心電図
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1 巻, 2 号
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  • 高安 正夫
    1981 年 1 巻 2 号 p. 115-116
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 真島 三郎
    1981 年 1 巻 2 号 p. 117-125
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心電図波形の成立の基礎となる事項に関し, 細胞レベルの電気現象との関係および容量導体中の電位分布に関する法則に分けて概説した。特に電源としての心筋組織の性格, その定電流性, 古典的な二重層モデルなどについてより定量的な扱いの可能性を考察した。
  • 佐竹 修太郎, 安谷 屋均, 沢登 徹, 平岡 昌和, 高橋 正喜, 鈴木 文男, 比江嶋 一昌, 桃井 宏直
    1981 年 1 巻 2 号 p. 126-133
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    家兎の右房摘出標本ないし洞結節摘出標本にて, 低酸素下における洞房領域細胞間の干渉を, 微小電極法・早期刺激及び頻回刺激法を用いて検討した。低酸素下では洞結節ペースメーカー細胞間の干渉が生じる以前に, 洞結節周囲領域の興奮伝播が不均一となる。その結果洞結節ペースメーカー細胞が, 遅れて興奮する周囲の細胞より電気緊張電位的影響をうけ, その拡張期脱分極が抑制され, 洞周期の延長する現象が観測された。これは虚血性心疾患等における洞結節起源の徐脈性不整脈の発生機序の一部を説明すると考えられる。
  • 林 博史, 上松 治儀, 小島 春紀, 石川 富久, 大杉 茂樹, 高見 和秀, 外畑 巌, 伊藤 昭男
    1981 年 1 巻 2 号 p. 134-143
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    明らかな基礎心疾患を有しない患者の心室性期外収縮 (VPB) 42例の体表面電位図 (Map) を記録し, その発生源の推定を行なった。発生源推定の根拠は, Mapから推測される心室興奮伝播過程と, 先に行なった種々の部位の心室ペースメーカー刺激時のMapとの対比によった。対象の内訳は男22例, 女20例, 年令は9才~76才 (平均48.0才) であった。
    QRS電位図のパターンを以下の5型7種類に分類し, VPB発生源の推定を行なった。 () 内は発現頻度。
    Ia型: 右室流出路 (52.4%) , Ib型: 右脚本幹基部 (9.5%) , II型: 右室心尖部 (4.8%) , III型: 右室流入路 (7.1%) , IVa型: 冠静脈洞 (2.4%) , IVb型: 左室前側壁基部 (11.9%) V型: 左脚後枝 (11.9%) 。右室源性のVPBは, 73.8%, 左室源性のそれは26.2%にみられ, 特に右室流出路起源のものが多かった (61.9%) 。年令分布では, 1型のものが若年者に多く見られた。
    以上より, 心疾患を有しない患者のVPBは右室源性のものが非常に多いことが確認された。
  • ―その電気生理学的根拠―
    高橋 正喜, 鈴木 文男, 佐竹 修太郎, 比江嶋 一昌
    1981 年 1 巻 2 号 p. 144-151
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    房室結節リエントリー性頻拍症 (AVNRT) において, リエントリー回路に心房筋が関与しているか否か議論の多いところである。
    我々は, 心房筋, 心室ともリエントリー回路に関与しないと考えられるAVNRTを経験したので報告する。すなわち, 心房早期刺激法にて房室結節二重経路が証明され, 著明なAH時間の延長と共に頻拍が誘発された。潜在性副伝導路は否定され, AVNRTの診断基準を満足した。AVNRT中に種々の連結期の心房期外収縮を作成し, 心房エコー波に対する影響を検討した。頻拍周期370~380msecにおいて連結期285~365msecの間で心房エコー波は期外収縮に対し完全代償性休止期をもち, しかも期外収縮により房室結節近傍の下位右房の捕捉も認められたことより, 心房筋はリエントリー回路に関与せず, 房室結節内にupper common pathwayが存在すると考えられた。さらに若干の文献的考察, 治療上の問題点についても述べた。
  • 久保田 功, 大山 武紹, 渡辺 佳彦, 鈴木 ひとみ, 五十嵐 秀, 原田 政雄, 上西 徹二, 金谷 透, 立木 楷, 安井 昭二, 山 ...
    1981 年 1 巻 2 号 p. 152-159
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Treadmill負荷前後で中日電子製HPM-5100装置を用いて体表面電位図 (電位図) およびFrank誘導ベクトル心電図 (VCG) を記録し, R波高変化の狭心症診断の臨床的意義を検討した。
    対象は狭心症患者19名で, 健康成人14名を対照とした。Sheffield法に従い, Submaximal treadmill負荷を施行, その直前と負荷後1分半に安静呼気位にて記録を行った。電位図のV5を中心とした左前胸壁の9つの誘導点のR波高の和をΣRとした。ΣRの負荷前後の差であるΔΣRは, 狭心症群では対照群に比し有意に大 (P<0.001) であり, VCGにおけるΔRX (P<0.005) , ΔRX+ΔRY+ΔQZ (P<0.005) , あるいはΔRV5 (P<0.01) よりも両群の分離に優れていた。VCGのΔRY, ΔRZ, ΔQZ, ΔSpatial maximal magnitudeは両群において有意差はなかった。ΔΣRと電位図における最大ST低下との間には, r=0.64 (P<0.001) の相関があった。ΔΣRと安静時左室機能異常 (EF, LVEDP, Wall motion) との間には相関はなかった。ΔΣRは狭心症診断に有用であると考えられた。
  • ―心室興奮伝播シミュレーション手法を用いて―
    洞庭 賢一
    1981 年 1 巻 2 号 p. 160-171
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    体表面電位図表現の一方法として, 多数の誘導点での心室興奮到達時間 (VAT) に関しての等時線図を用い, その心室興奮伝播異常の診断に対する有用性と限界を, 心室興奮伝播シミュレーション実験により検討した。
    すなわち, 人心室を1辺1.5mmの立方体約5万個の集合としてモデル表現した。別に胴体モデルから求めた伝達インピーダンスを用いて, 上記心室モデルでの興奮伝播シミュレーションとあわせて, 体表面85点の心電図波形を求めた。この心電図QRS群のR波の直後の零交差時をVATと決め, VAT等時線図を作成した。
    その結果, 心室性期外収縮, 右脚ブロック, 一部の心筋梗塞では, 心室興奮伝播異常をVAT等時線図で診断することの有用性が考えられた。しかし, 正常興奮伝播, WPW症候群などでは, この方式による診断は困難で, その限界が示唆された。
  • 綱川 宏, 益海 信一朗, 松本 博光, 出雲 和秀, 堤 健, 加藤 敏平, 長田 洋文, 春見 建一, 後藤 晃, 佐川 文明
    1981 年 1 巻 2 号 p. 172-177
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心電図上, 完全右脚ブロックに著明な左軸偏位を伴った症例は, 従来bilateral bundle branch bloch, right bundle branch block with left anterior hemiblockなどと呼ぼれ, 病理所見との対比がなされている。
    最近我々は, 呼吸困難を主訴に入院した69才男性の, 心電図上第1誘導およびV1~V6までqR型を伴う右脚ブロックおよび左軸偏位を示し, 剖検にて左室前壁および中隔の梗塞に加え, 刺激伝導系では左脚前枝, 右脚の完全杜絶, 左脚後枝に島状の伝導細胞の脱落が認められた例を経験した。
    このようなV1~V6までqR型を示す左軸偏位を伴う右脚ブロックのベクトル心電図所見と病理所見とを対比した報告はほとんどなく, その特異な心電図の成立機序についてベクトル心電図と剖検所見から考察を加えた。
  • ―梗塞発症前後の心電図, ベクトル心電図, 空間心室gradientの検討―
    河合 直樹, 山内 一信, 谷口 直樹, 志貴 一仁, 都築 雅人, 吉田 麗己, 近藤 照夫, 横田 充弘, 外畑 巌, 小出 正文, 稲 ...
    1981 年 1 巻 2 号 p. 178-185
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    A型WPW疾候群の観察治療中に心筋梗塞を発症した1症例について, その梗塞発症前後の標準12誘導心電図, Frankベクトル心電図および空間心室gradientを比較検討した。
    標準12誘導心電図では梗塞後V1-6のR波は梗塞前に比し著しく減高し, V2-4にcoronary Tを認めた。Frankベクトル心電図ではdeltaベクトル環は梗塞前後共ほぼ同じであったが, QRS環前方成分は梗塞後著明に減少し, 水平面のQRS-T夾角は開大した。梗塞前では空間心室gradientは, 正常伝導型およびWPW型波型の間でその大きさ, 方向とも比較的近似した。一方梗塞発症後, 空間心室gradientは大きさを減じ, 梗塞前よりも右後下方に著明に偏位した。
    以上の結果より, 本症例においてはdelta波 (環) 以降のQRS波 (環) 形態に注目すると同時に, 空間心室gradientを計測し, 一次性ST-T変化を検出することにより, WPW症候群に合併した心筋梗塞の診断がある程度可能と考えられた。
  • 井野 威, 本間 博, 小野沢 成子, 岡野 和弘, 早川 弘一
    1981 年 1 巻 2 号 p. 186-192
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は65才女性。労作時の息切れを主訴に来院し, Holter心電図を記録したところ深夜にMobitz II型ブロックが出現した。心拍数55/分で1: 1伝導を示す自発リズムの際のHis束心電図ではAH120msec, HV30msecであった。なお, His束電位記録部位からの刺激と心室波間も30msecであった。70/分の遅い心房ペーシングにて3: 1のAHブロックが容易に出現。心房Extrastimulus法では刺激間隔の逐次短縮にてもAH時間の延長はまったくみられず, 900msecの刺激間隔にてAHブロックを呈した。以上の諸検査によりAH間のMobitz II型プロックと診断された。一方, Atropine投与, 運動負荷を行ったところ心房収縮数は増加したが, 房室伝導は改善しなかった。その後約2週間にわたる一時的心室ペーシングを行っていたところ, 心拍数78/分で1: 1伝導を示す自発リズムが出現し, 2回目の電気生理学的検査を行った。この時には90/分の心房ペーシングまで1: 1伝導を示し, 心房Extrastimulus法でも刺激間隔を短縮するにつれAH時間の漸次延長パターンがみられ, AH間伝導が回復したとみなされた。いずれにしても本症例の発病初期にみられたAH間のMobitz II型ブロックは一般にみられるAHブロックと異なり, Atropine投与, 運動負荷により房室伝導の改善がみられず文献的にも極めて稀な例と考えられ, さらにそのブロックの部位はAH間でも房室結節より遠位でしかもHis束に近い部位に存在することが推察された。
  • 1981 年 1 巻 2 号 p. 193-227
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―美甘義夫先生にきく―
    1981 年 1 巻 2 号 p. 228-236
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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