日本透析医学会雑誌
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34 巻 , 3 号
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  • 佐藤 明美, 坂田 祐子, 大隅 知子, 鈴木 静江, 寺田 章子, 村松 豊子, 古谷 隆一
    2001 年 34 巻 3 号 p. 169-172
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    完成した出口部 (挿入部の表皮ダウングロスが完成し浸出液も出ない状態のカテーテル出口部) は創ではなく皮膚であり, 日常の出口部ケアもスキンケアの立場から行う必要がある. スキンケアの原則は皮膚を清潔に保つことであるので, 石鹸洗浄で出口部ケアを行いその有効性について検討した.
    ポビドンヨード消毒単独で出口部ケアを行っていたCAPD患者 (N=20) の出口部ケアに石鹸洗浄を追加した. このケア方法での出口部・トンネル感染の発生頻度は0.09回/患者・年 (観察期間21.1±3.1か月) で, ポビドンヨード消毒単独で出口部ケアを行っていた場合 (発生頻度0.91回/患者・年, N=33, 観察期間24か月) に比べ有意に低下した (p<0.01). 次に, 出口部ケアをポビドンヨード消毒を行わずに石鹸洗浄のみのケア方法に変更した (N=16). この方法での出口部・トンネル感染の発生頻度は0.11回/患者・年 (観察期間11.7±1.6か月) で, ポビドンヨード消毒を併用した出口部ケアでの発生頻度 (0.12回/患者・年, 観察期間18.1±3.2か月) と差はなかった (p=0.626).
    完成した出口部の日常のケアには出口部石鹸洗浄は有効な方法であり, ポビドンヨード消毒は必ずしも必要でないことが示唆された.
  • 益田 眞理, 南 忠義, 杉原 清貴, 東 拓也, 明山 達哉, 森田 昇, 本宮 善恢
    2001 年 34 巻 3 号 p. 173-177
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    維持血液透析患者66例について, 新たな動脈硬化性物質として注目されているhomocysteineおよびメチオニン代謝系基質である葉酸の血中濃度を測定した. 血漿homocysteine濃度は12.6-182.0μmol/l (平均45.6±31.9μmol/l) と全例で高値を示すと同時に著しい個体差を認めた. 一方, 血清葉酸濃度は2.7-26.8ng/ml (平均7.5±4.1ng/ml) とほとんどの症例で基準値の範囲内にあった. また, 血清葉酸濃度と血漿homocysteine濃度には負の相関 (r=-0.245; P=0.0445) が認められた. さらに, 血清葉酸濃度15ng/ml以上では40μmol/l以上の高度のhomocysteine高値例は認められなかった. しかし, 通常の食生活で血清葉酸濃度が15ng/ml以上に維持できている症例は3例 (4.5%) に過ぎず, 残りの63例 (95.5%) は血清葉酸濃度15ng/ml以下であった. 今回の結果からacquired hyperhomocysteinemiaの状態にある維持血液透析患者においては通常の食生活のみでは血漿homocysteine濃度を正常に保つに十分な葉酸濃度を得ることはできず, 動脈硬化予防のためには積極的な葉酸投与の必要性が示唆された.
  • 加藤 謙吉, 浅野 泰
    2001 年 34 巻 3 号 p. 179-185
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    至適透析量の指標とされているKt/V for urea, 蛋白異化率 (PCR) などを日本透析医学会統計調査委員会の算出法と一致させ, 入力操作の簡素化, かつグラフ化によるインフォームド・コンセントへの利用, さらに透析条件シミュレーションも加えたデータベースの作成を試み, それをランタイム化することによって他施設への配布も可能にした. このデータベースを利用し当院において透析条件変更による1年間の透析指標の推移を観察したところ, Kt/V for ureaは1.31±0.19から1.52±0.17と改善した. 透析条件シミュレーションでは, 現透析時間と予測透析時間との間に相関係数0.681の関係が得られ, 本ランタイム型データベースソフトが透析指標の算出のみならず, 目標値に向けた透析条件再設定の補助的役割を担えると思われる.
  • 岡田 知也, 松本 博, 日高 宏実, 吉野 麻紀, 篠 朱美, 長岡 由女, 竹口 文博, 中尾 俊之, 鈴木 利昭, 東芝 林, 岩動 ...
    2001 年 34 巻 3 号 p. 187-192
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    副甲状腺機能低下症 (HypoP) を呈する維持透析患者における, ビタミンK2 (VitK2) 投与による骨塩量, 骨代謝に及ぼす効果を検討した. 対象はintactPTH (iPTH) が65pg/ml以下であり, ビタミンDが投与されていない血液透析患者30名, 腹膜透析患者9名である. Digital image processing (DIP) 法による右手第2中手骨骨塩量 (m-BMD), 透析期間, 年齢, 性, Body mass index, 糖尿病の有無をマッチングさせて, 対象をVitK2投与群21名, 非投与群18名に分け, 投与群にメナテトレノン45mg/日を12か月間投与した. 12か月間のm-BMD, iPTH, intact osteocalcin (OC) の変化を検討した. m-BMDは観察期間中, 両群間に有意な変化を認めなかった (投与群2.39±0.48→2.40±0.53mmAl, 非投与群2.60±0.39→2.63±0.40mmAl). 投与群において12か月後のiPTHは, 観察開始時に比し有意に上昇した (投与群32±16→51±42pg/ml; p<0.01, 非投与群34±20→38±39pg/ml). OC, Ca, Pは両群ともに有意な変化を認めなかった (投与群OC 19±14→23±16ng/ml, 非投与群17±11→14±7ng/ml). 投与群において, 12か月後のiPTHが1.5倍以上上昇した6名では12か月後に有意なCaの低下とPの上昇 (ともにp<0.05), OCの上昇傾向を認めた (p=0.12). 以上より, HypoPを呈する維持透析患者において, 12か月のVitK2投与により中手骨骨塩量には明らかな減少抑制効果は認められなかったが, 骨回転改善効果をもたらす可能性が考えられた.
  • 上條 敦子, 渡邊 雅美, 鷹觜 徳子, 八木 祝子, 石井 策史, 西山 敬介, 橋本 浩一, 作田 学
    2001 年 34 巻 3 号 p. 193-199
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, Guillain-Barré症候群 (GBS) や慢性炎症性脱髄性多発神経根炎 (chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy; CIDP) などの脱髄性神経疾患に対してアフェレシスが行われるが, その適応基準や施行方法について現在のところ一致した見解はみられない. そこで, 当院で脱髄性神経疾患患者に対して施行したアフェレシスにつき診療録に基づき症状, 方法, 効果, 合併症, 副作用を調べて疾患別に有効性を検討した.
    対象患者24人 (アフェレシス施行延べ例数26例) で, 血漿交換 (PE) 75回, 二重膜濾過 (DFPP) 60回, 免疫吸着 (IA) 12回の計147回のアフェレシスが施行された. 運動麻痺の改善度はHughesの重症度を基にし, 知覚障害は自覚症状の改善度により判定した.
    GBS 16例では著効が8例, 有効が4例, 無効が3例, 判定不能が1例であり, アフェレシスの有効性は確認された. PE, DFPP, IAの3方法の間に有効性に関して優劣は認められなかった.
    CIDP 4例のうち1例でのみ有効性が認められたが, 効果は短期間であった. Crow-Fukase症候群 (CFS) の3例と急性発症の多発性硬化症 (MS) 1例で有効性が認められた. 重篤な合併症・副作用として死亡1例, 呼吸停止1例を認めた.
    以上よりGBSではいずれのアフェレシスも有効性の高い治療法であることが確認された. CIDP, CFSおよびMSにおいては薬物治療で十分な効果がみられない場合にアフェレシスは試みるべき治療法と考える.
  • 吉矢 邦彦, 蓮沼 行人, 岡 伸俊, 大前 博志, 守殿 貞夫
    2001 年 34 巻 3 号 p. 201-205
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析療法はゴールのない治療であるため, その目標は単なる延命だけではなく, QOLの維持と向上にある. そこで, 透析患者において, 自らの健康感を患者の視点から認識する健康関連QOLをSF-36にて評価した. 対象は, 平均年齢59.5歳, 平均透析歴6.9年の血液透析患者183例である. 結果は, SF-36の8つのすべてのサブスケールにて, 透析患者はQOLスコアの低下を認めた.
    QOLの低下因子を, 患者背景, 合併症, 患者の自覚症状にて分析した. 患者背景では, 高齢化と透析の長期化と血清アルブミン値の低下が, 身体機能を中心にQOLを低下させた. 合併症では, 悪性腫瘍, 糖尿病, シャントトラブル, 心電図上の虚血性変化, 四肢の切断歴, アミロイドーシスがQOLを低下させた. このような合併症は, その数が増加するほどQOLは低下した. 合併症に対する対策がQOLの維持と向上に重要であると考えられる. 患者の自覚症状では, 『ひどい疲れや消耗感』 『筋肉の痛み』 『息切れ』 などが, QOLを低下させている特有の訴えである. 医療従事者は, ベッドサイドで患者に接する時に, このような訴えに配慮する必要がある.
  • Hiroshi Ushida, Kyun I Park, Chol J Kim, Yusaku Okada
    2001 年 34 巻 3 号 p. 207-209
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    常染色体優性遺伝であるbranchio-oto-renal syndrome (側頸嚢胞, 難聴, 腎機能低下を三徴とする症候群) の小児に対し生体腎移植術を施行したので報告する. 症例は, 11歳男児. 3歳時より蛋白尿を指摘され, 精査にて低形成腎と診断され, 7歳時に貧血の精査中に, branchio-oto-renal syndromeと診断された. 9歳時頃より血清クレアチニンと尿素窒素の上昇がみられるようになり, 10歳時には血清クレアチニン6.49mg/dl, 尿素窒素129.3mg/dlと上昇してきたため, CAPD導入となった. 両親から腎提供の希望があったが, 母親には側頸嚢胞, 軽度腎機能低下が認められたため, 父親をドナーとする生体腎移植術を1996年7月24日施行した. 免疫抑制剤はCsA (Cyclosporine A), Az (Azathioprine), Pr (Prednisolone) の3剤を併用した. 移植後経過は順調で, 血清クレアチニン1.0mg/dl前後, 尿素窒素20mg/dl台まで改善した.
  • 宇田 有希, 林 優子, 野地 金子, 大坪 みはる, 久保田 加代子, 杉野 信博
    2001 年 34 巻 3 号 p. 211-213
    発行日: 2001/03/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
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