日本透析医学会雑誌
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委員会報告
原著
  • 伊藤 明人, 阿部 貴弥, 高橋 誠, 小峰 直樹, 松浦 朋彦, 杉村 淳, 小原 航
    2019 年 52 巻 9 号 p. 533-537
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/28
    ジャーナル 認証あり

    スクロオキシ水酸化鉄 (以下SO) 錠はすぐれたP低下作用を有する一方, チュアブル錠のため堅く噛み砕きづらい特徴も有する. そのため, 高齢患者には内服が困難であるとされている. それに対する対策として錠剤カッターなどを試みられ, さらに2018年12月に新剤型として顆粒分包が発売された. 今回, SO錠が投与されたことがある当院透析患者25名を対象にSO剤の服薬アドヒアランスに関するアンケート調査を行った. またアンケート施行時にSO錠を内服していた患者13例に対して, 錠剤カッターおよび新剤型である顆粒分包への変更による服薬アドヒアランスの変化についても調査した. その結果, チュアブル錠は64%の患者で飲みづらさを感じていた. しかし錠剤カッターの使用により 「飲みやすい」 との回答が0%から54%に上昇し, さらに顆粒分包に変更することにより62%まで上昇した. 以上のように, 医療側の工夫により服薬アドヒアランスを向上させる可能性が示唆された.

症例報告
  • 河野 充, 氷室 圭一, 伊原 玄英, 廣谷 紗千子, 森下 将充
    2019 年 52 巻 9 号 p. 539-544
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/28
    ジャーナル 認証あり

    症例は糖尿病性腎症による末期腎不全で維持血液透析中の65歳, 男性. 201X年6月Y日, 進行性の回転性眩暈と歩行困難を自覚し精査加療目的に入院となった. 診断に難渋し, 神経内科を受診したところ, 特異的な眼球運動, 小脳失調症状, 振戦様不随意運動からオプソクローヌス・ミオクローヌス症候群 (OMS) と診断された. OMSに対してステロイドパルス療法を施行したが神経学的所見の改善を認めず, 肺炎を併発し第17病日に死亡した. OMSはオプソクローヌス, 小脳失調, 体幹および四肢のミオクローヌスを主症状とする疾患である. 悪性腫瘍に関連する傍腫瘍性神経症候群の一病型としても発症し, 本症例では追加で行った造影CT検査でstageⅣの原発性肺癌と診断された. 傍腫瘍性オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群はまれな疾患であり, 文献的考察を加えて報告する.

  • 髙井 佳菜子, 横田 甚
    2019 年 52 巻 9 号 p. 545-550
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/28
    ジャーナル 認証あり

    症例は66歳, 男性. 家族性高コレステロール血症 (FH) ホモ接合体の診断で29年前よりLDLアフェレーシス施行中. 不安定狭心症に対し冠動脈バイパス術の施行歴がある. アトルバスタチンおよびエゼチミブ内服でLDLアフェレーシス前LDLコレステロール (LDL-C) 値は平均126mg/dLであった. 二次予防におけるLDL-C管理目標値達成のため, また月2回のLDLアフェレーシスによる身体的・時間的負担および穿刺困難の問題から, proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 (PCSK9) 阻害薬投与を開始しLDLアフェレーシスを月1回とした. その5か月後に急性心筋梗塞を発症し経皮的冠動脈形成術で改善を得た. PCSK9阻害薬投与開始後のLDLアフェレーシス前LDL-C値は平均62.7mg/dLと低値を維持していたにもかかわらず心血管イベントを合併したため報告する.

  • 富澤 満, 堀 俊太, 前阪 郁賢, 尾張 拓也, 飯田 孝太, 森澤 洋介, 中井 靖, 三宅 牧人, 米田 龍生, 田中 宣道, 吉田 ...
    2019 年 52 巻 9 号 p. 551-557
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/28
    ジャーナル 認証あり

    59歳, 男性. 原疾患の慢性糸球体腎炎に対し, 37歳時に血液透析導入, 49歳時に献腎移植施行された. 術後, 血清クレアチニン値は1.5mg/dL程度で安定した. 維持免疫抑制剤はシクロスポリン, ミコフェノール酸モフェチル, プレドニゾロンが用いられた. 献腎移植後10年目の59歳時に左側腹部痛で来院した. 下行結腸脾彎曲部穿孔が疑われ, 下行結腸部分切除, 横行結腸人工肛門造設術を施行された. 病理組織学的には憩室炎穿孔の像であった. 半年後に再び強い下腹部痛で来院し, 横行結腸穿孔が疑われ緊急手術となった. 術中所見では人工肛門中枢側の横行結腸から結腸間膜内への穿孔を認め, 横行結腸部分切除とストマの再造設が行われた. 病理組織学的に明らかな原因を認めなかった. 長期透析歴や尿毒症状態, 副腎皮質ステロイドの長期使用は, 大腸壁の脆弱性に関与している可能性があり, 長期透析歴をもつ腎移植患者の腹痛は大腸穿孔も考慮する必要がある.

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