日本透析医学会雑誌
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31 巻, 8 号
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  • 岸本 武利
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1161
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第42回日本透析医学会カレントコンセプトより
    田中 重則
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1163-1167
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第42回日本透析医学会カレントコンセプトより
    谷 徹, 小林 知恵, 横田 徹, 林 國瑞, 阿部 元, 小玉 正智
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1169-1171
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第42回日本透析医学会カレントコンセプトより
    土田 健司, 武本 佳昭, 仲谷 達也, 岸本 武利
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1173-1177
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 柴原 伸久, 中嶋 章貴, 上田 陽彦, 山本 和宏, 勝岡 洋治
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1179-1183
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    抗腫瘍効果を期待し, しかも腎機能の低下した症例にも施行できる血液透析濾過 (hemodiafiltration: HDF) 併用局所cisplatin動注化学療法の有用性を検討した. 膀胱癌3例, 子宮癌3例, 精巣腫瘍, 骨肉腫, 肺癌, 膣癌各1例で血清クレアチニンが0.6から6.0mg/dlの計10症例, 11部位にcisplatin (100, 120, 150, 200, 250, 400mg) を, バルーンで閉塞した腫瘍の栄養動脈に1時間かけて局所動注し, それと同時に上大静脈もしくは下大静脈に留置したダブルルーメンカテーテルより動注開始時から2時間かけてHDFを施行した. その結果, 1) 1.0-1.5m2のハイパフォーマンス膜によるHDFにて蛋白非結合型cisplatinの約90-97%が除去された. 2) 排液中のplatinum (Pt) 濃度は注入した全Pt濃度の約20-55%であった. 3) 尿中のPt濃度は注入した全Pt濃度の約2-24%であった. 4) 局所治療効果はCR 2部位, PR 7部位, NC 1部位, PD 1部位であった. 5) 動注による腎機能の低下はなく, 他の副作用も軽度であった. 以上より, 本治療法は高濃度のcisplatin投与により抗腫瘍効果が増強されるばかりでなく副作用の軽減に有効であり, しかも腎機能の低下した症例や血液透析患者にも施行が十分可能であると思われた.
  • 岩元 則幸, 小野 利彦, 保井 明泰, 矢島 息吹, 青木 正, 馬淵 非砂夫
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1185-1188
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    対象および方法: 慢性血液透析中, 2°HPT (secondary hyperparathyroidism) を合併しPTX (parathyroidectomy) を必要とした97例を対象とした. 男子51例, 女子46例で平均年齢52.5±9.8歳, 手術時透析期間180.6±64.0か月, PTX後観察期間23.6±18.6か月であった. 術後上皮小体機能を絶対的機能低下群 (intact-PTH<60pg/ml) (n=42), 相対的機能低下群 (60≦intact-PTH<180pg/ml) (n=27), 正常群 (180≦intact-PTH<360pg/ml) (n=16), 機能亢進群 (intact-PTH≧360pg/ml) (n=7), 再発群 (n=5) の5群に分類した.
    結果: 死亡症例は絶対的機能低下群, 再発群には認めず, 相対的機能低下群に術後44.2か月心筋梗塞1例, 正常群に術後9.5か月頓死1例, 機能亢進群に術後4.4か月呼吸不全1例, 28か月結腸癌1例の死亡を認めた. 絶対的, 相対的機能低下群の累積生存率は機能亢進群のそれに対し各々有意な生存率の高値を認めた (p=0.0049, p=0.0149). 各群の手術時年齢, 透析期間, intact-PTH, ALP, 術後観察期間, いずれにおいても各群間に有意差を認めなかった. 患者背景の死亡率に対する影響を上皮小体機能, 年齢, 透析歴を変量として重回帰分析を行った. 上皮小体機能のみが有意な負の因子 (Odds Ratio 0.045, p=0.0349) であった.
    結論: 術後, 上皮小体機能低下群は機能亢進群に比べ有意に良好な生存率を示した (p=0.0082). 上皮小体切除後の機能低下症は, 慢性透析患者の予後に影響しない.
  • 恵 以盛, 荒川 正昭
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1189-1192
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持血液透析患者における血清無機リン (Pi) のコントロールは, 腎性骨異栄養症の予防および治療の上で重要である. 今回, 私たちは, 抗高脂血症治療薬のniceritrol (NI) のPi低下作用について検討した. 対象および方法は, 維持血液透析患者11例 (平均年齢62.4±3.2歳, 平均透析歴9.8±7.7年) にNI 750mg/日を内服させ, 内服前2週間, 内服後8週間において, それぞれ血清中のUN, Cr, Ca, Pi, 総コレステロール (TC), HDL-C, 中性脂肪 (TG) を測定した. この間, 活性型ビタミンDおよびphosphate binderである沈降炭酸カルシウム薬 (CaCO3,) の内服量は一定であった. また, 同期間におけるCaCO3非服用例 (NI単独服用例) 6例の血清Piの推移についても検討した. 結果は, (1) NI内服により, 血清Pi値は内服前6.31±1.68mg/dl, 内服1週間後5.31±1.25mg/dlと有意に低下し (p<0.05), 8週目においてもその効果は持続した. (2) この間, UN, Cr, Caはほぼ不変であった. (3) HDL-Cは有意に増加した. (4) CaCO3非服用例においても, 血清Piは有意に低下した. これらのことより, 維持血液透析患者における血清Pi抑制薬として, NIは有効である可能性が示唆された.
  • 庄垣内 良人, 重松 勝
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1193-1198
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    CRIT-LINEを用いた新たな水分貯留の指標を考案し, その妥当性を検討するため透析前の下大静脈径と比較検討した. 外来維持透析患者40名について透析中の除水率を変えずに血液透析を行い, CRIT-LINEより得られたグラフを直線回帰して透析中の循環血液量減少率を求めた. 体重当たりの除水率と循環血液量減少率の関係から, 総除水量に対する血管内除水量の比率を求め, 血管内除水量/総除水量=1/4以上, 1/4-1/5, 1/5-1/7, 1/7以下の4群に分類し水分貯留の程度の指標とした. その妥当性を検討するために透析前の下大静脈径係数 (下大静脈径/体表面積) と比較した. 結果は, 透析前の下大静脈径係数が小さいものほど, 言い換えれば水分貯留の少ないものほど, 総除水量に対する血管内除水量の比率が高くなり, 血管内除水量/総除水量=1/3以上: 脱水傾向が強く血圧低下をきたし易い, 1/3-1/5: 適正除水, 1/5-1/7: 水分過剰傾向, 1/7以下: 肺水腫の危険性がある傾向があった. 以上の方法により, 総除水量に対する血管内除水量の比率を透析毎の経過として解析することで, 水分貯留の増減傾向が判別され過剰水分を除いた真の体重変化を察知することができ, より科学的なdry weightの設定に有用である.
  • 小野 淳一, 斎木 豊徳, 北野 裕一, 福島 達夫, 平野 宏, 大澤 源吾
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1199-1203
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    ureaの体内動態を正確に把握するために, 細胞内外での濃度不均一除去を考慮したtwo-compartment modelによる解析法の臨床応用が望まれている. しかし現在のところtwo-compartment modelのパラメータである細胞膜クリアランス (Kc) は報告者により大きく異なっており, その標準化はいまだ実現していない. このため解析には多数の採血データを用いなければならず, 臨床応用への大きな障害となっている. 我々はKcの推定結果が報告者により大きく異なっている原因に, 細胞内外体積比 (VI/V) を7:3と仮定し, 透析クリアランス (CL) にダイアライザーの全血基準クリアランスを用いてKcの推定を行う推定法に問題があるのではないかと考えた.
    そこで本研究ではtwo-compartment modelのVI/V, CL, Kcを未知なるパラメータとして取り扱い, Kcの推定精度の向上を目的とした. 透析施行中30分間隔で得られた血中urea濃度にcurve fittingするよう, Simplex法を用いてVI/V, CL, Kcの推定を行った. 得られたパラメータ値の妥当性を検討するために, 透析終了後15, 30, 60分のrebound現象の推定を行った. その結果, 本推定法を用いることによりrebound現象の推定精度の向上が認められた. したがって3種類のパラメータを同時推定する本解析法を用いることにより, 正確なKcの推定が可能となったものと思われる.
  • 星野 敏久, 石森 勇, 鈴木 聡, 金子 岩和
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1205-1206
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 辻本 吉広, 田畑 勉, 山田 巌雄, 庄司 繁市, 岸本 博至, 井上 隆, 石村 栄治, 西沢 良記, 森井 浩世
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1207-1212
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, 悪性腫瘍に伴う高Ca血症に対しビスホスホネート製剤の一つであるパミドロネートが有効に用いられている. しかしその作用機序などまだ不明な部分もあり, また透析患者での使用経験の報告も少ない. 今回, 高Ca血症, 腎不全を合併し血液透析を施行した骨髄腫患者において, パミドロネートを用い血清Ca値をコントロールした症例を経験したので報告する.
    症例は74歳の男性. 1996年5月, 腎不全を示し透析施行を目的とし当院入院となる. 血液透析導入後も血清Ca12.7mg/dlと高Ca血症および嘔気が続いた. 精査の結果, IgD型多発性骨髄腫と診断. 腎不全は腎生検によりmyeloma kidneyによるものと考えられた. 骨髄腫に対してMP療法を行い, また高Ca血症に対してパミドロネートを投与し血清Ca値を9.0-11.0mg/dlに維持することができた. 透析患者においてもパミドロネートは有効な薬剤と考えられた.
  • 大久保 泰宏, 猪瀬 和人, 吉田 良二
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1213-1216
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    閉塞性動脈硬化症 (ASO) による下肢壊疽のために激烈な疼痛が持続した2名の糖尿病性腎不全による血液透析患者に対して, 高圧酸素療法を行い, その前後で鎮痛剤の使用量の変化を検討した. 症例1は5年の透析歴を有する67歳の女性で, 著明な疼痛を有する左足の虚血を合併していた. 通常の鎮痛剤では疼痛のコントロールがつかないため, 高圧酸素療法を4回施行した. 症例2は18か月の透析歴を有する糖尿病性腎不全の70歳の男性で右足の潰瘍と壊疽が進行した. 右下腿切断術を施行したが, その後も疼痛が持続した. 当初, 幻肢痛と考えていたが, 虚血による組織の低酸素状態も一因と考え高圧酸素療法を2回施行した.
    2例とも数回の治療により, コントロール困難であった虚血肢の高度の疼痛が軽減し, 鎮痛剤の使用量も急激に減少した. また, 特に大きな合併症もなく高圧酸素療法を施行しえた. 以上より, 血液透析患者において, 有痛性の下肢虚血性病変に対する高圧酸素療法は有効な治療法の一つであると考えられた.
  • 中田 誠司, 井上 雅晴, 竹澤 豊, 小林 幹男, 栗原 寛, 山中 英壽
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1217-1219
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    67歳, 男性. 腎不全のため当科外来を紹介受診. その時のPSAが13.4ng/mlと高値であった. 触診, 経直腸前立腺エコーでも前立腺癌が疑われ, 前立腺のsystematic biopsyにて両葉に中分化腺癌が認められた. 諸検査にて, T 2 bN 0 M 0, Stage B 2の診断であった. フルタミド375mg/日の内服を開始し, 4日後に血液透析導入, 8日後に酢酸リュープロレリンの皮下注射を施行した. 皮下注射1日後, 4日後, 8日後, 27日後における血液透析前後の酢酸リュープロレリンの血中濃度を測定したところ, 透析後には透析前より約10-20%低下しており, 除去率は6.8-20.2%であった. PSA, テストステロンは順調に下降し, 特記すべき副作用もなく, 現在外来で経過観察中である.
  • 三浦 靖彦, 浅井 篤, 福原 俊一, 松村 真司, 田邉 昇, 政金 生人, 酒井 信治, 山縣 邦宏, 川島 洋一郎, 伊良部 徳次, ...
    1998 年 31 巻 8 号 p. 1221-1225
    発行日: 1998/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    アメリカでは, 患者自己決定法が1991年に制定され, 公的資金の援助を受けている病院においては, 患者に, advance directive (AD) について説明を行うことが義務づけられており, この制度により, 患者の希望に沿った終末期医療がある程度可能となっているが, 日本においては, ようやく尊厳死, 安楽死に関する討論が本格化しはじめたところで, ADに関する社会的認識や法的整備は, ほとんどなされていないのが現状である. また, 海外特にアメリカにおいては, 透析治療が一つの延命治療であるという概念が成立しているため, 透析治療の生命倫理学的研究報告もいくつか存在するが, わが国においては, ほとんど存在しないのが現状である. そこで, 日本におけるADを含む終末期医療の現状と将来性を考えるため, 探索的グループ・インタビューを企画し, 透析専門医の尊厳死, ADに関する意識を調査した. その結果, 透析医療において, 数多くの倫理的問題があり, それに対して, 何の解決策も打ち出されていないことが明らかにされた. また, 透析非導入・中止に関しては, 医師の使命感・倫理観から, 現状では容易に行えないと言う意見が多く, 患者の尊厳死に対する要望を安易には取り入れられない土壌があることも明らかとなった. 一方, ADの概念そのものに関しては, 有用性を認める意見が圧倒的であった. 以上より今後のわが国の終末期医療のあり方について, 考察した.
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