日本透析医学会統計調査 (JSDT Renal Data Registry : JRDR) の2018年末時点における年次調査は, 4,458施設を対象に実施され, 施設調査票に関しては4,402施設 (98.7%), 患者調査票に関しては4,222施設 (94.7%) のほぼ例年通りの回答を得た. わが国の透析患者数は年々増加し, 2018年末の施設調査結果による透析患者数は339,841人に達し, 人口百万人あたりの患者数は2,688人であった. 患者調査結果による平均年齢は68.75歳で, 最も多い原疾患は糖尿病性腎症 (39.0%), 次いで慢性糸球体腎炎 (26.8%), 第3位は腎硬化症であった (10.8%). 糖尿病性腎症の比率は昨年と同じであった. 2018年の施設調査結果による透析導入患者数は40,468人であり, 2017年から491人減少した. 患者調査結果による透析導入患者の平均年齢は69.99歳であり, 原疾患では糖尿病性腎症が最も多く42.3%であったが, 昨年より0.2%少なく, 糖尿病性腎症による年間導入数はプラトーに達していると思われる. 2018年の施設調査結果による年間死亡患者数は33,863人であり, 年間粗死亡率は10.0%であった. 主要死因は心不全 (23.5%), 感染症 (21.3%), 悪性腫瘍 (8.4%) の順で, 昨年とほぼ同じ比率であった. 2012年以降, 血液透析濾過 (HDF) 患者数は急増しており2018年末の施設調査票による患者数は125,793人で, 維持透析患者全体の37.0%を占めた. 腹膜透析 (PD) 患者数は9,445人であり2017年から増加傾向にある. 腹膜透析患者のうち19.7%は血液透析 (HD) やHDFとの併用療法であり, この比率はほぼ一定していた. 2018年末の在宅HD患者数は720人であり, 2017年末から36人増加した. 2018年調査では患者動態に加えて, 糖尿病治療の現状, 認知症併発状況, 生活活動度, 運動習慣, 肝炎ウイルスの保有状況などが調べられた. 今後これらのさらなる解析結果が報告される予定である.