日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
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ISSN-L : 1340-3451
51 巻 , 8 号
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原著
  • 桃木 久美子, 原 正樹, 西澤 雄貴, 藤井 照大, 生方 政光, 今村 顕史, 新田 孝作, 太田 哲人
    2018 年 51 巻 8 号 p. 503-508
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/28
    ジャーナル フリー

    【目的】慢性血液透析 (MHD) へ導入したHIV患者の臨床データ, 維持透析施設への転出期間を検討し, HIV合併MHD患者の特徴と問題点を検討する. 【方法】2004年4月から2017年3月までにMHDへ導入したHIV患者14例と, 2016年度にMHDに導入した非HIV患者28例を対象とし, 導入時臨床データ, HIV患者のvascular access (VA) 作製時とMHD導入時HIV感染コントロールおよび維持透析施設転出までの期間を比較検討した. 【結果】非HIV患者群と比較し, HIV患者群のMHD導入時年齢は有意に低く, B型肝炎, 梅毒合併率が有意に高かったが, 臨床データに有意差はなかった. HIV患者群のVA作製時とMHD導入時のHIV感染コントロールは良好であった. MHD導入から維持透析施設転出までの期間がHIV患者群で有意に長かった (2.1±0.8週間vs. 3.8±1.8週間, p=0.0015). その理由として, 受け入れ施設選定困難が最多 (5例) であった. 【結論】HIV合併MHD患者のVA作製からMHD導入までのHIV感染コントロールは良好だが, 一方で維持透析転出先の選定に苦慮することが多い.

症例報告
  • 下村 菜生子, 田畑 勉, 森本 章, 岩田 愛, 細見 由佳, 藤原 木綿子, 岸本 博至, 西澤 良記, 辻本 吉広, 庄司 哲雄, 絵 ...
    2018 年 51 巻 8 号 p. 509-515
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/28
    ジャーナル フリー

    血液透析患者に腹腔内遊離ガスや門脈ガス血症を伴った腸管気腫症を合併した2症例を経験したので報告する. 症例1は65歳, 女性. 8年間の腹膜透析後に, 血液透析に移行した. 被囊性腹膜硬化症の前期が疑われ, プレドニゾロンが開始された. ステロイドによる血糖上昇に対し処方されたα-グルコシダーゼ阻害薬 (α-glucosidase inhibitor: α-GI) 服用後, 腹満感が出現した. 腹部CTにて遊離ガス像を伴う腸管気腫症と診断され, 原因薬剤であるα-GIの中止にて改善をみた. 症例2は76歳, 女性. 62歳時に血液透析導入. 75歳時に出血性直腸潰瘍の既往あり. 腹痛, 嘔吐出現, 腹部CTで門脈内ガスと腸管気腫像がみられた. 絶食と抗菌薬治療にて, 症状は軽快しCTにおける門脈内ガス, 腸管気腫像は消失した. 消化管穿孔や腸管壊死を除外できれば, 遊離ガスや門脈内ガスを伴っていても腸管気腫症に対しては, 保存的治療が選択肢の一つである.

  • 岡本 光平, 河野 圭志, 藤井 秀毅, 清水 真央, 神澤 真紀, 福田 輝雄, 垣内 誠司, 南 博信, 西 慎一
    2018 年 51 巻 8 号 p. 517-523
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/28
    ジャーナル フリー

    症例は71歳女性. 全身倦怠感を主訴にX年5月に近医を受診, 腎機能障害を認め翌日に当科紹介受診となった. 受診時Cre 7.49mg/dL, M蛋白血症と胸腹部単純CT検査にて膀胱壁肥厚と両側水腎症を認めた. 両側水腎症に対して両側尿管カテーテルを挿入し, 右内頸静脈よりバスキュラーアクセスを留置して緊急血液透析を施行した. 骨髄検査の結果, 多発性骨髄腫と診断, 膀胱壁肥厚は粘膜下腫瘍であり生検により多発性骨髄腫の髄外病変と診断した. 多発性骨髄腫と診断後にBD (ボルテゾミブ+デキサメタゾン) 療法を開始. 腎機能は緩徐に改善していき, 血液透析からは離脱し得た. 多発性骨髄腫に膀胱内髄外病変を合併することは非常に稀であり, 文献的考察も含めて報告する.

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