体脂肪計BTF-2000 (kett) を用いて体脂肪率を測定し, 体脂肪のdry weightに及ぼす影響について検討した. 透析患者29例 (男性11例, 女性18例) の体脂肪率を求め, 男性20%以下, 女性24%以下を正常体脂肪率とみなし, 体脂肪正常者14例 (N群) と体脂肪過剰者15例 (H群) を対象に, 従来のdry weightの主たる決定因子である心胸比, 血圧に関して両群間で比較し, 同時に同一対象例にアンケート調査を行い, dry weightに関する意識調査を実施した.
心胸比はH群で低い傾向がみられた. 透析前後の平均血圧の比較では, H群で透析後に有意 (P<0.01) の低下がみられた.
アンケート調査ではdry weightの増加を希望する者が, N群では4例 (57%) であったのに対し, H群では7例 (70%) であった.
体脂肪率からみた肥満傾向者は, 体脂肪正常者に比べ, dry weightを低く設定しすぎる可能性があり, dry weightの設定には体脂肪率も考慮すべきと考えられた.
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