日本透析医学会雑誌
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28 巻 , 4 号
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  • 西沢 良記
    1995 年 28 巻 4 号 p. 313-324
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    動脈硬化症は透析患者において著しく促進することが知られ, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症が動脈硬化の危険因子であり, これらの危険因子は腎不全にしばしば合併する. 同じ危険因子であっても, 腎不全患者の方が非腎不全患者より心・血管障害の危険率が高い. CAPD患者と透析患者では異なった機序による脂質代謝異常の病態が存在し, このための高脂血症表現型も異なる. 高トリグリセライド血症, 高コレステロール血症, 低HDLコレステロール血症, 高IDL血症についての病態と成因について示した. また, 我々の成績から透析患者における高脂血症に対する薬物療法の考え方, とくにクリノフィブレート, プラバスタチンを主として示した.
    血清コレステロールとアポ蛋白B/A-I比, non-HDLコレステロール, IDL-コレステロールは直線的な正の相関関係をみる. これに性・年齢を一致させた健常者の基準値から血清コレステロールの値を求めると, アポ蛋白B/A-I比では160mg/dl, non-HDLコレステロールは170mg/dlであった. IDL-コレステロールはコレステロールレベルにかかわらず高値のため健常者の上限レベルで検討し, 120-160mg/dlであった. この結果より透析患者では血清コレステロール値は治療の指標となり, 180mg/dl以下を目標値と設定し, 治療域としては血清コレステロールを200mg/dl以上と考案した.
  • 日台 英雄, 千葉 哲男, 野村 正征, 田中 健一, 内田 龍生, 有井 達朗, 小野 博文, 高木 裕, 樋口 敏夫, 三枝 宏之, 島 ...
    1995 年 28 巻 4 号 p. 325-333
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    長期血液透析例を対象とし性, 年齢, 透析歴別に超音波診断を用いた腎腫大と後天性嚢胞腎 (ACDK) 頻度との関連を調べたところ, 20-50歳代の性的活動性の高い男性でACDK合併は高頻度であるとともに男性では女性に比して透析歴の延長につれて腎腫大は著しくなる傾向を認めた.
    慢性糸球体腎炎を原疾患とする透析歴10年以上の男女を対象とし, プロラクチン, エストロン, エストラジオール, テストステロンならびに副甲状腺ホルモン, β2マイクログロブリン, 血清クレアチニン, KT/Vをはじめとする各種生化学パラメータと, 腎の腫大およびACDK合併との関連について検討した.
    典型的ACDK合併男性 (I群) と長期透析にも拘わらず萎縮腎のままの男性 (II群) 間では, 前者でプロラクチンとテストステロンが有意ではないが高値の傾向を示した. 男性のI群・II群ともに正常値よりもエストロンは低値, エストラジオールは高値であった. 女性でのIII群 (ACDK群) とIV群 (萎縮腎群) 間には, プロラクチン, エストロン, エストラジオール, テストステロン値について有意差を認めなかった. 以上の結果はConcolinoらの仮説を否定するものである. c-PTHについてはI群で高値であり, I群とIV群間で有意差を認めた. KT/Vをはじめとする値については, I群とII群, III群とIV群間で有意差はなかった. ACDK発生・発達と腎腫大については, 超音波診断上有意の性差を認めたものの, エストロゲン高値, アンドロゲン低値は認められなかった. とはいえ, テストステロン平均値がI群はII群より有意ではないものの高値であり, また女性の典型的ACDK合併腎細胞癌は2例ともメピチオスタンを長期に亘り投与されていたので, 男性ホルモンまたは男性ホルモン関連尿毒症性代謝産物のACDKおよび腎細胞癌発症に与える影響の可能性は考えられる. この点および副甲状腺ホルモンの関与についてさらに検討を行う必要がある.
  • 笠井 健司, 大塚 泰史, 佐治 正勝, 長谷川 剛, 窪田 幸久, 佐藤 譲二, 鈴木 さわえ, 池田 雅人, 加藤 尚彦, 家口 慶彦, ...
    1995 年 28 巻 4 号 p. 335-340
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    Positive selectionによりcontinuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD) に導入され, 安定した透析状態にある慢性腎不全患者21例 (男性13例, 女性8例, 年齢44.8±7.5歳, 透析期間44.5±9.2か月) を対象に, 臨床心理士による心理テストおよび面接を行い, 精神的ストレス, 特に不安について検討した. 患者は同調型, 執着型優位の日本人に一般的な性格傾向を示したが, 男性では9例 (69%), 女性では4例 (50%) が標準以上の高い特性不安を有していた. 女性では神経症レベルあるいは準神経症レベルに属する精神状態にあるものや, 経験年数が少ない症例に不安が強い傾向を認めたが, 男性では一定の傾向が認められなかった. 男性が1名を除きフルタイムの仕事に就いていること, 面接の結果で対人関係や仕事あるいは業績に関する不安が強いことから, 積極的に社会復帰し, 仕事を続けているものの, 適応状態に差があるためと考えられた.
  • 川井 修一, 白瀧 敬, 佐長 俊昭
    1995 年 28 巻 4 号 p. 341-346
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    循環動態が不安定な患者の血液浄化法としての持続的血液濾過 (continuous hemofiltration; CHF) および持続的血液濾過透析 (continuous hemodiafiltration; CHDF) の有用性および臨床成績についてretrospectiveに検討した.
    対象は1988年3月より1993年6月までに持続的血液浄化を施行した186例 (CHF 160例, CHDF 26例) である. いずれの症例も循環動態が不安定で血液透析 (HD) が不可能なため持続的血液浄化を施行した. 原疾患は心臓血管外科術後が94例, 心不全を合併した循環器科疾患76例, その他16例であった. CHFおよびCHDF施行時間は平均180.7時間で, 使用したhemofilterの本数は1症例当たり平均3.0本であった. 186例中59例 (31.7%) が持続的血液浄化法より離脱したが, そのうち13例は離脱後に原疾患などで死亡したため, 救命率は24.7%であった. 原疾患別にその離脱率には, 有意差は認めなかった. 溶質除去効率については, CHFでは施行前後でBUN値, Cr値ともに有意な変化を認めなかったが, CHDFでは施行72時間後にはBUN値, Cr値ともに50%以上低下して, CHFよりCHDFが溶質除去能に優れていた. 離脱群と死亡群で, CHFまたはCHDF導入時の臨床検査成績を比較すると, 離脱群では尿量は保たれ, 収縮期血圧が高かった. また離脱群では血清総ビリルビン値は低値で, 血小板数は多かった. 導入時のBUN値, Cr値には有意差は認めなかった.
    CHFおよびCHDFは, 循環動態が不安定な腎不全患者の血液浄化法として有用であり, 本療法よりの離脱率を改善するには, 全身状態が悪化する前に早期にCHFまたはCHDFに導入することが重要と考えられた.
  • 桑原 隆, 鈴木 一司, 松尾 孝彦
    1995 年 28 巻 4 号 p. 347-350
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症による膀胱憩室を通した腹膜透析カテーテル (PDカテーテル) の膀胱穿孔例 (79歳, 男) を報告する. 肺線維症, 慢性腎不全にて入院. 乏尿, 排尿困難を認めず. 血液透析に導入したが, blood access設置不能のため腹膜透析に移行した. PDカテーテル挿入2日後, 術前導尿した膀胱カテーテルから多量の排液を認めた. 膀胱造影で膀胱憩室を通したPDカテーテルの膀胱内挿入が確認された. 腹部CTで, 萎縮腎, 腎盂の拡大, および前立腺肥大を認めた. 高齢者男性の慢性腎不全の原因として常に前立腺肥大症を考慮する必要がある. 前立腺肥大症に合併した慢性腎不全例でのPDカテーテル挿入時の膀胱穿孔防止には, 術前の導尿カテーテル留置がよいとされるが, 本例のごとく術前の導尿カテーテル留置によっても膀胱穿孔を引き起こすことがある. 腹膜透析カテーテル挿入術では非常に稀ではあるが腹腔臓器損傷を起こすことがあり, 術前の十分な腹腔内状態の検討が必要である.
  • 福島 達夫, 齋木 豊徳, 佐々木 環, 北野 裕一, 橋本 淳, 〓村 信介, 栄本 忠俊, 松谷 拓郎, 平野 宏, 大沢 源吾
    1995 年 28 巻 4 号 p. 351-355
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は50歳, 女性. 多発性嚢胞腎による慢性腎不全のため, 1986年に透析を開始. '89年に左肩および左臀部の腫瘤状石灰沈着を指摘, 内科的治療に抵抗し, 臀部病変の増悪により歩行障害をきたしたため, 当院へ紹介入院. 左臀部病変は外科的切除により軽快したが, 左肩腫瘤は皮膚の脆弱部より自潰を繰り返し, 腫瘤内感染および敗血症を合併したため, 腫瘤内にドレナージを留置し局所の洗浄を行い, 2週後には病変の軽快を認めた.
    腫瘤状石灰沈着症は腎性骨異栄養症として考えられ, 内科的治療が多く行われているが長期間を要する. 一方, 外科治療は神経, 運動症状のあるときのみ適応とされているが, 治療期間を短縮することが期待され, 今後検討すべき治療法であると考えられた.
  • 石津 隆, 山縣 邦弘, 飯塚 正, 山口 直人, 小林 正貴, 永瀬 宗重, 青柳 一正, 小山 哲夫
    1995 年 28 巻 4 号 p. 357-361
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持血液透析患者においてmorphine製剤投与により意識障害を呈した2例を経験したので報告する. 症例1: 46歳女性. 血液透析歴6か月. 肺癌の多発骨転移による疼痛に対して硫酸morphine徐放錠を20mg/日で投与したところ, 投与3日目で強い眠気を訴え, 4日目に半昏睡状態となった. morphine製剤の投与中止後, 徐々に意識状態は改善したが, 会話が可能となるまで約10日を要した. 症例2: 71歳男性. 血液透析歴5年. 前立腺癌の多発骨転移による疼痛に対して硫酸morphine徐放錠20mg/日を2日間, 10mg/日を25日間投与したところ傾眠傾向が出現した. 同剤の投与を中止後, 傾眠傾向は消失した.
    これら2症例は血液透析を受けていないmorphine被投与例 (7例) と比較して, 血清morphine濃度は比較的低値であったが, その主要代謝物であるmorphine-6-glucuronide (M6G) とmorphine-3-glucuronide (M3G) の濃度は高値であった. 腎不全患者において, M6G, M3Gが蓄積性を持つことやM6Gがmorphineの活性代謝産物であることが知られており, M6Gの蓄積が両症例での意識障害の原因と推定された. 血液透析患者に対してmorphineを使用する際には, M6Gの蓄積による意識障害が容易に起こるため, 投与量の決定に慎重な配慮が必要と考えられた.
  • 玉置 幸子, 東 冬彦, 玉置 英人, 徳山 博, 玉置 政子, 玉置 英夫, 中城 忠孝, 西嶋 洋典, 柏井 利彦, 西 理宏, 阿部 ...
    1995 年 28 巻 4 号 p. 363-368
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    大理石骨病, 慢性腎不全, 晩発性小脳皮質萎縮症を合併した1例を経験したので報告する. 症例は36歳, 男性. 既往歴は12歳時に蛋白尿を指摘されるも放置. 現病歴は昭和59年5月顔面蜂窩織炎で紀南病院を受診し, BUN135mg/dl, クレアチニン15.3mg/dl, 血液ガス分析にてpH 7.07と著明なアシドーシスを認め血液透析に導入した. 当時より知能低下, 言語障害および肝機能障害あり. 平成元年4月14日当院に紹介され入院となる. 胸部X線写真ではびまん性の骨硬化像を認め, 腰椎・骨盤X線写真でも著明な骨硬化像を認めたため大理石骨病と診断された. 腰椎のMRIではT1, T2強調像ともに無信号を呈し, 骨髄がほとんどないことを示していた. 一方, 運動失調については頭部のMRIで小脳半球が著明に萎縮し, 脳幹部に萎縮が認められなかったため晩発性小脳皮質萎縮症の合併が考えられた.
    大理石骨病と腎不全の合併については, 1972年Slyらが尿細管性アシドーシスとの合併を報告し, その全例に赤血球中の炭酸脱水酵素IIの活性が欠損しており, 本疾患が常染色体遺伝する独立した新しい先天性代謝異常症であると主張している. 本邦では1991年荒牧らが第1例を報告しているにすぎない. 本症例の炭酸脱水酵素IIの活性は正常であった. 大理石骨病, 慢性腎不全, 晩発性小脳皮質萎縮症の3つの疾患の関係は明らかではないが, 大理石骨病と晩発性小脳皮質萎縮症の一部はともに遺伝性疾患でありこれらがひとつの疾患の表現型である可能性も否定できず, さらに検索を要するものと考える.
  • 石川 暢夫, 山口 修, 木村 まり, 小幡 紀夫, 尊田 和徳, 高橋 公太, 東間 紘, 阿岸 鉄三, 太田 和夫
    1995 年 28 巻 4 号 p. 369-376
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者1例, 腎移植患者2例の妊娠・分娩を経験したので報告する. 症例1は31歳女性. 21歳より血液透析に導入され, 透析歴8年9か月目に妊娠8週で妊娠判明, 妊娠31週6日に経膣分娩にて1,625gの男児を娩出した. 児には鎖肛を認めたが, その他の合併症はなかった. 症例2は39歳女性. 31歳より血液透析に導入, 35歳時生体腎移植をうける. 移植後3年0か月目に妊娠7週で妊娠判明 (夫一腎移植患者), 妊娠38週5日に帝王切開にて2,275gの男児を娩出した. 児には奇形・合併症を認めなかった. 症例3は28歳女性. 22歳より血液透析に導入, 26歳時生体腎移植をうける. 移植後1年6か月目に妊娠5週で妊娠判明, 妊娠41週0日に帝王切開にて2,620gの男児を娩出した. 児には奇形・合併症を認めなかった. また, この症例では免疫抑制剤シクロスポリン (CYA) の濃度をRIA (radioimmunoassay) 法により, 分娩時母体末梢血, 臍帯血, 羊水, 新生児末梢血および母乳において測定したところ, 胎児, 乳汁への移行性がそれぞれ示された.
    透析患者の妊娠分娩例は, 妊娠可能な透析患者の増加に加え, 透析技術の進歩やエリスロポエチン (rHuEPO) 使用による貧血状態の改善により, 最近報告例が増えてきている. 一方, 腎移植患老の妊娠分娩例も, 免疫抑制剤の催奇形性・変異原性や乳汁移行性等の問題はあるが, 移植腎の生着率の安定とともに今後さらに増加すると考えられる.
  • 四家 敏秀, 宇都宮 保典, 菊池 隆秀, 織内 竜生, 浅尾 啓子, 小村 香與子, 今澤 俊之, 友成 治夫, 北原 光夫, 栗山 哲
    1995 年 28 巻 4 号 p. 377-381
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    SLE腎症により慢性維持血液透析を施行している患者が急性腹症, ショックで来院した. 腹部超音波検査, 体部CT, 腹部動脈造影により多発性肝動脈瘤の破裂による急性腹症, ショックと診断されたが肝動脈塞栓術によって救命, 軽快し得た.
    SLEの非特異的腹部症状は, 比較的多く認められるが急性腹症をきたすことは稀とされている. SLEの急性腹症の原因として腹膜炎, 腸管の血管炎による穿孔, イレウス, 急性膵炎, 肝脾臓破裂などが報告されている.
    今回我々が経験した肝動脈瘤の破裂による急性腹症は, これまで報告されておらず, 極めて稀であり興味ある症例と思われた. 本症例ではその迅速診断において腹部超音波検査, 体部CTが有益であった. また, SLEの急性腹症の鑑別診断の一つとして肝動脈瘤破裂への留意が必要であると考えられた. 多発性肝動脈瘤がSLEと直接関連があるかどうかは不明であるが, 動脈瘤発生の素因としてSLEによる血管炎, 尿毒症, 高血圧等の関与が考えられた. また, SLEの急性腹症の鑑別診断の一つとして肝動脈瘤破裂への留意が必要であると考えられた.
  • 鶴崎 俊文, 清川 新一, 宮田 康好, 澤瀬 健次, 錦戸 雅春, 松屋 福蔵, 金武 洋, 斉藤 泰
    1995 年 28 巻 4 号 p. 383-387
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    死体腎移植後にmanidipine hydrochloride (manidipine) にて乳び腹水をきたしたCAPD患者の1例を報告する.
    症例は36歳, 男性. 死体腎移植レシピエントで術後1日目より高血圧のためmanidipine 20mg分2の投与を開始した. 約96時間後にCAPD排液の混濁, 微熱, 軽度の腹痛がみられ, 身体所見では左下腹部 (移植腎部付近) 圧痛があり, 腹膜炎が強く疑われた. CAPD排液の検査では性状は黄色混濁, 無臭. 沈渣は細胞数正常. 培養では細菌および真菌とも陰性. 生化学分析で脂質成分の増加 (特に, トリグリセライド), などが見られた. 以上より乳び腹水と診断した. 原因はmanidipineによる強力な末梢血管拡張作用によるリンパ管の拡張が考えられ, manidipineの投与を中止したところ速やかに消失した. また, 混濁時に除水量の著しい増加も見られ, manidipineによる限外濾過能の改善によるものと思われた.
    CAPD患者において乳び腹水による身体的影響はほとんどないが, 本例のように腎移植患者では免疫能低下があり, 乳び腹水にもしも腹膜炎が合併した時, 診断が遅れ重症になることも考えられるため, なるべくmanidipineの投与を中止したほうがよいと思われる.
  • 田中 寛, 岸本 武利, 山上 征二, 西尾 正一, 入谷 純光, 武本 佳昭
    1995 年 28 巻 4 号 p. 389-395
    発行日: 1995/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    皮膚〓痒症, 湿疹・皮膚炎を合併した186例の透析患者を対象に塩酸アゼラスチン2mg/日を投与し, 〓痒, 皮膚症状に対する臨床効果を検討した. 〓痒は, 発現時期別に日中, 夜間, 透析中の3つに分け観察し, その程度は白取の「〓痒重症度の基準」に準じて5段階に分類・判定した. 〓痒に対する塩酸アゼラスチンの効果は, 投与8週後まで投与期間に比例して高まっていった. この傾向は, 日中, 夜間, 透析中のすべての〓痒感に共通しており, 投与8週目まで〓痒重症度の症状なし, 軽微の患者が徐々に増加していった. 週別改善度においても投与7週目まで週を追う毎に改善度の上昇が見られ, 投与8週後の最終全般改善度は, 著明改善14.2%, 中等度改善29.0%, 軽度改善27.9%という成績であった. 副作用および血液検査の異常は10例, 5.4%に認められ, その主なものは, 眠気, 味覚異常, 口渇などであった.
    以上の成績から, 塩酸アゼラスチンは, 透析患者の皮膚〓痒症に優れた効果を示し, 安全性も高く有用な薬剤と考えられる.
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