日本透析医学会雑誌
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34 巻 , 4 号
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  • 冨永 芳博, 福島 純, 三輪 真幹, 久野 勉, 政金 生人, 友 雅司, 新里 高弘, 福井 博義
    2001 年 34 巻 4 号 p. 229-235
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 高橋 恵子, 小岩 文彦, 衣笠 えり子, 出浦 照國
    2001 年 34 巻 4 号 p. 237-242
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者にビタミンK2 (VK2) を3か月間投与し, 投与前後の骨代謝マーカーを比較検討した. 対象は安定期透析患者21例, 全例女性, 平均年齢56.4±9.6歳, 平均透析期間12.7±5.9年, 原疾患は慢性糸球体腎炎18例, その他3例であった. 21例をVK2投与群15例, 非投与群6例に分類し, 投与前, 投与1か月後, 3か月後のγ-カルボキシル化オステオカルシン (Gla-OC), 非カルボキシル化オステオカルシン (Glu-OC), intact-PTH (i-PTH), 骨型アルカリホスファターゼ (骨型ALP) を測定した. 結果は, 1) i-PTHとGla-OC, Glu-OCはいずれも有意な (p<0.01, p<0.01) 正の相関 (r2=0.65, r2=0.51) を示した. 2) VK2投与後Gla-OCは1か月後, 3か月後で有意に上昇 (p<0.01, p<0.01) し, Glu-OCは1か月後, 3か月後で有意な低下 (p<0.01, p<0.05) を示した. 3) Gla-OCとGlu-OCから算出したGla化率はVK2投与に伴い有意に (p<0.01) 上昇したが, 投与開始時のi-PTHによる差や活性型ビタミンD製剤の併用による影響は認められなかった. 以上の結果から, 血液透析患者においてVK2は, OCのGla化を介して骨代謝を改善させる可能性を有する薬剤と考えられた.
  • 坂田 洋一, 目黒 輝雄
    2001 年 34 巻 4 号 p. 243-248
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血中ホモシステイン (Hcy) レベル高値は, 血栓症や動脈硬化の危険因子の一つであることが最近明らかにされた. 腎不全患者にみられる高Hcy血症の原因は, 腎不全による排泄障害と代謝障害がその原因として考えられている. 慢性血液透析 (HD) 患者のHcyレベルを低下させるには, ビタミンB6, ビタミンB12および葉酸の高用量, 長期間投与が必要であるといわれている. 本研究では, そのうち最も効果の著明な葉酸について, 投与方法と, 至適量の検討を行った. 対象はHD患者180名で, そのうち血中Hcyレベルが35nmol/ml以上の患者を, 薬剤, 投与方法の違いにより, 無作為にいくつかの群に分けて検討した. 葉酸5mgを連日投与4週間, 透析日のみに投与4週間, および, 透析日のみに4週間投与した後, 週の最終透析日の後にのみ, さらに24週間投与した群に分けた. 結果, 連日投与群, および, 各透析日後にのみ投与した群では, 血中葉酸レベルは, それぞれ正常値上限の60倍および, 7倍に上昇したが, Hcyレベルの低下はいずれもほぼ等しく, 約57%であった. 予め, 透析日のみに投与し, その後, 24週間, 週に1回のみ投与し, 中止後, さらに16週間経過を観察した群の解析からは, 血中葉酸レベルを正常値上限の2倍から4倍くらいに維持すれば, 総Hcyレベルを低値に維持することが可能であるが, 2倍以下になると再上昇することが示された. 透析によりHcyの約40%が除去されることを考慮すると, 60nmol/ml以下の高Hcy血症の患者では, 上記のような最小量の葉酸投与で, 葉酸レベルを正常の2倍から4倍に維持すれば, 総Hcyレベルを正常値以内に保つことが可能であることが示唆された.
  • 佐々木 信博, 安藤 康宏, 井岡 崇, 有阪 弘明, 島野 靖正, 高野 隆一, 増永 義則, 草野 英二, 浅野 泰
    2001 年 34 巻 4 号 p. 249-256
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者の動脈硬化は長期予後の重要な規定因子である. 脈波速度 (PWV) は動脈硬化の非侵襲的診断法として確立しているが, 透析患者のPWVの評価は一定していない. 今回我々は, 透析患者の大動脈-末梢動脈でのPWVについて検討した. 疾患群 (D群) 86例 (糖尿病 (DM): 13例, 血液透析 (HD): 29例, DM+HD: 32例, 腹膜透析 (CAPD): 12例), 対照群 (C群) 47例において, 総頸動脈 (Ca), 上腕動脈肘部 (Br), 前脛骨動脈 (Ti) の3点で超音波パルスドプラ法を用いて血流波形を記録し, 心電図R波ピークから血流立ち上がりまでの時間 (CT) を求め, Caと他部位の時間差 (ΔT), 2点間の距離 (L) から求めたPWV (L/ΔT) を拡張期血圧で補正した (PWVc). また透析中の経時変化も追跡し, preliminaryでは腹部大動脈臍部 (Ao) においても測定した.
    各部位のCTは互いに相関し, Ti-CaΔTは年齢と逆相関を示した. Ti-Ca PWVcは年齢と正相関し, D群で有意に高値であった. Ti-Ca PWVcを従属因子とし, 年齢, 各疾患を独立因子とした重回帰分析においては, 年齢とDMが強い規定因子であった. Ti-Ca PWVcと透析歴の間には相関がみられなかった. Ti-Ca PWVcは透析後に有意に増加し, 除水量との間に有意な正相関が認められた.
    本法のTi-Ca PWVcは, 年齢と強い正相関を示し, 大動脈-末梢動脈までの長い区間での測定のため, 動脈硬化性変化をより鋭敏に反映する可能性がある. Ti-Ca PWVcにおいて, 年齢とDMが強い規定因子となり, HDの有無は有意ではなかった. また, PWVは透析後に有意に増加するため, 透析患者では測定条件に留意する必要があり, PWVの規定因子として循環血液量が関与している可能性が示唆された.
  • 佐野 直人, 芝本 隆, 吉本 裕, 佐々木 信, 遠藤 健一, 田村 博之, 秋葉 隆, 丸茂 文昭
    2001 年 34 巻 4 号 p. 257-262
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    目的: ダイアライザー接続カプラーによる透析液のエンドトキシン (ET) 汚染に対して, ET汚染対策カプラーが用いられている. そこで各種汚染対策カプラーによる透析液のET汚染防止効果を同一条件下で基礎および臨床的に評価した. 方法: 検討に用いたカプラーは, A: 1年以上使用した従来型. B: 新しいオーリングに交換した従来型. C: 抗菌オーリングに交換した従来型. D: オーリング部分の消毒可能な型. E: オーリングなしのシリコン型. F: オーリングなしでダイアライザー接触部全てが消毒可能な型を用いた. 基礎実験ではカプラーと血液回路を用い閉鎖回路を作成しET汚染後の洗浄効果を観察した. 長期臨床使用では, カプラー長期臨床使用による透析液へのET汚染, カプラー内ET汚染, ダイアライザー接続時カプラーET汚染とその初期値からのET濃度の時間経過を検討した. 結果: 洗浄実験では, A, B, Cは循環開始直後からET濃度は上昇し, D, E, FではET濃度の上昇はなかった. 長期臨床使用でのダイアライザー接続直後のET濃度は, Aで30週間高値を示し, B, Cは18週目より上昇した. D, E, Fでは30週間低値を維持した. 脱着時のカプラー内ET濃度は, Fで他に比べて低値を示した. ダイアライザー出口のET濃度はA, B, Cで灌流直後に高値を示し, 時間経過とともにET濃度は低下し, 他のカプラーでは終始低値だった. ET濃度の時間経過はカプラーA, B, Cで他のD, E, Fに比べET濃度低下に時間を要した. 結語: ダイアライザーと接触するオーリングがなく, カプラー内部を全て洗浄・消毒できる構造がET汚染対策カプラーとして有効であった.
  • Fumihiko Hinoshita, Kenji Okuda, Yasushi Asano
    2001 年 34 巻 4 号 p. 263-269
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    一般にB型肝炎は, B型肝炎ウイルスの解明と治療の確立により少しずつ減少し, 以前に比べると維持透析患者でもB型肝炎表面抗原 (hepatitis B surface antigen) が陽性化したりB型肝炎ウイルスによって肝炎を起こす頻度が減少してきている. しかし, 血液透析患者がB型肝炎ウイルスの感染によってB型肝炎表面抗原が陽性化した場合, 免疫能が弱いため, 12か月経過しても駆逐できていなければほとんどがそのままキャリヤーになってしまうともいわれている. 今回我々は, 透析導入時にB型肝炎ウイルスキャリヤーであることが確認されていたものの, 数年後にB型肝炎表面抗原が陰性化した70歳男性の維持透析症例を経験し, ウイルスマーカーや肝機能などについてretrospective studyを施行した. 本症例では, 透析導入後, B型肝炎コア抗体 (hepatitis B core antibody) が陽性となったが, 5年後にはB型肝炎表面抗原が陰性化し現在に至るまで陰性のままであった. B型肝炎表面抗原のtiterが下がり始めた時期に一致して一過性の血清ALT値の上昇が認められた. 透析患者におけるB型肝炎表面抗原のseroconversionは比較的珍しい現象であるだけでなく, その臨床経過を10年間の長期にわたって調査した報告はなく, 今後, B型肝炎キャリヤーの取り扱いや病状の進展, 予後を予測したり評価したりするうえで臨床的に意義深いものと考え報告する.
  • Kazuto Inose, Kazunari Kanke, Masafumi Misawa, Yasuhiro Okubo, Ryoji Y ...
    2001 年 34 巻 4 号 p. 271-279
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    高度の進行性貧血を呈した慢性血液透析患者に合併した胃前庭部毛細血管拡張症の一例を報告する. 患者は60歳男性で, 慢性腎不全の原疾患は慢性糸球体腎炎. 6か月前から貧血が進行しヘモグロビン4.0g/dlまで低下した. 内服治療に全く効果なく貧血の改善が認められず, 繰り返しの輸血を必要とした. 初期の胃内視鏡検査では, びらん性胃炎や易出血性胃炎と診断されたが, 十分な観察にて胃粘膜表層の血管拡張像を認め, 組織所見から胃前庭部毛細血管拡張症と診断した. 入院後, 内視鏡的焼灼療法を施行し, 貧血の改善をみた. 本症例のように, 出血の危険の伴う慢性血液透析患者においても, 内視鏡的焼灼療法を安全かつ有効に施行できた.
    胃前庭部毛細血管拡張症は, 最近になって明らかとなった疾患概念で, 比較的稀な疾患であるが, 上部消化管出血をきたす原因疾患の一つである. 消化管出血の多くの原因として血管異形成病変は多く認められているにもかかわらず, 我々が検索した範囲では, 血液透析患者に併発した胃前庭部毛細血管拡張症の論文報告は, 日本では現在までに少数例であった.
    本症例のように, 本疾患は内視鏡所見や胃粘膜表層生検では容易に胃炎と診断されがちで, 難治性の貧血を呈する患者に遭遇した場合は, 常に胃前庭部毛細血管拡張症の可能性を念頭に置き, 十分な観察や生検を進めてゆかなければならない.
  • 平中 俊行, 山川 智之, 木村 英二, 喜田 智幸, 中村 順一, 金 昌雄, 川上 明子
    2001 年 34 巻 4 号 p. 281-284
    発行日: 2001/04/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    人工血管を用いた内シャント作製後に, 虚血による神経麻痺をきたした2症例を経験した. これは, シャントに血流がスチールされ神経が虚血に陥るために起こる稀な合併症で, ischemic monomelic neuropathy (IMN) と称されている. 糖尿病症例, 末梢性血管疾患合併症例に内シャントを作製した場合に発症しやすいとされているが, 本邦における報告は極めて稀である. 2症例とも人工血管の絞扼術を行い, スチール症状は改善したが, 神経麻痺は改善しなかった. 従って, IMNの対策は早期発見とシャント閉鎖であり, IMNの存在を認識しておくことが重要であると考えられた.
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