への吸着であることが示された. いずれのダイアライザーにおいても, UFR (限外濾過量) を変化させても, ioxaglateのCLBに有意な変化を認めなかった.
    Ioxaglateは血液透析で効率良く除去され, クリアランスは従来の再生セルロース膜ダイアライザーよりもhigh-flux typeのダイアライザーがやや優る. そして, ioxaglateの除去機構として拡散だけではなく吸着も重要な役割を果たすと考えられる.
  • 伊藤 正吾, 黒木 亜紀, 本田 浩一, 西田 としよ, 松原 まゆみ, 土佐 武敏, 佐野 俊正, 赤木 太郎
    1994 年 27 巻 4 号 p. 271-275
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者の貧血はエリスロポエチン (EPO) の使用に伴い臨床上著明に改善してきた. しかし, EPOの効果不十分な症例や高血圧, 頭痛等の症状が出現する症例もあり, EPOを増量せずに貧血改善の一助となる方法があれば好ましい. 透析患者では赤血球の寿命短縮があげられ, その原因として活性酸素の関与が推測されている. そこでEPOを投与されている維持透析患者に抗酸化剤であるα-トコフェロール (TOC) を投与し種々の検討を加えた. その結果, TOCを透析患者に投与することにより血漿および赤血球の過酸化脂質〔thiobar-bituric acid (TBA) 反応物質〕の減少を認め, 赤血球中の活性酸素捕捉酵素の検討ではスーパーオキシドジスムターゼ (SOD) 活性は変化を認めなかったが, グルタチオンペルオキシダーゼ (GSH Px) 活性の増強を認め, さらに末梢赤血球数, ヘマトクリット (Ht) 等の増加傾向を認めた. これらの結果から維持透析患者に抗酸化剤を投与することは活性酸素による膜脂質の過酸化を抑制し膜障害を軽減しうることより, 薬剤による赤血球膜の保護そして赤血球寿命の延長を期待でき, また透析患者に合併頻度の高い動脈硬化症の発症抑制にもつながると考えられ臨床上有益であることが示唆された.
  • 中尾 俊之, 小倉 誠, 高橋 創, 成田 佳乃, 平野 雅春
    1994 年 27 巻 4 号 p. 277-282
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    CAPD腹膜炎患者を入院することなく, 外来通院にて治療することを目的として, プロトコールを考案した. プロトコールIは腹膜炎発症直後の来院時に起炎菌確定前よりただちに開始した. プロトコールIではバンコマイシン (VCM) を腹膜炎発症第1病日と第8病日の2回, 30mg/kgを一度に2lのCAPDバッグ内へ投与して6時間腹腔内へ貯留した. その後は通常どおりのスケジュールでCAPDを行った. アミノ配糖体薬を同じく第1病日と第8病日の2回筋注した. さらにニューキノロン剤の経口投与を連日行った. 来院は第1病日と第8病日の2日間とし, その他の日は電話連絡により経過を観察した. 排液の培養よりグラム陰性菌が検出された場合や第6病日までに排液混濁の改善傾向を認めない場合にはプロトコールIIへ変更した. プロトコールIIは毎日来院の上, 第3世代セフェム剤とアミノ配糖体薬を投与し, その後にニューキノロン剤の内服とした.
    1988年4月より1993年3月までの期間に発症した, 連続72件のCAPD腹膜炎に対し, 上記プロトコールに従って治療を行った結果, 64例 (88.8%) を入院せずに外来通院にて治癒せしめた. 他の8例 (11.2%) は腹膜炎の改善傾向を認めないため入院となり, カテーテルを抜去した. とくにプロトコールIで治癒した59症例 (81.3%) では, CAPD排液混濁消失までの日数は2.8±1.3日であり, 全経過中の来院は2日間のみであった.
    以上の結果より, CAPD腹膜炎はその大部分が外来通院治療により簡便に治癒せしめることが可能と考えられた.
  • 山田 秀生, 能登 猛, 平尾 由香里, 渡辺 和代, 栗田 真理, 佐藤 典子
    1994 年 27 巻 4 号 p. 283-287
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性維持血液透析 (HD) 患者の皮膚掻痒症に脂肪乳剤が有効との報告が散見されるが, 皮膚掻痒症に脂肪酸が関与しているかを調べた.
    まず透析前末期腎不全 (ESRD) 患者3名とHD患者8名の空腹時血清全脂質構成脂肪酸分画を測定した. ESRD患者ではいずれの脂肪酸もほぼ正常範囲であったが, HD患者ではすべて低値であった. この傾向は特にリノール酸で顕著であった (正常参考値4.53-8.20μmol/l, ESRD 4.39±1.17μmol/l, HD 2.76±0.30μmol/l). しかしHD患者をかゆみの有無により2群に分け比較したが, 両者の脂肪酸値に差を認めなかった. 次にHD患者全員に脂肪乳剤 (イントラリポス®20% 200ml) を週2回計8回透析中に投与し, 投与前, 2週後, 4週後, 8週後 (投与終了4週後) のかゆみの程度を聴取し, 同時に空腹時全脂質構成脂肪酸分画を測定した. かゆみ (+) 群全員でかゆみの軽減が見られ, この効果は投与終了4週後も持続していた. しかし血清脂肪酸分画の変化は伴わなかった.
    以上より慢性維持血液透析患者の皮膚掻痒症および脂肪乳剤による皮膚掻痒症の軽減に血清脂肪酸分画が関与している可能性は少ないと思われた.
  • 有村 義宏, 簑島 忍, 松澤 直輝, 神谷 康司, 田中 宇一郎, 蓬田 茂, 中林 公正, 北本 清, 長澤 俊彦
    1994 年 27 巻 4 号 p. 289-294
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    抗好中球細胞質抗体 (anti-neutrophil cytoplasmic autoantibodies: ANCA) 陽性症例は, 急速進行性腎炎症候群 (rapidly progressive glomerulonephritis: RPGN) を生じ, 透析導入率が高い. 今回, 我々は透析歴1年以上の維持透析183症例でANCAの臨床的意義について検討した. その結果, 1) ANCA陽性症例を11例 (6.0%) に認めた. このうち, MPO-ANCA陽性例は8例 (4.4%) で, PR3-ANCA陽性例は4例 (2.2%) であった. なお1例はMPO-ANCAとPR3-ANCAを同時に認めた. 2) ANCA陽性の維持透析症例は, RPGNの病歴の有無により2群に分けられ, RPGNの病歴のある症例のANCAは血管炎に関連していると思われた. またANCA再上昇時には血管炎症候群の再燃に留意する必要があると思われた. 一方, ANCA高値が持続するも血管炎症候群は寛解期にあり, 順調に外来維持透析施行中の患者も認めた.
    なお, RPGNの病歴のない症例のANCAは, 血管炎症候群とは関連がなく, 慢性腎不全や長期透析に伴う免疫異常が関与していると推測された.
    ANCA, 特にMPO-ANCA陽性で, RPGNの病歴を有する維持透析症例では血管炎による多臓器障害, 特に肺出血に留意する必要があると思われた.
  • 橋本 寛文, 寺尾 尚民, 山中 正人, 片岡 真一, 竹中 章, 湯浅 健司, 谷村 正信, 降幡 睦夫, 大朏 祐治, 横田 欣也, 横 ...
    1994 年 27 巻 4 号 p. 295-300
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    長期透析患者が増加するにつれ, 透析アミロイド骨関節障害は重大な合併症となっている. 今回, 膝関節炎にて関節滑液の貯留する維持透析患者8例 (男性2例, 女性6例, 平均年齢65.9歳, 平均透析歴106か月) の関節滑液中アミロイドの存在について検討し, 滑液および血清β2-M濃度についてもあわせて検討した. コントロールとして腎機能正常者の関節滑液についても同様の検討を行った. アミロイド染色において, コントロール群ではアミロイドは証明されなかったが, 維持透析患者群では8例中6例にアミロイドが証明された. 6例の平均透析歴は132.0か月で, うち4例では手根管症候群を合併し, 典型的なsynovial amyloidosisと考えられたが, 61か月と比較的短い透析歴の患者でもアミロイドが証明された. この事実は透析導入後比較的早期に関節滑膜へアミロイド沈着が発生することを示唆しており, この患者では, 現在膝関節以外の臨床症状はないものの, 透析歴が長くなれば他の部分症の顕性化が予想される. 次に, 維持透析患者群における滑液中β2-M濃度18.3±4.9mg/lは血清濃度31.5±7.6mg/lに比し有意に低く, この理由として, コントロール群で両者間に有意差のないことより, 維持透析患者の関節炎時の関節滑液中には蛋白分解酵素の存在が推察されるが, アミロイドが関節滑膜に多量に沈着している症例では血管やリンパ管の循環不全による組織液の移送障害からくる希釈なども推察される. また, 維持透析患者群, コントロール群の両群において血清および関節滑液中β2-M濃度の間には有意な正の相関が認められた.
  • 吉川 雅文, 田中 一誠, 春田 直樹, 桧井 孝夫, 中谷 玉樹, 宮本 和明
    1994 年 27 巻 4 号 p. 301-305
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性透析患者63例について, 甲状腺機能を中心に検討した. これらの原疾患は, 慢性糸球体腎炎 (CGN) が35例, 糖尿病 (DM) が18例, その他10例であった. 透析方法では, 血液透析53例, CAPD10例であった. これらの症例に, 自覚症状アンケート調査, および血中F-T3, F-T4, TSH, T-T3, T-T4, TBG濃度, サイログロブリン抗体, マイクロゾーム抗体を測定した. 上記以外の慢性透析患者数例に甲状腺製剤を投与し, 血中甲状腺ホルモン濃度の推移を観察した.
    自覚症状は, 甲状腺機能低下症類似の症状が多かった. 抗甲状腺抗体は, 61例が陰性で, 慢性甲状腺炎の合併は否定された. 全例の血中甲状腺ホルモンは, F-T3値1.6±0.7pg/ml, F-T4値0.55±0.26ng/dlと正常値より著明な低値を示し, これらの慢性透析患者は, 甲状腺機能低下状態にあることが示唆された. 一方, TSH値は, 10.81±33.2μU/mlと正常値より高い傾向にあり, しかも広範なバラツキを示した. そこで, このバラツキの原因について検討した. TSH正常群と高値群で比較検討すると, 後者にDM患者が有意に (p<0.05) 多く含まれていた. またCGN群とDM群で比較検討すると, F-T3値1.7±0.7 vs 1.2±0.7pg/ml (p<0.05), F-T4値0.6±0.3 vs 0.4±0.2ng/dl (p<0.005) とDM患者ではF-T3, F-T4が有意に低く, 逆にTSH値は, 3.1±2.3 vs 30.5±58.6μU/ml (p<0.01) とDM患者で有意に高いことが判明した. このように, 慢性透析患者の甲状腺機能低下状態の中で, DM症例は, 特殊なホルモン動態を示すことが推測された.
    甲状腺機能低下状態にある血液透析患者4例について, 甲状腺製剤投薬後2か月間の血中甲状腺ホルモン濃度の推移を比較検討したところ, チラージンS®では生理活性を有する血中F-T3濃度の上昇が悪く, 乾燥甲状腺末投与の方がより適当で, 効果的と考察された.
  • 桑原 守正, 高木 紀人, 西谷 真明, 松下 和弘, 大田 和道, 中村 晃二, 藤崎 伸太
    1994 年 27 巻 4 号 p. 307-311
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    内科的治療が困難であった難治性腹水に対して肺水腫の危険性を避けるために, まず腹水の濾過濃縮再静注を行い腹水の量を減じた後に, 腹腔と大静脈の間にLeVeenの腹水ポンプを用いてシャントを形成し, 半永久的な腹水の消失・減少を試みた.
    対象は男4名, 女2名の計6名で, 年齢は42歳から65歳, 平均55.3歳であった. 腹水をもたらした原疾患は慢性腎不全が2名, 肝硬変が2名, 胃癌, 子宮癌が各々1名であった.
    腹水の処理には旭メディカル社のPlascit-01を用い濾過器としてAHF-MAを, 濃縮器としてAHF-UNを用いた. 得られた腹水2-4lを100-200mlに濾過・濃縮し, これを4-7回, 平均4.8回再静注した. この後に腹腔と大静脈の間に腹水シャントを作成した.
    6例中5例が死亡したが, 各々1-3.5年, 平均2.3年の延命効果と自覚症状の軽減が得られた. 6例中1例は本法施行後4.2年が経過したが安定維持透析中である. なお本法施行中, 特別な合併症は認められなかった.
    高度の難治性腹水に対して腹水を濾過濃縮再静注後に腹水シャントを形成する方法は, 各々の単独療法の場合よりもより有効で安全な方法であると考えられた.
  • 児玉 敏宏, 打田 和宏, 懸高 昭夫, 坂口 俊文, 松尾 恒久, 小畑 拡嗣, 上田 俊郎, 上田 弘樹, 阿部 富彌, 前田 明文
    1994 年 27 巻 4 号 p. 313-317
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は59歳女性で透析歴は17.5年. 左アミロイド股関節症にて平成4年7月8日人工骨頭置換術を施行した. 術前より血小板減少が認められ, 術後巨大血腫, 薬剤性肝障害, DICを合併し, その治療経過中に発熱, 黄疸, 精神症状, 貧血, 血小板減少の進行等出現した. 血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) の併発を強く疑い, 平成4年8月31日より血漿交換を行うも9月3日永眠した.
    骨髄穿刺所見では, 巨核球系, 赤芽球系, 白血球系の低形成が認められた. 透析患者にTTPの合併した症例の報告はほとんどなく, 骨髄所見に関しても定型的なものは報告されていない. 今回我々の経験した症例は術前より特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) の合併があり, 手術的侵襲, 巨大血腫, DIC, 肝障害等の何らかの障害が加わりTTPを併発したものと思われた.
  • 百瀬 昭志, 佐々木 淳, 澤田 善章, 美濃 真成, 北川 柾彦, 舟生 富寿, 鈴木 唯司, 西山 純一郎
    1994 年 27 巻 4 号 p. 319-324
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は38歳女性. IgA腎症による慢性腎不全の診断にて1987年3月より血液透析治療を施行している. 透析開始2年後より徐々に歩行障害が出現したため精査したところ肢帯型筋ジストロフィー症と診断された.
    肢帯型筋ジストロフィー症由来の横紋筋融解によるミオグロビンの大量産生と, IgA腎症由来の慢性腎不全によるミオグロビンの尿中排泄低下で高ミオグロビン血症を合併していた. 高ミオグロビン血症の改善のために, 血液透析から血液濾過透析への変更と透析膜の変更で, 血中・尿中ミオグロビンの低下とともに尿量の増加と高窒素血症の軽度改善を認め, 透析回数を週3回から週2回へと軽減することができた. 尿量増加の理由としては, 血液浄化法と透析膜の変更で, 血中・尿中ミオグロビンが低下し, ミオグロビンによる尿細管障害が緩和されたためと考えられた.
  • 堀内 大太郎, 多川 斉
    1994 年 27 巻 4 号 p. 325-327
    発行日: 1994/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    Ca拮抗薬であるnifedipineとmanidipineがともに歯肉増殖をきたした1透析例を経験した.
    症例: 64歳, 男, 透析歴12年. 高血圧に対してnifedipineを投与し, 1年後下顎前歯部歯肉の無痛性腫脹をきたした. 7か月後, nifedipine投与を中止したが, 血圧が再上昇したため, manidipine投与を開始した. 歯肉増殖は一時軽減したが, 7か月後増悪した. Nifedipineによる歯肉増殖症の頻度は6.5-14.7%に達し, 潜在する患者は多い. その他のCa拮抗薬では, diltiazem, nicardipine, verapamilによる歯肉増殖症の報告があるが, 症例数は少ない. 本報告は, 透析患者における歯肉増殖症の第1例である. Ca拮抗薬による歯肉増殖症の主要な発生機序は, 線維芽細胞内へのCa++流入阻害によりコラーゲンの分解が減少し, 細胞外基質が蓄積するためと推定されているが, アレルギー反応が関与する可能性も示唆された.
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