日本透析医学会雑誌
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28 巻 , 12 号
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  • 木村 玄次郎, 小川 聡
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1507-1511
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 小野 満也, 澤 仁子, 長谷 蔦枝, 小林 和男, 水間 順子, 宮沢 初江, 小池 桃子, 池添 正哉, 山口 博, 佐藤 博司
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1513-1517
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    当院の血液透析患者中, 高齢および精神身体に障害をもつ患者は, 昭和62年には22例 (血液透析患者98例中22.5%), 平成5年には43例 (120例中35.8%), 平成6年には47例 (140例中33.6%) と増加しており, 血液透析に通院することが困難な患者のうち, 6例が4つの施設に入所していた. 施設のスタッフ85名に対してアンケート調査を行ったところ, 透析患者に対して74%が「食事・水分管理」「緊急時の対処」「シャント管理」などに不安を感じており, 「通院送迎」も負担と感じていた. すべての施設で事前に勉強会が開かれていた. 通院困難な血液透析患者は, 入院生活を送るよりも, 老人ホームなどの施設に入所しながら透析に通院するほうが生活の質は高い場合も考えられ, 透析患者の施設入所は重要であると思われる. そのためには病院と施設とが緊密な連携を保つ必要があると思われた.
  • 弓田 滋, 関野 宏, 鈴木 富夫, 高橋 壽, 藤倉 良裕, 野月 満, 山内 茂樹, 竹澤 順一
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1519-1523
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血清カルシウム (Ca) の正常化に比較的高用量の活性型ビタミンD製剤の投与を必要とし, 同製剤の吸収障害が疑われる慢性透析患者がしばしば経験される. 我々は肝硬変を合併し, 1,25-dlhydroxyvitamin D3(1,25(OH)2D3) の吸収障害が疑われた症例に対して脂溶性ビタミンの吸収を改善するとされる胆汁酸製剤, ursodeoxycholic acid (UDCA) の投与を試み, 血中1,25(OH)2Dの上昇と二次性副甲状腺機能亢進症の著明な改善, さらに1,25(OH)2D3の維持量の減量も可能であったことを経験し, 今回, この効果をさらに16例の透析患者で確認した. 医療法人宏人会で維持血液透析中の症例のうち, 1,25(OH)2D3が投与されている16例を対象に, 体重 (kg) 当たり10mg/dayのUDCAを3回に分けて投与し, 投与前および4週間後の血中1,25(OH)2Dの値の変化を観察した. 血清胆汁酸はHPLCを用い, 血中1,25(OH)2Dは簡易カラムにて精製後, ウシ乳腺1,25(OH)2D受容体を用いたRRAにて測定した. UDCA投与4週間後, 血清胆汁酸におけるUDCAの比率は有意に上昇し, 血中1,25(OH)2Dの値も有意に上昇し, UDCAの投与が1,25(OH)2D3の吸収を促進することが示唆された. 以上の結果より1,25(OH)2D3の吸収障害が疑われる慢性透析患者に対するUDCAの投与は有用であると考えられた.
  • 川畑 信也, 鶴田 良成, 桐生 宏司, 桜内 靖浩, 成田 眞康
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1525-1531
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析に伴う脳梗塞の臨床像を脳出血と比較し検討した. 対象は脳梗塞9例 (平均発症年齢66.3歳, 平均透析期間77.2か月) で, 比較対照群として脳出血21例 (同63.1歳, 56.0か月) を用いた. 脳梗塞群の臨床像を脳出血群と比較すると, (1) 脳梗塞の急性期の死亡率は低い (22.2%), (2) 脳梗塞では心疾患歴が高い, といった特徴が挙げられる. 脳梗塞の臨床病型の特徴として, (1) 頭蓋内主幹動脈に血栓性あるいは塞栓性の閉塞が起こりやすく, 中等大から広範囲に及ぶ梗塞巣が出現しやすい. 一方, ラクナ梗塞は少ない. (2) 多様な発現機序に基づいた脳梗塞がみられる. (3) 血行力学的な灌流障害に基づく脳梗塞の頻度が高い. とくに, 血液透析患者では血行力学的な機序に基づく脳梗塞が発現しやすい.
  • 藤森 明, 内藤 秀宗, 宮崎 哲夫, 吾妻 眞幸, 橋本 幸枝, 堀川 聖三郎, 尾畠 昭二, 松藤 昭宏, 武本 博子
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1533-1538
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    7種類の透析膜を使用し, 血液透析 (HD) および血液透析濾過 (HDF, 10L置換) での物質除去性能をβ2-ミクログロブリン (β2-MG) をマーカーとして比較検討した. 非対称構造膜であるpolysulfone (PS-1.6UW), polyamide (Polyflux 130, Polyflux 160), polyacrylonitrile (PAN-17DX) ではHDFでHDよりもβ2-MG除去能が向上し, それぞれ73%, 68%, 70%, 64%の除去率が得られた. 一方, 均一膜であるcellulose triacetate (FB-170U, FB-170E) は, HDFでもβ2-MG除去率がそれぞれ52%, 45%と低かった. また, PMMA (BK-1.6U) ではHDとHDFでβ2-MG除去率にほとんど差がなく, それぞれ61%, 62%であった. PMMA以外の膜では, β2-MGに対する篩い係数 (SC) はHDよりもHDFで低下し, また時間経過によりさらに低下した. この傾向はFB-170Uで特に顕著でありHDFでβ2-MG除去率が向上しない原因と考えられた. FB-170Uは他の膜に比べてプロラクチンに対するSCや除去率が高く, またアルブミンの漏出が比較的多い傾向を示した. 以上より, HDFに使用した場合FB-170Uでは, 膜の劣化が起こりやすいためβ2-MG除去率の飛躍的向上はなく, さらに有用蛋白の漏出も多くなるものと思われた.
  • 大原 一彦, 玄田 拓哉, 藤森 勝也, 八木 一芳, 後藤 俊夫, 小田 栄司, 桜井 金三, 関根 厚雄, 阿部 道行, 飯泉 俊雄, ...
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1539-1544
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者における食事後の血圧低下について検討した.
    血液透析患者17例を対象として, 食事前30分から食後1時間まで座位を保持し, 自動血圧計ABPM630を用いて2分ごとに血圧を測定した.
    食事前安静座位の血圧と食後10分ごとの血圧を比較すると, 有意な (1%の危険率) 低下を示した症例が8例認められた. このうち, 一過性の低下を示した症例が4例, 持続的低下を示した症例が4例であった. 一過性低下の4例の原疾患は, 慢性腎炎3例と慢性腎孟腎炎1例で, 糖尿病を認めなかった. 持続的な低下を示した4例の原疾患は, 糖尿病性腎症の2例と慢性腎炎に糖尿病の合併した2例であった. 前者2例の糖尿病歴は20年と22年, 後者2例の糖尿病歴は7年と8年であった. すなわち, 持続的低下症例全例に糖尿病が認められ, 一方, 糖尿病症例からみると6例中, 4例に持続的低下が認められた.
    血液透析患者の血圧日内変動を含めた血圧管理において, 特に糖尿病例で, 食事後の血圧低下に留意する必要があると考えられた.
  • 朝長 香, 飯高 喜久雄, 中村 信也, 北條 みどり, 酒井 糾
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1545-1550
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    小児腹膜透析患者9例 (5歳-19歳, 平均12.1歳) に腹膜平衡機能検査 (PET) を行い合わせ, アルブミンを用いて腹腔内リンパ吸収量を測定した. 腹膜平衡機能は4例にhigh, 5例にhigh averageと腹膜透過機能は亢進していた. リンパ吸収量は個人差が大きく見られたが, 9例中5例は100ml/回以下, 平均46ml/回と比較的少なく, 4例は100ml/回以上で平均539ml/回と亢進していた. 高濃度の透析液を用いても除水量100ml/回以下と不良な児が2例いたが, 腹膜平衡機能は2例ともhighであり, リンパ吸収量は190ml/回, 396ml/回であった. 除水不良の原因として腹膜機能の亢進は考慮できたが, リンパ吸収の亢進によるものは考慮しにくかった. PETおよびリンパ吸収試験は, 腹膜透析患者の除水不良の原因を追求する上に必要な検査と思われるが, 今回の検討では有用であるとは-概にはいえなかった. また, アルブミンを混注した透析液の使用により, 腹痛あるいは, 腹部不快感を訴えるものが, 9例中6例に見られた. 腹膜機能に影響を及ぼす可能性も示唆され, 今後このような腹膜刺激症状を呈さない物質を用いて腹腔内リンパ吸収量を測定すべきと考えられた.
  • 鎌田 貢壽, 内田 満美子
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1551-1558
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    目的: 増加しつつある高齢透析患者の身体的特徴と生活状況を調査し, 解決すべき問題点を明らかにする.
    方法: 以下の項目について比較した. I) 1982-83年, 1992-93年の各24か月間の血液透析導入患者の年齢構成と原疾患. II) 1982-83年に血液透析を開始した70歳以上と50-59歳の患者の10年生存曲線. III) 維持血液透析患者で70歳以上の患者 (H群) と50-59歳の患者 (M群) について検討した1) 年齢, 性, 透析歴, 2) 糖尿病性腎症患者の比率, 3) 視力障害, 4) 歩行障害, 5) 心肺機能, 6) body mass index (BMI), 7) 標準体重 (SBW), 8) dry weight (DW), 9) DW/SBW比, 10) 心胸比, 11) 透析時体重増加率, 12) 1週間の総除水量, 13) KT/VUREA, 14) 血清総蛋白, 15) 血清アルブミン, 16) 血清ナトリウム, 17) 血清カリウム, 18) 援助可能な同居者の数, 19) 透析施設への通院方法.
    結果: I) 92-93年の血液透析導入患者は, 82-83年に比べて, 70歳以上の患者が増加し, 30歳代の患者が減少した. II) 10年生存率は, 70歳以上で10%, 50歳代では77%で, 生存曲線も両者に差を認めた. III) 1) 透析歴は, H群でM群に比し短く, 2) 糖尿病患者比率は両群に差を認めなかった. 3) 視力障害, 4) 歩行障害, 5) 心肺機能のいずれもH群で有意な機能低下が見られた. 6) BMIは, H群で低値を示した. 8) DW/SBW比は, H群で95±12%, M群で100±12%と差を認めた. 10) 心胸比は, H群で49.3±4.6%, M群で45.8±4.2%と差を認めた. 11) 透析時体重増加率, 13) KT/VUREA, 14) 血清総蛋白に差を認めなかったが, 15) 血清アルブミンは, H群で低値を示した. 19) H群で自力通院が可能な者は30%に止まり, 入院透析者を12%認めた.
    結論: 高齢透析患者は, 身体機能障害のために, 外来通院透析が困難な例が多い.
  • 荻原 雅彦, 鈴木 孝行, 梅田 弘幸, 白岩 康夫, 斎藤 友義, 野口 雅継
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1559-1564
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血清リン (P) 値のコントロールがなされないまま, 高カルシウム (Ca) 血症が持続したために生じたと思われるtumoral calcinosisを伴ったCAPDの1例を経験した. 自験例においては, 高P血症の強力かつ急速な是正に努めながら, 併せて6か月間にわたるcalcitonin製剤 (ECT) の投与を行ったところ, 症状および異所性石灰化像の劇的な改善をみた.
    症例は53歳男性, 5年来CAPD療法を施行中であったが, 蛋白摂取過剰によると思われる高窒素血症, 高P血症が持続していた. 平成6年6月, 左肘関節部の腫張疼痛を主訴に当科CAPD外来を受診したところ, 左肘および膝関節周囲に異所性石灰化が認められた. ちなみに, 炭酸Ca 1.5g/日, 1α(OH)D3 0.5μg/日を内服中であった. 血液生化学的所見上, 補正Ca値, P値はそれぞれ11.2mg/dl, 6.9mg/dlと高値を示し, intact-PTHも軽度上昇していたが, アルカローシスは存在しなかった. 以上より, Ca, P過剰に起因した異所性石灰化, 殊にtumoral calcinosisによる関節障害と診断した. Ca, Pの是正を目的に, 1α(OH)D3を休薬の上2.5mEq/lの低Ca濃度透析液を用いたCAPD (8l/日) とともに, 2.5mEq/lの低Ca濃度透析液を用いたHD (3回/週, 4時間) を施行し, またECT 40単位を週3回投与した. 治療後速やかに自覚症状の著しい改善を認め, かつ血清Ca, P値も低下したため, HDを終了し炭酸Ca投与量を増量した (1.5→2.5g/日). その後血清補正Ca値は再上昇傾向を認めたが, 血清P値, Ca, P積は低値に保たれ, 治療開始6か月後には異所性石灰化像は消失した.
    本療法は, tumoral calcinosisの保存的治療の一つとして, 外科的切除の前に試みる価値があると考えられた.
  • 井上 啓司, 加藤 周司, 計良 夏哉, 里田 雅彦, 森本 聡, 寺田 幸治, 立川 弘孝, 井田 和徳, 塩見 朗
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1565-1569
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性血液透析中に閉塞性動脈硬化症を合併し, 抗生剤投与によるビタミンK (VK) 欠乏のために著明な出血傾向を認めた稀な症例を経験したので報告する. 症例は70歳, 女性で, 糖尿病性腎症による慢性腎不全のため血液透析中であった. 右拇趾外傷後爪周囲炎となり右下腿の壊死をきたし, 当院整形外科に下腿切断のため入院した. 入院時より炎症に対してcefazolin (CEZ) 4g/dayが投与された. 入院1週間後, 出血傾向が出現し内科紹介となった. 検査所見では血小板数は正常であったが著明なプロトロンビン時間, 活性化部分トロンボプラスチン時間の延長とトロンボテスト, ヘパプラスチンテストの低下がみられた. 凝固因子は第II, VII, IX, X因子が著明に低下, 第V, VIII, XI, XII因子やvWFは正常であった. PIVKA-IIは著明に上昇していた. 以上から凝固系異常の原因としてVK欠乏が考えられた. 新鮮凍結血漿とビタミンK2製剤であるmenatetrenoneを20mg静脈投与し, CEZによるVK欠乏症の可能性を考え中止した. 新鮮凍結血漿とmenatetrenone投与翌日にはトロンボテスト, 凝固系検査やPIVKA-IIも正常化した. 右下腿切断術を施行されたが, 止血は容易で無事手術を終了した.
  • 矢島 愛治, 稲生 綱政, 大坪 修, 桧垣 昌夫, 吉田 英機
    1995 年 28 巻 12 号 p. 1571-1574
    発行日: 1995/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    非特異性小腸潰瘍は, 稀な疾患とされている. 特に慢性透析患者に発生した小腸潰瘍の報告は本邦では, まだない. 我々は, 原発性非特異性小腸潰瘍で穿孔をきたした-症例を経験したので報告する. 症例は, 68歳男性. 週3回の外来透析を行っていたが, 右上腹部痛を訴え, 同部位に腹膜刺激症状を認めたため精査, 加療目的にて入院となった. 超音波検査, CTにて胆石症とそれに伴う胆嚢炎と診断し, 抗生物質にて経過観察するも症状の改善がないため, 試験開腹を行った. 胆嚢内に結石を認めるものの強い炎症所見はなかった. しかし, 回腸終末部より約25cmの所に単発性の小腸潰瘍穿孔が存在し, 小腸部分切除, 端々吻合術を施行した. 穿孔部位を健常な腸管が被っており腹膜炎症状が限局しているため診断が困難であったと思われた. 病理組織所見では, HE染色で潰瘍形成部に強い炎症性細胞浸潤と線維増生を認めた. Congo red染色を行い, 潰瘍形成部と非潰瘍部を比べた結果, 血管内皮へのアミロイド沈着は両者に同様に認め, 潰瘍形成とアミロイドーシスによる血流障害とは関連性が認められなかった.
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