日本透析医学会雑誌
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54 巻 , 7 号
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委員会報告
総説
症例報告
  • 星野 賢人, 福永 継実, 植木 彩衣, 小林 洋太, 津川 舜, 内藤 亜莉沙, 西村 良人, 桒田 彩子, 星 貴文, 梅谷 淳, 三宅 ...
    2021 年 54 巻 7 号 p. 353-359
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    54歳男性.2019年8月に腰痛で近医を受診した際,左足趾切断部に壊疽を認め,骨髄炎の診断で入院となった.左下腿部まで壊疽が悪化したため,第10病日に当院に転院し,形成外科で左下腿部を切断した.創部からSerratia marcescensが分離培養された.経過中に腎機能障害,血尿を伴うネフローゼ症候群を呈し,補体低値,ASO高値を認めた.第26病日に施行した腎生検において,組織像は管内増殖性糸球体腎炎を呈し,蛍光抗体法でIgAの優位な沈着を認めたため,IgA優位沈着性感染関連糸球体腎炎(IgA‒dominant infection‒related glomerulonephritis:IgA‒IRGN)と診断した.尿毒症症状を認めた第39病日に血液透析を開始し,入院後にCTで診断された化膿性脊椎炎に対してはvancomycinおよびceftriaxoneを投与した.徐々に腎機能は改善し,第61病日に血液透析を離脱した.離脱後も腎機能の悪化を認めず,第133病日に退院した.IgA‒IRGNに対するステロイドの有効性は示されておらず,感染が持続している場合には適切な抗菌薬を選択することが重要である.

  • 福田 喬太郎, 塩﨑 啓登, 山村 里恵, 中瀧 恵実子, 中西 良一, 井﨑 博文, 神田 和哉, 稲井 徹
    2021 年 54 巻 7 号 p. 361-367
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    症例は78歳女性.末期腎不全のためX-18年から血液維持透析を導入した.X-4年に右膿腎症のため,当院でメロペネム(MEPM)0.5 g/日による保存的加療を10日間行い軽快していた.しかし,X年に右膿腎症が再発したため入院した.前回入院時と同様に,MEPM 0.5 g/日による保存的加療を開始した.入院後,炎症所見の改善を認めたが,第11病日に両側眼囲に掻痒感を伴う紅斑が出現した.第13病日に紅斑が急速に体幹へと拡大したため同日当院皮膚科に紹介した.MEPMによる薬疹と診断され,MEPMを中止,抗アレルギー薬を開始した.しかし,皮疹はさらに増悪し,第15病日にびらん,水疱が出現,中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis: TEN)と診断された.ステロイドパルスを施行したが,表皮の壊死を全身に認めた.第19病日に透析困難となり,第21病日に永眠された.TENは非常に稀な,死亡率が約30%の最重症薬疹であり,透析患者に発症した場合予後不良である.

  • 伊藤 嘉晃, 藤原 彰弘, 田中 稔之, 足立 淳郎
    2021 年 54 巻 7 号 p. 369-374
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    Arteriovenous fistula(AVF)狭窄の原因の一つに内膜肥厚がある.内膜肥厚は乱流が原因の一つとされている.返血側穿刺針の外径拡大による乱流の変化が,内膜肥厚に影響しているのか報告はされていない.症例は返血側穿刺部から離れた上腕に内膜肥厚を認め,頻回にVascular Access Intervention Therapy(VAIVT)を繰り返していた.返血部から離れた位置での狭窄のため,返血側穿刺針からの乱流による影響を疑い乱流を抑える目的で穿刺針の外径を拡大し血液透析を行った.その結果内膜肥厚による狭窄進行を抑えることができ,VAIVT間隔の延長を認めた.返血側穿刺部から離れた上腕部内膜肥厚狭窄において,返血側穿刺針の外径拡大は有効な方法であった可能性がある.

  • 信田 裕, 北村 謙, 大井 衣里, 西尾 利樹
    2021 年 54 巻 7 号 p. 375-379
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    症例1は78歳男性.回転性めまいを主訴に来院し,著明な腎機能障害を認めた.入院後に会話の辻褄があわなくなり,不穏が出現した.症例2は72歳女性.両側下肢の脱力と構音障害を主訴に来院し,症例1と同様に腎機能障害を認めた.2症例ともに腎機能障害の既往はなく,来院数日前に近医でバラシクロビル3,000 mgと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を処方されていた.頭部CT,MRIでは明らかな頭蓋内病変を認めず,これらはアシクロビル脳症であると考えた.バラシクロビル,NSAIDsを中止し補液を行ったが,2症例ともに腎機能障害および神経症状の改善を得られず第2病日に血液透析を開始した.その後,腎機能は改善し神経症状も消失したため透析を離脱した.腎機能が正常であっても高齢者ではバラシクロビルによって腎障害や神経症状が出現する場合があり注意が必要である.

  • 今井 健太郎, 杉山 直弥, 浦濱 善倫, 田代 温, 小宮山 琢真, 落合 啓史, 神戸 幸司, 大石 秀人
    2021 年 54 巻 7 号 p. 381-386
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    症例は35歳,男性.入院前日より心窩部痛が出現し増悪傾向であった.当院救急外来を受診し,腹部CTにて膵周囲脂肪織濃度上昇を認め,急性膵炎の診断にて入院となった.入院時の重症度はCT grade 1点,予後因子0点であったが,採血にて血清トリグリセリド(TG)値11,374 mg/dLと著明な上昇を認めた.血清クレアチニン(Cre)値1.66 mg/dLと急性腎障害も伴っており,総合的な重症化リスクは高いと判断し,一般的な急性膵炎治療に加えTG除去を目的とした二重濾過血漿交換療法(double filtration plasmapheresis: DFPP)を2日間施行した.その後,血清TG値は速やかに低下し,良好な経過をたどった.高TG血症を伴う急性膵炎に対し,血漿交換療法は速やかに血清TG値を低下させる効果があるとされている.そのデメリットとして大量輸血に伴う感染や電解質異常,費用面での問題が指摘されているが,アルブミン置換液によるDFPPで代用することで,デメリットを回避しつつ病態の改善を得られる可能性がある.

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