日本透析療法学会雑誌
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23 巻, 12 号
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  • 秋山 暢夫
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1335-1340
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 柄澤 則子, 岩原 由美子, 鈴木 正司, 平沢 由平, 臼井 昭子
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1341-1344
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性透析患者に, より実行しやすい栄養指導をしたいため, 当院の外来透析患者163名を対象に, 日常の食事と家族との関わり, 塩分に対する意識や, 調味料の使用状況などについてアンケート調査を行った. また, 実際の塩分摂取量を体重増加量から計算した. さらに, キッコーマン株式会社が開発した低カリウム低リン減塩調味料「だしわりしょうゆ」を当院と東京女子医科大学の外来透析患者計33名に, 家庭で2週間前後使用してもらい, その後, 聞き取り調査を行い, 食事管理に有効かどうかを検討した. その結果, 1. 外来透析患者のほとんどは, 家族と同じ献立で, 量を加減していた. 2. 透析歴が長期になるにつれて, 塩分の取り方に工夫が見られた. 3. 調味料の選択に気をつけている人は, 透析歴が長期になるにつれて減少する傾向が見られた. 4. 無尿の225名の塩分摂取量は, 平均9.8g/日で指示量よりも多く, 透析歴との相関はなかった. 5. 多くの患者が低カリウム低リンの調味料に興味を持ち, だしわりしょうゆの使用感では, 大方の患者が満足と回答していた. 以上の結果より, 食事は家族との関わりが強く, 家族を含めた教育が重要であり, だしわりしょうゆは食生活をより豊かなものにするため有効と考えられた.
  • 西村 明子, 春木谷 マキ子, 吉永 徳江, 尾副 節子, 原田 美恵子, 平山 八千子, 表 文恵, 黒畑 功, 下田 俊文
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1345-1348
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    手術目的で転入した透析患者20名に対し, 手術や透析等への不安や心理状態を把握するためアンケート調査を実施した. 主な手術は胃切除, 大腿骨人工骨頭置換術, 腎摘出術, 子宮全摘術, 腎移植等であった. 手術に対しての不安は, 透析を受けていない一般患者と同様にみられた. 透析に対しての不安は, 手術後の出血, 透析方法, 高カリウム血症, 透析予定, 点滴による体重増加等が多くみられた. 腎移植を受けた患者では, 手術後の透析についての不安が少なく, 手術が成功するかという不安が多くみられた. 以上の所見は, 転入患者が前病院との透析方法の相違による不安や患者自身が元来, 貧血や低栄養状態であるため手術により一層増悪するのではないかという不安があったためと考えられる.
  • 三木 茂裕, 湯浅 繁一, 由良 高文, 隅蔵 透, 高橋 則尋, 内田 光一, 青野 正樹, 奥田 ふみ, 万代 尚史, 高光 義博, 海 ...
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1349-1355
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性および急性腎不全における細胞内カリウム代謝を明らかにする目的で, 我々は, 赤血球内カリウムおよびナトリウム濃度 (各々, RK, RNa) を健常群, 慢性腎不全非透析群, 維持透析群, 急性腎不全群, 急性腎不全回復群で測定, 腎不全の病態と関連付け検討した. その結果, 慢性腎不全非透析患者では, 健常群に比しRKは, 有意に低値であり, この理由として, 酸・塩基平衡異常の関与より, むしろ, 血液透析により除去される物質の関与が考えられる. しかし, RNaについては, 慢性腎不全非透析群と健常群や血液透析群の間に有意差を認めなかった. 急性腎不全群では, 発症から極期にかけてはRKの低下が認められるが, 回復後は, 健常群レベルに改善することより, 急速に体内蓄積される物質によるRK低下が考えられる. また, RNaは, 急性期には高値であるが, 回復後においても健常群より有意に高く, 慢性腎不全とは, 異なる病態の関与が示唆された.
  • 村田 敏晃, 佐々木 靖, 井上 和秀, 茨木 一夫, 千原 純一, 本岡 精, 内藤 説也, 荒川 規矩男
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1357-1361
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析中に起こる狭心症の発生の予防にも硝酸イソソルビド (ISDN) テープは当然有効である. 今回私達は虚血性心疾患を有する慢性維持血液透析患者8例 (男7例, 女1例, 平均年齢69歳) を対象として, ISDNテープ (ISDN 40mg含有) を使用しその有効性, 血中濃度, 透析性, 48時間後のISDNテープ内残存率について検討を行い, 次の結果を得た. 1. 血中濃度は各例でばらつきはあったが, 平均1.2ng/mlで有効濃度を維持できた. 2. 透析性があった. 3. 48時間後のISDNテープ内残存率と血中濃度との間には負の相関関係 (p<0.01) があり, 残存率より血中濃度の推定が可能と考えられ, 非常に面倒な実際の血中濃度測定に代行できる可能性が示唆された.
  • 我々の経験より
    岡田 一義, 矢内 充, 久野 勉, 奈倉 勇爾, 高橋 進, 波多野 道信
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1363-1365
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    昭和58年から昭和63年までの当院におけるCAPD社会復帰患者31名 (男性22名, 女性9名, 平均年齢47歳) を対象とし, 平成2年3月の時点での患者の転帰・予後をretrospectiveに検討した. HDに移行した症例10名 (32%), 腎移植を受けた症例2名 (6%), 死亡4名 (13%) であり, CAPDを継続している症例は15名 (48%) であった. HDに移行した原因のうち, 頻回の腹膜炎により社会復帰が困難であった症例が5名と最も多く, またHDに移行した症例のうち80%が, 腹膜炎を合併しなければCAPDをさらに継続できた可能性があった. 以上のことにより, 腹膜炎の予防により, CAPDの長期継続は可能と思われ, そのためには適切な患者選択および患者教育が重要である.
  • 大林 誠一, 福西 勇夫, 帯包 八千代, 大林 幸
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1367-1371
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析患者のquality of life (QOL) の質問紙法による評価を行い, 透析の予後を左右する自己管理との間に密接な関係を有する失感情症とQOLの相互関係から, QOLにおける失感情症の意義, ならびにその位置付けについて検討した. 対象は194例の血液透析患者で, 内訳は1. 原疾患別 (糖尿病12例, 非糖尿病182例), 2. 治療形態別 (入院72例, 外来122例), 3. 年齢別 (65歳以下139例, 65歳以上55例), 4. 性別 (男99例, 女95例) である. 各項目別QOL評価と失感情症の相関では, 11項目のうち心理・社会面を反映する「情緒状況」, 「社会的関係」, 「生活満足度」の3項目で有意な負の相関を示したが, 他の8項目では有意な相関はみられなかった. 心理・社会面と身体面のQOLの解離は, 透析患者におけるQOL評価の際, 総合的にQOLを判定する必要性を示唆している. 一方, 心理面のQOLが良好にみえても失感情症を呈し自己管理不良であることも少なくない. このことは, 心理面のQOLはみかけ上良好であることも多く, 自己管理の程度を反映する心理学的一指標である失感情症の検討も含めた多角的な見地から, 透析患者のQOLを評価することが肝要であろう.
  • 山田 敏生, 芝本 隆, 飯野 靖彦, 蓮村 靖, 大島 博幸, 丸茂 文昭, 高橋 雅彦, 渋谷 千枝子, 小笠原 陽
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1373-1376
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    セフェム系抗生物質 (CA) のタンパク結合率 (PB) がその透析性に及ぼす影響を知るため, 以下の臨床試験を行った. 臨床試験への参加を承諾した6名の慢性維持血液透析患者で, PBが17%から96%の7種類のCA (PBの低いものからCAZ, CZX, CXM, CTX, CFX, CMZ, CPM) 1gを, それぞれ別々に血液透析開始時に静注した. その1時間後に除水ゼロ・血流量150ml/minの条件で, ダイアライザーの動静脈側の血中CA濃度を測定した. ダイアライザーはPMMA製1.0m2のホローファイバー型を用いた. 動脈側の血中CA濃度もCAの除去率も, PBが70%以下では異なるCAの間で大差がみられなかったが, 85%以上ではPBの増加と共に前者は高値となり後者は減少した. 一方CAの主な結合タンパクであるアルブミン (Alb) 濃度の低い場合には, PBの高いCAの血中濃度が低値でその除去率が高い傾向が見られた.
    一般にPBの高い薬物ほど透析されにくいとされている. しかし, CAの場合には異なる結果が得られた. これは, 多くのCAではそのタンパク結合力が弱いために, 結合型と遊離型の移行が速やかに生じ, CAの透析性に対するPBの影響が小さくなるためと思われる. しかしPBの高いCAでは結合力が強いために, そのような効果が得られないものと考えられる. 一方Alb濃度が低い場合には, AlbがCAで容易に飽和されてしまうため, 結合力の強いCAでも遊離型が増加して, 透析性が高くなるものと推測される.
  • 安達 高久, 川村 正喜, 中西 淳, 池上 雅久, 松岡 研, 秋吉 重信, 田中 浩平, 辻本 和代
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1377-1381
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    新しい人工透析機器洗浄除菌剤AMTEC QC-70 (アムテック) の洗浄力と有用性について検討した.
    1. 3種類の精度管理様菌株を用いて, 試験管内における殺菌力をテストした. 結果は, 実際に使用する濃度と殺菌時間においては, アムテックは次亜塩素酸ナトリウム単剤と同程度の殺菌力を示した. 2. 有機物の付着した配管をアムテックで洗浄し, その後ポンソ3R, ズダンブラック, OCPC法の各染色法で蛋白質, 脂肪, カルシウムを染色しその洗浄効果をみた. いずれにおいても濃度に依存した優れた洗浄力を示し, 特に70倍希釈液では蛋白質, 脂肪, カルシウムは完全に除去された. 3. 実際にアムテックを用いて当院の透析機器配管の洗浄を行った. 140倍希釈液でB液タンクを1回洗浄し, 以後は700倍希釈液で配管全体の洗浄を毎日行った. その結果, 配管内の各採取部位において透析液内および処理水内の細菌数は著しく減少した.
    透析機器配管内への有機物の付着は細菌繁殖の温床であり, さらには塩素系洗浄薬剤の洗浄力を著しく低下させる. よって以上の実験結果よりアムテックは, 特に有機物の付着した透析機器配管の洗浄, 殺菌に有効な薬剤と考えられた. また同剤はアルカリ製剤であり, さらにはカルシウムの洗浄力を有することより酢酸洗浄の必要がなく, よって金属腐食による機器や配水管の損傷も少なく, 廃液のPHやBOD等も行政上の廃液排除基準を満足し, 経済的にもまた透析室管理上の面からも優れた薬剤であると考えられた.
  • 田中 謙二, 和田 恭子, 黒岩 重和, 浜中 保男, 仲野 精吾, 平山 イサヨ
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1383-1385
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    43歳の女性の透析患者が発熱, 皮疹, 筋痛を主訴に入院した. 39℃台のspike fever, 白血球増多, CRP強陽性などの所見がみられたが, 各種の抗生剤は無効であった. 皮膚の生検にて真皮への好中球の浸潤がみられ, Sweet症候群と診断した. Prednisolone 30mg/日の投与にて, 症状は消失し, 炎症反応も正常化したが, 急速な減量により再燃をきたした. 血液透析患者でのSweet症候群合併の報告はなく, 極めて稀と思われたので報告した.
  • 高橋 義人, 小口 健一, 小林 覚, 宇野 祐巳, 永井 司, 栗山 学, 河田 幸道
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1387-1393
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年本邦においても, CAPD施行症例が漸増している. CAPD療法における主な合併症は, 腹膜炎をはじめとする感染症である. しかし, 近年導入症例の増加に伴い胸水貯留というCAPD療法継続の可否に関わる重大な合併症の報告が増加してきている. 我々はCAPD療法導入直後に胸水貯留をきたし, 種々の検査の結果, 透析液が腹腔より胸腔へ移行したことを確認した1例を経験した. 胸腔内へ薬液を注入し, 胸膜の癒着を図ったが十分な効果は得られず, CAPD療法継続は困難と判断し血液透析に移行した. 同様にCAPD療法施行中に胸水貯留を認めた症例は, 検索し得た限りでは43例が報告されていた. 転帰の明らかな37例中15例 (40.5%) がCAPD療法継続不可能という判断の後, 血液透析に移行した. 胸水貯留をきたしたが最終的にCAPD継続可能であった22例中8例 (36.3%) では外科的治療, 薬液の胸腔内注入による胸膜癒着などの積極的な治療は施行せず, CAPDの休止, 注入量減少といった保存的治療法を施行したのみであった. 積極的に胸腔腹腔交通の遮断を試みるも効を奏さない症例と, 一時的に腹腔内圧の上昇を軽減するのみで著効を示す症例がみられることは, CAPDに合併する胸水貯留の原因が一因のみではないことを示唆していると考えられた. CAPD導入後胸水貯留を認めた症例に対しては, 継続の可否について十分に検討を加える必要があると考えられた.
  • 芦澤 厚志, 木村 玄次郎, 佐内 透, 今西 政仁, 河野 雄平, 小嶋 俊一, 倉持 衛夫, 尾前 照雄, 太田 光重, 林田 孝平, ...
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1395-1398
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は48歳女性, 透析患者. 左前腕に内シャントを造設後, 左上肢の腫脹と左頸静脈の怒張を認め, 透析時回路内静脈圧が高い傾向であった. 静脈造影で左無名静脈狭窄と側副血行路の発達を認めた. 内シャントを結紮したところ左上肢の腫脹と左頸静脈の怒張は軽快し, 新たに造設し光右前腕内シャントを用いて, 再び維持透析を続行した. 狭窄の原因は明らかにできず, 原発性と考えた症例である.
  • 丸山 弘樹, 下条 文武, 霜鳥 孝, 青柳 竜治, 鈴木 順夫, 荒川 正昭
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1399-1402
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, 透析患者にみられる骨関節病変の原因として, 透析アミロイドーシスが注目されており, 骨X線上骨透亮像を示すことが特徴とされている. しかし, 頻度は低いが, 感染性の骨関節病変でも類似の骨透亮像を示すことが知られている. 今回, 私たちは, 血液透析患者に合併した結核性肘関節炎の1症例を経験したので報告する. 患者は, 透析歴12年の57歳男性で, 左肘関節の自発痛と腫脹を訴え, 関節液培養陰性で, 骨X線像にて同関節に骨透亮像を認め, 透析アミロイドーシスを疑い, 滑膜切除, 病巣掻爬, 腸骨骨切片充填術を行った. 切除組織には, 肉芽形成が著しく, 関節液の結核菌培養で結核菌が陽性であった. アミロイド沈着は認めなかった. 術後抗結核療法を行った. 透析患者において, 結核性骨関節炎は, 透析アミロイドーシスと類似の骨X線所見を呈することから鑑別を要する.
  • 庄野 義幸, 酒見 隆信, 馬場 直樹
    1990 年 23 巻 12 号 p. 1403-1405
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    アセタゾラミドは, 炭酸脱水素酵素を阻害する薬剤で, 現在利尿剤としてよりもむしろ緑内障の治療, あるいは小児のてんかん治療薬として使用されている. 私たちは, 緑内障合併に対してアセタゾラミドの内服をうけ, 数日後に意識障害をきたした慢性腎不全の2例を経験した. 症例1は2年前より維持血液透析をうけている62歳男性で, 緑内障発作に対してアセタゾラミド0.5g/日の内服後3日目に, 意識障害をきたした. 症例2は糖尿病性慢性腎不全 (Cr 6.2mg/dl) の54歳男性で, 緑内障合併のためアセタゾラミド0.75g/日の内服をうけ3日目に意識障害をきたした. いずれの症例も頭部CT検査で異常を認めず, 脳波上代謝性脳症を呈しアセタゾラミド中止により意識が回復したことより, アセタゾラミドが意識障害の原因と考えられた. 意識障害の機序は明らかでないが, 腎不全によるアセタゾラミドの蓄積が起こり, 脳への直接作用による脳内アシドーシスが関与している可能性が推定された.
  • 1990 年 23 巻 12 号 p. 1407-1423
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 1990 年 23 巻 12 号 p. 1424-1440
    発行日: 1990/12/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
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