日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
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49 巻 , 10 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
委員会報告
危機管理委員会報告
総説
  • 長沼 俊秀, 武本 佳昭
    2016 年 49 巻 10 号 p. 633-636
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー

    われわれは, NPO法人いつでもどこでも血液浄化インターナショナル (NPO Ubiquitous Blood Purification International : UBPI) に属して, 発展途上国への透析医療の支援を行っている. われわれはUBPIの活動を通してカンボジアのInternational University Hospital (IU) にてバスキュラーアクセス手術の教育活動を行っているのでこれを報告する. IUのドクターへのバスキュラーアクセス手術の指導は, 私を含めて計6名の日本人医師で行っており, 2010年度より6年間で6名合わせて計15回ほどカンボジアを訪れ, AVFを42件, AVGを1件, PTAを1件こなしている. 今後, 透析療法が普及してゆくであろうカンボジアにおいては安定したバスキュラーアクセスの作製, 管理が必須であり, その技術の普及が急務であるが, 実際の現場においては, 1) 指導を受ける側の諸事情による問題点, 2) 医療機器や薬剤, 設備に関する問題点, 3) 金銭的な問題点, 4) バスキュラーアクセスの管理についての問題点などが存在した.

  • 鈴木 聡, 前田 佳孝, 青木 洋貴, 石森 勇, 木全 直樹, 土谷 健, 峰島 三千男, 新田 孝作
    2016 年 49 巻 10 号 p. 637-644
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー
  • 古市 賢吾, 和田 隆志
    2016 年 49 巻 10 号 p. 645-648
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー
  • 花房 規男, 新田 孝作, 土谷 健
    2016 年 49 巻 10 号 p. 649-654
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー

    一般的な心血管リスクファクターは, 慢性腎臓病 (CKD) 患者の死亡率増加に関連することが明らかになっている. しかし, 透析患者では, 肥満, 高血圧, および高コレステロール血症が, 生命予後改善と関連する保護作用をもたらすと考えられている. 以前の研究において, 透析患者において心血管リスクファクターの 「reverse epidemiology (逆説的疫学)」 が認められることが示されている. 透析患者においてリスクファクターと臨床転帰の間に逆相関が認められる原因は, 完全には理解されていない. これまでに, protein-energy wastingなど, 考えられるメカニズムがいくつか報告されている. 透析患者を含めたCKD患者における臨床研究によって, この現象の理解が深まるものと期待される. 本稿では, 透析前のCKD患者および透析患者におけるreverse epidemiologyに関して概説した.

  • 田村 雅仁, 久間 昭寛, 宮本 哲
    2016 年 49 巻 10 号 p. 655-660
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー

    腹膜透析を長期にわたり安全に行うためには, 透析液中の非生理的成分を減少させ, 生体適合性を向上させる必要がある. 近年, この問題を改善させた乳酸中性透析液とイコデキストリン透析液が透析液の主流となったが, 高濃度の乳酸が含まれており生体適合性の問題が懸念されていた. 2014年に生理的濃度の重炭酸と低濃度の乳酸を緩衝剤として使用した新しい透析液 (重炭酸中性透析液) が本邦で発売された. 海外では重炭酸中性透析液の生体適合性がよいことが報告されているが, 乳酸酸性透析液との比較であり重炭酸や乳酸による影響のみかどうか不明であった. しかし, 培養腹膜中皮細胞を使った乳酸中性透析液と重炭酸中性透析液との比較実験により, 重炭酸中性透析液では乳酸中性透析液よりも細胞障害が抑制されていることが明らかになり, 乳酸の問題があらためて浮上した. 今後, 重炭酸中性透析液の使用により, 臨床での有用性を確認する必要がある.

  • 美馬 亨, 中島 悠里, 大矢 昌樹, 池田 高治, 龍田 浩一, 小林 聡, 山本 脩人, 國本 悟子, 井関 景子, 玉置 瑛一朗, 奥 ...
    2016 年 49 巻 10 号 p. 661-668
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー

    新規の免疫抑制剤や生物学的製剤の登場により, それまで治療が困難な症例も寛解導入が可能となってきた. 一方で, 未だ有効な治療法がない難治性病態も確かに存在する. 例えば, びまん型全身性強皮症における進行性の皮膚硬化は, 関節可動域の狭小化, さらに進行すると関節の拘縮に至り患者のADLを著しく低下させる. また, 筋炎症状の乏しい皮膚筋炎に合併する間質性肺炎は急速に肺機能を低下させ, 有効な治療法のないこともあり未だに致死率が高い病態である. これら難治性病態に対して血液浄化療法が行われ, 全身性強皮症では血漿交換療法が有効であった症例が報告され, 劇症型の間質性肺炎についてはシクロスポリンとシクロホスファマイドなどの免疫抑制剤にエンドトキシン吸着療法の併用療法が有効であったことが報告され, その治療効果が期待されている. これら疾患以外にも, 血管炎により発症する急速進行性糸球体腎炎では腎機能の廃絶により血液透析に至る率は依然として高い. 今後も難治性膠原病疾患に対して血液浄化療法は有効な治療法の一つと考える.

  • 安部 貴之, 木全 直樹, 大坪 茂, 木村 翼, 石森 勇, 村上 淳, 金子 岩和, 花房 規男, 峰島 三千男, 新田 孝作, 土谷 ...
    2016 年 49 巻 10 号 p. 669-676
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー
症例報告
  • 山﨑 麻由子, 木村 容子, 佐藤 弘, 許田 瑞樹, 神山 貴弘, 能木場 宏彦, 雨宮 伸幸, 杉浦 秀和, 荒川 洋, 細川 俊彦, ...
    2016 年 49 巻 10 号 p. 677-682
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー

    胃もたれ, むかつきなどの上部消化管症状を伴う体重維持の困難な血液透析患者に六君子湯を投与したところ上部消化管症状, 食欲が改善しドライウエイト (DW) が増加した2症例を経験した. 症例1 : 79歳男性. 5か月前より胃もたれ, 食欲不振が出現しDW減量が必要であった. 胃酸分泌抑制薬内服にても症状は持続していた. 六君子湯の投与にて胃もたれや食欲は徐々に改善し1年間でDWは約7kg増加した. 症例2 : 54歳女性. 透析導入前は毎年夏に胃もたれ, むかつきを伴う食思不振が生じ体重が約3kg減少した. 透析導入後DWは27kgと低体重で胃酸分泌抑制薬を内服するも胃もたれを訴えた. 六君子湯の投与にて胃もたれやむかつきのほか, 食欲も改善した. 夏場の体重減少も消失しDWは2年間で約5kg増加した. 血液透析患者の上部消化管症状, 食欲不振を伴う体重減少に対して六君子湯は有用な治療であると考えられる.

  • 内山 清貴, 徳山 博文, 北濱 利奈, 安田 格, 長谷川 一宏, 細江 直樹, 林 松彦, 脇野 修, 伊藤 裕
    2016 年 49 巻 10 号 p. 683-688
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/28
    ジャーナル フリー

    症例は71歳男性. 糖尿病性腎症により, 2009年に血液透析を導入された. 2015年末に心窩部不快感および高度貧血が出現したことから消化管出血を疑い, 造影CT, 上部・下部消化管内視鏡を行ったが, 明らかな出血源を認めなかった. なお, 結腸は肝彎曲までの観察に留まった. その後貧血は改善傾向であったが, 4か月後に再び高度貧血を認めた. 造影CTや消化管出血シンチにてやはり出血源を認めず, 観察不十分であった肝彎曲より口側の結腸観察目的で大腸疾患診断用カプセル内視鏡を行ったところ, 空腸および回腸にわたり多発する血管異形成を認め, 出血源として疑われた. しかし活動性出血はなく, またすべての処置は困難と考えられたため, 保存的治療を行い貧血は改善傾向であった. 本症例は血液透析患者において, 大腸疾患診断用カプセル内視鏡が小腸に多発する血管異形成の診断に寄与した示唆に富む症例であり, ここに報告する.

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