日本デジタル教科書学会年次大会発表原稿集
Online ISSN : 2188-062X
ISSN-L : 2188-062X
最新号
選択された号の論文の49件中1~49を表示しています
課題研究発表
1T-3A 課題研究1「思考ツールとタブレット端末」 コーディネータ:片山敏郎(新潟大学教育学部附属新潟小学校)
2T-1A 課題研究2「デジタル教科書(指導者用・学習者用)」 コーディネータ:内田 明(佐賀市立若楠小学校)
2T-4A 課題研究3「特別支援教育と ICT」 コーディネータ:稲田 健実(福島県立平養護学校)
  • 井上 芳郎 , 濱田 滋子
    セッションID: 2T-4A-1
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    障害者差別解消法施行による合理的配慮の提供義務化に係る基礎的環境整備の一環として、アクセシブルな「デジタル教科書」の安定的な提供体制の確立は喫緊の課題である。マルチメディア版デイジー教科書(以下デイジー教科書)製作や普及活動などで得た筆者らの知見を踏まえ、今後の「デジタル教科書」の在り方について検討を加えさらに具体的な提言をする。

  • 小澤 亘, 蓮尾 和美, 神 鞠子, 中塚 愛里
    セッションID: 2T-4A-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    読み書きに困難を伴うディスレクシア児童に対するICT支援としては、デジタル教科書やDAISY版教科書を用いた「教科書を読みやすくする」支援が普及しつつある。しかしながら、テストの場面での読み支援は進んでいないのが現状である。われわれは、一般に普及しているPowerPointを用いて、テストの音声付デジタル化を試みた。今年度より施行された障害者差別解消法を念頭に入れた今回のICT支援について、その成果と課題を報告する。

  • 齋藤 大地
    セッションID: 2T-4A-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    知的障害のある生徒たちが課題解決型の授業に参加するためには、事前に課題に関するある程度の知識や技能を有していることが必要であると考え、予習用のデジタル教科書をiBooks Authorで作成し、iPad上のアプリiBooksに入れて一人一人家庭に持ち帰らせた。家庭においては、デジタル教本を見ながら当該の課題(例えば掃除機)に関する知識を得たり、デジタル教科書上の動画を見ながら実際に掃除機のかけ方の練習をしたりした。家庭での生徒の取り組みの様子はiPadの写真アプリで撮影し、学級内でその映像を共有することで、生徒たちは自分と他者との知識や経験の差を資源として、学びを深めることができた。

    このように、デジタル教科書を活用し事前に知識や技能を獲得したり、自分と他者の経験や思考を映像という形で可視化したりすることにより、知的障害のある生徒が主体的にそして協働的に学ぶことが可能であるということが明らかになった。

  • 藤平 昌寿
    セッションID: 2T-4A-4
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    学習障害(LD)は日本では発達障害の一部として定義され、2016年4月からは障害者差別解消法により、学習機会に関する合理的配慮が義務付けられている(努力義務含む)。

    筆者は以前より、デジタル教科書・デジタル教材を学習障害者も使用可能なものにすべきと考えている。特に、通常学級や軽度の通級教室などに居るような、(あまり障害としての認識が為されていないという意味での)潜在的な学習障害者の学習環境を支援するツールとして仕様等を整備し、将来的には通常学習者も含め、同じ単元・授業内で、従来の紙ベース教材とデジタル教材を学習者自身が使いやすい方を選んで学習できるという、アラカルト方式の学習環境によるインクルーシブ教育の実現が期待できる。

一般研究発表
1G-1B
  • 塚本 伸一
    セッションID: 1G-1B-1
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本校音楽科における動画利活用の課題として、①振り返り活動での動画活用の蓄積が少ないこと、②小学校で経験のある中学生にとって、小学校時と同じ動画活用では物足りなく感じるようであり、より深い学びへと発展させる手立てが必要であり、③小中連携教育においてどのように動画を利活用すれば効果的であるかについて模索する点が急務である。

    これらを解決するための方法として、まずは小5で授業風景を動画撮影した。自分たちの合唱を録画したものを視聴して自発的な気づきを促すために意見交換をさせた。複数回の「録画―視聴」の繰り返し活動を通して具体的な歌唱方法を全員が共有することができ、自分たちの上達度合いを実感することができた。

    その後中学生にこれら小学生動画を視聴させた。他学年の授業と他者の学びの姿から、中学生としての合唱活動を行うためにはどうすればよいのかを思考させて表現させていった。唯一の発問である「児童が何に気づき、何を意識して歌声を変化させたのか」について、動画から解答を導き出す活動に意欲を見せ、動画比較を通して自分たち中学生の合唱にその学びを生かして、歌唱の工夫を行いながら練習を重ねていくことができるようになった。小中連携において動画利活用が果たす役割の広がりを実感する契機となった。

  • 青木 浩幸
    セッションID: 1G-1B-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    デジタル教科書の将来の可能性について,歴史的アプローチにより考察を加える。デジタル化が近年の音楽業界に与えた影響から連想し,デジタル化によって教科書の使われ方がどう変わり得るか,教科書の破壊的イノベーションの影響とその原因となる脅威を推測する。

  • 我妻 潤子
    セッションID: 1G-1B-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    知財推進計画2016において知財教育の重要性が説かれていたように、これからは教育現場でのICT活用の場が益々増え、著作権についての理解が急速に求められる。その具体例として映像教材の制作をサンプルとする。今発表では、今後必要となる正しい著作権認識をもつことを通して著作権教育の重要性について論じる。

1G-1C
1G-3B
1G-3C
  • 伊藤 一成
    セッションID: 1G-3C-1
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    コンピュータを使わずにデジタル化やアルゴリズムなどのコンピュータサイエンスの原理を,小学生から大人まで幅広い年齢層に対して,わかりやすく教えることを目的とした教育手法にCS(Computer Science)アンプラグドが挙げられる.CSアンプラグドの学習内容と各教科の学習単元とが多くの部分で一致するという報告がある.注目が「デジタル教科書」から「プログラミング教育」へ移行する転換期において,CSアンプラグドを取り上げる意義について考察する.

  • 浅水 智也, 西川 洋平, 安藤 明伸
    セッションID: 1G-3C-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    宮城教育大学附属中学校では,文部科学省研究開発指定を受け,新設教科「技術・情報科」の本格実施2年目となる。「技術・情報科」とはプログラミング教育を含む情報教育を柱とした教科であり,この「技術・情報科」を中心として,全教科での情報教育についての研究を進めている。評価については,ペーパーテストやパフォーマンス評価を行った。生徒の発達段階における目標設定や適切なカリキュラムであったかなど,これまでの研究で実践してきた内容をまとめた。

  • 松田 孝
    セッションID: 1G-3C-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    文部科学省は6月16日に「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について」(議論の取りまとめ)を公表した。そこでは最善のプログラミング教育が提供されるよう、次期学習指導要領の「総則の規定において明確に位置付け」るが、その実施にあたっては各学校が「プログラミング教育を行う単元を位置付けていく学年や教科等を決め、地域等との連携体制を整えながら指導内容を計画・実施していくことが求められる」と述べ、現在このことが小学校現場におけるプログラミング教育をめぐる最大の課題の一つとなっている。

    必修であるから、実践しなければならない。第4次産業革命のまっただ中を生きる子供たちに「プログラミング的思考」を確かにはぐくむための年間指導計画と授業プランの作成が急務である。議論の取りまとめでは「総合的な学習の時間と教科学習の双方で実施したり、教科学習のみで実施したり、総合的な学習の時間のみで実施したりするなど、柔軟な在り方が考えられる」と述べ、幾つかの教科等での実践アイディアを示しているが、各学校は年間指導計画を作成するにあたって実施学年と教科等、そして時間数を決定しなければならない。

    発表者(松田)は、そのためには小学校の具体的授業場面で取り扱うと想定される各種ビジュアル・プログラミング言語を概観し、子供たちの発達段階との関連においてそれぞれの相互関係を明らかにする必要があると考えた。今回はこれまでの先行的実践経験から、各種ビジュアル・プログラミング言語の相互関係を体系化した試みを発表する。このことによって手続き型言語と宣言型言語の違いやアンプラグド活動からロボティクスなどの考え方を概観でき、子供たちに「プログラミング的思考」を確かにはぐくむ年間指導計画と授業プランの作成に資することができると考えた。

1G-4B
2G-1B
2G-1C
2G-3B
2G-3C
2G-3D
ポスター発表
  • 竹生 秀之, 足助 武彦
    セッションID: 2P-1F-1
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    「エジソン電球」を教材としてアクティブラーニングを行いました。エジソン電球を単に点灯させるだけではなくアクティブラーニングにふさわしい教材化について研究を行いました。

    この授業は「少子化・人口減少の課題」を抱える近隣の学校と遠隔授業として取り組みました。

    こういう仕組みを作ることによって子どもたちの探求意欲はさらに高まりました。

    また、アクティブラーニングを実現させるための「デジタル教科書」あり方について実際に教科書を作成しながらその有効性について研究を行いました。

  • 小澤 亘, 濱嵜 愛夏
    セッションID: 2P-1F-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    今まで、デジタル教科書論議においては、日本語学習で困難に直面する「外国にルーツを持つマイノリティ児童生徒」について注目されることはほとんどなかった。本ポスター報告は、こうした議論の死角にフォーカスする。立命館大学DAISY研究会(Rits-DAISY)は、昨年10月から今年3月まで、大阪市のある小学校をフィールドとして、週2回のペースで、1年生から5年生までの合計6名の外国人児童に対して、iPadを使用して放課後の学習支援教室を実施した。こうした支援実践に依拠して、外国にルーツを持つ児童生徒に対するICT学習支援の必要性と、日本社会が直面するマイノリティに向けたデジタル教科書政策に関わる課題を確認する。

  • 中村 泰之, 布施 泉, 中原 敬広, 川名 典人, 曽我 聡起
    セッションID: 2P-1F-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    Apple社の提供するマルチタッチブック作成アプリケーションであるiBooks Authorを用いてデジタル教科書を作成し,大学3年生対象の「情報システム論」という2単位の正規講義の中で,「認証」をテーマに実践授業を行った。作成した教材は,アニメーション,動画,LMSと連携したオンラインテストの掲載を,各種Widgetを用いて実現し,アプリケーションの切り替えを行うことなく,教材だけで学習を完結できることが特徴である。アンケートによる主観満足度評価を中心に評価を行った結果,教材だけで学習を完結できることが学習の集中を助けるかどうかについて,一定の評価が得られた。一方で,所有する端末やOSの種類によって,教材を利用するまでに戸惑った部分も少なからず見受けられた。

  • 沖田 翔, 尾崎 正志, 上條 将吾, 福井 裕晋
    セッションID: 2P-1F-4
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    NPO法人伊能社中では、地域課題解決型学習「ふくちやまモデル」を開発・実践した。地域の担い手となる若い世代が、地域の魅力・課題を継続的に発見・共有・発信できる体制の構築を目指す本モデルを、京都府・福知山成美高校での実践報告と共に紹介したい。

  • 佐後 翌佳
    セッションID: 2P-1F-5
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    当研究では,デジタル教科書にCUDを導入するための定量的なガイドラインの策定を目的とする.

    筆者はデジタル画像の画素の値を修正し,変換して出力するプログラムを作成した.そして,プログラム内の値を前述の研究を基に,各種色弱者の見え方に変換する変換式に従って定める.それによってデジタル教科書内の画像の変換を行うプログラムを作成した.

    その後プログラムによって変換された画像を,色弱模擬フィルタ(健常者が色弱者の見え方を体験する実験機材)を用いて,実際に被験者が見ることによって,画像の見え方を評価する.その結果を基に定量的な評価を行う.

  • 小池 翔太, 六車 陽一
    セッションID: 2P-1F-6
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    小学校学習指導要領の社会科の内容にある「情報の有効な活用が大切であること」を達成するためには,児童が利他的に情報を活用するような授業が必要であるといえる。しかし,最新のITを使って,利他的に情報を活用する活動を取り入れた社会科の授業研究は行われていない。そこで本発表では,1人1昔端末を使って利他的な情報発信をするような授業開発・実践について報告する。実践の結果,多くの児童がタブレット端末を積極的に使って,責任を持って情報を活用する必要があると考えることができていた。一方,タブレット瑞末を使うことが苦手と感じる児童に対して,工夫して情報発信ができたと思えるようにすることなどが課題として挙げられる。

  • 田村 賢哉, 山内 啓之, 尾崎 正志, 沖田 翔, 西林 直哉, 上條 将吾, 福井 裕晋, 荒木 笙子
    セッションID: 2P-1F-7
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/14
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    次期学習指導要領改定において、高校社会科ではGISを教えなければならなくなる。しかし、GISは技術者向けのスキルのため、活用したことがない教員が多いのが現状である。そこで、社会科教員向けのGISを学べる学習サイト「MapUp」を設計した。

feedback
Top