日本透析医学会雑誌
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30 巻 , 5 号
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  • 三浦 靖彦, 浅井 篤, 福原 俊一, 松村 真司, 田邉 昇, 前田 憲志, 川口 良人, 黒川 清
    1997 年 30 巻 5 号 p. 289-294
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 渡邊 有三, 成瀬 友彦, 伊藤 晃, 山崎 親雄
    1997 年 30 巻 5 号 p. 295-301
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    インタクト副甲状腺ホルモン値 (i-PTH) が極端に低値 (<10pg/ml) を示す透析患者群 (低PTH群) が重篤な骨関節障害を呈するか否かについて明らかにする目的で, 低PTH患者の臨床的特徴について検討を行った. 低PTH群は375名中51例 (13.6%) が該当した. この患者群は他の患者群と比較してオステオカルシン値が低く低骨回転状態の存在が推測された. 一方, 補正血清Ca値は高く (10.2±0.1mg/dl), 1α(OH)D3投与量は非低PTH群に比べ有意に多く (0.41±0.06 vs 0.32±0.01μg/day), 一部の患者では過剰治療による低PTHの可能性があった. また, 糖尿病性腎症患者が低PTH群となりやすいとはいえなかった. 低PTH群の病歴観察から患者は以下のパターンに分類された. A) 透析導入後持続的に低PTH(n=30), B) 透析導入後の治療に反応 (n=18), C) 副甲状腺摘除 (PTX) 後 (n=3). なお, A群の中には保存期治療で低PTHとなり導入後も持続しているものがあり, A-2) 保存期治療に反応後の低PTHとした (n=2). したがって, 1α(OH)D3治療反応例も低PTH群には含まれる. 臨床症状調査では骨痛や関節痛を訴えるのはPTX後の3例のみであった. 過剰治療による医原性の低PTH状態は避けるべきであるが, 現時点で低PTHすなわち骨関節障害の多発とは即断できない.
  • 関田 憲一
    1997 年 30 巻 5 号 p. 303-307
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    阪神・淡路大震災1年後の兵庫県下透析施設の状況につきアンケート調査を行った. 1年後でも被害のあった施設のうち, 18施設 (35.3%) で補修が完了していなかった. 透析設備の被害では, RO装置,透析液供給装置などの大型機器の損傷とともにパイプの損傷が目立ったが, 特に大型機器相互間をつなぐパイプの損傷が著しく多かった. 今後の対策として配管を耐震化したのは12施設で全体の14.6%に過ぎなかった. 透析患者数は, 22施設 (30.1%) において1年後も元の数に回復していなかった. 震災後転院して行ったまま, まだ元の施設に戻ってきていない患者, および震災後移ってきてまだ残っている患者についての調査では, その理由として住居の倒壊が最も多かったが, 震災を機に自宅の近くへ移った患者も多く, 患者の再配置が起こったと考えられた.
  • 関田 憲一
    1997 年 30 巻 5 号 p. 309-314
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    阪神・淡路大震災後1年間の維持透析患者の死亡状況調査を行った. 震災後では震災前と比較して, 維持透析患者の死亡数は回答を得た51施設の調査では26%の増加が認められた. 特に平成7年1月中が多かったが, 地域別では被災地域と被災地域外では差がなかった. 死亡患者の個別調査では, 心不全, 心筋梗塞などの心臓疾患が最も多く, 肺炎等の感染症, 脳血管障害が続いたが, 死亡原因となった疾患の頻度はこれまでの全国統計と比べて大きな偏りは認めなかった. 死亡患者261人の中で, 被災した人が79人で, そのうち住居の倒壊が52件と最も多かったが, 施設の倒壊や通院困難で透析施設を移った患者も多かった. その261人のうちで震災後に健康状態や検査値の変化が出た患者が21.8%, 精神状態の変化をきたした患者が23.0%であった. 震災後に何らかのストレスが加わったという患者は37.5%で, そのストレスが死亡に関係あるという回答は25.2%の患者で得られ, いずれも被災した患者に明らかに多かった.
  • Michiaki Kubo, Hideki Hirakata, Hidetoshi Kanai, Eriko Hirakata, Akino ...
    1997 年 30 巻 5 号 p. 315-320
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    ACE阻害剤 (ACEI) は透析患者において貧血を増悪させることが知られている. 今回我々は, ACEIによる貧血増悪に対するエリスロポエチン (rHuEPO) の効果を検討した. 対象は, 高血圧を合併した透析患者19例で, ACEI (リシノプリル) を12週間投与し, rHuEPO併用群 (10例, 56±4 (SE) 歳, rHuEPO投与量1500単位, 週3回) とrHuEPO非併用群 (9例, 52±3歳) でヘマトクリット (Ht) の変化を比較検討した. 年齢, 透析歴, 血圧, ACEI投与前のヘマトクリット値には両群間に有意差はなかった. ACEI投与量は, rHuEPO併用群で5.0±2.0mg/day, rHuEPO非併用群で3.0±1.0mg/dayとrHuEPO併用群で有意に多かった (p<0.05). 血圧は両群ともに有意に低下し, 降圧の程度に両群間で差はなかった. ACEI投与後のHtはrHuEPO非併用群で30±2%から26±1%に有意に低下 (p<0.05) したが, rHuEPO併用群では有意な変化を認めなかった. 血中エリスロポエチン濃度, アンジオテンシンII濃度は, 両群ともに低下傾向を示したが有意ではなかった. 血中ACE活性は, rHuEPO非併用群のみにおいて51±5U/Lから30±4U/Lに有意に低下した (p<0.05). 以上より, 透析患者におけるACEIによる貧血の増悪は, rHuEPOの併用により予防できる可能性が示唆された. しかし, rHuEPO併用群では血圧のコントロールにより多くのACEIを必要とした.
  • 中島 貞男, 熊谷 裕生, 梅田 俊一, 河野 浩貴, 猿田 享男
    1997 年 30 巻 5 号 p. 321-327
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性維持血液透析患者における, brain natriuretic peptide (BNP) の意義を明らかにするために, 9か月の間隔をあけて (95年1月と同年10月), 30名の同一患者でBNPとdry weight, 胸部X線上での心胸郭比 (CTR),血圧との関係を検討した. 透析日の透析前値では, 透析により有意なBNPの低下が見られた (95年1月, 10月ともにp<0.002). BNPと平均血圧 (MBP), dry weight (DW), CTR, 透析による除水量 (ΔBW), 透析期間との相関を検討したが, MBPのみと相関が得られた (1月p<0.02, 10月p<0.007). さらに, 1月と10月の平均血圧の差 (ΔMBP) とBNP値の差 (ΔBNP) の間に, r=0.69, p<0.001の極めて良好な正相関が得られた. しかし, ΔBNPとΔDW, ΔCTRには, 相関を認めなかった. また, 全患者の心臓超音波検査によるejection fractionは0.69, EA比は0.66であり, BNPとの間に相関を示さなかった. BNPは, 13名で同時に計測したANPと, 透析前後とも良好な正相関を示した (p<0.001, p<0.001). また, 透析前後のBNPの差とANPの差も, r=0.76 (p<0.003) の有意な相関を認めた. 以上より, BNPは比較的心機能の保たれている慢性透析患者において, 血圧およびANPと強い相関を有したことから, 血圧や体液量を反映すると考えられた.
  • 塩田 潤, 島田 憲明, 窪田 実, 伊藤 浩二, 中村 雄二, 二瓶 英人, 家崎 貴文, 嶋田 哲二, 羽鳥 浩, 山口 隆, 大井 宏 ...
    1997 年 30 巻 5 号 p. 329-333
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は29歳, 男性で, 神経因性膀胱のため25歳時, BUN 138.1mg/dl, Cr 16.4mg/dl, Na 138mEq/l, K 3.4mEq/l, Cl 100mEq/l, c-Ca 6.0mg/dl, iP 12.7mg/dl, intact-PTH 1540pg/ml, pH 7.166, HCO3-8.3mEq/lの状態でCAPD導入どなった. 二次性副甲状腺機能亢進症に対して1α(OH)D3 0.5μg/dayおよびCaCO3 3g/dayが投与され約3か月間でintact-PTH 603pg/mlまで改善した. CAPD開始後1年間に計4回の遷延性腹膜炎に罹患後, 腹痛, 嘔吐, 血性排液が出現した. 以後計3回腹膜炎に罹患し, 除水能低下および残腎機能消失のため血液透析に移行した直後より関節および皮膚に異所性石灰化が出現し, その後高度な代謝性アルカローシスをきたした. 無尿状態であり習慣性嘔吐や下痢および内分泌異常もないためアルカローシスの原因は, CT上著明な腸管壁全層の石灰化を認めた点から, 腸管粘膜におけるHCO3-分泌障害と考えられた.
    本症例の病態は既報のcalcifying peritonitisあるいはperitoneal calcificationに極似しており, 誘因として遷延性腹膜炎時の高濃度透析液使用およびビタミンD過剰投与が考えられた. 本症への対応は腹膜透析の中止に加えて石灰化の予防と代謝性アルカローシスの対症療法である. 胃酸分泌抑制はアルカローシス改善に有効であったが, なお長期的な経過観察を要すると考えられた.
  • 仁科 良, 野本 保夫, 義田 千絵, 豊田 雅夫, 田辺 享史, 野口 匡子, 遠藤 温子, 中島 桂子, 谷亀 光則, 須賀 孝夫, 遠 ...
    1997 年 30 巻 5 号 p. 335-340
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は42歳男性. 1985年1月末期慢性腎不全のため当院にてCAPD療法導入. 以降当院外来通院中であった. 1996年8月15日頃より食後の吐気嘔吐繰り返すようになり食欲低下, 1週間に5kgの体重減少を認めていた. 同21日腹痛排液混濁認め翌22日来院. 細胞数361個/μl, CRP 26.3mg/dl, 白血球14100/μlでありCAPD腹膜炎の診断で緊急入院となった. 入院時理学的所見および画像診断にて硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis: SEP) と診断し, 禁飲食, 鼻腔胃チューブによる腸閉塞に対する対処とメチルプレドニゾロン1000mgのステロイドパルス療法を施行し腸管癒着の改善と経口摂取可能なまでに回復を認めた. 早急な対応とステロイド療法がSEPに有効であったと考えられここに報告する.
  • 松岡 潔, 宮本 哲明, 有薗 健二, 早野 恵子, 福井 博義, 西 潤子, 魚住 秀昭, 犬童 裕成, 渡邊 治, 北岡 光彦, 大塚 ...
    1997 年 30 巻 5 号 p. 341-346
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は71歳, 男性. 慢性腎炎を原疾患とする末期腎不全による12年目の維持透析患者である. 平成7年4月頃よりHctの低下を認め, recombinant human erythropoietin (r-HuEPO) 投与を開始したが改善せず, 8月に胃十二指腸ファイバー, 9月に大腸ファイバーを施行したが異常所見は認められず経過観察中であった. しかし, 平成8年1月, さらに貧血が進行したため近医へ入院し, 再度, 胃十二指腸ファイバーを施行したが異常所見は認められなかった. 3月, 多量の下血が出現し輸血がくり返し必要となったため, 3月6日当院へ転院した. 入院後, 上下部消化管に異常は認められず, 出血シンチグラフィー (使用核種: 99mTcO4-) にて左中腹部にhot spotを認め, 腹部CTにて造影で増強される直径約3cmの腫瘤像を認めた. また, 腹部血管造影にて回腸腸間膜動脈瘤と考えられる腫瘤を認め, 腹部MRI, ドップラーエコー, 出血シンチグラフィー (使用核種: 99mTc-HSA) にて大動脈と同様に血流豊富な腫瘤像を認めた. さらに, 小腸透視にて中部小腸に約15cmの小腸狭窄像を認めた. 以上より, 回腸腸間膜動脈瘤による虚血性小腸炎と診断し, 4月22日, 小腸切除術, 腸間膜動脈瘤切除術を施行した. 透析患者で下血にて貧血が進行した回腸腸間膜動脈瘤によると考えられる不可逆性狭窄型虚血性小腸炎を経験した. RI出血シンチグラフィー, 腹部血管造影, 小腸透視にて診断しえた. 透析患者で貧血が進行する場合, 小腸病変も十分考慮して精査すべきであると思われた.
  • 中村 義雄, 保井 明泰
    1997 年 30 巻 5 号 p. 347-350
    発行日: 1997/05/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    CAPD腹膜炎のうち好酸球性腹膜炎は自然治癒し, 腹膜機能を低下させない予後良好な疾患と考えられている. 我々は, CAPD開始早期より好酸球性腹膜炎を反復発症し, 除水不全をきたした症例を経験した.
    本例は腹膜平衡試験 (PET) でD/P 0.973, D/D0 0.171と腹膜の透過性の著明な亢進を認めた. 腹膜の生検では中皮細胞の消失, 中皮下結合織の線維性肥厚と浮腫および好酸球浸潤を認めた. このためCAPDを中止し血液透析へ移行した.
    好酸球性腹膜炎においても反復持続する場合は, 腹膜の機能障害を伴う組織学的変化をきたす可能性があり早期の対策が必要である.
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