日本透析医学会雑誌
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32 巻 , 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 池上 修生, 木村 文宏, 池田 義弘, 床鍋 繁喜, 瀬口 健至, 鈴木 智史, 住友 誠, 辻 明, 小田島 邦男, 浅野 友彦, 早川 ...
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1117-1120
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全の緊急血液透析導入時の一時的なブラッドアクセスとして使用されるウロキナーゼ・コーティング・カテーテル (UKカテーテル) のカテーテルトラブルについて, Shaldon型ダブル・ルーメン・カテーテル (DLカテーテル) と比較検討した. 対象は大腿静脈にUKカテーテルを挿入し血液透析を導入したUK群65名 (男性36名, 女性29名) とDLカテーテルを使用したDL群124名 (男性71名, 女性53名) である. UK群65名に対し87本のカテーテルを使用し, 合計653回の透析を行った. 1人あたりの透析回数は3-24回 (平均10.0回) で留置期間は5-52日間 (平均20.3日) であった. 合計653回の透析中22回 (3.3%) に合併症を認めた (患者65名中12名). 一方DL群124名は170本のカテーテルを使用し, 合計1474回の透析を行った. 1人あたりの透析回数は2-35回 (平均11.9回) で留置期間は3-92日間 (平均26.4日) であった. 合計1474回の透析中56回 (3.9%) に合併症を認めた (患者124名中56名). 内訳はUK群は血流不全が16回 (透析1回あたり2.4%), 発熱は3回 (0.45%), 自然抜去は1回 (0.15%) であった. また, 透析中にカテーテル自体の破損を2回 (0.30%) 認めた. DL群は発熱が27回 (1.83%) と最も多く, 次いで血流不全が21回 (1.42%), 出血および血腫が4回 (0.27%), その他, 自然抜去が4回 (0.27%) であった. 両群間でカテーテル合併症の発生頻度に有意差を認めなかった. 個々の合併症では発熱の発生頻度だけがDL群のほうがUK群より有意に高かった (P<0.01). また血流不全はUKカテーテルで多い傾向にあったが, 有意差はなかった. これらの結果からUKカテーテルのウロキナーゼで被覆された利点は必ずしも証明されなかったが, 新たに重篤な合併症も認められず, 留置後でも歩行可能であるという患者行動制限の少なさを考え合わせると, その使用は望ましいと考えられた.
  • 中野 美佳, 沢野 仙子, 大薗 英一, 田中 雅巳, 栗原 怜
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1121-1125
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持血液透析患者の皮膚のかゆみは頻度の高い合併症の一つだが, 確定した治療法はない. 今回, 血液透析患者のかゆみに対して保湿製剤による4週間のスキンケアを指導し, 皮膚のかゆみと乾燥に対する改善効果を検討した. 対象症例は維持血液透析患者17例 (男性12, 女性5) で, 平均年齢は59.8歳, 平均透析期間は8.5年であった. スキンケアによって皮膚の乾燥が改善した12例中8例 (67%) でかゆみが改善した. かゆみの原因が皮膚の乾燥以外と考えられる例ではかゆみは改善しなかった. 夜間のかゆみによる就眠不良を訴えた7例中4例でQOLが改善した. これらの結果から, 保湿製剤を使用したスキンケアの継続で, 皮膚乾燥による透析患者のかゆみは軽減されると思われた.
  • 児玉 敏宏, 北 裕次, 上田 俊郎, 阿部 貴弥, 正野 峰夫, 阿部 富彌
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1127-1133
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    持続的にアルブミンを純化するシステム (continuous albumin purification system, CAPS) やアルブミン含有透析液再生システムを開発し, 臨床応用が可能であるかどうかビリルビンを指標として検討し, エンドトキシンの移行性についても検討した. また, ビリルビン以外の蛋白結合毒素としてインドキシル硫酸やシスプラチンを用いCAPSによる除去が可能であるかどうかも検討した. これらの実験の結果, 透析液再生システムは有用であること, エンドトキシンの血中への移行性がないことより, CAPSは実際の臨床において使用しても安全性の高いシステムと考えられた. また, CAPSにおいてインドキシル硫酸の除去が可能であることが確認されたが, シスプラチンにおいては除去不能であった.
  • 中西 祥子, 中西 員茂, 藤堂 恵, 久保 和雄, 二瓶 宏
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1135-1141
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    28歳, 女性. 15週で妊娠判明時に血清クレアチニン4.4mg/dlを指摘され, 慢性腎不全の診断にもかかわらず患者の強い希望により妊娠継続した. 血液透析を行いながら32週で経膣分娩にて1790gの男児出産し, 産後8日目の血液透析を最後に離脱した. その後外来経過観察中徐々に腎機能低下, 産後1年10か月にて血液透析再導入となり, 週1回4時間の透析療法を行っていたが, 再び妊娠した. 透析時間延長, 回数を増やし38週にて経膣分娩にて2764gの女児を出産. 産後は週2回各4時間の血液透析となる. その後徐々に高窒素血症進行し, 週3回各4時間の血液透析を行っているが, 大きな合併症なく今日に至っている.
    2児とも奇形なく, 発育については第1子のみ生後8か月までは標準を下回ったがそれ以後は支障なく, それぞれ10歳, 8歳となり日常および学校生活を順調に過ごしている.
  • 小松 文都, 西川 宏志, 福森 知治, 松本 茂, 山本 晶弘, 湯浅 健司, 寺尾 尚民, 小田 勝志, 広瀬 邦彦
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1143-1148
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性透析患者に合併した胸部および腹部大動脈瘤の3症例を経験した. 症例1は48歳, 男性で主訴は腹痛と背部痛, 腹部CTで最大径10cmの解離性大動脈瘤 (DeBakey IIIb) を認め, 腎下部腹部人工血管置換術および胸腹部置換術を施行した. 術後に後腹膜膿瘍を認め, 敗血症のため術後3か月目に死亡した. 症例2は62歳, 男性で主訴は腹痛, 嘔吐. 腹部CTおよび腹部超音波検査で最大径5cmの腹部大動脈瘤を認め, 腹部人工血管置換術を施行した. 術後経過良好であったが, 術後40日目に脳内出血を併発し死亡した. 症例3は81歳, 男性で主訴は腹部腫瘤. 腹部CTで最大径5cmの腹部大動脈瘤を認めたが, 高齢であり保存的療法で経過観察を行い現在も健在である. 透析患者に合併した大動脈瘤に対しては破裂例の予後が悪いことから, 早期発見と積極的な外科療法の必要性が強調されている. しかし, 依然リスクの高い手術であり周術期管理には十分な注意が必要であると考えられる.
  • 猪瀬 和人, 河合 弘進, 田村 茂生, 平松 範行, 樋口 慎太郎, 真下 啓一, 阿部 由紀子, 大久保 泰宏, 吉田 良二, 黒川 公 ...
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1149-1153
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    我々は末期腎不全にて発見された, 非癒合性交叉性骨盤腎の1例を経験した. 症例は36歳男性で, 昭和61年頃から腹満感, 平成6年頃から膝関節痛および夜間頻尿を自覚し, また平成7年4月頃に高血圧を指摘されたが, 定期的外来受診を受けておらず, 今回尿路感染症による発熱を呈し当院初診となった.
    入院時, 血清クレアチニンと尿素窒素の上昇, 代謝性アシドーシス, 高度の腎性貧血を呈し, 尿毒症に対して緊急血液透析が施行された. 他覚的に高度の腹部膨瘤が認められたため, 腹部CT scan・MRI等を施行し, 多嚢胞性腎形成異常と水腎症との鑑別を要したが, 最終的に, 両側水腎症と診断した. その原因検索の結果, 先天性の非癒合性交叉性骨盤腎による両側水腎症と診断し, 左腎単純全摘による右腎機能の温存を試みたが, 腎機能の改善が認められず, 血液維持透析導入となった.
    一般にこのような腎奇形はそう稀ではないが, 初診時より末期腎不全にて発見され, そのまま透析導入までに至る症例報告はなく, ここに報告した.
  • 濱田 千江子, 井上 早苗, 四家 敏秀, 長田 しをり, 福井 光峰, 富野 康日己
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1155-1158
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    腹膜透析の長期間継続症例の増加に伴い, 腹膜劣化による除水不全が大きな問題となっている. 近年, 除水量の低下症例に対し数か月にわたる腹膜休息が, 有効であるとの報告がある. 今回著者らは, CAPD歴6年目に, カテーテルの移動を契機に高張性の透析液を使用することとなり, 移動の改善後も腹膜機能が著明に低下した症例を経験した. この症例に対して12時間の腹膜休息を設けたAPD療法を導入し, 6か月後に除水量を含めた腹膜機能の改善をみたので報告する.
  • 野村 威雄, 佐藤 文憲, 酒本 貞昭
    1999 年 32 巻 8 号 p. 1159-1162
    発行日: 1999/08/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は55歳男性. 主訴は肉眼的血尿. 1991年糖尿病性腎症のため血液透析導入され, 週3回の維持透析が施行されていた. 1995年11月27日肉眼的血尿出現し当院入院, 膀胱鏡検査で乳頭状腫瘍を認め同12月19日経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-Bt) を施行した. 病理組織診断はTCC, G3, pTaであった. 以後経過観察していたが, 1996年8月肉眼的血尿, 尿細胞診class Vのため再度膀胱鏡検査施行したところ多発性膀胱腫瘍再発を認めたため, 同9月4日全身状態を考慮し, 単純性膀胱摘除術を施行した. 病理組織診断はTCC, G 2, pT 2であった. 2か月後, 症候性右水腎症を発症し, 同11月27日右腎摘除術を施行した. 病理組織診断にて腎孟, 尿管断端にTCC, CISを認めたため1997年1月22日残遺尿管摘除術を施行した.
    さらに同6月, 左膿腎症を発症したため, 左腎摘除術を試みたが高度癒着のため摘出できず, 腎瘻術のみに止めた. 同時に採取した腎盂尿細胞診はclass Vであった. その後全身状態は徐々に悪化し1998年2月11日死亡した. 本症例は血液透析患者に合併した多発性尿路上皮癌と考えられ, 診断および治療に難渋した症例であった.
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