日本透析医学会雑誌
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29 巻 , 8 号
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  • 高橋 信好, 鈴木 唯司, 佐藤 元昭, 呉 聖哲, 佐藤 敦, 斉藤 久夫, 舟生 富寿
    1996 年 29 巻 8 号 p. 1191-1199
    発行日: 1996/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者21名のL2-L4の骨塩量をquantitative computed tomography (QCT) 法, dual energy X-ray absorptiometry (DXA) 法の2つの測定方法で測定し, 以下の結果を得た.
    1) DXA法とQCT法 (海綿骨部, および皮質骨部), QCT法における海綿骨部と皮質骨部との対比ではいずれも良好な正の相関が得られた. 2) 年齢と骨塩量との間では, 男女ともほぼ負の相関で一致し, QCT法において海綿骨部での相関が強く認められた. 3) 透析歴と骨塩量の関係では, 男性ではQCT法による海綿骨骨塩量との間で有意な正の相関が得られた. 4) 閉経後年数と骨塩量の関係では, QCT法により海綿骨部, 皮質骨部ともに負の相関が得られた. 5) 各種血中骨代謝parameterと骨塩量とでは有意な相関を示さなかった.
    以上より, 慢性血液透析患者の骨塩量測定 (L2-L4) にはDXA法, QCT法いずれも良好な相関が認められたが, QCT法の方が海綿骨部, 皮質骨部の変化をより詳細に把握できる利点があると判断された.
  • 古谷 裕章, 桜井 俊宏, 田部井 薫, 浅野 泰
    1996 年 29 巻 8 号 p. 1201-1205
    発行日: 1996/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析中に起こる低血糖発現の機序を明らかにする目的でダイアライザー前 (A側) 後 (V側) でのブドウ糖濃度を測定しその動態を検討した. A側血糖値200mg/dl以上の群では平均217.3±5.4から116.5±6.7mg/dlへ低下した. A側血糖値100から200mg/dlの群では平均152.3±7.6から88.0±3.6mg/dlへ低下し約8割の例で透析液ブドウ糖濃度を下回り血糖値100mg/dl以下に低下した. A側血糖値100mg/dl以下の群では平均83.4±3.7から71.0±1.2mg/dlへさらに血糖値は低下した. ブドウ糖濃度70, 100, 200mg/dlの3種類の灌流液をダイアライザーに灌流しin vitroの条件下で検討した. A側血糖値100前後の患者はin vivoで105.6±4.3から74.3±4.1mg/dlへ有意に低下するにもかかわらずin vitroでは血糖値の低下は見られなかった. 血清中から除去されたブドウ糖量は透析液に移行したブドウ糖量を上回り, 透析液ブドウ糖濃度以下に血糖値が低下する機序として血球内にブドウ糖が取り込まれる可能性が示唆された.
  • 森岡 政明, 谷村 正信, 大橋 洋三, 渡辺 裕修, 小松 文都, 溝渕 正行
    1996 年 29 巻 8 号 p. 1207-1212
    発行日: 1996/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    44歳, 女性の長期維持透析患者に偶然発見された左副腎皮質腫瘍を経験した. 高血圧や低カリウム血症はなかったが, 血漿レニン活性と血中アルドステロン値の著明な上昇が見られた. CTで経過観察中に腫瘍増大と内部densityの変化を認め, 左腎とともにen bloc切除を施行した. 腫瘍は出血巣を伴った副腎皮質腺腫であった. 術後の血漿レニン活性, アルドステロン値はともに著しく低下したが, 正常化には至らなかった. 腫瘍および周囲副腎組織中のコルチコイド分析ではアルドステロンを始めとするミネラルコルチコイドの含量が高値であったが, 本来最も多量に存在するコルチゾールは特に腫瘍部で低値であり, 原発性アルドステロン症ではなく二次性アルドステロン症の副腎に発生した腺腫と考えられた. 著明な高アルドステロン血症にもかかわらず高血圧が認められなかった理由は長期間の透析で荒廃した腎組織には十分なアルドステロン標的組織が存在しないこととともにアルドステロンの腎外標的組織 (血管壁など) への直接作用は血圧上昇にそれほど強い関連性を持たないものと考えられた.
  • 寺邑 朋子, 磯田 昌岐, 近 幸吉, 若林 昌哉, 吉沢 弘久, 青池 郁夫, 荒川 正昭
    1996 年 29 巻 8 号 p. 1213-1218
    発行日: 1996/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は67歳の男性. 鼠径部腫瘤, 左下肢浮腫, 陰嚢腫脹を主訴に入院. 右臀部Bowen carcinomaの対側臀部および全身リンパ節転移と診断された. 入院時, 左腎は水腎症で, すでに機能廃絶に近い状態であり, 右腎は水腎症はなかったが, 静脈性腎盂造影でやや排泄遅延が認められ, クレアチニン・クリアランス44ml/minと低下していた. その後, 全身のリンパ節腫脹が増大し, 腹腔内リンパ節による右尿管の圧迫のため, 右腎も水腎症の状態となり, 急性腎不全を発症した. このため, 腫瘍縮小効果を期待して, 血液透析併用下にcarboplatin (CBDCA) とetoposideの併用化学療法を行った. CBDCAは240mg/m2, etoposideは50mg/m2を点滴静注し, その後透析を行った. 遊離型プラチナのAUCは2.5mg/ml×minとやや低値であったが, 治療後, 腫大リンパ節は縮小し, 右水腎症の改善により, 腎機能も回復した. 薬剤による重篤な副作用は認められなかった. 合計6コースの化学療法を行い, 完全寛解が得られた. 急性腎不全を合併した悪性腫瘍患者においても, 抗腫瘍薬の体内動態や透析性を考慮して, 透析療法を有効に併用することにより, 効果的に化学療法を行うことが可能であると考えられた.
  • 高橋 浩一郎, 酒見 隆信, 大塚 容子, 池田 裕次
    1996 年 29 巻 8 号 p. 1219-1223
    発行日: 1996/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は49歳, 男性. 高血圧の既往があり, 術前の血清Cr 1.93mg/dlであった. 解離性大動脈瘤 (I型) に対する下行大動脈人工血管置換術を施行した. 術中・術後にショックはなく, 約50ml/時と保たれていた尿量が術後12時間より約20ml/時と減少した. 血液生化学検査にて, BUN 35.3mg/dl, Cr 3.67mg/dl, Na 125.6mEq/lであった. 術中・術後投与されていた利尿剤 (フロセミド, マンニトール, ブメタニド) の増量にても尿量は増加せず, BUN, Crはさらに増加し, 高血圧と肺水腫の所見が認められたため術後2日目血液透析 (HD) を施行したところ, 速やかに利尿が得られ臨床症状が改善し, 1回のHDのみで急性腎不全より離脱した. 急性腎不全の原因として, 術中・術後に投与された浸透圧利尿剤であるマンニトールが考えられたので報告する.
  • 阿部 貴弥, 鈴木 大, 北村 真, 北島 直登, 飛田 美穂, 平賀 聖悟, 佐藤 威, 堂脇 昌一, 澤田 祐介
    1996 年 29 巻 8 号 p. 1225-1229
    発行日: 1996/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    高心拍出性心不全に伴った急性腎不全と末梢神経炎の1症例を経験した.
    本症例の心不全はVit B1投与によって著明に改善したことから脚気心と判断した. また急性腎不全の原因として薬剤性腎障害と, 横紋筋融解症による腎障害が考えられ, 血液濾過透析および血液透析を施行し, 脚気心の改善とともに腎不全の改善を認めた.
    脚気は, 栄養状態の改善された現代においてほとんど消失したと考えられてきたが, 20年ほど前より西日本を中心に症例が散見されるようになってきた. 本症例の症状, 診断, 治療経過を報告する.
  • 佐藤 威, 日本透析医学会学術委員会血液浄化器の機能検討小委員 , 斎藤 明, 内藤 秀宗, 鈴木 正司, 秋澤 忠男, 篠田 俊雄, 峰島 ...
    1996 年 29 巻 8 号 p. 1231-1245
    発行日: 1996/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
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