発作性心房細動 (PAF) , 発作性上室性頻拍 (PSVT) に対するpirmenol, Pilsicainide単回経口投与の頻拍停止効果を検討した.
〔対象と方法〕発症後5日以内のPAF19例, PSVT14例にそれぞれ封筒法にてpirmenol200mg, ないしpilsicainide150, 200mgを経口投与後, 頻拍持続状況, 薬剤血漿中濃度, 心電図変化を検討した.
〔結果〕頻拍停止効果はPAFでpirmenol: 44.4%, pilsicainide: 60.0%, PSVTはpirmenol: 57.1%, pilsicainide: 85.7%であった.なお頻拍停止の85%は投与後60分以内にみられた.非停止例の投与90分後血漿中濃度は1例を除き頻拍停止時血漿中濃度とほぼ同等であった.特にpilsicainideはQRS幅, PSVT周期の有意に延長させたが, 副作用は認めなかった.
〔結語〕Pirmenol, piliicainide単回経口投与は優れた頻拍停止効果を示し, 安全性も高く, 有用な頻拍停止法と考えられた.しかし, pilsicainideのQRS幅延長作用には注意が必要である.
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