日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
52 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
委員会報告
危機管理委員会報告
原著
  • 中村 実, 岡山 雅哉, 木村 主幸, 柴田 晴昭, 萩原 誠也, 名和 伴恭, 菅原 俊継, 黒田 聡, 印藤 智一
    2019 年 52 巻 1 号 p. 7-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル 認証あり

    著者らはこれまで, 透析用監視装置内の金属腐食と細菌汚染の関係を検討し, 金属腐食のある脱気ポンプ部品から比較的多種多量の細菌が分離できたことを報告してきた. 本報告では, 人為的に緑膿菌を付着させた脱気ポンプの金属部品について金属腐食のある場合とない場合で末端透析液の細菌汚染に差異が認められるかを検証した. その結果, 緑膿菌を接種した透析液に金属部品を浸漬させた場合, 透析液中の緑膿菌数は, 金属腐食がある部品のほうが腐食のない部品よりも明らかに増加することを確認した (p<0.05). さらに, この金属腐食があり, かつ緑膿菌で人為的に汚染させた部品を組み込んだポンプを多人数用透析液供給装置 (CDDS) ライン内で使用した場合, 末端透析液中からも金属腐食のないポンプを使用した時よりも多くの緑膿菌が回収できた (p<0.01). 以上の結果から, 透析用監視装置内の金属腐食ポンプが末端透析液の細菌汚染を助長する可能性を確認できた.

  • 内野 敬, 中井 宏昌, 佐々木 司, 東 仲宣
    2019 年 52 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル 認証あり

    当院で挿入したカフ型カテーテル (カテーテル) につき検討した. 対象は2000年6月から2012年12月までの235例 (275件) であった. カテーテル出口部は消毒し, 入浴時に濡れないようにフィルム材で保護した. 血栓に対してウロキナーゼを使用した. カテーテルの適応はシャント造設困難59.6%, 心不全11.3%, ブリッジ5.1%, その他24.0%であった. 感染率は出口部・トンネル感染と血流感染でそれぞれ1,000カテーテル日当たり0.27と0.18であった. カテーテル関連敗血症により4例が死亡した. 患者生存率は6か月と1年で67.0%と48.2%であった. カテーテル抜去件数は275件中63件であった. カテーテル開存率は1年で76.1%であった. 当院の管理法では血流感染率や出口部・トンネル感染率は低値であった. カテーテルは適切な管理を行えば他のアクセス作製困難な高齢者に有用なアクセス方法と考えられた.

  • 日ノ下 文彦, 秋葉 隆
    2019 年 52 巻 1 号 p. 23-31
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル 認証あり

    わが国の透析施設におけるHIV感染患者の受入れと理解度を把握し2011年の前調査と比較するため, 全国アンケート調査を再実施した. 2017年10月現在, アンケート回答施設 (アンケート配布施設数3,871, 回収数1,728, 回収率44.64%) におけるHIV感染透析患者数は124名で, HIV感染患者受入れ経験のある施設147 (8.5%), 経験のない施設1,571 (90.9%) であった. 受入れ経験施設の中で, 前回調査の2011年11月以降に初めて受入れた施設57.1%, それ以前から受入れていた施設31.3%, 前回調査以前にだけ受けたことがある施設7.5%であった. 未経験施設の今後の方針は「紹介があれば受入れる」22.3%, 「今後, 受入れを検討」33.2%, 「受入れは難しい」44.2%と過半数が今後の受入れの可能性を表明した. 前回調査ではHIV感染患者受入れ経験のある施設は94施設 (6.2%) だったので, HIV感染患者の受入れは徐々に進んでいるといえるものの, 前回調査以降「理解が進んだ」とする施設が17.2%に留まるなど, 受入れが十分に進んだとは言い切れず, 今後も課題を克服し啓発活動を継続する必要がある.

  • 大野 晃子, 安永 親生, 吉松 正憲
    2019 年 52 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル 認証あり

    クエン酸第二鉄水和物 (FC, リオナ®) は鉄を含有する新世代リン吸着薬であり, 一方で鉄補充による貧血改善効果が期待される. 本研究では高リン血症を示す当院の血液透析患者24名を対象として現行のリン吸着薬をFCに変更, またはFCを追加投与し, CKD-MBD関連検査値, 貧血・鉄代謝および総薬剤費 (内服薬, 注射薬) の推移を経時的に観察し比較検討を行った. 対象患者のCKD-MBD関連検査値 (補正Ca, P, ALPおよびintact-PTH), 貧血および鉄代謝関連検査値 (Hb, Fe, TSATおよびフェリチン値), 内服薬の月額, 注射薬および総薬剤費を算出した. FC投与前後でCKD-MBD関連検査値には有意差なく, 貧血および鉄代謝関連検査値はすべての観察点において有意な増加を認めた. 内服薬の月額はFC追加により増加したが, 注射薬および総薬剤費はESA製剤使用の減量・中止により有意に減少し, 月額平均値で約15,000円の削減となった. リン吸着薬のFCへの変更・追加により貧血の改善と医療経済的効果が認められた.

  • 片山 智博, 今井 佑美, 瀧 康江, 斉木 努, 島野 泰暢
    2019 年 52 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル 認証あり

    【目的】血液透析患者に対する筋力増強運動の適切な負荷量と実施期間について検討した. 【方法】血液透析患者に対し週3回の下肢筋力増強運動を実施した. 検討1では1 Repetition maximum (最大反復回数 ; RM) の50%と20%の負荷量で3か月間 (50%負荷群13名, 20%負荷群12名), 検討2では1 RMの75%と40%の負荷量で6か月間実施し (75%負荷群12名, 40%負荷群8名), 下肢骨格筋量・%CGR・血清アルブミン・Kt/V・下肢伸展筋力・Functional Reach Test (FRT)・Time Up & Go Test (TUG)・10m歩行速度を評価項目とした. 【結果】検討1: 50%負荷群では下肢伸展筋力, FRT, TUG, 10m歩行速度に有意差が認められた. 20%負荷群では全項目で有意差は認められなかった. 検討2: 75%負荷群では%CGRに, 40%負荷群では%CGRと血清アルブミンに有意差が認められた. 【結論】目的に応じた筋力増強運動の負荷量と実施期間を明確にすることで, より個別的なリハビリプログラムを提供できる可能性がある.

症例報告
  • 城嶋 和孝, 坂野 滋, 日髙 幸浩
    2019 年 52 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル 認証あり

    透析患者の同時発生全尿路上皮癌の報告は少ない. 今回, われわれは両側腎盂・尿管・膀胱癌同時発生の透析患者の1例を経験したので報告する. 症例は63歳女性, 慢性腎不全にて28年間血液透析を受けていた. 血尿, 尿細胞診異常にて紹介. 膀胱鏡検査にて浮腫状変化, 乳頭状腫瘍を認めた. 膀胱洗浄細胞診はClass Ⅲb, 生検は尿路上皮癌の診断であった. CTにて両側水腎症, 軽度造影される腫瘍性病変, 両側尿管壁肥厚, 左腎門部リンパ節腫大を1個認めた. 膀胱は収縮しており, 人工股関節置換術後のため評価困難であった. 両側逆行性腎盂造影にて両側腎盂, 尿管の陰影欠損を認めた. 汎尿路全摘術を施行した. 術後20か月右肺尖部転移, 局所再発も認めた. 肺・骨盤部に対し放射線治療を施行した. 放射線治療9か月後不正性器出血にて受診. CTにて右肺尖部の浸潤影の増大を認めた. 放射線治療22か月後多臓器不全にて死亡した.

feedback
Top