日本透析医学会雑誌
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27 巻 , 6 号
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  • 宮野 元成, 土井 亮平, 石谷 精司, 西出 孝啓
    1994 年 27 巻 6 号 p. 931-938
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 高須 伸治, 高津 成子, 岡 良成, 国米 欣明
    1994 年 27 巻 6 号 p. 939-941
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性透析患者のブラッドアクセスとして, 人工血管による内シャント造設が必要となる症例が増加している. Expanded polytetrafluoroethylene (E-PTFE) グラフトについての報告は多いが, 作成部位別の検討は少ない. 1983年6月から1993年2月末までに計50回のグラフトによる内シャント手術を施行した. このうち, 観察期間が1年以上の36グラフトを, 上腕にストレートに作成した上腕作成群 (n=21) と, 大腿にループに作成した大腿作成群 (n=15) に分類した. 部位別グラフト開存率は, 上腕作成群では1年81%, 2年46%, 3年35%であり, 大腿作成群では1年93%, 2年86%, 3年86%, 5年69%であり, 全期間を通じたLogrank検定にて, 有意に大腿作成群のほうが開存率が良好であった (p<0.05). グラフトロスは, 上腕作成群で21例中10例, 大腿作成群で15例中3例であり, その原因は上腕作成群では, 血栓閉塞6例, 感染4例で, 大腿作成群では, 血栓閉塞2例, 感染1例であった. 血栓閉塞によるグラフトロス例の検討では, グラフトロスになるまでの期間は, 上腕作成群で平均15.7か月, 大腿作成群で平均36か月であった. このように, 大腿作成群においては血栓閉塞によるグラフトロスは少なく, またその期間も長い傾向にあった. つまり, 大腿作成群においては繰り返し血栓除去が可能であり, またジャンプグラフトによりグラフト再建することも可能であった. さらに, 作成部位別開存率の差の原因として, 血管径や血流の方向の違いや, 動脈圧の差も考えられる. 以上より, 当院においては初回にグラフト作成する場合は, その作成部位は低血圧でない症例には, 上腕を選択する. しかし, 低血圧症例や2回目以降の手術の場合は, 大腿を選択するようにしている.
  • 新井 邦彦, 本宮 善恢, 佐々木 憲二, 妻谷 憲一, 永吉 純一, 木村 昇紀, 岡島 英五郎
    1994 年 27 巻 6 号 p. 943-947
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持透析患者での腎性骨異栄養症 (ROD) 発症ならびに病態へのカルシトニン (CT) の関与を解明するアプローチの一つとして, 維持透析患者29症例を対象にHunter Heathらの方法に準じてmonomeric calcitonin (カルシトニンモノマー, CT-M) を測定し, 骨生化学的パラメータとの比較を行い以下の結果が確認された.
    1. CT-M値は維持透析患者群では, 3.2-113.2pg/ml, 平均33.6±27.3pg/mlと健常者群0.5-3.1pg/ml, 平均1.6±0.9pg/mlに比し有意に高値であった (p<0.001). 2. immunoreactive CT (i-CT) 値とは明らかな正の相関関係を認めた (r=0.592, p<0.001). 3. 血清Ca値とは有意な負の相関を認めた (r=-0.368, p<0.05). 4. 酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ (TRACP) 活性とも有意な負の相関がみられた (r=-0.490, p<0.02).
    以上の結果からRODにおけるCTの臨床的意義を明らかにする上で, 従来のi-CTの測定では確認できなかった新たな情報が, CT-Mの測定によって得られたものと考える.
  • 安藤 亮一, 土肥 まゆみ, 井田 隆, 千田 佳子, 戸村 成男, 中村 義弘, 松井 則明, 小倉 三津雄, 中川 成之輔
    1994 年 27 巻 6 号 p. 949-953
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析中の白血球減少, 補体活性化, 線溶亢進, 血管内皮刺激が少ないとされるポリエチレングリコール鎖グラフト膜 (PC膜) を用いた血液透析中における白血球接着分子の動態について, 同一仕様の再生セルロース膜 (OC膜) と比較検討した. 対象は安定した血液透析患者8名で, OC膜とPC膜をクロスオーバーで用い, 3種類の白血球接着分子 (LFA-1, Mac-1, p 150, 95) の発現をフローサイトメトリーにて測定し, その透析中の経過を比較検討した. OC膜で, LFA-1は軽度増加, Mac-1は最大で約5倍に達する著明な増加, p 150, 95は最大で約3倍に達する増加を認めた. 一方, PC膜もOC膜と相似の経過を示したが, LFA-1の15分の動脈側, Mac-1の15分, 60分の動脈側, p 150, 95の15分の動・静脈側で, いずれもOC膜より有意な低値を示し, 透析中の白血球接着分子の発現の亢進が少ない傾向であった.
    以上より, 透析中の白血球接着分子の発現亢進は, PC膜がOC膜に比して少なく, 透析中の白血球減少や血管内皮刺激が少ないことに関与していることが示唆された.
  • 寺門 節雄, 中尾 俊之
    1994 年 27 巻 6 号 p. 955-960
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持血液透析患者33人を対象にサイトゾール内心筋マーカーであるCPK, CPK-MB, myoglobin, 構造蛋白であるmyosin light chain 1 (MLC1) とtroponin T (TnT) を透析前同時に測定しその血行動態について検討した.
    虚血性心疾患 (IHD) 群13人, 非IHD群22人の二群を比較した. IHD群の内訳は陳旧性心筋梗塞3名, 狭心症8名, 不安定狭心症1名, バイパス術後1名である. 狭心症1名, 不安定狭心症1名が採血1か月以内に狭心症発作を認めている.
    IHD群と非IHD群の群間に有意差を認めたのは構造蛋白であるMLC1 (p<0.05), TnT (p<0.005) のみであった. サイトゾール蛋白であるmyoglobin, CPK, CPK-MBは有意差が見られなかった. 群間に有意差を認めたTnTはMLC1と高い相関関係 (r=0.717, p<0.001) が見られたが, 他の心筋マーカーとは相関関係を認めなかった. 虚血性心疾患に対するTnTの診断率は, sensitivity 54%, specificity 95%, positive predictive value 88%, accuracy 78%であった.
    分子量4万以下の低分子蛋白であるTnT, MLC1, myoglobinは, 腎不全による排泄処理能力の低下から透析患者では蓄積性が示唆された. そのマーカーの血中濃度は心筋特異性が低いほど腎不全時の蓄積性の影響を受け易いと考えられた.
    TnTは, 心筋特異性が高く, さらに, サイトゾール内蛋白と構造蛋白の特性を合わせもつことから維持血液透析患者において虚血性心疾患の評価に有効であり, 他の心筋マーカーと併用することによってより正確な診断が可能となると思われる.
  • 桑原 道雄, 秋葉 隆, 栗原 怜, 米島 秀夫, 丸茂 文昭
    1994 年 27 巻 6 号 p. 961-965
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症により末期腎不全に至った血液透析患者における骨病変の特徴を検討した. 成人男性の安定期透析患者のうち, 糖尿病性腎症を原疾患とする20名 (DM群) と他疾患の42名 (non DM群) の血清Al-P, C-PTH, osteocalcin, Tartarate-resistant Ac-Pを比較したところ, DM群でC-PTH, osteocalcinが有意に低値であった.
    さらに, 二次性副甲状腺機能亢進症による骨病変の影響を除外するため, DM群20名と, これと同等のC-PTH値を示すnon DM群 (C-PTH<5ng/ml) 24名で骨の生化学的指標と骨塩量, 骨密度を比較した. これら2群間の比較でも, DM群ではosteocalcinが有意に低値を示した. 骨塩量, 骨密度の測定8項目中, 上肢骨塩量と腰椎骨密度がDM群で有意に減少していた. これら骨塩測定項目と年齢, 透析歴の間には有意な相関を認めなかった.
    以上より, 糖尿病の血液透析患者では, 二次性副甲状腺機能亢進症のみならず何らかの糖尿病に起因する病態が, 低骨回転と骨塩量, 骨密度減少の原因であると考えられた.
  • 高橋 真紀, 長宅 芳男, 槇野 博史, 熊谷 功, 熊谷 智代, 平田 教至, 寺岡 暉, 太田 善介
    1994 年 27 巻 6 号 p. 967-970
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持透析導入半年後に胸腺癌を発症した非常に稀な1例を経験した. 患者は80歳男性で, 78歳時に胃癌の摘出術を施行された. 糖尿病の治療を17年間続けていたが, 腎機能が悪化したため1992年7月に血液透析へ導入した. 同年10月から前縦隔の腫瘤を認め悪性腫瘍を強く疑ったが, 患者と家族の希望により経過を観察していた. 食欲低下や咳嗽, 胸水の貯留などが出現したため, 1993年4月に当科へ入院したが入院第22日目に死亡した. Necropsyを施行したところ病理組織検査で胸腺癌と診断した. 我々が検索した限りでは, 透析導入後に胸腺癌が発生した報告はなく, わずかに胸腺癌の摘出後7か月目に悪性高血圧のため急激に腎機能が悪化し, 最終的に維持血液透析を施行された全身性進行性硬化症の1例が報告されているだけである. しかも, 本症例では透析導入2年前に胃癌の摘出術を受けており, 透析患者の悪性腫瘍の発生要因や発生時期を考えるうえで興味深い症例と思われたため報告した.
  • 松田 淳, 阪倉 民浩, 上水流 雅人, 寺田 隆久, 金 昌雄, 山川 眞, 入谷 純光, 橋中 保男
    1994 年 27 巻 6 号 p. 971-974
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は68歳男性. 会陰部痛を主訴に当科を受診した. 前立腺癌の腫瘍マーカーであるPAP, PSA, γ-Smはすべて上昇, 経直腸的超音波検査にても前立腺癌が疑われ前立腺生検を施行したところ中分化腺癌が検出されたため除睾術を施行した. 透析患者に発生した前立腺癌の報告は少なく健常人と比較して発生率が有意に高いかどうかは不明であるが, 前立腺癌は現在増加傾向にあり, 透析患者においても定期的な検査をするのが望ましいと思われた.
  • 吉田 和清, 小林 弘之, 針谷 哲, 小田 弘隆, 岡崎 悦夫, 成田 一衛
    1994 年 27 巻 6 号 p. 975-979
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    心臓カテーテル検査後に腎機能障害を認め, 開放腎生検でコレステロール塞栓症と診断し, その後腎不全の進行により血液透析 (HD) と腹膜透析 (PD) を施行した1例を経験した. 本例は, 痴呆と全身衰弱が進行し, 心不全が原因で死亡した. 剖検では, 大動脈壁に高度の粥状硬化, 全身の諸臓器 (顎下腺, 甲状腺, 肝, 脾, 膵, 空腸, 回腸, 副腎, 精巣, 前立腺) の動脈内に広範なコレステロール塞栓を認めた. これらの所見は, HD時に毎回使用した抗凝固薬により, 大動脈粥状硬化部位からのコレステロール結晶の遊離が持続したことも原因と考えられた. このことから, 本症の透析療法ではPDを第一選択にすべきであると考えられた.
  • 渡邉 百合子, 酒見 隆信, 内田 昌子, 池田 裕次, 長野 善朗
    1994 年 27 巻 6 号 p. 981-984
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は37歳の女性. 9歳頃より副鼻腔炎を繰り返し, 20歳で全身性の紫斑, 23歳で鼻中隔壊死が出現し, 27歳でWegener肉芽腫症 (WG) と診断された. その後prednisolone (PSL) 60mg/日と, cyclophosphamide (CY) の治療によりWGによる炎症所見は改善したが, 次第に腎機能が低下し35歳でCAPDを導入した. CAPDによりBUN 40-50mg/dl, Cr 7-8mg/dlと, 腎不全のコントロールは良好であり, WGに対してはPSL少量投与を行っていた. 3年後, 突然空洞を伴う肺病変が出現し, WGの再燃を疑いPSL 60mg/日, CY 50mg/日を投与し改善した.
    WGでは上気道, 下気道病変は腎病変に先行して出現することが多いといわれており, 腎病変のあとに肺病変が出現した本症例は非典型的な臨床経過をたどったWGの1例と考えられた.
  • 笠井 健司, 辻本 文雄, 加藤 尚彦, 佐治 正勝, 徳田 忠昭, 川口 良人, 酒井 紀
    1994 年 27 巻 6 号 p. 985-989
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は42歳, 女性. 慢性糸球体腎炎由来の慢性腎不全のため, 10年来の血液透析歴を有する. 入院1年前より大腿四頭筋腱, 膝蓋腱およびアキレス腱の圧痛, 運動時痛が出現した. 非ステロイド性消炎鎮痛剤の投与, 副腎皮質ステロイド剤局注を行ったが症状は改善せず, 硬膜外麻酔も効果は一時的であった. 入院時血清Ca濃度10.2mg/dl, P濃度8.4mg/dl, ALP活性186IU/l (正常値110-320IU/l), HS-PTH濃度54,000pg/mlと高P血症と二次性副甲状腺機能亢進症を認め, 超音波検査で副甲状腺2腺の腫大を確認し得た. また, 骨シンチグラムで大腿四頭筋腱およびアキレス腱へのRI集積が認められ, 膝蓋腱の生検標本にて石灰沈着が確認された. 以上の所見より異所性石灰沈着が腱の疼痛の原因であると考えられた. 約1か月の血清P濃度のコントロールしたが臨床症状に改善が認められなかったため, 腫大副甲状腺に対してpercutaneous ethanol injection therapy (PEIT) を施行した. その結果, 血清HS-PTH濃度が15,000pg/mlに減少したのに伴って腱の疼痛は改善, 骨シンチグラム上腱へのRI集積は消失した. 二次性副甲状腺機能亢進症の合併症として腱の断裂がよく知られているが, 本症例は異所性石灰沈着が腱の疼痛の原因となった稀な症例であり, その治療にはPEITによる二次性副甲状腺機能亢進症のコントロールが極めて有効であった.
  • 中村 道郎, 本田 宏, 林 武利, 広谷 紗千子, 竹内 丙午, 片山 修, 波多野 道康, 幕内 博康
    1994 年 27 巻 6 号 p. 991-995
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析を行っている腎不全患者の食道粘膜癌に対し, 内視鏡的粘膜切除術を行い, 術中術後ともに合併症もなく順調に経過した1例を経験したので報告する.
    症例は, 66歳男性, 透析歴2年で, 定期検診で施行された上部消化管内視鏡にて下部食道に, ヨード不染性のIIb様病変を発見された. 生検の結果食道癌と診断し, 精査の上, 粘膜切除術の適応と考え内視鏡的粘膜切除を施行した. 術中術後, 出血などの合併症もなく順調に経過し, 術後のQOLにほとんど影響を与えず, 術後7日目に退院した.
    血液維持透析の患者に対する内視鏡的粘膜切除術は本邦で初めてと思われるので, その手技と術後管理について若干の文献的考察を加え報告する.
  • 田村 功一, 高木 信嘉, 山口 聡, 岩本 彩雄, 滝沢 利一, 南澤 真弓, 矢花 真知子, 高橋 大介, 川名 一朗, 牛窪 利明, ...
    1994 年 27 巻 6 号 p. 997-1001
    発行日: 1994/06/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    今回, 我々は, 肝硬変に伴う意識障害に対して, 血液濾過透析が著効した, 維持血液透析下の慢性腎不全の1例を経験したので報告する. 患者は, 53歳, 女性で, 以前よりC型肝炎の進行による肝硬変の治療を受け, また, 腎機能低下の進行のため維持血液透析を受けていた. 平成4年9月28日, 意識障害のため入院した. 高アンモニア血症による肝性昏睡の進行が原因と診断し, 高アンモニア対策と血液透析を施行したが, 意識障害の軽減は見られずさらに悪化したため, 高性能膜を用いた血液濾過透析を行ったところ, 血中アンモニア濃度の低下と意識障害の改善が認められた. 慢性腎不全において, 肝硬変による肝性昏睡を合併した場合には, 血液濾過透析が有効と考えられた.
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