日本透析医学会雑誌
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41 巻 , 1 号
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委員会報告
  • 中井 滋, 政金 生人, 秋葉 隆, 重松 隆, 山縣 邦弘, 渡邊 有三, 井関 邦敏, 伊丹 儀友, 篠田 俊雄, 両角 國男, 庄司 ...
    2008 年 41 巻 1 号 p. 1-28
    発行日: 2008/01/28
    公開日: 2008/09/10
    ジャーナル フリー
    2006年末の統計調査は全国の4,051施設を対象に実施され,3,985施設(98.37%)から回答を回収した.2006年末のわが国の透析人口は264,473人であり,昨年末に比べて6,708名(2.6%)の増加であった.人口百万人あたりの患者数は2,069.9人である.2005年末から2006年末までの1年間の粗死亡率は9.2%であった.透析導入症例の平均年齢は66.4歳,透析人口全体の平均年齢は64.4歳であった.透析導入症例の原疾患毎のパーセンテージでは,糖尿病性腎症が42.9%,慢性糸球体腎炎は25.6%であった.透析液の水質管理状況に関する調査に回答の得られた3,488施設の中の2,873施設(82.4%)において透析液エンドトキシン濃度が測定されていた.透析液中の細菌数を測定していた施設は,3,228施設中の1,197施設(37.1%)であった.2006年末時点における透析患者のヘモグロビン濃度の平均は10.23(±1.33)g/dLであり,2005年末時点における値10.23(±1.37)g/dLとほぼ同じ値であった.2006年1年間に新たに透析療法に導入された患者15,853人の透析導入時血清クレアチニン濃度の平均値は8.37(±3.58)mg/dLであった.また,MDRD式に日本人係数をかけて求めた推算糸球体濾過値(eGFR,mL/min/1.73m2)の平均は5.46(±6.60)mL/min/1.73m2であった.
総説
第51回日本透析医学会ワークショップより
原著
  • 井上 剛, 中村 太一, 片桐 大輔, 星野 太郎, 多田 真奈美, 柴田 真希, 日ノ下 文彦
    2008 年 41 巻 1 号 p. 65-70
    発行日: 2008/01/28
    公開日: 2008/09/10
    ジャーナル フリー
    背景:日本は結核発生率がほかの先進諸国に比べ高く,なかでも透析患者における結核発生は非常に多いことが知られている.しかも,透析患者では肺外結核の割合が高く診断に苦慮する症例が多い.最近,新たな結核補助診断法としてBCG接種の影響を受けない体外診断検査法QuantiFERON®TB-2G(QFT)が開発され,一般患者での有用性が示されているが,免疫能が低下している透析患者における有用性は示されていない.今回われわれは少数ではあるがQFTの透析患者での有用性を検討した.方法:活動性結核症例5例,非結核症例24例,陳旧性結核4例の計33例の透析患者でQFTを検討し臨床診断結果と比較評価した.結果:33例中QFT陽性が6例.そのうち5例が活動性結核であり,1例は陳旧性結核症例.陰性14例中13例は非結核症例で1例は陳旧性結核症例.判定保留5例中非結核症例が3例,2例は陳旧性結核,判定不可8例はいずれも非結核症例であった.また,この中で臨床の現場で診断に苦慮すると思われる不明熱および原因不明の胸水症例9例について検討すると,5例がQFT陽性であり,そのいずれもが肺外結核.残り4例はいずれもQFT陰性でありSLE胸膜炎,感染性心内膜炎,感染性大動脈瘤,原因不明が1例ずつであった.結論:以上の結果より,透析患者においてもQuantiFERON®TB-2Gは肺外結核の診断に有用であることが示唆された.
  • 三輪 真幹, 太田 昇, 安藤 知代乃
    2008 年 41 巻 1 号 p. 71-76
    発行日: 2008/01/28
    公開日: 2008/09/10
    ジャーナル フリー
    バイパス付き血液回路は,通常の血液回路に血液ポンプをバイパスする回路が付加されていることを特徴とする.バイパス付き血液回路を使用しての返血操作では,人手を要する血液回路のクランプ操作と開放操作とが返血工程初期の短時間に集中している.そして,これらの操作が終了すれば,その後の返血は放置しておいても自然に進行していく.生食ソフトバッグからシャント血管内腔までの落差圧が20mmHg以上の23名の患者を対象にした研究では,透析スタッフが直接操作を行う初期操作時間は26.6±5.2秒であり,返血が自然に進行していくその後の返血工程に要した時間は3.67±0.66分であった.この結果は,バイパス付き血液回路を使用する新しい返血法では,25~30秒間を要する返血工程のいくつかの初期操作が終了すれば,透析スタッフはほかの患者の状態の急変など,緊急事態に対応するために返血中の患者のベッドを離れることも可能になることを示している.また,停電や地震などの災害時にも,バイパス付き血液回路を使用する新しい返血法では,リンス液ラインとの接続部よりも動脈針側の血液回路を充填している16~36mLの血液の損失も受け入れるならひとりの患者につき4~5秒間の操作で30名程度の患者の返血をひとりの透析スタッフが3~4分間で行うことができると計算される.
透析看護
症例報告
  • 吉野 純, 林 雄一郎, 小西 孝之助, 熊井 浩一郎, 辻 美保子, 門川 俊明, 林 松彦, 林 晃一, 伊藤 裕
    2008 年 41 巻 1 号 p. 81-86
    発行日: 2008/01/28
    公開日: 2008/09/10
    ジャーナル フリー
    早期胃癌術後10年以上の経過で造骨性骨転移を発症し診断に苦慮した維持透析患者の1例を経験したので報告する.症例は1992年から維持透析中の60歳,男性.1993年,早期胃癌にて胃全摘術が施行された.2003年頃より血中ALPの高値を認めたため,2004年骨生検を施行したところ,著明な骨硬化像と,腺癌の骨転移所見を認めた.全身検索が施行されたが原発巣の特定には至らなかった.2005年9月便通異常,腹痛を主訴に入院し,大腸鏡にて転移性直腸癌と診断された.多発性骨転移,腹膜播種の所見もあり根治療法の適応なく,全身衰弱のため12月永眠した.剖検の結果,全身に低分化型腺癌の転移所見が認められ,腺癌の組織学的所見は胃癌に矛盾しなかった.経過としては非典型的だったが,10年以上の経過での胃癌の全身転移と診断された.維持透析患者に造骨性変化を認めた場合,鑑別疾患として腎性骨異栄養症だけでなく骨転移の可能性も考慮する必要がある.
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