日本透析医学会雑誌
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29 巻 , 3 号
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  • 岡 美智代, 宇田 有希, 戸村 成男
    1996 年 29 巻 3 号 p. 173-181
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 保井 明泰, 中村 義雄
    1996 年 29 巻 3 号 p. 183-190
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    CAPDが維持透析として長期継続の可能性を12年間の治療成績から検討した. 1982年12月より導入したCAPD患者72名 (男性47名, 女性25名, 導入時平均年齢46.2歳, 平均CAPD歴54.3か月, 非糖尿病87%, 糖尿病13%, 積極的適応82%, 消極的適応18%) を対象とし, 患者の成績 (転帰, 予後) を検討した. CAPDの継続期間は5-10年28名, 10年以上3名 (最長11年7か月). 72名の転帰は継続47名 (65%), HDへ移行6名 (8%), 腎移植1名 (1.4%), 死亡18名 (25%) であった. 5年, 10年の継続率はそれぞれ71%, 33%, 生存率はそれぞれ77%, 50%, 5年継続率で, 糖尿病 (50%), 消極的適応 (25%), 60歳以上の高齢導入 (0%) は低く, 平成年代 (89-94) 導入 (80%), 女性 (77%) は高かった. HDへの移行の原因は腹膜炎4名 (57%), 精神的要因2名 (29%), 除水不良1名 (14%). 死因は脳血管障害5名 (28%), 感染症 (腹膜炎) 4名 (22%), 心疾患4名 (22%), 悪性腫瘍2名 (11%) であった. CAPDのさらなる長期継続には腹膜炎, 除水能低下, 精神的要因 (精神, 心理, 社会的) に対する対策が必要で, 腹膜炎, 出口部感染の早期治療, システムの改良, 適切な栄養管理, CAPDの変法の採用, 患者選択, 患者教育, 特に自己治療の自主化と受容が重要である.
  • 久木田 和丘, 高後 裕, 高橋 昌宏, 目黒 順一, 米川 元樹, 笠井 正晴, 平井 春美, 加藤 淳二, 池田 篤, 新津 洋司郎, ...
    1996 年 29 巻 3 号 p. 191-194
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血清中の可溶型トランスフェリンレセプター (TfR) 値は骨髄内赤血球造血の程度を非侵襲的に知る新しいマーカーである. 今回, 体内鉄が充分な維持透析患者において, その値を測定し, recombinant human erythropoietin (rHuEPO) 投与下での造血状態を検討した. rHuEPO非投与でヘマトクリット (Ht) 値25%未満の群のTfR値は346±146ng/mlで, 対照群910±100ng/mlおよびrHuEPOを6か月以上投与しHt値が25%以上の群での1,216±386ng/lと比較すると有意に低値であった. 対照群とrHuEPO 6か月以上投与でHt値25%以上の群では有意差を認めなかった. rHuEPO非投与群に適切な量のrHuEPOを投与することによりHt値およびTfR値は上昇し, 検査開始時rHuEPO投与群と有意差のあったHt値は12週で, TfR値は8週で有意差を認めなくなった. 以上より, erythropoietin (EPO) 不足である症例は体内鉄が充分でもTfR値およびHt値が低いが, 適切な量のrHuEPOの投与によりTfR値およびHt値が上昇する. 従って腎性貧血患者においてもTfR値の測定は非侵襲的な骨髄造血の指標として, またrHuEPO投与の目安として有用であると考えられた.
  • 廣瀬 悟, 金 成洙, 御手洗 哲也, 磯田 和雄
    1996 年 29 巻 3 号 p. 195-204
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者の含硫アミノ酸代謝を検討する目的で, CAPD患者36名 (48.0±12.3歳), HD患者14名 (54.9±16.4歳), および健常者20名 (40.7±14.5歳) を対象とし, methionine (Met), cystine, homocysteine (Hcy), ビタミンB6, B12, および葉酸の空腹時血中濃度を測定した. 血漿総Hcy濃度はdithioerythritol還元処理と蛍光誘導体化を組み合わせたHPLC法で測定した. 血漿総Hcy濃度 (μmol/l) は, CAPD患者が38.2±37.2, HD患者が27.3±10.2, 健常者が19.0±14.9で, CAPDとHD患者は有意に上昇していた. 健常者では血漿総Hcy濃度と血中葉酸濃度に有意な負の相関を認めたことから, HcyからMetへの再メチル化反応が血漿総Hcy濃度を規定すると考えられた. しかし, CAPDとHD患者ではこの相関関係が認められず, 透析患者では血漿総Hcy濃度は他の要因からも規定されていると思われた. さらに, CAPD患者の中から12名を抽出して血漿総Hcy濃度と動脈硬化スコアとの関連を検討したところ, 両者には有意な相関関係が認められた. 従って, 透析患者においても高Hcy血症は動脈硬化の危険因子になっていると考えられた.
  • 矢内 充, 加藤 初彦, 石山 久人, 星 薫良, 田中 聡, 岡林 斎男, 山田 昌代, 竹内 誠, 柴原 宏, 河野 均也, 山田 明夫
    1996 年 29 巻 3 号 p. 205-211
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析中の血清生化学データを経時的に観察するために開発されたon-lineモニタリング装置の臨床的有用性について検討した. 本装置は, 血液回路動脈側に小型のUFセルを組み込み, そこから得られる濾液を検体として生化学データを経時的に測定することが可能な装置である. 7名の維持血液透析患者を対象とし, 血液透析開始時より終了時までNa, K, Clおよび尿素窒素を測定し, 開始時および終了時の値と, 透析前後の採血により得られた血清のそれと比較検討した. 全72回の血液透析にて, 透析終了時まで1分毎に測定するだけの十分な濾液を採取することができ, また, 溶血, 血液凝固, 透析開始直後の急激な血圧低下など, 本装置によると思われる副作用は皆無であった. 血液側回路より得られた透析開始時および終了時の濾液のNa, K, Clおよび尿素窒素は, 血液回路動脈側より透析前後で採血し, 自動分析装置により測定した血清Na, K, Clおよび尿素窒素と有意な正の一次相関を示した (p<0.001) が, Na, Clに関しては, 血清とのずれが大きく, 今後の検討課題となった. 以上より, 採血操作を必要としない本装置は, 患者の負担もほとんどなく, 血液透析に支障なく安全に使用することができ, また, 血清と相関するデータを提供してくれることより, 患者の状態を把握する上で十分臨床使用することが可能と考えられた.
  • 今村 吉彦, 石川 裕泰, 手塚 尚紀, 石川 道郎, 西沢 茂樹, 山本 田力也, 中村 良一, 長谷 弘記
    1996 年 29 巻 3 号 p. 213-218
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    ヒトエリスロポエチン製剤 (recombinant human erythropoietin; rHuEPO) は, 腎性貧血の治療に極めて高い有効性を示しているが, その副作用は血圧の上昇や頭痛などが多く, 肝機能障害は稀である. 今回我々は, rHuEPOによる薬剤性肝障害をきたした慢性腎不全例を経験したので報告する.
    症例は72歳女性. 約15年前から糖尿病の既往あり. 1994年12月糖尿病性腎症による尿毒症症状で本院入院となった. 入院時肝機能検査は正常で, アレルギー性疾患や輸血歴はなかった. 入院後腎機能が徐々に悪化し, 尿量の減少も認めたため, 1995年2月1日に血液透析を導入した. 腎性貧血に対してepoetin alfa (エスポー®) を1,500単位×3回/週の用量で導入時より開始したところ, 2月6日ごろより熱発, 全身倦怠感が出現し, 白血球数の上昇や肝機能障害 (T-Bil 2.0mg/dl, GOT 560U, GPT 637U, ALP 11.8U, LDH 1,550U) が出現した. 各ウイルス性肝炎, 伝染性単核球症は否定的で薬剤性肝障害を疑い, 投与薬剤を全て中止し肝庇護剤を投与したところ, 肝機能は速やかに改善した. その後も腎性貧血が持続していたため, 最も原因薬剤としての可能性が低いと考えたepoetin alfaのみを, 2月22日から再投与したところ, 再度肝障害が認められたため直ちに中止した. 中止後肝機能は正常化し, 症状も消失した. リンパ球刺激試験と抗エリスロポエチン抗体は陰性であった. 腎性貧血に対し輸血を行ったが, 効果が不十分なため, 3月17日からepoetin beta (エポジン®) を開始したところ, 副作用もなく腎性貧血も改善し現在も継続中である.
    本例は, epoetin alfaの非意図的な再投与により薬剤性肝障害が再現し起因薬剤と考えられた. 透析患者に合併した薬剤性肝障害の原因薬剤としてrHuEPOも考慮する必要があり, その投薬には十分な注意を要すると考えられた.
  • 菊池 洋, 外牧 洋之, 上村 順一, 田中 耕治
    1996 年 29 巻 3 号 p. 219-223
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例: 43歳男. 数年前より慢性腎不全を指摘され一時的な肝機能の低下の既往があった. 94年4月13日BUN 45.4mg/dl, Cr 5.7mg/dlだったが自覚症状はなかった. 94年5月1日夕食を摂らずに眠前に焼酎を約300ml飲んだ. 翌朝瞳孔散大, 昏睡で発見され近医に入院となりbrain CT検査上異常なく血液検査にて低血糖が原因と判明した. 50%糖の静注で意識は改善したが腎機能の低下がみられ本院紹介となった. 経過: 転院時意識清明だったがBUN 97mg/dl, Cr 9.9mg/dlと腎機能の著明な低下が見られたので透析導入となった. 以後腎機能の回復なく週3回の外来維持透析に移行し現在に至る. 入院中の肝機能は異常なし. 75gGTTは境界型だった.
    考察: 飲酒後の低血糖は比較的長時間の絶食後の飲酒が必要といわれているが本例では短時間の絶食と比較的少量のアルコール量で強い低血糖がみられている. 腎機能の低下と肝臓の予備能の低下が原因と思われる. 慢性腎不全の管理上高血糖のみならず低血糖にも十分な注意が必要と認識させられた. 飲酒後の低血糖を契機として腎機能の急性増悪が生じ維持透析導入に至った例の報告は少ないと思われる.
  • 堀井 昭, 工藤 清士, 坂本 吉成, 斎藤 直美, 森谷 洋子, 王 東, 松本 守雄, 西村 正智, 市原 真仁
    1996 年 29 巻 3 号 p. 225-229
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は血液透析歴6年の54歳女性. 1992年12月右下肢痛が出現. 右鼠径部以下の疼痛, しびれ感以外他覚的な神経症状に欠けており, また胸腰椎の単純撮影上特記すべき所見なく, 鎮痛剤で治療された. しかし, 痛みは次第に増強し, 1994年9月疼痛のため歩行困難となり入院となる. myelographyにて硬膜内髄外腫瘍の像を呈し, CT, MRIにてL1椎体上縁-L2椎体上縁に脊髄前方に局在する2×3cmの腫瘍を認めた. 腫瘍摘出術および椎弓切除術を施行し, 病理学的に神経鞘腫の診断を得た. 手術後約1週間で右下肢の疼痛はほぼ消失し患者は歩行にて退院した.
    慢性維持透析患者においては, 骨カルシウム代謝異常などのため, 疼痛を訴えることが多い. 維持透析患者では, 疼痛の原因はさまざまだが, 原因不明の疼痛の鑑別診断の一つに脊髄腫瘍も考慮されるべきと思われる.
  • 佐藤 安美, 田中 謙二, 渋谷 恒文, 神崎 仁徳, 浅山 良吉
    1996 年 29 巻 3 号 p. 231-234
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は70歳女性. 3年前に間質性肺炎と診断され, ステロイドホルモンにて改善. 1994年5月から血液透析を行っていたが, 発熱, 低酸素血症が出現し, 間質性肺炎の再燃と診断. 再びステロイドホルモン投与にて軽快したが, その時, omeprazole 40mgを併用した. 7月14日からranitidine 150mgへ変更したところ, 8月17日から咽頭痛, 発熱が出現. WBC 1,100と減少し, 分画で好中球がみられなかったため入院となった. 骨髄では, 有核細胞数が減少し, 顆粒球系の著明な減少がみられた. ranitidineを中止し, 抗生剤, G-CSFの投与にて感染症は治癒し, 白血球も回復した. 出血性ビラン性胃炎による心窩部痛に対し, famotidine 20mgを開始し, 症状は消失. 現在まで顆粒球の減少もみられていない.
    H2ブロッカーによる白血球減少の機序は不明であるが, 本例のように回復に長期間を要する症例もあり, 注意が必要である.
  • 寺田 洋子, 古田 薫, 須藤 博, 今野 尚子, 上條 利幸, 武内 巧, 田中 良典, 保坂 義雄
    1996 年 29 巻 3 号 p. 235-239
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は, 79歳男性. 腎硬化症による慢性腎不全のため54月前より維持血液透析療法施行中, スクリーニングの直腸診で前立腺に結節を触知, 精密検査となった. 前立腺右葉の針生検組織の病理学的診断は, 中分化および低分化前立腺癌であった.
    stage B1前立腺癌の臨床診断で, 4週毎のLH-RH agonist (leuprorelin acetate 3.75mg) の皮下注射とchlormadinone acetate (CMA) 100mg/dayの経口投与による抗男性ホルモン療法を施行した.
    治療前, 13.8ng/ml (normal, <3) と高値であった前立腺特異抗原 (PSA) は, LH-RH agonistとCMAの開始後2月で正常化した. 8月後の現在, 再燃を認めていない.
    前立腺癌は, 年齢依存癌で増加傾向にある. 血液透析患者の高齢化が進行するなか, 男性患者では, 前立腺癌を念頭においたスクリーニングの必要性が考えられた.
  • 田中 敬雄, 宮脇 尚史, 笠原 正登, 八幡 兼成, 橋本 英隆, 菅原 照, 上田 恵, 松尾 孝彦, 桑原 隆
    1996 年 29 巻 3 号 p. 241-248
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    我々は阪神・淡路大震災によるcrush syndromeの3例を経験した. 3症例とも男性で, 年齢は36歳から46歳であり, 高窒素血症, 横紋筋融解症, 乏尿で入院となった. 入院時, 3症例ともバイタルサインに特に異常を認めず, またX線上, 明らかな骨折はみられなかった. crush syndromeと診断し, 血液濾過 (HF) を開始した. ダイアライザーはPNF-17DX (膜面積1.7m2, PAN膜), 置換液はサブラットAを15-20l, 抗凝固剤は, nafamostat mesilateを30-50mg/h使用した. 当初, 3例とも連日3日間施行したが, 血液濾過中に気分不良, 吐き気, 血圧低下を2例に認めたため, 酢酸不耐症と考え, 血液透析 (HD) に変更した. ダイアライザーはBK-1.6U (膜面積1.6m2, PMMA膜), 透析液はキンダリーAF2, 抗凝固剤は, nafamostat mesilateを30-50mg/h使用した. 第1例はHF 4回, HD 7回, 計11回, 第2, 3例はHF 5回, HD 12回, 計17回施行後, 離脱した. なお3症例とも, 酵素免疫固定法によりIgG, IgA, κ, λと結合したcreatine kinase (CK) の存在が認められ, いわゆるI型マクロCK血症を合併していた. この免疫グロブリンと結合したマクロCKは病状の回復とともに消失した. crush syndromeの際, マクロCK血症を合併した報告はいままでになく, 興味ある症例と思われたので, crush syndromeの病態, 治療も含めて若干の文献的考察を行った.
  • 厚生省循環器病委託「透析患者の循環器合併症の実態と
    1996 年 29 巻 3 号 p. 249-250
    発行日: 1996/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
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