日本透析医学会雑誌
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38 巻, 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 乳原 善文
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1749-1761
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第50回日本透析医学会ワークショップより
    今田 聰雄, 中山 昌明, 三上 裕子, 窪田 実, 中井 滋, 中尾 弘美, 新里 高弘, 有薗 健二, 中元 秀友
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1763-1770
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 静間 徹, 福山 直人, 小谷 進, 重城 志緒, 木村 剛爾, 明神 和紀, 飛田 美穂, 武林 祥裕, 倉田 康久, 中澤 博江, 盛 ...
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1771-1773
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    目的: 遮光透析による腎不全患者の酸化ストレス軽減効果が示唆されているが, その機序については不明な点が多い. われわれは, 好中球における可視光線刺激による活性酸素の生成について検討した. 方法: ヒト好中球懸濁液を作製し, 電球型蛍光灯 (14,000ルクス) にて60分間光照射した群と遮光群において, スーパーオキシド (O2-) 生成速度を算定した. 結果: 可視光線照射によるO2-生成速度は2.02nmol・106細胞数/mL/分であり, 遮光群では0.79nmol・106細胞数/mL/分であった. 結論: 遮光透析による酸化ストレス軽減効果の機序のひとつとして, 体外循環中の好中球におけるO2-生成が, 可視光線の遮断により抑制されることが推測された.
  • 塩田 孝夫, 川村 和子, 本橋 和子, 若杉 和倫
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1775-1780
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    今回, われわれは電解質分析装置STAX-3の日常の管理方法およびその問題点を, 標準血清およびコントロール血清を用いて検討した. STAX-3におけるNa+, K+およびCl-測定の日差再現性は, 変動係数が標準血清では0.8%以内, コントロール血清では1.1%以内であり, 良好な結果であったが, コントロール血清は標準血清と比較し, やや安定性が低かった. これらの結果より, 日常の管理には標準血清より価格の安いコントロール血清を用い, 装置の保守点検後およびコントロール血清を用いた日常管理で異常を示した場合, その確認のために, 理論値が表示されており, より安定である標準血清を用いることが適切と思われた. また, データ保証のためにはコントロール血清の選択と取扱い, および装置の設置環境に留意し, 管理を行うことが必要である.
  • 松下 和通, 萱沼 賢司, 深澤 瑞也, 武田 正之
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1781-1786
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    これまで当院において腹膜透析カテーテルを留置する際には, 留置後のカテーテル位置異常を予防するために, カテーテルの内視鏡下腹壁固定術を併用してきた. また, それ以前の症例においてカテーテルの位置異常をきたした際には, 内視鏡的にカテーテル整復術を行い, 腹壁固定術を併用した. しかし内視鏡手術を行う際には, 専用のスコープ・ポート・鉗子類が必要となり, 医療経済的な問題が指摘されていた. また腹腔内操作を行う際には, 2箇所以上の腹腔内アクセス路 (ポート挿入) が必要であり, 創部が増えることによる審美的問題も懸念されていた.
    今回われわれは, これらの問題点を解決すべく, 膀胱用軟性ビデオスコープを用いたポートレス鏡視下CAPDカテーテル留置術を考案した. この方法においてはポートを使用せず, CAPDカテーテルの腹腔内挿入部とビデオスコープ挿入部を同一部位とすることにより, 創部を増やさず手術を施行することができる. また, ビデオスコープ鉗子チャンネルからの軟性鉗子操作により, カテーテルの牽引やカテーテルからの大網剥離などの腹腔内操作が可能である. 当方法は, CAPDカテーテル留置時に腹腔内の観察が必要な場合, 簡便で, 審美的かつ医療経済的に優れた手技であると考える.
  • 木下 千春, 井上 賀元, 神田 千秋, 藤田 葉子, 武下 清隆, 小西 憲子
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1787-1791
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析歴4年の73歳の女性が糖尿病性壊疽にて下肢切断のために当院に転入院した. 手術中血圧が一時的に50/20mmHgまで低下した. 術後5日目, 発熱, 下腹部痛, 尿意の訴えがあり, CRP 30.2mg/dL, 白血球数11,600/μLを呈した. 翌日意識障害, 腹部膨隆が出現し, 腹部X線にて著明な小腸ガス像を認め, 麻痺性イレウスが疑われた. その後, 腹痛が増強し, 敗血症性ショックを呈し永眠した. 剖検の結果, 膀胱穿孔を伴う壊死性膀胱炎, 汎発性腹膜炎と病理診断された. 膀胱壁に抗β2MG抗体陽性のアミロイド沈着が認められたが, 軽度であった. 本症例では動脈硬化, 術中の血圧低下, 糖尿病性神経因性膀胱による膀胱壁の過伸展が認められ, これらにより惹き起こされた膀胱壁の虚血が壊死性膀胱炎の発症要因のひとつと考えられる. さらに, 透析患者特有の易感染性や神経因性膀胱や無尿が原因となって難治性となった慢性尿路感染も壊死性膀胱炎の発症に寄与したものと思われる.
  • 酒井 佳奈紀, 宇津 貴, 近森 康宏, 難波 倫子, 原田 環, 竹治 正展, 高原 健, 山内 淳
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1793-1797
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例1は保存期腎不全で通院中の68歳の男性. 2005年2月, 左膝の疼痛, 腫脹のため, スリンダクの内服を開始した. スリンダク開始10日後より, 食欲低下, 全身倦怠感が出現. 全身倦怠感が強く, 腹痛, 嘔吐を伴ったため当科紹介. 腎不全の進行, アシドーシス, 高カリウム血症を認め, 直ちに血液透析を施行した. 血液透析中より腹痛が増強, 透析後の腹部CTにてfree airを認めたため, 緊急開腹手術を行い, 回腸末端より120cm口側に穿孔を伴った小腸潰瘍を認めた.
    症例2は72歳の男性. 2004年10月, 急性心筋梗塞を契機に血液透析に導入され, 近医で維持血液透析を行っていた. 2005年1月末より両下肢の安静時疼痛のため, ロキソプロフェンを内服していた. ロキソプロフェン開始5日後, 突然腹痛が出現し持続し, 近医でイレウスと診断され, 当院に緊急受診した. 腹部全体の圧痛, 筋性防御, Blumberg徴候, 炎症反応の上昇より, 消化管穿孔を疑い腹部CT施行. 肝前面に少量のfree airを認めた. 保存的治療に反応しないため, 翌日開腹術施行. トライツ靱帯より40cm肛門側の空腸に, 径8mmの穿孔を認めた.
    近年, 非ステロイド性抗炎症薬の使用者に小腸潰瘍が多発することが明らかにされてきた. 腎不全患者は, さまざまな合併症による疼痛を訴えることが多いが, 安易な非ステロイド性抗炎症薬の使用を慎むとともに, 非ステロイド性抗炎症薬の投与中に貧血低アルブミン血症, 腹痛などを生じた場合, 小腸の潰瘍や穿孔も考慮する必要がある.
  • 安藤 哲郎, 赤松 眞, 川瀬 友則, 山中 太郎, 伊藤 直記, 阿岸 鉄三, 安藤 義孝
    2005 年 38 巻 12 号 p. 1799-1804
    発行日: 2005/12/28
    公開日: 2010/03/16
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    症例は69歳, 女性. 透析歴2年. 2003年7月, 同年10月に下血を認めていたが出血源は特定できなかった. 2004年1月に大量下血をきたしたため当院入院となり, 出血シンチグラフィおよび腹部血管造影にて回盲部付近の小腸に動静脈奇形 (arteriovenous malformation: AVM) が指摘された. 腸間膜動脈造影を術中に施行し, AVMを開腹下に特定して切除した. しかし半年後に再発し, ヒストアクリルを用いて動脈塞栓術を施行した. その後1年間は再発を認めていない.
    小腸AVMは診断・治療が困難であり, また異時多発性に発症することがあるため注意が必要である.
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