日本透析医学会雑誌
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39 巻 , 9 号
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  • 太田 和夫, 辻 寧重, 久木田 和丘, 佐々木 茂, 酒井 信治, 渕之上 昌平, 中川 芳彦, 山田 和彦, 神應 裕, 原 修, 天野 ...
    2006 年 39 巻 9 号 p. 1395-1401
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    目的: この試験の目的はテルモ社が開発した再シール性の高い材料を用いた新しい透析用人工血管 (以下, GRASIL®) を臨床使用し, 移植後の長期成績を評価することである. 試験デザイン: 慢性腎不全患者71例に対し, GRASIL®を移植した. 累積開存率はKaplan-Meier法を用いて算出し, 移植後36か月以上 (最長54か月) フォローアップした. GRASIL®の開存率と合併症などを検討し, 本人工血管の臨床上の特長について評価を行った. 結果: 患者背景は男性36名, 女性35名, 移植時の年齢31-88歳 (平均年齢64.1±13.1歳, 中央値65歳) で透析歴は0-31年7か月 (中央値3年9か月) であった. 移植後12か月時点での累積一次開存率は46.3%, 二次開存率は80.4%および三次開存率は91.6%であり, 24か月時点での累積一次開存率は26.4%, 二次開存率は63.7%および三次開存率は83.3%, また, 36か月時点では累積一次開存率は18.5%, 二次開存率は50.0%, 三次開存率は71.4%であった. フォローアップ期間中, 閉塞は17例, 死亡は15例であり, バスキュラーアクセス関連の合併症は16例で18件発生した. 初回穿刺の最短は移植日当日で, 平均は9.8日 (中央値6.0日) であった. 結語: GRASIL®は早期穿刺が可能であり, 移植後36か月以上にわたり透析用バスキュラーアクセスとして有用であることが確認された.
  • 松尾 孝俊, 高谷 徹, 藤森 亜希, 巽 洋, 中村 郁子, 橋爪 健次郎, 舘野 純生, 南郷 英明, 小林 豊, 積田 俊也
    2006 年 39 巻 9 号 p. 1403-1408
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は78歳女性. 25歳時腎結石で左腎臓摘出. 右腎結石で通院していたが腎機能低下し, 76歳時に血液透析導入. 2005年9月5日出血性十二指腸潰瘍で緊急入院. PPI開始後, 汎血球減少を認め, PPIを中止したがさらに悪化, 骨髄所見より骨髄異形成症候群 (MDS) と診断された. 10月5日発熱, 咳嗽および喀血を認め, 画像上びまん性に浸潤影が拡がり肺胞出血と診断. 急性呼吸不全に陥り人工呼吸器管理となった. 血管炎の合併を疑い, 診断的治療としてステロイドパルス療法 (M-PSL500mg, 3日間) を開始した (PSL維持量20-60mg). 検査所見では凝固能異常はなく, 悪性疾患, 感染症, 膠原病および血管炎は否定された. ステロイドの反応は良好であったが再燃を繰り返し, その都度ステロイドパルス療法を行い, γ-グロブリン製剤の併用や血漿交換を試みた. 経過中, サイトメガロウイルス肺炎を合併し, ガンシクロビル投与を開始した. 全身性に出血傾向を認めはじめ, 4回目のステロイドパルス療法の効果はなく病状は増悪し, 多臓器不全で11月23日永眠された. 本症例はMDSの活動性を認めた時期に肺胞出血を併発したことから, MDSに伴う一連の病態と考えられたが, その成因を解明するまでには至らなかった.
  • 戸邉 武蔵, 久保田 孝雄, 林 伸好, 稲津 昭仁, 清水 栄一, 清水 潤
    2006 年 39 巻 9 号 p. 1409-1414
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は19歳, 男性, 自衛官. 2004年6月, WBGT (wet-bulb globe temperature; 湿球黒球温度) 29.9℃を超える炎天下で屋外訓練実施中に意識障害および下肢のふらつきが出現し, 当院に救急搬送され熱射病の診断にて入院した. 意識は昏迷JCS (Japan Coma Scale) II-20, 血圧90/60mmHg, 腋窩体温40.2℃, 脈拍160回/分・整, 白血球14,800/mm3 (幼若芽球12%), 四肢にチアノーゼあり, 併せてIL-6およびIL-10高値を含む高サイトカイン血症を呈していた. これより, SIRS (systemic inflammatory response syndrome) およびショックを呈した熱射病として, 直ちに, 全身冷却および大量輸液を開始したが解熱せず全身状態が改善しないため, 血液濾過透析 (HDF) を施行した. その結果, 速やかに解熱し, 循環不全の改善とともに白血球増加が抑制され, サイトカイン除去が得られ, 救命し得た.
    SIRSを呈した熱射病に対し, 適正な血液濾過透析 (HDF) 療法は中心冷却 (core cooling) 効果と, 極めて有効なサイトカイン制御等の免疫学的修飾が期待され, 有用な救命治療法と思われた.
  • 吉田 克法, 松下 千枝, 千原 良友, 壬生 寿一, 太田 匡彦, 米田 龍生, 永吉 純一, 木村 昇紀, 藤本 清秀, 平尾 佳彦
    2006 年 39 巻 9 号 p. 1415-1420
    発行日: 2006/09/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    二次性副甲状腺機能亢進症に対する保存的治療の継続により, 全身性の腫瘤状石灰化が発現した透析歴118, 168, 154か月の3例を経験した. それぞれのintact-PTHは2,400, 370, 400pg/mLで, 2例ではさほど高値を示していなかったが, 副甲状腺摘出術+前腕自家移植 (PTx) を施行した. 3症例ともに, PTx後6か月から2年で腫瘤状石灰化はほぼ完全に消失した. 腫瘤状石灰化を示す二次性副甲状腺機能亢進症には早期の積極的な外科的PTxを施行すべきである.
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