特に透析困難症の治療として高Na透析は臨床的に高く評価されている. 高Na透析における体液動態, 溶質除去能について検討した. 体液動態については1. cell wash diaiysis (C. W. D) ではNaの浸透圧効果により細胞内除水は大であり血圧維持に大きく関与した. 2. conventinal hemodialysis (C・HD), C・HD+continuous infusion (C・HD+C・I) においては細胞内除水はC・W・Dに比し有意に少なかった. 3. 諸家の報告のごとく細胞内溢水の除去, 循環血漿量低下の予防, 低血圧・不均衡症候群・筋痙攣の予防としてC・W・Dの効果は著しかった. 溶質除去能についてはC・HD, C・W・D及びC・HD+C・Iの3者間に有意差は認めず, Na gradient dialysis (Na G・D) の成績より高Na透析における溶質除去は拡散の影響が大きく膜性能に依存した.
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