日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
49 巻, 2 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
2015年版 日本透析医学会 慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン
Dialysis therapy, 2014 year in review
短報
  • —計算法と血液流量による影響—
    守上 祐樹, 藤森 明, 久米井 真衣, 灰原 博子, 岡田 志緒子, 溝渕 憲子, 坂井 誠, 中西 健
    2016 年 49 巻 2 号 p. 187-190
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/28
    ジャーナル フリー
    血流量 (QB) とTMPの関係を明らかにする目的で, 血液透析 (HD) および前希釈オンライン血液透析濾過 (OHDF) の際, 血液側入口圧 (PBi), 血液側出口圧 (PBo), 透析液側入口圧 (PDi), 透析液側出口圧 (PDo) の4点の圧を測定した. 透析液流量は500mL/分とし, 血液流量 (QB) を100mL/分から250mL/分まで変化させTMPの変動を観察した. 5種類の計算式でTMPを算出し比較した. TMPの値は計算法によって大きく異なった. QBを上昇させた場合, HD条件ではすべての計算法でTMPは低下した. 一方, 前希釈OHDFではPBiを測定した計算法でTMPは上昇, その他の計算法では低下した. QBを上昇させると血液側の圧損失が増大するため, PBiを測定しなければ計算上のTMPの誤差が大きくなるものと考えられた. QB上昇の際, HDでは剪断速度の上昇のためTMPは低下し, 前希釈OHDFではQBの上昇により希釈率が低下したためTMPが上昇したと考えられた.
症例報告
  • 福井 真二, 中井 靖, 井上 剛志, 豊島 優多, 影林 頼明, 三馬 省二
    2016 年 49 巻 2 号 p. 191-194
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/28
    ジャーナル フリー
    【緒言】尿路のマトリックス結石はまれな疾患で画像検査のみでの診断は困難である. 今回, マトリックス結石により上部尿路腫瘍が疑われた維持血液透析患者の1例を経験したので報告する. 【症例】63歳, 男性. 糖尿病性腎症による慢性腎不全のため維持血液透析が導入された. 2年10か月後に肉眼的血尿が認められた. CTで右尿管腫瘍が疑われたため, 当科を紹介された. 膀胱鏡では膀胱内に腫瘍はなく, 尿細胞診も陰性であった. MRIで右腎盂腫瘍および右尿管腫瘍と診断し, 後腹膜アプローチによる腹腔鏡下右腎尿管全摘術を施行した. 病理組織診断は炎症性病変のみで悪性所見はなかった. 腫瘍が疑われた部位に黒色の結石様物質が認められた. 腫瘤の成分分析結果はマトリックス結石 (蛋白>95%) であった. 【結語】尿路腫瘍を疑わせる画像所見を示す維持血液透析患者では, マトリックス結石の可能性も考慮する必要がある.
Letter to Editor
feedback
Top