日本透析医学会雑誌
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28 巻, 2 号
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  • 第39回日本透析医学会ワークショップより
    大平 整爾, 三木 隆己
    1995 年 28 巻 2 号 p. 117-124
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第39回日本透析医学会教育講演より
    丸茂 文昭, 広江 道昭
    1995 年 28 巻 2 号 p. 125-130
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 飛田 美穂, 角田 隆俊, 武林 祥裕, 倉田 和久, 中村 一賀, 北村 真, 平賀 聖悟, 佐藤 威, 久保田 光博
    1995 年 28 巻 2 号 p. 131-138
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    1-25(OH)2D3大量間欠療法で治療が困難なアルミニウム (Al) 骨症合併二次性副甲状腺機能亢進症 (2°HPT) 透析患者を対象として副甲状腺摘出術の有効性につき検討した.
    透析歴10年以上のAl骨症合併2°HPT患者3例に副甲状腺摘出術 (PTX) を施行し, その後の骨病変の改善状態をmultiple scanning X-ray photodensitometryによる骨密度測定 (MD/MS法) により評価するとともにCa・骨代謝以外に対するPTXの効果について検討し次のような結果を得た.
    1. PTX後desferrioxamine (DFO) によるAl除去を血液濾過透析 (HDF) に併用することにより骨塩量 (ΣGS) および骨密度 (μ') はともに著明に増加し, 骨病変は著明に改善した. 2. PTX後にDFOによるAl除去が行われなかった1例において, PTX後一過性にΣGSおよびμ'の低下をきたし, 骨病変はさらに悪化したが, DFOによるAl除去をHDFに併用することにより漸次ΣGSおよびμ'の増加をきたし骨病変の改善が得られた. 3. PTX後3例ともに貧血の改善, 咳嗽発作の消失を認め, QOLの著しい向上を示した. また1例においては心機能の著明な改善を認めた.
    以上よりAl骨症合併2°HPT症例に対するPTXは必ずしも術前に十分なAl除去が行われていなくとも, 術後十分なAl除去が行われればhungry boneに陥ることなく良好な骨病変の改善が期待できる. また, 骨病変の改善以外に貧血, 咳嗽, 心機能およびQOLの改善が期待できる.
  • 道本 真保, 藤乗 嗣泰, 岡 一雄, 鷹觜 徳子, 沼部 敦司, 八木 繁
    1995 年 28 巻 2 号 p. 139-144
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    パラコート中毒は農村部のことが多く, 血液吸着療法の発達した現在でも予後はよくない. 獨協医科大学で過去18年間に経験したパラコート中毒36例について予後を決定する因子を検討した. 消化器症状, 粘膜刺激症状の出現率は生存群死亡群で差はないが, 死亡群でのみ来院時28%にショック症状がみられた. 治療開始までの時間は生存群では全例2時間以内であった. 来院時検査では白血球数 (16,300±1,360 vs 9,500±2,570/mm3, 死亡群vs生存群, p<0.05), 血中amylase値 (510±100 vs 176±28Dye・U/dl, p<0.01), GOT (70±21 vs 24±3KU, p<0.05), GPT (46±14 vs 19±4, p<0.01) が死亡群で生存群に比べ有意に増加していた. 尿中パラコート濃度は生存群では30ppm以下で服用量も有意に少なかった. パラコート服用量, 2時間以内の初期治療が救命の重要な因子であり, 予後推定には白血球数, amylase値, transaminase値が有用であると考えられた.
  • 吉田 京介, 川俣 泰男, 大友 晋
    1995 年 28 巻 2 号 p. 145-150
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    ジクワット剤・パラコート剤中毒の予後を推定する目的で, 予後に影響を与える諸因子について検討した. 1987年6月から1994年5月までの7年間に当院で治療したパラコート中毒患者数は34例であった. 34例中9例が救命できたが, 25例は死亡し, その死亡率は73.6%であった. パラコートジクロリドを24%含有する製剤にして10ml以上の多量服薬例, 尿中パラコート定性強陽性例, あるいは来院後早期に血圧低下がみられた症例の予後は特に不良であった. また, これら3所見のうち2所見以上を有するものの予後は極めて不良で, 17例全例が死亡した. 現時点では, 血中パラコート濃度からその予後を推定するのが最も妥当とされる. しかし, 血中濃度が測定できない場合, あるいは服薬後時間がわからない場合でも, 本人あるいは家人から聞き出した服薬量, 尿中パラコート定性結果および血圧の推移から, 予後推測は可能であると考えられた.
  • 岩田 次郎, 大西 孝宏, 菅 孝明, 長谷川 陽, 鍋島 一雄, 浜田 実, 上野 利通, 市川 毅彦, 水谷 安秀, 藤本 昌雄, 村山 ...
    1995 年 28 巻 2 号 p. 151-157
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者のC型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFN) の至適投与量を決めるために, IFN-α 2b 300万単位と600万単位を点滴静注した際の薬物動態とIFNを6か月間投与した際のIFN投与1年間でのGPT, HCV-RNA推移を透析患者8名で検討した. 薬物動態の検討にはC型慢性肝炎患者6名を対照として比較した. 透析患者の透析中と慢性肝炎患者に点滴静注した際の薬動力学的パラメーターはIFN量に関係なく差がなかった. しかし, 非透析時点滴静注した際の薬物動態では慢性腎不全の影響が見られ, 300万単位投与時の最高血中濃度は透析中投与の4.4倍, 血中濃度-時間曲線下面積は8.7倍に増加し, 半減期は6.9倍に延長しており, 600万単位投与時では最高血中濃度は5.8倍, 血中濃度-時間曲線下面積は13.7倍に増加し, 半減期は12.8倍に延長していた. IFN 300万単位投与4例と600万単位投与3例ではIFN投与1か月後, GPTは20IU/l以下に低下したが, 300万単位投与例ではIFN投与中止後, GPT値は軽度再上昇し, 投与開始より1年後のHCV-RNAは再陽性化したのに対して, 600万単位投与例では投与1年後のGPT値は15IU/l以下で, HCV-RNAは投与6か月, 1年後ともに陰性であった. IFN投与時の副作用では300万単位投与例の4例中3例にうつ状態が見られたが, 600万単位投与例には見られなかった.透析患者へのIFN療法は600万単位を透析中に点滴静注で投与開始し, 途中IFN量を300万単位に減量しても, 3か月間以上IFNを投与するのが最善と考えられた.
  • 三浦 理恵, 弓田 滋, 矢萩 恵美, 本郷 陽子, 松木 純子, 佐々木 由里子, 洞口 浩子, 鈴木 綾子, 村山 冨美子, 関野 宏
    1995 年 28 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    医療法人宏人会で血液透析中の慢性腎不全患者631例を対象に高解像度の探触子を用いて甲状腺の超音波検査を施行し, 213例 (33.8%) に嚢胞, 168例 (26.6%) に腫瘍を, さらに石灰化45例 (7.1%), 慢性甲状腺炎15例 (2.4%), 単純性甲状腺腫3例 (0.5%) 等の所見が得られた. 全体の有所見率は53.1%であり, 人間ドック等における健常人の報告 (13.5-22.3%) に比し有意に高率であった. 超音波所見上悪性が否定できず, 穿刺吸引細胞診を施行した77例中6例はclass III 以上の成績であり, うち4例と, 画像上強く悪性が疑われた3例の計7例で甲状腺全摘術が施行された. 組織診断は乳頭癌6例, 濾胞癌1例であった. 甲状腺癌の有病率 (9例, 1.4%) も健常者の報告 (0.04-0.5%) と比べ, 有意に高率であった. 以上の結果より, 血液透析患者では高率に甲状腺の病変が存在すること, さらに無症候性の甲状腺癌も認められたことから, 超音波検査は有用であると考えられた.
  • 鎌田 貢壽, 内田 満美子, 竹内 康雄, 高橋 映子, 三宅 嘉雄, 佐藤 直之, 児玉 哲郎, 山口 建
    1995 年 28 巻 2 号 p. 165-170
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    肺小細胞癌患者の優れた腫瘍マーカーであるガストリン放出ペプチド前駆体 (proGRP) 濃度測定系を開発し, 各種疾患および腎機能障害時の血中動態について検討した.
    対象は, 健常人, 肺小細胞癌患者, 慢性糸球体腎炎患者, 糖尿病患者, 慢性関節リウマチ患者, 全身性エリテマトージス患者, 腎機能障害患者, 非透析期および透析期腎不全患者とした. サンドイッチELISA法で血清中のproGRP濃度を測定した.
    腎機能が正常である慢性糸球体腎炎患者 (n=14), 糖尿病患者 (n=16), 慢性関節リウマチ患者 (n=9), 全身性エリテマトージス患者 (n=12) の血清proGRP濃度は, 健常人基準値46pg/ml以下にとどまった.
    肺小細胞癌患者の血清proGRP濃度は, 16名中14名 (87.6%) で46pg/mlを越え, 16名中10名 (62.5%) で250pg/mlを越えた. 腎機能障害患者では, 血清クレアチニン値が1.6mg/dlを越えると, 血清proGRP値が異常値を示し, 血清proGRP値 (Y: pg/ml) と血清クレアチニン値 (X: mg/dl) との間には, Y=23.5+13.6X (R=0.82, p<0.001, n=22) の正の相関を認めた. 血清proGRP値と血清尿素窒素値との間にも同様の相関 (R=0.76, p<0.001, n=22) を認めた. 末期腎不全患者の血清proGRP値の最高値は, 228pg/mlであり, 血液透析中の経時的低下を認めなかった.
    血清proGRP濃度の測定は, 肺小細胞癌患者の診断に有用であるが, 46-250pg/mlの血清proGRP異常値を示す患者では, 腎機能を考慮して評価する必要がある.
  • 徳田 倫章, 明利 浩行, 加野 資典, 熊澤 淨一
    1995 年 28 巻 2 号 p. 171-177
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持透析患者12名において, 末梢血中のCD14陽性単球のHLA-DR (DR) 抗原の発現量ならびに好中球の貪食能とphorbol myristate acetate (PMA) 刺激による活性酸素産生能 (SOP) をフローサイトメトリー法で測定し, 正常対照群9名と比較検討した. また活性型ビタミンD3, calcitriol, 1,25(OH)2D3 (1,25D3) パルス療法前後でこれらの機能の変化を検討した. 透析患者では, 正常対照群に比し単球のDR抗原の発現量 (p<0.05) ならびに好中球のPMA刺激によるSOP (p<0.001) は有意に増加していたが, 好中球の貪食能は低下傾向にあった. 透析患者の1, 25D3の血中濃度は, ビタミンD製剤の休薬後は未検出レベルと低下していたが, 1,25D3パルス療法の5μg経口投与後4時間以内に200pg/mlを超える血中濃度が認められた. 1,25D3投与により, 72時間後の単球のDR抗原の発現は有意に抑制され (p<0.001), また好中球のSOPは増強される傾向を示した. しかし好中球の貪食能には一定の作用は認められなかった.
    1,25D3が貪食細胞の種々の機能に対して明らかな作用をもつことより, 1,25D3が生体防御機構に対しても何らかの役割を果たしており, 腎不全における免疫不全状態に関与している可能性が示唆された.
  • 菊池 洋, 福井 博義, 外牧 洋之, 渡邊 治, 中下 清
    1995 年 28 巻 2 号 p. 179-186
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は透析歴12年の42歳の女性. 高度の二次性副甲状腺機能亢進症を合併し骨痛を強く訴えていた. 高アルカリフォスファターゼ血症, 副甲状腺腫大を伴っていたので副甲状腺の摘出術を勧めたが同意が得られなかったためビタミンD3のパルス療法を行ったが高カルシウム血症の出現で満足すべき結果は得られなかった. その後 “尿毒症性心筋症” によると思われる心不全が見られるようになり十分な透析 (除水) にも反応せず骨痛と呼吸困難で日常生活に著しい支障が見られるようになった. そこでメトプロロールの漸増投与と副甲状腺へのエコー下での少量頻回のethanol注入を行ったところ骨痛, 呼吸困難は消失し, 心臓の縮小と血中副甲状腺ホルモンならびにアルカリフォスファターゼ値の低下が見られ, QOLの著明な向上が見られた.
    薬剤や十分な透析に反応しない心不全を合併する二次性副甲状腺機能亢進症で副甲状腺摘出術不能例もしくは手術を拒否する例では少量頻回のethanol注入とβ-blockerの併用療法は有用な方法と思われた.
  • 佐藤 純彦, 寺岡 慧, 前田 佳子, 星野 智昭, 赤松 真, 新開 真人, 春口 洋昭, 佐藤 雄一, 北島 久視子, 君川 正昭, 藤 ...
    1995 年 28 巻 2 号 p. 187-195
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    硬化性あるいは硬化性被包性腹膜炎 (SEP) は, CAPDの最も重篤な合併症である. 我々は, 1980-93年までに5例の本症を経験した.
    症例の年齢は30-64歳, 平均48歳で, 男性3例, 女性2例である. 血液浄化法は, いずれも血液透析およびCAPDの両者を用いており, CAPDの実施期間は平均5年であった. うち1例は, CAPD開始後2年で生体腎移植を受け, 4年後慢性拒絶反応にて血液透析に再導入された症例であり, その半年後にSEPを合併した. また, 全例がCAPD期間中に1-8回, 平均4回の腹膜炎を経験している. SEPのため手術を行った例は4例で, 症例1-3には, 開腹による癒着剥離, 腸瘻造設を, また症例5には, 腹腔鏡下に癒着剥離, 腹膜生検を行った. 症例4, 5は在宅IVHおよび胃管自己挿入による腸内容の排除で経過を観察した.
    症例1-3は手術後早期に, また症例5は手術後1年で, いずれも敗血症で死亡した. 一方, 症例4は1年後の現在, 全身状態は良好である.
    SEPでは, 被包内に圧縮された腸管の循環障害, 壊死などにより敗血症を呈し死に至ると考えられる. しかし, 現時点で進行した症例に対する有効な治療法はなく, 早期診断進展の予防が重要と思われる. 開腹術後の予後は特に不良であり, 完全中心静脈栄養による保存的療法が望ましい. また, 根治的治療として今後, 全小腸摘除および同種移植なども検討する必要がある.
  • 杉澤 裕, 大澤 秀一, 木村 剛, 堀内 和孝, 長谷川 潤, 坪井 成美, 川村 直樹, 吉田 和弘, 秋元 成太
    1995 年 28 巻 2 号 p. 197-201
    発行日: 1995/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    患者は61歳女性で慢性腎不全にて12年間血液透析療法を継続していた. 21歳時に肺結核と診断された既往あり. 特に咳や熱発などなく経過していたが, 溢水による急性肺水腫と肺炎にて当科を紹介され入院. 透析療法による除水とペニシリン系抗生物質にて数日で軽快した. 3年間に12kgの体重減少があり精査中, 左足背部蜂巣織炎を発症. X線撮影では左立方骨, 舟状骨, 3個の楔状骨に骨融解像を認めた. 膿より結核菌が証明され軟部組織に波及した足根骨結核と診断された. 胸部X線, CTでは活動性結核を疑う所見はなかったが, 頻回の喀痰培養にて少数ながら結核菌が検出されたため専門施設に転院した. 足根骨結核は非常に稀な病態で, これまで国内国外合わせて99例が報告されているにすぎない. 血液透析患者では結核の発症が多いとされるが, 足根骨結核の報告はないため我々の経験した症例を報告した.
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