日本透析医学会雑誌
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28 巻 , 3 号
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  • 佐藤 威
    1995 年 28 巻 3 号 p. 211-218
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 野本 保夫, 川口 良人
    1995 年 28 巻 3 号 p. 219-223
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 伊東 三喜雄, 澤西 謙次, 松島 宗弘, 浜田 勝男, 澤田 克徳, 岡村 康彦, 下坂 幸正, 相馬 隆臣, 久世 益治, 伊藤 坦, ...
    1995 年 28 巻 3 号 p. 225-231
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    長期透析患者の腎性骨異栄養症 (ROD) 特に二次性副甲状腺機能亢進症に対するvitamin D3と炭酸Caを投与した上にelcatonin®を併用してその有効性を骨シンチグラフィーによる定量的評価とDEXA法による骨密度により検討した. 対象は週3回血液透析をうけAL-Pが10 KAU以上で骨関節痛を訴える患者を選んだ. 活性型vitamin D3の投与量を各患者で一定とし炭酸Caの投与量により血清Ca値が9-11mg/dlになるように調整した.
    骨シンチグラフィーを行い視覚的分類にて二次性副甲状腺機能亢進症のパターンを示す症例12名を対象とした. elcatonin®投与群 (ECT群) の7例には透析毎に80単位のelcatonin®を6か月間点滴静注し, 残りの5例は対照群として比較検討した. HS-PTHと血中free hydroxyproline (OH-Pro) 値は両群とも高値であり, この研究期間中変化なく推移した. ECT群でAL-P値と酒石酸耐性酸性フォスファターゼ (TRACP) 値は低下し, DEXA法による腰椎骨密度 (L2-4 BMD) は有意 (p<0.05) に増加した. 骨シンチグラフィーの視覚的評価とRIカウント数による定量的検討においてもECT群の方が対照群に比べて改善が認められた. AL-P, HS-PTHが高く骨シンチグラフィーで二次性副甲状腺機能亢進症を示すROD患者を選んで, vitamin D3とelcatonin®の併用療法を行うとTRACP値の低下, 腰椎骨密度の増加, 骨シンチグラフィー所見の改善があった.
  • 桜井 俊宏, 古谷 裕章, 田部井 薫, 浅野 泰
    1995 年 28 巻 3 号 p. 233-238
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全では急性膵炎の頻度が高く, その原因あるいは増悪因子として耐糖能異常, 高脂血症, 二次性副甲状腺機能亢進症などが考えられている. そして日常臨床において維持血液透析 (HD) 患者では高amylase血症をみることが多い. 今回我々は, 安定維持HD患者, 安定維持CAPD患者での血清amylase値を検討し, その背景を比較検討した. 対象は, 維持HD患者60例と, CAPD患者42例である. HD患者での血清amylase値は251.4±11.5mU/ml (n=60), CAPD患者では315.1±17.6mU/ml (n=42) で, CAPD患者で血清amylaseが有意に高値であった. HD患者では正常値を越えているものが60例中38例 (63.3%), CAPD患者では42例中34例 (81.0%) であり, CAPD患者での高amylase血症の頻度が高かった. 透析患者の急性膵炎の原因と考えられている耐糖能障害, 高脂血症, 二次性副甲状腺機能亢進症, vitamin D中毒などは, 高amylase血症の原因ではないと考えられた. CAPD患者で著明な高amylase血症を呈した症例では, 排卵日出血による血性排液, 腹膜炎, あるいはその治療としての抗生剤の腹腔内投与, 膵cystadenoma, 慢性膵炎などの症例があった.
  • 千葉 栄市, 澤村 祐一, 菅原 剛太郎
    1995 年 28 巻 3 号 p. 239-245
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性血液透析症例において血清PとPTHの関係を検討した.
    慢性血液透析症例 (123例) において, PとCa++の間には負相関が, PとPTHの間には正相関が認められたが, Ca++とPTHの間には有意の関係は認められなかった. 1年以上の経過を追えた慢性血液透析症例 (36例, 420検査) において, PとHS-PTHの間には正相関が, Ca++とHS-PTHの間にも正相関が認められた. PとCa++の間には有意の関係は認められなかった.
    Pを1.0mg/dl毎に分類したPの各群において, Ca++には差は認められないが, HS-PTHはPが増加するに従って上昇が認められ, 5mg/dl, 6mg/dl, 7mg/dlの3群のHS-PTHは, 4mg/dl以下の群のHS-PTHに比較して有意の高値が認められた. また, Pの4mg/dl未満群, 4-6mg/dl群, 6mg/dl以上群の3群において, Ca++には差は認められなかったが, 4mg/dl未満群のHS-PTHは10.5±13.4ng/mlで, 4-6mg/dl群のHS-PTHは18.8±20.2ng/mlで, 6mg/dl以上群のHS-PTHは23.2±20.8ng/mlであり, Pの高値群ほどHS-PTHは有意に高値を示していた. また, HS-PTH 15ng/ml以上群のPは6.4±1.6mg/dlであり, HS-PTH 15ng/ml未満群のPの5.7±1.6mg/dlに比し有意の高値を示していた. なお, このときのCa++はHS-PTHの高値群で高値を示していた.
    慢性血液透析症例において, PのCaを介したPTH分泌刺激機構のほかに, PがCaを介さずにPTH分泌を刺激する調節機構の存在することが推測された.
  • 久米井 和彦, 太尾 泰雄, 横瀬 誠治
    1995 年 28 巻 3 号 p. 247-252
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    ダイアライザーの抗血栓性に関して血液回路からの流入状態による影響を調べるため, 直立流入ホルダーを作成し血液回路ポート流入前の直立長を変化させポート部形状の異なる各種ダイアライザーを比較検討した. 評価ダイアライザーはTF-1500H (TF), PS-1.6UW (PS), BK-1.6F (BK), CL-SU15N (CL), PAN-13DX (PAN) とした. 血液回路ポート流入前の直立長は0mm, 50mm, 100mm, 150mmに設定しポート内に電極を装着し流動状態の変化を測定回路に疑似血液を循環させ, 電圧差により開始30 sec, 7min値を各10回測定し評価した. 動脈側30sec では各電極の差積算値の平均値と直立チューブ長との間に, CLを除き, 正の相関が認められた. 各電極の差積算値の標準偏差および各電極の最大と最小の幅は直立チューブ長と負の相関傾向が認められた. 直立チューブ長の延長によりポート内の流れの中央指向性を高め, 中央部と周縁部の流れの差を大きくするが周縁部各点の流れの差 (偏流) を小さくする整流効果が確認された. 実際我々は臨床において直立専用ホルダーの装着によりポート部および透析膜内の凝血に対する効果を得ており, ポート部形状の異なるダイアライザーに対し直立長を変化させることが抗血栓性に対し, 重要な影響を及ぼしていると考えられる.
  • 菅谷 公男, 宮形 滋, 西沢 理, 能登 宏光, 小浜 丈夫, 下田 直威, 鈴木 一正, 小倉 泰伸, 北島 正一, 立木 裕, 田辺 ...
    1995 年 28 巻 3 号 p. 253-259
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者のなかには非透析時には食後に低血圧症状を呈さないのに, 透析中の食後に急激に低血圧となり, 透析続行が困難となる例がいる. そこで, 血液透析中に食事性低血圧症 (PPH) を発現する患者 (PPH (+) 群, n=7) と食後も比較的安定した透析を行える患者 (PPH (-) 群, n=11) を対象にPPHの発現に関与する因子を検討した. PPH (+) 群とPPH (-) 群の間で, 年齢, 原疾患, 合併症, 透析期間, CTR, ECG異常, 血液学検査, 透析前後の血液生化学検査, 除水量と食事前後の血糖値にPPHと関連すると思われる項目を見出せなかった. PPH (+) 群とPPH (-) 群で有意な差があったのは, 食後の脈拍数の変化と移動能力であった. 食後の脈拍数はPPH (-) 群で増加が6例, 不変4例, 減少が1例であったのに対し, PPH (+) 群では不変が3例, 減少が4例と食後に脈拍数の減少する例が多かった. 移動能力に関しては, PPH (-) 群では全例自立移動ができていたのに対し, PPH (+) 群では7例中自立移動していた例は2例のみで, 5例は移動に車椅子介助を要していた.
    PPHは交感神経機能障害が原因とされており, また, 除水中は反射性交感神経活動が抑制されることが報告されている. 従って, 透析中は非透析時よりもPPHが発現しやすい状況にあり, 運動不足からくる反射性交感神経活動の低下が透析中のPPH発現に関与している可能性が考えられた.
  • 柴田 昌典, 内山 秀男, 福島 光夫, 谷口 信吉, 宇佐美 一政
    1995 年 28 巻 3 号 p. 261-265
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    鉄欠乏状態にあり, 貧血治療の目的で静注鉄剤を投与したところ, 血中intact-PTHレベルの顕著な低下を認めた4例を経験したので報告する. いずれも透析歴は4-9年と長期の維持透析を行っており, intact-PTHは145-1,050pg/mlと高く, うち2例では血清ALP活性, 血中Piともに高値であり, 二次性副甲状腺機能亢進症 (2°HPT) の状態と考えられた. 鉄剤投与によりintact-PTHは, 43-90%の低下を認め, 全例で投与中止後再上昇した. 進行した2°HPTの決定的内科的治療法のない現在, 鉄剤投与が今後一つの補助的方法として検討されるべきであろうと考えた.
  • 吉永 泰彦, 松本 光仁, 高橋 世行
    1995 年 28 巻 3 号 p. 267-274
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持透析中に胸水で発症したTリンパ腫の1例を経験したので報告する. 症例は72歳女性, 導入後6年の維持透析患者である. 左胸水, 左鎖骨上から縦隔に広範なリンパ節の腫脹あり, リンパ節生検にて悪性リンパ腫 (リンパ芽球性Tリンパ腫, stage IV) と診断される. 化学療法にて胸水の減少, リンパ節の縮小をみたが, 全身状態の悪化により入院4か月後に死亡した. 維持透析患者では定期的に胸部X線写真を撮り, 胸水貯留のみつかることも稀ではないが, 本症例のような悪性リンパ腫による胸膜炎を合併した維持透析患者の報告はなく, 貴重な1例と考え報告した. また, 肝代謝の抗癌剤, G-CSF, erythropoietinなどの使用にても, 透析患者に対する化学療法は未だ困難であることを痛感させられる症例であった.
  • 金田 幸司, 田中 克宏, 福地 聡士, 三好 信幸, 縄田 智子, 野口 隆博, 犀川 哲典
    1995 年 28 巻 3 号 p. 275-279
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持透析患者の完全中心静脈栄養 (TPN) 管理中にAMI-U®による高NH3血症性意識障害をきたした症例を経験したので報告する. 症例は74歳, 男性, 透析歴1年. 平成6年5月7日より40℃台の発熱, 右下腹部痛および同部に腫瘤を触知するため, 5月11日当院に入院となる. 入院時, 炎症所見陽性, 画像診断上, 右下腹部に6×4×7cmの腫瘤を認め腸間膜脂肪織炎が疑われた. 絶食, TPN [TPNメニュー; 輸液量1,490ml, 1,150 kcal, アミノ酸 (AMI-U® 200ml) 15g, non-prot. cal./N 605] および抗生剤投与が施行されたところ, 臨床症状, 画像診断上も改善が見られた. しかし, 嘔気, 嘔吐が持続するためTPNは継続したところ6月10日より傾眠傾向, 6月13日には昏睡となった. 昏睡時, 肝機能正常にも拘わらずNH3が186pg/dlと高値を示したため, 同日よりAMI-U®を中止しAminoleban®の投与を開始したところ, 翌朝より意識レベルの改善が認められ, 6月16日にはほぼ清明となり, 食事摂取可能となった. その後の血中NH3値は正常で推移し, 意識障害も認められなかった. AMI-U®は腎不全用必須アミノ酸製剤として頻用されているが, TPNメニューとしてAMI-U®単独で使用した場合高NH3血症, 意識障害の出現が報告されており, 投与する際はこれらの副作用を念頭にいれ, 非必須アミノ酸との混合等を行う必要がある.
  • 内田 昌子, 酒見 隆信, 池田 裕次, 馬場 直樹, 西原 学宣, 中城 博見
    1995 年 28 巻 3 号 p. 281-284
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全患者の低蛋白食療法の欠点を補うために必須アミノ酸療法がある. 今回, 私たちは中心静脈栄養中の難治性腹水のある維持透析患者に, 腎不全用必須アミノ酸製剤 (Amiyu) を投与中, 意識障害をきたした2例を経験した. 症例1は, 慢性糸球体腎炎による腎不全で血液透析歴5年の男性. 原因不明の難治性腹水が1年前より出現. Amiyu 200ml/日の投与中8日目, かつ腹水除去の翌日に振戦, 譫妄をきたした. 症例2は, ウェジェナー肉芽腫症による腎不全でCAPD歴4年の38歳の女性. 3か月前より原因不明の腹水出現. 症例1と同様の投与中2日目で譫妄に陥った. ともに低蛋白血症と原因不明の腹水があり, 血圧が低いことより循環血漿量の減少が示唆された. さらにともに芳香族の多いAmiyuを中止し, 分子鎖アミノ酸に富む肝性脳症改善アミノ酸製剤を投与後改善した. 腹水除去の直後に意識障害がおきたことと肝性脳症改善アミノ酸製剤で改善したことは, 意識障害の原因として肝性脳症が考えられたが, 2症例とも病理解剖で慢性肝炎の所見であった. これらの事実より, 肝障害があり, 循環不全のある腎不全患者に, 芳香族の多いAmiyuの投与で肝性脳症を呈する危険性が考えられ, 今後慎重な投与が望まれる.
  • 竹内 康雄, 鎌田 貢壽, 内田 満美子, 小林 豊
    1995 年 28 巻 3 号 p. 285-290
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は47歳, 男性, 糖尿病性緑内障で20%マンニトール4,500mlを点滴静注された. マンニトール投与開始翌日より, 昏迷状態となり, 意識障害の増悪, 尿量減少を認め当院へ転入院となった. 入院時, 意識昏迷で不穏状態, 皮膚はturgor低下や浮腫なく, 全体に湿潤かつ腫脹感を認めた. また, 著明な肺うっ血所見と心拡大を認めた. 生化学検査では, 血清尿素窒素44mg/dl, 血清クレアチニン6.6mg/dl, 血清ナトリウム99mEq/l, 血清浸透圧は348mOsm/kgH2Oであった. 入院時生化学検査値より計算された浸透圧値と入院時実測浸透圧値より求められたosmolar gapは, 115mOsm/kgH2Oであり, 極めて高値であった. 本例では, 腎臓からの最大排泄量を超えるマンニトールが投与されて血管内に蓄積し, 血清浸透圧が上昇した結果, 細胞内液が細胞外へ移動し細胞内液減少, 細胞外液増加の状態となり, 高張性脱水に見られる精神不穏・意識障害と細胞外液量の過剰によるうっ血性心不全・肺水腫の出現をきたしたと考えた. さらに, 急性腎不全も合併した. 血中マンニトールの除去を目的として, 入院時より低血流量 (100ml/min) で短時間 (3時間) の血液透析を2回施行し, 臨床症状, osmolar gap, 腎機能の速やかな改善を得た. マンニトールによる高浸透圧血症と精神不穏, うっ血性心不全・急性腎不全・低ナトリウム血症を呈した1例を報告した.
  • 池田 裕次, 酒見 隆信, 西原 学宣, 馬場 直樹, 力武 修
    1995 年 28 巻 3 号 p. 291-294
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は66歳, 女性. 1988年より, 慢性糸球体腎炎による慢性腎不全のためCAPD導入. 肝硬変に伴うと考えられる慢性の胃・十二指腸多発性びらん性出血のため, Ht15-20%を維持するのが精一杯の状況であった. 1994年1月1日, タール便, 著明な全身倦怠感およびHt11.9%と貧血の増悪を認めたため緊急入院. 入院後トンネル感染も認めたため, 輸血によりHt28%まで上昇させ, カテーテルの入れ替え術を施行. その際約6週間血液透析に切り替えたところ, Htは30%前後に維持され, 便潜血の消失も認められた. その後は本人の強い希望もあり, 再びCAPDを継続したが, 漸次Htは低下し, 輸血を行いながら15-20%を維持している状況である.
    本症例はCAPDが, 消化管出血を助長している可能性を示唆するもので, 腹圧の上昇や, 低蛋白血症, 透析不足等がその原因として疑われた.
  • 大西 徳信, 前川 純子, 中野 博, 松村 澄雄, 蓮池 波津世
    1995 年 28 巻 3 号 p. 295-300
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は61歳女性. 平成元年12月に血液透析導入. 平成2年9月昼間の眠気が強く, 透析中に睡眠時無呼吸を認めるため1回目の睡眠ポリグラフィーを施行し, 睡眠時無呼吸症候群と診断した. 溢水傾向を認めたため, ドライウェイトを減少させたところ, 昼間の眠気は軽減し, 透析中の睡眠時無呼吸も認めなくなった. 同年12月に2回目の睡眠ポリグラフィーを施行し, 睡眠時無呼吸の減少を認めた. 睡眠障害のある透析患者においては, 睡眠時無呼吸症候群の存在も考慮に入れることが必要と考える.
  • 浅野 学, 小口 健一, 兼松 江巳子, 北島 和一, 河田 幸道, 松本 哲哉, 山口 恵三
    1995 年 28 巻 3 号 p. 301-305
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    Campylobacter coliによるCAPD腹膜炎を経験した. 症例は55歳男性, CAPD歴は11年. 1993年10月8日に下腹部痛と下痢が出現し, 翌日にはCAPD排液の混濁を認めたため来院した. 排液中白血球数246個/μlであり, 腹膜炎の診断にて入院となった. 入院後, vancomycin 1,600mgを1回腹腔内投与した上, cefoperazone 1.0g/日の腹腔内投与を5日間行ったが効果なく, imipenem/cilastatin 1.0g/日の点滴静注に切り替えたところ, 第9病日以後には排液中白血球数は100個未満になった. 来院時排液培養の結果は, Campylobacter coliであった. さらにnorfloxacin 200mg/日の経口投与を続けていたが, 第31病日に再び排液の白濁を認めたためceftazidime 1.0g, fosfomycin 1.0g/日の腹腔内投与を行い第38病日に治癒に至った. 2回目の発症時も起炎菌は同一菌種であった. 薬剤感受性試験を参考にしてclarithromycin 400mg, ampicillin 750mg/日の2剤の投与を追加し, その後再発を認めていない. 血液, 胃液, および便の細菌学的検査では, いずれも陰性であり感染経路は不明であった.
    CampylobacterによるCAPD腹膜炎の報告例は22例あるが, C. coliが同定されたのは2例目にあたり, 極めて珍しい症例と思われる. また, 今回, clarithromycinの腹膜透析液中の濃度についても検討を行ったので併せて報告する.
  • 1995 年 28 巻 3 号 p. 310
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/03/16
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