人工透析研究会会誌
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17 巻, 2 号
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  • 平野 宏, 松谷 拓郎, 橋本 淳, 米田 昌道, 進藤 亨, 岡本 満夫, 新開 洋一, 木曽 典一, 大沢 源吾, 笹原 恭一
    1984 年17 巻2 号 p. 79-84
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    食事療法が透析患者の病態に及ぼす長期効果を検討する目的で, 厳しい食事制限 (平均透析間体重増加1kg以内) を行った群 (A群) と制限の緩和な (平均透析間体重増加2.5kg以上) 群 (B群) に分け, 5年以上の長期臨床観察を行った.
    両群を比較して明らかに差を認めたのは貧血の程度であり, Ht値はA群の平均20%に比べてB群は27%であり, 活動性に富む患者が多く社会復帰率も圧倒的に高かった. 一方, 当然のごとくCTRの拡大はB群にみられたが, それでも大部分の症例は55%以下であり, 水分・Na貯溜による透析開始時の収縮期血圧の上昇も十分な除水で降圧が可能であった. B群では毎回の透析で除水が可能な範囲内の体重増加であるならば, 長期的にみた場合でも心筋障害・心不全は必ずしも多くなく, 5年生存率もA群と差がなかった. 長期透析患者によくみられる合併症である皮膚〓痒症, 皮膚色素沈着, 腎性骨症はB群に多かったが, これらと持続性高窒素血症が関係あるかどうか, 今後さらに検討したい.
    長期透析の本来の目標である社会復帰を考慮し, これに耐えられる体調を維持するには, 自己管理のできる患者に対しては厳しい制限のニュアンスの強い透析食には問題があり, バランスのとれた適正なエネルギー, 良質の蛋白質摂取をまず確保し, この上で患者の個々の状態に応じて適時水分, Na制限を加えていく方法が望ましいと考えられた.
  • 長谷川 弘一, 小田 初夫, 門奈 丈之, 聴濤 貴一郎, 松下 義樹, 井上 隆, 三木 隆己, 森井 浩世
    1984 年17 巻2 号 p. 85-91
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    保存療法中および血液透析中の慢性腎不全患者の血清フェリチン, 血清鉄, TIBCを測定し, 鉄剤および輸血の影響についても検討した.
    血清フェリチンは保存療法中の患者では健常人に比して男女とも低く, とくに女性において有意に低かった. 鉄剤および輸血を受けていない血液透析中の患者では健常人男性と同一レベルであり, 女性が男性よりもやや高値を示した. 鉄剤投与により上昇し, 輸血によりさらに上昇がみられた. 血清フェリチンとTIBCの間に有意な負の相関関係をみたが, 血清鉄, Htとの間にはまったく相関性がなかった. 血液透析中の患者に鉄剤投与を行ったところ, 投与開始前, 有効群は無効群に比してTIBCは有意に高く, 血清フェリチンは有意に低かった. 血清鉄はやや低く, Htについてはほとんど差はなかった. 投与に伴って血清フェリチンは上昇しているが, 有効群は無効群に比して緩やかなカーブを描いた. 鉄剤投与後血清フェリチンと血清鉄は有意な正の相関関係をみた. 血清フェリチンとHtとの間には相関性がなかった. またTIBCの高値群ほど血清フェリチンは低値を示した. 鉄剤投与総量と血清フェリチンとの間には高い正の相関関係をみた. 同様にTIBC, 血清鉄との間にも有意な関係をみた. 血液透析中の患者における輸血総量と血清フェリチンとの間には高い正の相関関係を認めた. 血清鉄との間にも有意な正の相関関係を認めているが, TIBCとの間には有意な関係はなかった.
    以上の成績より血清フェリチンは慢性腎不全患者においても鉄欠乏, 鉄過剰を判断する上で有用な指標であり, TIBCもある程度判断の指標となることが考えられた. しかし血清鉄のみで判断することは慎重であるべきであると思えた. 鉄剤投与の適応として血清フェリチンが100ng/ml以下, TIBCでも280μg/dl以上の症例は有効率が高いと考えられた.
  • 宮里 不二彦, 上原 元
    1984 年17 巻2 号 p. 93-96
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    過去1年間に発熱と頸部リンパ節腫大を伴う3例の慢性腎不全患者を経験した. 3例とも血沈値の著明な亢進があり, PPD反応も陽性で頸部リンパ節結核を強く疑った. しかしリンパ節生検の結果, 結核症は3例中1例のみであった. 1例は慢性非特異性リンパ節炎の所見を示し, 対症療法のみで軽快した. 第3例は45歳の男性で, 咽頭痛で発症し後発熱と頸部リンパ節腫大が加わった. 頸部のびまん性腫脹, 舌, 咽頭部の浮腫が著明で嚥下障害, 気道閉塞症状があった. 各種抗生物質の投与, 気管切開, 補助呼吸による呼吸管理等を, 血液透析を行いながら精力的に行ったが, 発症後3週目に呼吸不全で死亡した.
    頸部リンパ節の生検所見は藤本らによって1972年に提唱された亜急性壊死性リンパ節炎の所見に一致するるものであった. 剖検時には, 頸部には著明に腫大したリンパ節はみられず, 若干の小さいりンパ節を認めたが, 生検でみられたような壊死性炎症はみられなかった. 最も目立つ所見は喉頭, 咽頭, 気管およびその周辺の軟部組織の著明な浮腫を伴う壊死性炎症および化膿性炎症であった. 両側の肺にびまん性の出血があり, 直接の死因となったと思われる.
    亜急性壊死性リンパ節炎は, 若年者にみられる原因不明のリンパ節炎で予後良好であるとされている. 自験例が重症化し, 死の転帰をとったのは腎不全に伴う免疫不全が関与していると思われるが, PPD反応は強陽性であったことから細胞性免疫には問題はないものと考えられる.
    以上我々の経験した頸部リンパ節腫大を伴う3例の腎不全症例について報告したが, 生検診断の重要性を裏書きするものである. また亜急性壊死性リンパ節炎が腎不全患者に合併すれば, 重症化する可能性を考慮する必要があろう.
  • 佐藤 博司, 川島 洋一郎, 久保 和雄, 鈴木 利昭, 佐中 孜, 太田 和夫, 杉野 信博
    1984 年17 巻2 号 p. 97-102
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    1971年4月から1983年4月までに当センターおよび関連施設において経験された慢性血液透析患者の不明熱28症例の臨床的検討を行った. 原因疾患は感染症が20例 (71%), 薬剤性2 (7%), 膠原病1 (4%), 不明5 (18%) で悪性腫瘍によるものはなかった. 特に感染症の中では結核症が13例 (46%) と最も頻度が高く, このうち肺外性結核が11例とそのほとんどを占めていた. その他, 尿路感染症は3例にみられ, 移植血管感染例も1例に認められた.
    発熱の特徴としては, 最高体温の平均が39℃で, 熱型は弛張熱あるいは間歇熱を呈するものが多く, 透析中または透析直後に発熱しやすい傾向にあった. 診断に関しては, 非結核性のものは比較的高い確診率を得ているが, 結核症では生前確定診断ができたものは3例 (21%) にすぎなかった. 結核症のうち3例でCTスキャン, 超音波検査で, 腹部リンパ節腫大を認め, また治療により消失し, 診断の一助となった. 感染症例のうち, Gaシンチで陽性所見を示したのは1例もなかった. 予後および転帰であるが, 死亡は6例 (21%) でこのうち5例 (83%) は結核症である. これらはその大部分が未治療または治療開始時期の遅れがみられ, 発症より2ヵ月以内に死亡した例である.
    以上より透析患者の不明熱に対しては常に結核症の可能性を考え, 早期治療を行う必要がある.
  • 田島 直人, 大和田 寛美, 中村 雄一, 坂川 晃一, 高橋 雅彦, 岡田 歳幸, 浦田 義之, 小笠原 陽, 稲田 俊雄
    1984 年17 巻2 号 p. 103-109
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    従来より, 慢性腎不全患者の血清Ca濃度は, 主として透析液Ca濃度により調節が行われてきた. しかし高Ca濃度の透析液使用時には, 透析前後の血清Ca値が著しい変化を示しrenal osteodystrophyの改善および進行の阻止も十分にはできなかった.
    今回われわれは1α-OH-D3の経口投与と低Ca透析液との併用により, 血清Ca値の透析中における変化を減少させ, Ca代謝およびrenal osteodystrophyの改善を試みた.
    53名の安定期慢性血液透析患者に対し, 1α-OH-D3の経口投与を行い, 透析液Ca濃度を3ヵ月ごとに, 3.5, 3.0, 2.5mEq/lと変化させた. 透析前の血清Ca値が8.0mg/dl以上を維持できるように, 1α-OH-D3の投与量を調整した. 血清P, Mg, AL-Pは月2回, 血清PTH-Cは3ヵ月に1回の測定を行った.
    その結果, 1α-OH-D3の投与により透析前の血清Ca濃度は8.0→8.3mg/dlと上昇を示し, 透析後の血清Ca濃度は10.0→8.9mg/dlと低下を示した. 透析間の血清Ca値の変化, すなわち透析前後差は2.0→0.75mg/dlに減少した.
    1α-OH-D3の全患者総投与量は7.75μg/dayから36.5μg/dayに増加した. 血清P, Mg, AL-Pは, 若干の上昇を示したが有意差は認められなかった. しかし血清PTH-Cが透析液Ca濃度2.5mEq/l使用時において2.1→3.7ng/mlと有意な上昇を示したことが注目された.
    以上のことより, 1α-OH-D3の経口投与と低Ca透析液の併用により, 透析前後の血清Ca濃度差を減少することができ, renal osteodystrophyの改善が期待される. この場合の適正透析液Ca濃度は3.0-2.5mEq/lと思われる.
  • 各種個人用透析液供給装置の評価および今後の課題
    今井 了, 草刈 修一, 南部 正人, 松橋 茂子, 川口 純子, 林 久美子, 伊東 由美, 熊野 和雄, 酒井 糾
    1984 年17 巻2 号 p. 111-114
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, 血液浄化治療の進展に伴い, 個人用透析液供給装置をはじめとし, 各種の機器が登場し, 臨床の場で幅広く使用されている. そこで今回我々は, これらの使用経験に基づき, 特に使用上の問題点について若干の考察を加えた. 現在, 一般臨床で使用されている機器は, 複雑な制御機構をプリント基板にまとめ, コンパクトに, かつ精度良く設計されている. しかし, これらの制御機構自体がトラブルを起こした場合, 現場ではその対応が不可能なのが現状である. したがって対策として, 正常運転中から, プリント基板上のtest-pointを利用し, 電流, 電圧およびその変動幅を逐一チェックし, 許容範囲を超えそうならば警報表示できるようなもう1歩進んだ安全機構が望まれる. それにより, 治療直前あるいは治療中の突発的なトラブルは, ある程度未然に防げるものと思われる. また最近の新型機種は, UFコントローラーの搭載の必須化, 表示のディジタル化の傾向がみられ, 治療の多様化, 適性化に大きく貢献している. 除水量の正確さに関しては, ほとんど問題はないが, ごくまれにカウント量と実際量との間に誤差を生ずることも経験され, ここにおいても装置内部でチェック機構の必要性が望まれた. また表示に関しては, 電気的信頼度およびmaintenanceの面から, 使用目的 (部位) 別にアナログ表示とディジタル表示とを使い分ける必要があるものと思われた.
  • 遠藤 裕子, 斉藤 洋子, 新山 泰子, 吉田 ふみ子, 新井 せつ子, 久富 恵子, 元村 千佳, 西川 久美子, 藤倉 良裕, 宍戸 洋 ...
    1984 年17 巻2 号 p. 115-121
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    便秘は精神的, 肉体的に不快なものである. 食生活を制限されている透析患者では, 従来より便秘を訴えることが多く下剤服用者も多い. 私達は当院患者124名 (男70名, 女54名) を対象とし, 排便の状況, 下剤の使用状況などについて調査を行い, 「透析患者と便秘-現状と対策-」について検討した.
    下剤服用者と排便困難者を併せて便秘群とすると, 便秘群は52名 (男23名, 女29名) で全体の42%を占めた. 透析導入とともに便秘に陥った患者が多く, 水分制限, 除水等の影響が大きいものと思われる. 下剤は刺激性下剤の服用者が多く, 実際効果的であった. 下剤使用が常用量を越す人に対して, 偽薬を処方することにより服薬量の減量が可能であった. また, 便秘解消法のパンフレットを作成し, 社会活動の勧め, 生活指導, 腹部マッサージや指圧, 繊維性食品の食事指導などを行った. その結果, 下剤服薬が必要でなくなった人が13名, 減量できた人が21名みられた. 透析患者の便秘には除水, 水分制限, 消化管運動機能低下, 薬物および精神的要因など複合的成因の関与が考えられる.
  • 南部 正人, 伊東 由美, 草刈 修一, 今井 了, 松橋 茂子, 川口 純子, 林 久美子, 熊野 和雄, 酒井 糾
    1984 年17 巻2 号 p. 123-128
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    適性透析の指標として, 無症候透析および中・大分子量物質の除去効率という観点からvascular stability (VS) および低分子量蛋白 (β2-MG) 除去の2点について種々の検討を加え, 若干の知見を得たので報告する. VSについての検討ではcolloid osmotic pressure (COP) 動態より, 透析液Na+濃度145mEq/l (Na+ 145 HD), 透析液glycerol 45mMol/l (glycerol 45 HD) は通常透析 (CHD) に比し, COPの経時的変動は極めて小さく, 透析前後のΔCOPはCHDに比しglycerol 45 HD, Na+ 145 HDの順に有意に小さかった. またcold (T 34℃) HDにおいては差を認めなかった. このことはNa+ 145 HD, glycerol 45 HDにてplasma refilling rate, およびglycerolによる血漿浸透圧が維持されたことを示す. cold HDは他の3種の透析方法に比べ透析後の血漿noradrenaline (NA) 濃度の低下率が小さかった. Cold HDによりNAの分泌増加, ないしは末梢血管抵抗の増加等が1つの因子となり, VSに寄与するものと考える.
    低分子量蛋白除去能についての検討では, polysulfone AK (PSAK) 使用時の漏出蛋白量, β2-MGの除去量は各々5-10g, 100-200mgであった. 透析液排液を脱塩濃縮し, そのIEP分析所見はアルブミンを主体とする蛋白を認め, CAPD液のIEP分析パターンと類似した. PSAKの連続使用にて血中β2-MG濃度は段階的に低下を認めたが, cuprophan AKでは認めなかった.
    適性透析を行う上でVSの維持や中分子量物質, 低分子量蛋白の除去といった観点から処方透析, すなわちNa+ 145 HD, glycerol 45 HD, cold HDに加えてprotein leaking membraneの使用によるcombined therapyがより良い治療法となるものと考える.
  • 加藤 久子, 入佐 宗一, 寺師 宗和, 原田 隆二, 尾辻 義人, 橋本 修治, 高山 巌
    1984 年17 巻2 号 p. 129-133
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    透析療法の進歩, 普及に伴って長期透析患者が増加しているが, 自己管理の良否につながる心理的問題も透析患者の予後の面に関係していると思われる. 私どもは10年以上の長期透析患者を中心に心理学的分析を加え, 長期生存するための心理的因子を明らかにすべく検討を行った.
    方法: 1) 種々の合併症を克服しながら12年7ヵ月を迎えた1症例の精神的・心理的経過の面接法による分析, 2) 透析患者60名に対するCornell medical index (以下CMI) およびself rating questionnaire for depression (以下SRQ-D) の2種の心理テストによる分析, 3) 長期透析患者に対するsocial adjustment scale (以下SAS) およびdialysis sentense completion test (以下D-SCT) の2種の心理テストによる分析.
    結果: 本症例の精神的心理的経過の分析により1) 家族の励ましおよび宗教による心の支えが大きい, 2) 合併症に対してそれぞれ複雑な心理的反応を示している, 3) 経済的な問題が大きく関与する, 4) 透析年数の経過とともに力強くなってきている等が明らかになった. 透析患者60名に対するCMI, SRQ-Dの2種の心理テストの結果, 長期生存者ほど神経症的傾向, 抑うつ的傾向が少ないことがうかがえた. SAS, D-SCTの2種の心理テストの結果, 長期生存者ほど発病前の適応も良く, 発病後の療養生活に対しても良い適応を示していることが明らかとなった.
  • 杉山 美智子, 多田 静江, 本田 浩子, 森 陽子, 座間 幸子, 吉田 公子
    1984 年17 巻2 号 p. 135-139
    発行日: 1984/04/30
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年高齢者の透析導入が増え, 当院で昭和57年には, 60歳以上が総導入数の29%を占めた. 昭和58年5月末現在, 定期透析中の患老118名中, 60歳以上は33名, 平均年齢68.5歳である. 原疾患は, 慢性糸球体腎炎12例, 糖尿病性腎症と腎硬化症各6例, 痛風4例, その他5例である. 主な合併症として, 狭心症, 脳硬塞後遺症, 高度視力障害等がみられる.
    60歳以上の透析患者の死因を昭和50年から57年の8年間でみると, 死亡例26名中全身衰弱が9例で最も多い. 理学療法, 作業療法 (PT, OT) 実施は高齢老の増加に伴い増えており, 実施の理由は, 臥床による筋力低下が最も多く, 精神活動低下を合併する例もみられた. また, その原疾患は糖尿病がPTで約44%と最も多い.
    機能訓練が効果的であった1例を紹介する. 70歳男性, 糖尿病性腎症. 透析歴4年で, 2年前退職してから次第に活気がなくなり, 昭和57年5月, 意識障害から昏睡に陥る. 意識回復後も機能障害が残り, 関節拘縮と筋力低下に対してPTが開始された. 軽度の筋力低下と痴呆を残して退院後, 自宅では臥床がちで悪化が認められたため, 外来でのPTを再開, 妻の協力を得て自宅でも訓練を行えるようになり, 筋力とともに精神活動の改善がみられた.
    高齢透析患者は精神面を含めて多くの問題を持つ. 歩行障害等の機能障害に対しては, 早期に機能訓練を開始することが予防のために重要である. また精神面に対しても効果的と思われる. そしてそれを継続することが必要であり, 医療スタッフとともに, 家族の協力, 根気強い働きかけが大切である.
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