明らかな基礎心疾患を有しない患者の心室性期外収縮 (VPB) 42例の体表面電位図 (Map) を記録し, その発生源の推定を行なった。発生源推定の根拠は, Mapから推測される心室興奮伝播過程と, 先に行なった種々の部位の心室ペースメーカー刺激時のMapとの対比によった。対象の内訳は男22例, 女20例, 年令は9才~76才 (平均48.0才) であった。
QRS電位図のパターンを以下の5型7種類に分類し, VPB発生源の推定を行なった。 () 内は発現頻度。
Ia型: 右室流出路 (52.4%) , Ib型: 右脚本幹基部 (9.5%) , II型: 右室心尖部 (4.8%) , III型: 右室流入路 (7.1%) , IVa型: 冠静脈洞 (2.4%) , IVb型: 左室前側壁基部 (11.9%) V型: 左脚後枝 (11.9%) 。右室源性のVPBは, 73.8%, 左室源性のそれは26.2%にみられ, 特に右室流出路起源のものが多かった (61.9%) 。年令分布では, 1型のものが若年者に多く見られた。
以上より, 心疾患を有しない患者のVPBは右室源性のものが非常に多いことが確認された。
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