日本透析医学会雑誌
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35 巻 , 8 号
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  • 渡辺 緑子, 中田 敦博, 八島 彰人, 河出 恭雅, 佐藤 悌, 小杉 智規, 鳥山 高伸, 川原 弘久, 水野 正司, 森田 良樹, 松 ...
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1193-1198
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    二次性副甲状腺機能充進症 (II°HPT) が比較的軽度で, 血清intact PTH (i-PTH) が500pg/mL未満の維持血液透析患者に対し, maxacalcitol (オキサロール®注, 中外製薬, 以下OCT) を添付文書上の用法・用量よりも低用量から使用し, その臨床効果を検討した. 対象は経口ビタミンD (VD) 剤を使用しているにもかかわらず, i-PTHが240pg/mL以上500pg/mL未満を示す維持血液透析患者19例 (男性15例, 女性4例) で, i-PTH値よりI群 (11例, 240≦i-PTH<360pg/mL) とII群 (8例, 360≦i-PTH<500pg/mL) に分類した. 経口VD剤を2週間中止した後, OCTを毎回透析終了時にI群では2.5μg, II群では5μgを透析回路静脈側から注入した. OCTの投与量は経過中の血清i-PTHと補正Ca値に応じて増減した. 治療開始前2週から, 開始後48週までを観察期間とし, 血清i-PTH・補正Ca・P・ALP・骨型ALP (b-ALP)・オステオカルシン (BGP)・副甲状腺体積をそれぞれ経時的に測定し, その推移を各群毎に治療開始2週前の値と比較検討した. i-PTHは両群とも, 治療前と比較し有意に低下した. 補正CaはOCT・Ca製剤を用量調節することでコントロール可能であったが, II群でより強い上昇傾向がみられた. P・ALP・b-ALP・BGPは観察期間中両群で有意な変化を認めなかった. 副甲状腺の体積については一部で減少を認めたが, i-PTHとの相関性はみられなかった. 以上のことから, i-PTHが500pg/mL以下の比較的軽度のII°HPTに対する低用量からのOCT静注パルス療法は, 血清Caの上昇を軽度に保ちつつ, 長期的にPTH抑制を維持できることが示唆された.
  • 洲村 正裕, 横木 広幸, 別府 昌子, 本多 弘, 黒田 弘之
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1199-1204
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    シャント血管の超音波検査, 特に血流速度の正確な測定は, これまで非常に困難とされてきた. 今回われわれは, シャント血管に対する水浸法を用いた超音波検査を行い, その有用性を検討した. 対象は当院血液透析患者のうち, 前腕にブラッドアクセスを有する20例である. 超音波検査は水浸法下で, Bモード, カラードプラにて血管を観察し, パルスドプラにて血流速度の測定を行った.
    シャント血管径は6.5±1.4mm, 血流速度は689.8±326.3cm/minであった.
    水浸法では, エコーゼリーやカプラを使って観察した場合と比較して, 血管の変形はなく, 血管内の微小な病変まで観察することが可能であった. また血流速度測定時には, 至適な超音波入射角を維持し, 血管を変形させることはなく, 血流波形に混入するノイズも低減できることから, シャント血管における超音波検査の問題点を十分改善できたと思われる.
    水浸法による超音波検査は, すでに報告されている超音波検査と比較して, 簡便性・正確性の両面で優れた検査法になりうると考えられた.
  • 中野 広文, 竹口 文博, 岩澤 秀明, 丹野 有道, 木村 弘章, 中山 昌明, 細谷 龍男
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1205-1210
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    10例の寝たきり患者に対して, 家族の全介助により施行された在宅腹膜透析 (PD) の有用性を検討した. この透析法は, 患者quality of life (QOL) の保持を目的として, 介護者である家族の意向に従い, バッグ交換の負担軽減に配慮した処方内容であった (PDラスト).
    対象患者の8例は男性, 2例は女性であった. 平均年齢は71.6±8.5歳, 慢性腎不全の基礎疾患として糖尿病性腎症は9例, 慢性糸球体腎炎は1例で, 全例, 重篤な栄養失調を呈する終末期透析患老であった. 9例は血液透析 (HD) からの移行であり, HD歴は平均28.9±26.5か月であった. 透析法は, continuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD) の1例を除く9例で, バッグ交換を行う家族の生活に支障のないよう, 間歇的なPDまたはautomated peritoneal dialysis (APD) を採用していた. 在宅PDでは, 訪問診察あるいは看護の際にエリスロポエチンを投与し, ヘマトクリット (Ht) 値を十分に保持することを治療目標とした (平均Ht: 31.1±3.3%).
    在宅診療中に精神障害ないし痴呆の進展を認める症例はなかった. 躁鬱病の1例は, テンコフカテーテルの自己破損後に腹膜炎を併発し, 腸管穿孔にて死亡した. 高度痴呆の1例は, テンコフカテーテルを2度自己抜去したため, 再度HDへ変更した. 残り8例は, 死亡までPDを継続した (在宅PD期間: 17.1±10.4週).
    今回の在宅PD法では, バッグ交換に対する家族への負担を軽減しつつ, 終末期透析患者の社会的入院が回避された. しかし, 精神疾患ないし高度の痴呆患者への対策など, 今後の課題も多い.
  • 谷仲 肇子, 石光 俊彦, 高橋 正樹, 南 順一, 小野 英彦
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1211-1217
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性血液透析患者において左室心筋重量の増加と関係する因子を検討した. 安定した維持血液透析下にあり, 虚血性心疾患や心臓弁膜症を合併しない166例 (男80例, 女86例, 年齢56±1歳) を対象として心エコー検査を行い左室心筋重量係数 (LVMI) を算出した. 患者の身体所見, 病歴, 一般検査所見とともに, 血漿アンジオテンシンII (A II) 濃度およびACE遺伝子型を調査し, LVMIとの関係を検討した. 身体所見および背景因子の中では血圧がLVMIと強い相関を示し (収縮期血圧r=0.254, p=0.001; 拡張期血圧r=0.261, p<0.001), 年齢, 性, Body mass index (BMI), 腎不全の原疾患, 透析年数, 喫煙, 飲酒, 脈拍数, 透析間の体重増加などの項目とLVMIの間には有意な相関は認められなかった. 検査所見では血漿AII (r=0.184, p=0.020) が有意に相関し, 肝酵素, BUN, 血清Na, K, Ca, P, ヘマトクリット, β2ミクログロブリン, ACE遺伝子型などはLVMIと有意な関係を示さなかった. 慢性血液透析患者においては, 血圧がLVMIに影響する主要な因子であり, これとともにレニン-アンジオテンシン系の亢進がLVMIの増加に関係すると推測される.
  • 湯浅 健司, 天野 慎二, 島崎 修行, 大田 和道, 増田 秀作, 横田 欣也, 宮本 信昭, 寺尾 尚民
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1219-1224
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    今回, 高血圧を有する慢性血液透析患者20例を対象に24時間血圧測定 (ABPM) を施行しその解析および血圧日内変動パターンと臨床的パラメーターとくに動脈硬化危険因子/透析関連予後不良因子との関連について検討した. 患者は夜間血圧降下率により2群に分けられた (dipper型とnon-dipper型). Non-dipper型が55% (11/20) にみられた. non-dipper型では, dipper型と比して有意にHt値が低かった (28±3 vs 32±2, p<0.01). またnon-dipper型では, 脈圧亢進群 (PP≧85mmHg) および蛋白摂取量低下 (PCR<0.9) が高頻度にみられた (各々55%, 64%, ともにp<0.05). 結論として, 透析患者におけるnon-dipper型への危険因子として蛋白摂取量低下および貧血が示唆された.
  • 渡辺 幸康
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1225-1231
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析患者の動脈硬化に起因する合併症は予後決定の重要な因子である. 今回われわれは, ATI (Acceleration Time Index) という新たな指標に注目し, 超音波パルスドプラ法を用いて, 頸動脈血流波形からATIを測定し, 動脈硬化との関連性について検討した. 透析患者 (HD群): 40例, 非透析患者 (non HD群): 40例において, 頸動脈血流波形の立ち上がりからピークのVmaxまでの時間AT (Acceleration Time) を1心拍時間PT (Periodic Time) で除して, ATI=AT/PTを求めた. 同時に頸動脈内膜中膜複合体 (IMT), 胸部レントゲンから大動脈石灰化係数 (ACI) を測定した.
    頸動脈ATIは有意にHD群で高く, 年齢・Fontaineの分類と正相関し, non HD群ではIMT・ACI・Fontaineの分類と正相関した. ATIはHD群, non HD群において, 動脈硬化の各指標間において, 相関関係に若干の質的な差異が認められる.
    ATIと動脈硬化に関連する疾患との関係については, 糖尿病群は非糖尿病群に比べて, 脳血管障害合併群は非合併群に比べて, 有意にATIが高かった. ATIと透析歴は相関しなかった.
    今回われわれの検討から, 頸動脈ATIは年齢・Fontaineの分類・HDの有無・糖尿病・脳血管障害との間に密接な関連性を認め, 透析患者における簡便かつ有用な動脈硬化の指標になりうる可能性が示唆された.
  • 野崎 智恵子
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1233
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 中原 宣子, 森田 夏実, 内田 雅子
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1235
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 種畑 昌明, 種畑 美奈子, 山本 悦永
    2002 年 35 巻 8 号 p. 1237-1240
    発行日: 2002/07/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    経口摂取困難な腎不全患者に, 腹壁固定具を使用しイントロデューサー法で内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) 後, 2週間で腹膜透析 (CAPD) の導入に成功した2症例を経験した. 1例目は, 62歳の男性. 糖尿病性腎症から血液透析を1年前に導入した. 痴呆の進行のため経口摂取困難となり, PEGを施行. その後体動激しく血液透析困難となりPEG術後2週間で腹膜透析カテーテルを挿入しCAPD導入となった. 2例目は, 66歳の男性. 脳梗塞にて長期リハビリ後, 腎不全の進行があり透析導入のため入院. 嚥下障害ありPEGを施行した. ブラッドアクセス作成困難, 早期退院のためPEG後2週間で腹膜透析カテーテル留置術, CAPDの導入した.
    いずれの症例も腹膜炎等の合併症もなく通常の腹膜透析の導入が可能であった. 経口摂取困難な患者が腹膜透析を必要な場合, 腹壁固定具を使用したイントロデューサー法PEGで, 術後2週間で安全にCAPDの導入が可能であると考えられた.
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