日本デジタル教科書学会発表予稿集
Online ISSN : 2432-6127
日本デジタル教科書学会第10回年次大会
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
研究発表1
11A(ルームA)
  • 鍵本 聡
    セッションID: 11A1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    高等教育における情報教育の核心ともいえるプログラミング教育では、教えるプログラミング言語として色々な選択肢があるが、遠隔授業でプログラミング演習をする場合にはいくつかの制約ができるため、教えることができる言語が限られてしまう。筆者は関西学院大学にて2020年に新たに設置された「プログラミング言語基礎(Processing)」の遠隔授業において実際にProcessingを用いたプログラミング授業を担当した。本発表ではその際に発見することができたさまざまな有効性や問題点を報告する。

  • 大熊 太郎, 茅島 路子, 加藤 悦雄
    セッションID: 11A2
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    小学校4年生国語物語文「一つの花」(光村教育図書)を画像情報共有アプリケーション(以下、アプリと記述)と指導者用デジタル教科書を併用し、児童の考えを視覚化し、比較検討することで物語のテーマに迫ろうとした授業実践である。

  • 山本 周, 村上 綾菜
    セッションID: 11A3
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    情報Iの導入によりプログラミングが必修となった情報の授業では,文部科学省が公開した教員研修用教材でPythonが使用されており,多くの学校で採択される可能性が高い.情報IIにおいてもPythonによる指導例が紹介されている.そこで筆者は2019年度より情報IIを意識したPythonによるプログラミング指導を行ってきた.“Google Colaboratory”(以下Colab)を用いたPythonの導入の6回(以下前半授業)と機械学習を含む3回(以下後半授業)の計9回の授業を行った.Colabを用いることで面倒な環境構築がなくなり,関連するライブラリのインストールも容易であった.ColabによるPythonの指導は,導入なども含めて有用であることが分かった.また,プログラミング授業の最終的なゴールとして機械学習を扱う.具体的には,タイタニックデータを用いた生存者の予測であり,学習モデルには決定木を用いる.しかし,Pythonを用いたテキストプログラミングによる機械学習では分析結果の数値のみがただ出力されることが多く,初学者にとってはプログラム内で何が起きているのか想像しづらい点が問題であった.故に,Pythonの関数の実行が単純作業となってしまい,肝心の機械学習に対する理解が深まりにくいことが問題点であった.そこで,今年度よりインタラクティブなWebアプリケーション教材を導入し,生徒が試行錯誤を繰り返しながら機械学習の仕組みを理解することを目標とした.本報告では,Pythonのフレームワークの1つであるStreamlitを用いて実装したWebアプリケーション教材の機能と操作方法,及び本教材を用いた授業計画についてまとめる.

  • 小野 功一郎
    セッションID: 11A4
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    長年にわたり小学校から大学に至るまで、情報リテラシーに関する授業内容といえば、ワープロ・表計算・プレゼンテーションアプリの操作とインターネット検索が主流であった。ポストコロナ時代のニューノーマルでは、情報リテラシー教育も見直されなければならない。では、何をどう見直し、何を追加すべきかを考える。

研究発表2
12A(ルームA)
  • 真下 峯子, 小川 諒太, 鳥海 航希, 大熊 太郎, 工藤 豪
    セッションID: 12A1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本学ではこれまでもデジタル機器を活用した教育活動を展開してきた。今年度4月から初等部は児童1台端末、中高部はこれまでBYODとしていた生徒端末を、中学校入学生からChromebookに統一した環境が整った。これら児童生徒の1人1台端末を十分に活用した教育活動推進を目指し連携した部門全体での組織的取り組みを報告する。We have been using digital devices in our educational activities. In April of this year, the elementary school began using a single device for each student, and the junior and senior high school began using Chromebooks for students entering the junior high school, instead of BYOD PCs. The following is a report on the systematic efforts of the entire department to collaborate in promoting educational activities that fully utilize these individual terminals for each student.

  • 山本 周, 大谷 孟宏
    セッションID: 12A2
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    情報社会における個人の責任及び情報モラルについて理解することは,大人のみならず中高生も必要なことである.中高生のSNSを使用したネット上のトラブルで多いとされる不正アクセス行為の禁止等に関する法律など,また,情報セキュリティの3要素である機密性・完全性・可用性の重要性,情報セキュリティを確保するには組織や個人が行うべき対策があり技術的対策だけでは対応できないことなどを理解するようにする.そこで本実践では,ソーシャルエンジニアリング・パスワード推測・パスワード作成のワークを通じて,情報セキュリティ(情報モラル)に対する意識向上の効果の検討とする.

  • 反田 任
    セッションID: 12A3
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    GIGAスクール構想による小学校・中学校への一人1台のタブレットの導入が進む中で,学習者用デジタル教科書の利用も徐々に始まっている。2021年度から本校で導入している英語のデジタルテキスト(『Time Zones』Cengage Learning刊 2021)では教科書(紙ベース)に準拠してPDF化された教科書, 音声・ビデオ教材の視聴, 内容理解, 英語の文法などの確認問題を自動採点する機能がある。本研究では本項の実践をふまえ, デジタルテキストを学習のベースに置き, 生徒の自律型学習をどのようにデザインするかを考察し, 一つの授業モデルとして提案する。

  • 工藤 豪, 加藤 悦雄
    セッションID: 12A4
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本校では今年度、GIGAスクール構想に基づき、1人1台のタブレットを導入した。これにより、学校・教員・児童の環境は大きく変化し、ICTを授業に用いることで、教材分析・教材研究など授業の方法が再構築されている。児童のタブレット対応の速さや高度なプログラミング知識・技術の習得を目の当たりにし、私はこれまでの指導方法を見直し、児童が主体となる授業づくりとICTを取り入れた先進的な授業開発を行うことにした。本発表は、タブレットを用いた国語の授業から、児童がICTを使って教え合い学び合う「協働的な学び」へと発展することができた教科横断型の授業実践を報告する。

研究発表3
21A(ルームA)
  • 兵藤 桃香, 酒井 一樹, 田村 文裕, 内田 雄大
    セッションID: 21A1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本発表は、低学年の日本人学生と留学生が共同で語学学習Webアプリの開発を通し国際交流を行っている実践報告である。タイからの留学生は、来日前に理工系の日本語を学ぶ機会が十分ではなく、来日後に苦戦している現状がある。そのため、日英に対応した理工系用語学習Webアプリを開発することで、誰でも気軽に空き時間を利用し理工系用語を学べ、国内外問わず幅広く活用できるのではないかと考えた。さらにこのような活動を通し、学内での異文化交流を行う。そしてこの成果を学生自身が海外で発表する機会を得ることにより、低学年から実践的な研究活動を体験することを目的としている。

  • 村上 綾菜, 伊藤 貴之
    セッションID: 21A2
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    高校情報科におけるデータサイエンスの学習の需要は高まっているにも関わらず,既存の学習教材は,Excel操作やプログラミングを必要とするものが多く初学者にとって難解である.そこで本報告では,データサイエンスの基本手法の1つを扱いながらも,簡単なクリック操作と身近なデータで初学者でも楽しく学習できる高校生向けの Web アプリケーション教材を提案する.分析のための複雑な操作を排除することで,分析ツール操作に起因するデータ活用の苦手意識を減らし,データ活用の考え方や分析手法のしくみといった本質的な部分を学ぶことを目指す.

  • 小野 永貴
    セッションID: 21A3
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    新型コロナウイルス禍に伴い、オンライン上で学生の活動成果を発信する試みに注目が高まっている。筆者らは、学生の創作した芸術作品を共有・発信するオンラインプラットフォームの構築を目指し、その実現に必要な機能要件を検討した。予備調査として、創作活動を行う学生らに機能ニーズのヒアリングを行った上で、大学が従来有してきたLMSや学修ポートフォリオ、学術機関リポジトリ等の既存システムによる機能充足可能性を考察した。

  • 出村 雅実
    セッションID: 21A4
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    A大学では、2020年度の1年演習の講義形態について、春学期はすべてオンライン講義であったが、秋学期からハイフレックス型講義として実施した。秋学期になって初めて大学に来る履修生は、学内のどこに何があるか分からない状況であった。学内でさまざまな活動をするには、どこに何があるかを知る必要があった。そこで、自分たちが学内を知るために、大学紹介動画を作成させることにした。実践の結果、ハイフレックス型講義で実施したためオンラインでの参加学生も一定数いたが、その学生からは「オンラインで受講している自分にしっかりと伝わってきた。」との感想が得られた。このことから、ハイフレックス型講義におけるオンライン受講でも対面受講と同じような効果が得られたと推察した。今回の実践では、「自分たちが知りたい情報」を「自分たちで調べて」「自分たちで発表した」ことが、スライド作成と中継の両面で効果があったと推察した。ハイフレックス型講義の利点を活用し、効果的な学びを提供できたと考察した。

21B(ルームB)
21C(ルームC)
  • 北辻 研人, 多賀 健介, 井坂 直矢
    セッションID: 21C1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    昨年秋頃からICT教育係のメンバーが中心となり、コロナ禍の余波に備えることを目的にし、教育の補償を念頭に、ギガスクール構想に大きく舵をきっていった。教室のモニタに無線でミラーリングし、生徒の一人一台端末が実現した後には、相互通信のやりとりができるシステムを導入し、全教室にWi-Fiを設置。冬頃には、教員にタブレットが配布され、授業や公務でタブレットが使えるようになった。教員がタブレットを使いICTを利用した授業が激増。会議や日常の生徒指導の中でもタブレットを使う場面が増え一気にICT化が進んだ。 今年度の4月には、コロナ罹患者が増え休校となったが、オンラインでの課題や授業配信に多くの教員が参加し、約2週間のコロナ休校にも耐えることができた。これまでの努力が実った瞬間であった。この実りに至った過程を報告したい。

  • 奥村 理子, 林 俊信
    セッションID: 21C2
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本稿では、2020年3月から行われた全国の学校休校措置で生じた学習機会の損失について、デジタル教材を用いることで、一定量の学習保証を行うことができた後の年間を通した利用実績の変化について報告する。デジタル教材は、個別最適化を目的とし、個々の学習記録を詳細に確認できるものである。調査対象者は、無学年式デジタル教材「すらら」を学校・学年単位で導入した組織の結果である。休校措置期間後の長期休暇を挟む期間の利用時間の平均に関して、個別最適化に注視した展開による成果の継続を確認した。今後、Society5.0に向けた日本社会の変化では、表示端末の導入率以外の要因から起こっている問題を明らかにすることで、児童・生徒のみならず関係者全員へ還元される方法も模索していく。

  • 山口 大輔
    セッションID: 21C3
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    本稿では,中等教育機関における全生徒への機器導入を年次進行で行った際の通常生活との様変わりによって学校貸与に関する運用状況の報告である.具体的には,3校規模の中等教育機関の前期課程相当でタブレット端末を導入した際,書面記載された申告状況の推移から,利用環境が異なることによって,同じプラットフォームであっても,家庭を中心に生活することで学習端末に問題が生じることが少ない事例を表す結果として報告する.

研究発表4
22A(ルームA)
22B(ルームB)
  • 稲田 健実
    セッションID: 22B1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    何をもって「できる」とか「できない」ということなのであろうか。また、「自立」ともかかわってくるであろう、「一人でできる」や「自分でできる」とはどのようなことなのであろうか。実際の授業実践を例に挙げながら考えていく。さらに、「できる・できた」ことが、在学中のみならず、卒業後も活かしていけることが大切であることを説いていく。

  • 石井 巧, 秋吉 博之, 岡 博昭
    セッションID: 22B2
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/15
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    教育ICT環境を実現する取り組みが進められている。理科の指導においては「観察、実験の代替」ではなく、効果的に活用することの重要性が指摘されている。一方、ガスバーナーの使い方については、操作習得のための演示実験や指導法が開発されているものの、点火操作については中学2年生の生徒を対象とした質問紙調査では正答率が9.3%との報告もある。そこで今回、タブレットによる動画撮影・省察を利用したガスバーナー操作技術向上のための授業実践を構想・実践した。本稿ではその授業と学習効果について報告する。 実験操作に関しては、生徒の自信が重要である。そこで、操作技能に関しどの程度自信を有しているかを調査した。「ガスバーナーの実験操作に対する自信」について、岐阜県下の中学校1年生計61名に質問紙調査を行った結果を以下に示す。2割程度の生徒は肯定的に回答した。しかし、4割以上の生徒が、否定的な回答をした。そこで、視覚的に実験操作が学習できるタブレットを活用することとした。 中学校1年生の生徒を対象に、タブレットによる動画撮影・省察を取り入れた授業を実施した。授業の主な流れは、①「デジタル教科書・実験動画による模範操作の確認」、②「実験操作の実施・タブレットによる動画撮影」、③「動画視聴による自己評価・相互評価」、④「授業全体の振り返り」とした。特に授業の中盤である②においてはデジタル教科書や実験動画等のデジタルコンテンツを活用し、タブレットで互いの実験操作を撮影させた。③「動画視聴による自己評価・相互評価」では、チェックリストを用い自らの操作技術について自己評価させた。その結果、生徒は実験中盤な複雑な操作に関し、課題を感じていることが明らかとなった。本実践では生徒が互いの実験操作を撮影・省察する活動を取り入れ、技能の習得状況を自己評価する授業を展開した。今後は更なる実践を通して、省察の効果を検討したい。

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