日本透析医学会雑誌
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30 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 第41回日本透析医学会ワークショップより
    浅野 泰, 今田 聰雄
    1997 年 30 巻 3 号 p. 159-163
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 多川 斉, 杉本 徳一郎, 相澤 忠範
    1997 年 30 巻 3 号 p. 165-171
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 有本 保文, 坪井 一彦, 西尾 晃, 長坂 肇, 宮崎 哲夫, 内藤 秀宗
    1997 年 30 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析 (HD) 患者27名, CAPD患者12名, 健常者 (N) 16名の血中可溶性IL-2 receptor (sIL-2R) を測定し, 細胞性免疫とも関わる血中免疫複合体 (CIC), 補体との関連を検討した.
    その結果, 1) sIL-2RはHD群, CAPD群とも, N群に比し有意な高値を示し, 両群間に有意差は見られなかった. 2) 両群のCICは有意に高値を示し, HD群では, sIL-2RとC1qCIC (p<0.02), CAPD群では, sIL-2RとC1qCIC (p<0.05), C3dCIC (p<0.02) 間にそれぞれに有意な正の相関が見られた. 3) 両群の補体成分複合体 (TCC) は有意に高値を示し, またCICとTCC間に有意な正の相関がみられCICによる補体活性化が示唆された. 4) sIL-2RとCH50間にHD群 (p<0.02), CAPD群 (p<0.05) ともに有意な負の相関が見られた.
    以上より, 両群のsIL-2Rは高値を示し, 高値の原因にCIC, 補体活性化が関与している可能性が示唆された. また, 両群に同様の結果が得られたことより, CICの高値, 補体活性化は尿毒症に起因する可能性が推測された.
  • 寺脇 博之, 川口 良人, 中山 昌明, 久保 仁, 山本 裕康, 加藤 尚彦, 小坂 直之, 大井 景子, 重松 隆, 酒井 紀
    1997 年 30 巻 3 号 p. 179-184
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    1986年から1995年の間に経験したCAPD関連硬化性被嚢性腹膜炎 (SEP) 8例全例に, 絶食, 胃管挿入, 中心静脈栄養 (IVH) にて対処し, 治療効果の検討を行った. 対象例のCAPD継続期間は41-134か月 (平均92.3か月), 腹膜炎発症回数は0-5回 (平均2回). 発症前にPETを施行した7症例のうち4症例で限外濾過能の低下を認めた. 中心静脈栄養の内容は栄養学的パラメーターを見ながら帰納的に決定したが, 平均投与熱量は48.0±5.06kcal/kg体重と非常に高値であった.
    治療後8例中5例が退院可能となり, うち2例は在宅IVHを退院後継続, 3例はIVHより完全に離脱した. 退院不可能3例のうち, 1例は腸閉塞症状に伴う誤嚥性肺炎のため死亡 (胃管自己抜去), 1例は不整脈のため死亡, 1例は現在入院中 (入院4か月) である.
    以上, 腸管内圧の減少を胃管により持続的に行い, IVHにて十分な熱量を投与することにより, SEPの生命予後は改善されることが示唆された.
  • 水口 隆, 水口 潤, 川島 周, 湯浅 健司, 寺尾 尚民, 香川 征
    1997 年 30 巻 3 号 p. 185-190
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    貧血を有する血液透析 (HD) 患者で血清トランスフェリンレセプター (sTfR) 値がrecombinant human erythropoietin (rHuEPO) 投与量を決定する上で有効な指標となりうるかを検討した.
    対象は新たにrHuEPO治療を開始したHD患者42例 (透析導入期12例, 維持期30例) で, 鉄欠乏が疑われた症例は除いた. rHuEPO治療開始時より8週間経時的に造血パラメータ (Ht, Hb, RBC, MCV, WBC, Plt, 網状赤血球), 鉄パラメータ [血清鉄 (sFe), ferritin (sFt), TIBC, UIBC, transferrin (Tf)] およびsTfR値を測定した. sTfRはELISA法およびラテックス凝集法によりsTfR-Tf complex (TRC) 値として測定した. rHuEPOnoの治療効果は前値に比した治療開始8週後のHt値の変化量 (ΔHt) で観察した.
    Ht, RBC, Hb値はrHuEPO治療開始1週後より有意に上昇し8週後まで上昇した. TRC値は1, 2, 4週後とも前値に比して有意に上昇した. ΔHtは, 前値に比した1, 2, 4週後のTRCの変化量 (1, 2, 4週後のTRC値-前TRC値) および変化率 (TRC変化量/前TRC値×100) と有意の正の相関を示した. 特に1週後のTRCの変化量が最も強い相関性 (R=0.513, p<0.0005) を示した.
    HD患者において, sTfR (TRC) 値の測定はrHuEPO投与量の適否を判断する上で有効な指標となりうると考えられる.
  • 野村 幸範, 高瀬 敦, 塚本 雄介, 安藤 貞二
    1997 年 30 巻 3 号 p. 191-197
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析を受けている慢性腎不全患者において3種類のPTH測定キット (C-PTH, HS-PTH, AI-PTH) の精度評価を行い下記の結果を得た.
    (1) 標準血清を用いて求めた検出曲線は3種のPTHとも良好な反応曲線が得られた. 検出感度は, C-PTHは0.3-0.4ng/ml, HS-PTHは120pg/ml付近, AI-PTHは2pg/mlであった. (2) 血液透析患者における同時再現性 (intra-assay) と測定間再現性 (inter-assay) は変動係数でそれぞれ, C-PTHが4.4%, 3.9%, HS-PTHが4.5%, 7.0%, AI-PTHで3.4%, 8.5%であり, いずれも良好な測定精度が得られた. (3) 採血後全血状態での放置時間が安定性に及ぼす影響を検討したところ, C-PTHは15分から24時間まで安定, HS-PTHは15分から8時間まで安定で24時間では有意に低下, AI-PTHは30分から2時間までバラツキの少ない安定した測定値が得られたが, 15分でやや高値, 4時間以降有意な低値を示した. 従って, 血液透析患者で安定したPTHの測定値を得るにはC-PTHは採血後15分から24時間, HS-PTHは15分から8時間, AI-PTHは30分から2時間放置して血清分離することがすすめられる. (4) 同一条件下に管理された患者での週差変動は変動係数で, C-PTHが8.1%, HS-PTHが9.7%, AI-PTHが20.7%であった.
  • 柳沢 良三, 佐藤 俊和, 上條 利幸, 岸 洋一
    1997 年 30 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    当院の透析導入患者について臨床統計的検討を行った. 対象は22年間に当院で慢性血液透析を導入した患者243 (男149名, 女94名) で, 平均年齢は54.8歳であった. 原疾患の割合は慢性糸球体腎炎35.4%, 糖尿病23.9%, 腎硬化症10.7%, 嚢胞腎7.0%, 腎盂腎炎4.9%であり, 近年, 糖尿病や腎硬化症の増加がみられた. 1983年以前 (前期) と1984年以後 (後期) に分けて比較すると平均年齢が50.7歳から57.3歳と高齢化し, 糖尿病が11.8%から30.4%へと著増した. 導入時のヘマトクリット値は24.2%から21.5%へと低下したにもかかわらず, 輸血量は1.7単位/月から1.0単位/月と減少傾向を示した. 1, 3, 5年実測生存率は77.5, 62.7, 47.2%で慢性糸球体腎炎群と糖尿病群または腎硬化症群との間に有意差を認めた. 全死亡数は117名で死因は心不全40.2%, 脳血管障害14.5%, 感染症12.8%, 癌死6.8%, 心筋梗窒6.0%であった. 悪性腫瘍の合併は14名で消化器系の8例と尿路系の5例が多かった.
  • 斎藤 修, 草野 英二, 赤井 洋一, 本間 寿美子, 安藤 康宏, 田部井 薫, 浅野 泰
    1997 年 30 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 1997/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者に特異的な好酸球増多症として, これまでに透析膜や滅菌法に起因する報告がされてきた. しかし, これら以外にも透析患者における原因不明の好酸球増多症が現在でも多くみられる. 近年抗凝固薬による好酸球増多症も散見され, いずれも高度な好酸球増多が見られているが, 経時的変化や機序についての検討は未だなされていない.
    今回我々は, 膜性増殖性糸球体腎炎から慢性腎不全に陥った患者で, 導入期に末梢好酸球数13000/μlに達する好酸球増多症を経験した. 原因検索をしたところ抗凝固薬として使用したnafamostat mesilate (フサン®; FUT) による好酸球増多症の可能性が強く疑われ, 同薬剤に対する好酸球増多の経時的変化と血液透析との関連性, およびサイトカイン (IL-2, IL-3) に関する検討を行った. その結果, 本症例で見られたFUTによる好酸球増多症は遅延型アレルギー反応の発症形式を呈し, 指数関数的増加を示した. また, 本症例ではFUTによる透析を施行してもIL-2, 3の産生亢進は認められず, IL-2反応試験ではむしろ低値を示した. 以上のことから, FUTによる好酸球増多症の原因としてはIL-2, 3の関与は否定的で, 他の要因が関与する可能性が示唆された.
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