日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
38 巻, 1 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 和田 篤志, 北岡 建樹, 中井 滋, 新里 高弘, 奈倉 勇爾, 菊池 健次郎, 政金 生人, 篠田 俊雄, 山崎 親雄, 坂井 瑠実, ...
    2005 年 38 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    2003年末の統計調査は全国の3,750施設を対象に実施され, 3,717施設 (99.12%) から回答を回収した. 2003年末のわが国の透析人口は237,710人であり, 昨年末に比べて8,172人 (3.6%) 増加であった. 人口100万人あたりの患者数は1,862.7人である. 2002年末から2003年末までの1年間の粗死亡率は9.3%であった. 透析導入症例の平均年齢は65.4歳, 透析人口全体の平均年齢は62.3歳であり, 2003年末の透析人口の平均年齢は2002年末の透析人口平均年齢62.2歳とほぼ同等の値を示した. 透析導入症例の原疾患毎のパーセンテージでは, 糖尿病性腎症が41.0%であった. 慢性糸球体腎炎は29.1%であった.
    採血前にとった食事から採血までの経過時間と血清脂質濃度の間に著明な関係は認められなかった. 透析患者全体の血清中性脂肪濃度平均は113.9±71.7mg/dL (±s.d.) であった. Friedewaldの式から計算された血清LDL-コレステロール濃度の平均は90.8±30.9mg/dLであった. 透析液カルシウム濃度が3.0mEq/L以上3.5mEq/L未満である患者が55.4%, 2.5mEq/L以上2.75mEq/L未満の患者は34.7%であった. 血液透析患者の抗凝固薬では, ヘパリン類が79.3%, 低分子量ヘパリンは18.8%であった.
  • 久木田 和丘, 渕之上 昌平
    2005 年 38 巻 1 号 p. 17
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第49回日本透析医学会シンポジウムより
    冨永 芳博, 松岡 慎, 片山 昭男
    2005 年 38 巻 1 号 p. 18-19
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第49回日本透析医学会シンポジウムより
    唐仁原 全, 渕之上 昌平, 中島 一朗, 寺岡 慧
    2005 年 38 巻 1 号 p. 20-21
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第49回日本透析医学会シンポジウムより
    渡辺 浩志, 川西 秀樹, 大下 彰彦, 新原 亮
    2005 年 38 巻 1 号 p. 22-23
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第49回日本透析医学会シンポジウムより
    乳原 善文, 田上 哲夫, 星野 純一, 竹井 亮二, 高市 憲明
    2005 年 38 巻 1 号 p. 24-26
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第49回日本透析医学会シンポジウムより
    森田 弘之, 国松 佳奈, 佐藤 元美, 天野 泉, 雄山 博文, 池田 公
    2005 年 38 巻 1 号 p. 27-28
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 第49回日本透析医学会シンポジウムより
    大平 整爾
    2005 年 38 巻 1 号 p. 29-30
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 岡田 知也, 松本 博, 韓 明基, 篠 朱美, 長岡 由女, 竹口 文博, 外丸 良, 岩澤 秀明, 和田 憲和, 権藤 麻子, 中尾 俊 ...
    2005 年 38 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, 糖尿病透析患者においてグリコアルブミン (Glycated albumin; GA) がグリコヘモグロビン (HbA1c; A1c) に代用し得る有用な血糖コントロールの指標であるという報告が散見される. 非糖尿病患者も含めて, 維持透析患者におけるA1cとGAの両者の関係を知るために, GA/A1c比をみることにより検討した. 対象は血液透析 (HD) 患者86名 (糖尿病 (DM) 50名, 非糖尿病 (nDM) 36名), 腹膜透析 (PD) 患者33名 (DM 6名, nDM 27名). 同時に検査されたGAとA1c, GA/A1c比, 他の臨床指標との関係について検討した. DM-HD患者, nDM-HD患者, nDM-PD患者においてGAと随時血糖の間に有意な正相関を認めたが (r=0.42, 0.51, 0.44, p<0.01, 0.01, 0.05), A1cと随時血糖の相関はいずれの患者群において有意ではなかった. A1cとGA間の相関はDM-HD患者において有意だった (r=0.64, p<0.001). HD患者のGA/A1c比はDM 4.0±0.6, nDM 3.7±0.5だった. PD患者のGA/A1c比はHD患者に比し有意に低値だった (PD患者全体2.3±0.5, vs HD患者全体p<0.001). DM-HD患者, nDM-HD患者, nDM-PD患者においてGA/A1c比が高い群においてエリスロポエチン (EPO) 投与量が多い傾向を認め, 血清アルブミン濃度やPD患者における蛋白喪失量との関連は認めなかった. 結論として, 血液透析患者においてA1cはGAに比して高血糖状態を過小評価する傾向にある. 一方, 腹膜透析患者ではGAはA1cに比して相対的に低値となり, 高血糖状態を過小評価する傾向になる. GA/A1c比が高い患者はEPO投与量が多い傾向にあったが, GA, A1c, GA/A1c比を規定する要因として短期的な血糖コントロールの変化, 赤血球とアルブミンの代謝回転も考慮する必要がある.
  • 前田 益孝, 神田 英一郎, 桑名 仁, 棚瀬 健仁, 小林 隆彦, 椎貝 達夫
    2005 年 38 巻 1 号 p. 41-50
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年開発されたマキサカルシトール (OCT) はカルシトリオールに比し, 高Ca血症をきたしにくいビタミンD製剤であり, 静注投与が一般的であるが, 副甲状腺への局注療法も有効とされている. しかし, 静注投与では血清Ca値の上昇をきたすために投与量が制限され, 充分な副甲状腺ホルモンの抑制が得られない例があり, また局注療法は集中的に連日ないしは隔日投与が必要とされ, 通院患者への適用は困難である. われわれはOCTの静注にもかかわらず, 副甲状腺ホルモンの充分な改善が得られず, 高Ca血症などのためにOCTの増量が困難であり, エコー上, 副甲状腺の腫大を認めた維持透析患者12名 (男5人, 女7人) に対し, OCTの静注療法は継続したまま, 副甲状腺内にOCTを間欠的に局注し, その併用効果を検討した. 12人の平均年齢は59.8±1.8歳, 平均透析歴は159.4±24.5か月, 血液透析11名, 血液・腹膜併用透析1名, 血清intact PTH値は555±78pg/mL, 平均腫大腺数は1.6腺で容積は1.3±0.4cm3であった. これらの症例に対し, エコーガイド下, 腫大副甲状腺内にOCT 10μgを局注した. 半年間のPIT回数は平均2.3 (1-6)回/症例であった. 全例で経過中, 12mg/dLを超える高度な血清Ca上昇はなく, 反回神経麻痺等の重篤な副作用もみられなかった. 12人中, 11人では一時的または永続的な副甲状腺ホルモンの低下がみられ, 初回局注より半年の時点で40%以上のintact PTH値の低下が得られたのは5例であったが, 他の症例に比し, 有意な臨床的相違はみられなかった. 1例は局注にても副甲状腺ホルモンの低下がみられず, 副甲状腺摘出術に至った. 以上からOCTの静注に副甲状腺内局注を併用する治療は透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症に対し, 治療選択肢のひとつになりえると考えられた.
  • 高橋 佐智子, 里村 厚司, 丸山 高史, 藤田 宜是, 奈倉 勇爾, 松本 紘一
    2005 年 38 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 深部出血を繰り返す重症血友病Bにステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を合併した症例に対して, 体外限外濾過 (ECUM) を施行することにより浮腫のコントロールを可能にした. また, インヒビター治療剤である乾燥血液凝固因子迂回活性複合体 (APCC製剤: FEIBATM) を使用することにより, 体外循環療法時の止血管理を可能にしたので報告する. 症例は31歳男性. 1歳時に関節内出血を起こし, 第IX因子活性が1.0%未満であったことから, 血友病Bと診断された. 13歳時に第IX因子インヒビターを有するようになり, 乾燥ヒト血液凝固第IX因子複合体 (PCC製剤: PROPREX STTM) によるバイパス療法を行っていたが, 頻回に関節内出血を繰り返していた. 2003年8月より全身の浮腫, 嘔気が出現し, 低蛋白血症, 蛋白尿を認めたため, ネフローゼ症候群の診断で入院となった. ネフローゼ症候群に対しループ利尿剤, アンジオテンシンII受容体拮抗薬とプレドニゾロンの投与を開始したが, 治療抵抗性であった. 全身浮腫の悪化と, 消化管浮腫に伴う嘔吐のため全身状態が悪化した. そのため, 体液量の管理を目的に, ECUMを施行した. ネフローゼ症候群は寛解しなかったが, 全身浮腫は消失した. また, 関節内出血は改善せず, 進行性の貧血を認めた. そのため, PCC製剤からAPCC製剤によるバイパス療法に変更したところ, 関節内出血はコントロール可能となり, 有意な止血効果が認められた. また, APCC製剤を使用することにより内シャント造設術の際には, 出血による合併症を回避することができた. また, 抗凝固剤nafamostat mesilateを使用し, 体外循環療法も可能であった. このような症例はこれまで報告がなく, 今後血友病B患者のネフローゼ治療や体外循環療法を選択する上での指標として極めて貴重であると考える.
  • 近藤 裕美, 西村 芳子, 田中 俊久, 岩田 誠, 佐中 孜
    2005 年 38 巻 1 号 p. 57-60
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は70歳男性. 1999年より透析療法を導入 (原疾患不明) された. 2001年1月より頭痛が出現し, 4月上旬より複視, 視力低下, 両側眼瞼下垂が加わったため当院に転院した. 入院時, 視力は光覚弁で, 視神経萎縮, 両側眼瞼下垂を認めた. 眼球は正中に固定し, 対光反射は消失しており, II・III・IV・VIの多発脳神経麻痺を認めた. 頭部MRIでガドリニウム造影にて両側側頭葉, 小脳テント, 頭蓋底の硬膜の肥厚を認め, 肥厚性硬膜炎と診断した. 視力低下が急速に進行し光覚弁の状態となったため, メチルプレドニゾロン1,000mgによるパルス療法を施行した. その後, 大腸内視鏡を施行しBorrmann 2型の大腸癌を認めた. 大腸癌は転移を認めず手術適応と判断し, Hartmann手術を施行した. 術後に, 視力は光覚弁から手動弁まで改善し, 左眼の外転運動が可能となった. 本例の特徴は大腸癌を伴い, 手術後に臨床症状の改善を認めたことである. 悪性腫瘍が肥厚性硬膜炎の原因と考えられ, さらに透析患者に合併した症例はまれであり貴重な症例と考え報告した.
  • 宇津 貴, 新宮 良介, 山縣 愛, 難波 倫子, 原田 環, 山本 陵平, 高原 健, 山内 淳
    2005 年 38 巻 1 号 p. 61-65
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は58歳, 糖尿病による慢性腎不全の女性. 2003年12月, 左被殻出血の脳室穿破にて入院. 開頭術後に維持血液透析となった. 第8病日より経管栄養を行っていたが, 第100病日頃より徐々に貧血が進行. 貧血はエリスロポエチン製剤に反応せず, 顆粒球減少症も伴ったため, 赤血球輸血および顆粒球コロニー刺激因子製剤投与を頻回に必要とした. 鉄, ビタミンB12, 葉酸の欠乏はなく, 自己抗体, 腫瘍マーカー, 血清免疫電気泳動, 胸腹部CT検査にても異常所見は得られなかった. 薬剤の影響も考え, 脳出血後に開始したすべての薬剤を中止したが, 中止1か月後でも貧血・顆粒球減少症は改善しなかった. 第160病日, 骨髄穿刺にて顆粒球系の空泡化変性を認め, 同日の血液検査にて, 銅およびセルロプラスミンの異常低値が判明した. 銅欠乏による貧血・顆粒球減少症と診断. 経静脈的な硫酸銅製剤投与 (1.25mg/日) にて, 速やかに貧血改善と顆粒球増加を認めた. 食事摂取が可能になった後は, 銅投与を中止しても貧血・顆粒球減少症は生じなかった. 経静脈栄養や経管栄養を施行している血液透析患者における貧血や顆粒球減少症の鑑別診断として, 銅欠乏を考慮に入れる必要がある.
  • 山師 定, 藤方 史朗, 山口 邦久, 岡本 賢二郎, 菅 政治, 大岡 啓二, 米田 文男, 熊谷 敦史, 西蔭 三郎
    2005 年 38 巻 1 号 p. 67-70
    発行日: 2005/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は60歳男性で, 主訴は左下腹部痛. 既往歴は, 1987年12月慢性糸球体腎炎による慢性腎不全で血液透析導入, 1988年6月生体腎移植, 1993年11月移植腎機能廃絶のため血液透析再導入. また, 1999年9月左腎細胞癌で根治的左腎摘除術施行. 現病歴は, 2002年9月13日頃より左下腹部痛と微熱あり, 通院透析病院に入院. 抗生物質投与で軽快していたが, 9月30日より腹痛と発熱が再発し上記医院受診. CTでS状結腸膿瘍が疑われ, 10月2日当院入院. 10月17日より尿道出血があり, 膀胱鏡で移植腎尿管口からの出血を認めた. CTでは多発性の大腸憩室および萎縮した移植腎とその尿管に空気を認めた. 10月18日緊急開腹術施行. 憩室炎によるS状結腸移植腎瘻と診断し, S状結腸部分切除, 移植腎摘除術施行. 自験例のように, 腎移植後の透析患者に合併した憩室炎によるS状結腸移植腎瘻の報告は見当たらないので, 若干の考察を加え報告する.
feedback
Top