短時間にて効率良く大量の溶質 (small, middle, large molecule), 過剰水分 (fluid overload) の除去, 酸塩基平衡の改善を図るためには, HDFが理想的な血液浄化法の1つである. Hardwearからの試みとして大量の重曹置換液を透析液より作成して用いるon-line high flux HDF (hard HDF) を, softwearからの試みとして高濃度の重曹置換液を少量用いるblofiltration (soft HDF) を臨床応用し, 透析時間の短縮を図った.
対象は, hard HDF 6名, soft HDF 8名でHemodiafilterとしてhigh performance membraneを用い, control HD期間より血液浄化時間の1時間の短縮を試みた.
Hard HDFにおいては溶質除去, 水分除去, 酸塩基平衡の是正ともに問題なく, 1名においてPTHが低下し, 3名においてアルミゲル服用量の減少が可能となった. β
2-MGの除去量は150-300mg/session, 除去率は, 50-70%/session, 血中β
2-MG濃度の維持レベルを20-30%, 10mg/
l以上低下させることが可能であった. Hemodiafilterとしてbiocompatible membraneを使用することにより長期的臨床効果も期待された.
Soft HDFにおいては透析時間の短縮に伴い, 溶質除去能が低下し, I. P. が上昇し, 3名においてPTHが上昇した. 酸塩基平衡の過度の補正がみられ置換液の組成, 置換液量の再検討が要求された.
短時間透析の条件として, hardwearからは, 高血流量, 重曹透析液あるいは重曹置換液, 正確な計画除水装置が必須条件で幅広い分子量の溶質の除去を試みるにはhard HDFの応用が望ましく, hardwearの枠組みは完成しており, 血流量の上昇, 限外濾過量の上昇により超短時間透析も期待できる。 Soft HDFにおいては, 溶質除去, 酸塩基平衡の改善程度に問題があり, softwear自体にかなりの改善の余地がある.
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