日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
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48 巻 , 4 号
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原著
  • 庄垣内 良人
    2015 年 48 巻 4 号 p. 227-237
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル フリー
    心不全マーカーのヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド (BNP) とそのN端フラグメント (NT-proBNP) は透析患者では高値となり心不全の評価は難しい. 透析患者26名において週末透析後から次回透析前までの両ペプチドの濃度変化を経時的に測定し, 0次速度-線形1コンパートメントモデルを用いてNT-proBNPの動態解析を行い消失速度定数と半減期を求めた. また重回帰分析にてNT-proBNPの消失速度定数の推定をした結果NT-proBNP, BMI, eGFRが影響していた. NT-proBNPとBNPの半減期の平均は15.3±2.7時間, 27.2±10.5分であった. 心機能の重症度に反比例してBNPの半減期は短くなるが, NT-proBNPでは有意な変化は認めなかった. NT-proBNP値を腎機能正常者の場合に換算する式を考案した結果, 心臓エコー検査の評価とよく相関し, 透析患者においても腎機能正常者と同等に心不全の評価が可能となった.
短報
  • 鈴木 一裕, 神田 英一郎, 菅野 義彦
    2015 年 48 巻 4 号 p. 239-242
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル フリー
    高血流量透析を行うと静脈還流量が増加し前負荷が上昇する結果, 心臓への負担を増大させるのではないかという考えに対し, 高血流と通常血流の状態で心エコーによる心拍出量測定を行い, 静脈還流量の変化を検討した. 同意の得られた維持透析患者33例に対し, 単回の透析セッション中に高血流 (360~400mL/分), 通常血流 (日本で一般的な200mL/分) 再び高血流のもと心エコーを行い, 一回拍出量を測定し, 心拍数との積 (=心拍出量 (mL/分) ) および下大静脈径を静脈還流量の指標とした. 33名中, 中等度以上の弁膜症を呈した3例は解析から除外した. 血流量を高血流から通常血流, そして高血流に戻したときの心拍出量および下大静脈径に有意な変化を認めなかった. 今回の検討から, 高血流透析により心負荷を増大させる可能性は低いと考えられた.
症例報告
  • 中村 俊文, 竜崎 崇和, 宍戸 崇, 滝本 千恵, 小林 絵美, 二木 功治, 半田 みち子, 伊藤 裕
    2015 年 48 巻 4 号 p. 243-248
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/01
    ジャーナル フリー
    2010年に血液透析を導入された40年来の慢性アルコール中毒の67歳, 男性. 2011年3月より食欲低下があり, 4月に30mg/dLの低血糖とpH 7.19のアシデミアを認め, 救急搬送された. Anion-Gap (AG) 23.9のAG開大性代謝性アシドーシスを認め, 見当識障害・運動失調も伴い, ビタミンB1欠乏によるWernicke脳症 (WE) が考えられ, ビタミン補充により改善した. 入院時ビタミンB1値は13ng/mLと低値であった. 当院の食欲良好な維持透析患者20人のビタミンB1値は, 透析前30.4±6.7, 透析後30.2±7.2ng/mLと有意差を認めなかった一方で, 透析下のWEは複数報告され, 透析によるビタミンB1喪失が指摘されている. 食欲低下のみられる透析患者の代謝性アシドーシスでは, ビタミンB1欠乏を積極的に考慮すべきである.
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