心電図
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17 巻, 6 号
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  • 橋本 敬太郎
    1997 年 17 巻 6 号 p. 665-666
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 江波戸 美緒, 真島 三郎, 岩 享, 小林 正, 中里 祐二, 中田 八洲郎, 諸江 一男, 広木 忠行
    1997 年 17 巻 6 号 p. 667-678
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    加算平均心電図の―解析法であるspectro-temporal mapping (STM法) の本邦における正常人の波形パターンおよび正常値を検討する目的で健常成人200例 (男性100例, 女性100例) を対象に加算平均心電図を記録し, STM法にて解析した.
    STM解析はHaberlらの方法に準じてArrhythmia Researoh Technology (ART) 社のソフトウェアFFT-plus version 4.0を用いて行った.得られた3次元スペクトル波形および従来の判定基準であるNF (factor of normality) の値を検討した.
    正常例においてもX誘導18%, Y誘導27%, Z誘導20%, composite誘導38%に5dB以上の高周波成分 (50~200Hz) が認められた.その主要因はQRS終末部の傾きの鋭い部位を解析区間に含むことにより出現する高周波成分であった.この成分の出現率は女性に比し男性で高く (p<0.01) , 誘導別ではY誘導, Z誘導, X誘導の順に高かった (p<0.05) .またこの成分を有する例では身長, 体重, 体表面積が高い傾向が見られた.NFの平均値±標準偏差はX誘導90.7±17.5%, Y誘導86.4±23.2%, Z誘導89.1±20.1%, composite誘導70.2±32.5%とY誘導のNF値はX誘導のNF値に比して有意に低く (p<0.05) またcomposite誘導のNF値は他誘導に比し有意に低かった (p<0.001) .この傾向は男性のみに認められ, 前述の高周波成分の頻度がNFの分布に影響を与えていると思われた.NFは正規分布をとらす基準値を設定するのは困難であった.
    Time-domain法, Arearatioを指標としたFFT法のみならす, STM法においても解析結果に性別, 体格が影響しており検査結果を解釈する上で留意すべきことと思われた.
  • 泉田 直己, 浅野 優, 保崎 純郎, 川野 誠子, 沢登 徹, 平岡 昌和
    1997 年 17 巻 6 号 p. 679-686
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    QT時間延長児の重症不整脈の危険度を明らかにするために, その再分極の不均一性の指標としてactivation reoovery interval (ARI) のdispersionを失神の既往のあるJervell and Lange-Nielsen症候群例と失神のない低力ルシウム血症によるQT延長児で調べ, 同年代の正常例と比較した.ARlは, 体表面87点から記録した心電図波形の一次微分のQRS区間での最小点とSTT区間でのdV/dtの最大点間の時間とし, 全体での最長値と最短値の差をARIのdispersionとした.ARI値の分布パターンは正常例とQT延長例のいずれもほぼ同様のパターンを示したがARI disperlionは失神発作のあるQT延長例で明らかに高値を示した.この結果は, 心室性不整脈による失神発作があるQT延長例での再分極の不均一性の増大と一致するものと考えられた.ARI dispersionは小児QT延長例における失神の危険度の判定因子として利用できる可能性が示された.
  • 有賀 雅和
    1997 年 17 巻 6 号 p. 687-695
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    潜在性Wolff-Parkinson-White症候群 (C-WPW) で体表面力口算心電図 (SAE) とSAEの体表面分布 (SAE map) をカテーテルアブレーション (CA) 前後で比較し, SAE mapによリケント束 (ケ束) 部位推定が可能か否かを検討した.電気生理学的検査にてケ束部位を確認したO-WPW14例 (左8, 右3, 後中隔3) で, OA前後にSAEとSAE mapを記録しQRS初期10~40mseoのroot mean square voltage (IR) 及びArea (IA) の計測値を比較した.CA後のSAEmapの平均値+1.5×標準偏差 (M) を計測し, OA前のSAE mapでM以上の領域の体表面分布を検討した.SAEはOA前後でIR10及びIA10に有意差を認めた.SAE mapではOA前後でIR10, IR20, IR30及びIA10, IA20, IA30にそれぞれ有意差を認めた.M以上の電位を示す部位は各症例で異なり, 左ケ束例はE, F列を中心とした前胸部上方, 後中隔ケ束例はE, F列を中心とした前胸部中央, 右ケ束例ではC, 口列を中心とした右前胸部下方に分布し, ケ束部位推定が可能と思われた.
  • 大塚 健, 西村 眞人, 児玉 正, 西尾 学, 山本 卓, 田中 秀央, 羽渕 義純, 加嶋 敬, 吉村 學
    1997 年 17 巻 6 号 p. 696-700
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ヒスタミンH2受容体拮抗剤が心臓自律神経機能に与える影響を調べる目的で, 健常成人15名を対象にcimetidine, famotidine, roxatidineを静脈内投与し, 心拍変動スペクトル解析に於ける心臓迷走神経活動の指標である高周波成分域 (highfrequenoy, 0.15-0.40Hz) の変化率を測定したところ, cimetidine, famotidineでは投与後に―過性の上昇を認めたのに対しroxatidineでは有意な変化を認めなかった.cimetidine, famotidineの投与で認められた心臓迷走神経活動の亢進がヒスタミンH2受容体拮抗剤の心臓への影響である変時作用の機序の一つである可能性が示唆された.また心臓迷走神経機能への影響はヒスタミンH2受容体拮抗剤の種類によって差異が存在することが示唆され, 臨床的には病態によってヒスタミンH2受容体拮抗剤の選択を考慮する場合も必要であると考えられた.
  • 武村 珠子, 相原 直彦, 伊達 裕, 和田 光代, 勝木 桂子, 鎌倉 史郎, 下村 克朗
    1997 年 17 巻 6 号 p. 701-710
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    拡張型心筋症例の持続性心室頻拍 (SVT) 発生予知に対する加算平均心電図speotral turbulence analysis (STA) 法と時系列解析 (TD) 法の有用性を比較検討した.対象を標準12誘導心電図QRS幅により120msec未満の正常幅例と心室内伝導障害例に分け, STA法とTD法の各指標およびSTA・Score法とTD・既存法のSVT既往の有無に対する検出能力を調べた.STA法では心室内伝導障害例の1指標を除く他の指標およびScore法ではSVT既往の有無を分別できなかった.TD法では正常幅例に対し有用な感度と特異性を認め, 心室内伝導障害例に対しては既存法は良好であったが, 単独指標でSVT既往の有無を分別できなかった.
    以上より, 拡張型心筋症例におけるSVT発生予知に対する加算平均心電図の有用性はSTA法では心室内伝導障害の有無に関わらす認められず, TD法では正常幅例に対し有用性が期待されたが, 心室内伝導障害例に対してはなお慎重な検討が必要と考えられた.
  • 岩元 智超, 田辺 晃久, 楠崎 滋, 臼井 和胤, 半田 俊之介
    1997 年 17 巻 6 号 p. 711-723
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    イヌ急性虚血心で, I群薬disopyramide (DP) (n=14) , II群薬aropranolol (PR) (n=12) , III群薬M5-551 (MS) (n=14) , 対照 (生理的食塩水投与) (n=10) の電気生理学的性質, 血流量への影響を心内膜側と心外膜側心筋で検討した.麻酔後, 冠結紮前, 冠結紮15分後, 薬剤投与後に不応期, 局所電位幅, 血流量を測定した.冠結紮後, 自然ないし不応期測定中に心室頻拍/細動の発生した17頭は統計解析から除外した.DP群 (n=9) ; DP後, 不応期は虚血域 (I) , 正常域 (N) で延長したがI心外膜側の延長が大きかったため心内膜側 (ENDO) ―心外膜側 (EPI) 間差は拡大した (p<0.Ol) .局所電位幅はI, Nで延長した (p<0.05-0.01) が, Iで遅延が著明なためI-N間差が拡大した (ENDO, EPI各p<0.01) .血流量はDP後, I, NのENDO, EPIともさらに減少した (各p<0.05) が両層間に差はなかった.PR群 (n=8) ; PR後, 不応期はIでEPIの延長がENDOより大であったためEND0-EPI間差 (p<0.05) が, また, ENDOではI-N間差も生じた (p<0.05) .局所電位幅延長は対照と同程度で, 血流量はI, NのENDOとEPI双方同程度に低下した (各p<0.05) .MS群 (n=10) ; MS後, 不応期はIとNそれぞれENDOとEPIで延長し, I-N間, ENDO-EPI間差は縮小した.局所電位幅は虚血域で対照と同程度延長し, 血流量への影響はなかった.
    以上より, MSはDP, PRに比べ虚血心筋, 正常心筋における心内膜側, 心外膜側心筋の伝導性, 血流量への影響は軽微で, 虚血―正常域間不応期間差, 心内膜側―心外膜側間不応期差は少なかった.DP, PRの虚血域心内膜側―心外膜側心筋間不応期差は両層の血流量差によるものではなかった.
  • 山中 邦稔, 高橋 尚彦, 青柳 淳太郎
    1997 年 17 巻 6 号 p. 724-730
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は66歳, 男性.胸痛により来院.胸痛発作とともに心電図QRS幅が速やかに延長し, 心室性期外収縮から多形性心室頻拍 (VT) および心室細動 (VF) をきたす経過を反復した.VTおよびVFに対してリドカインの静注は無効で, その停止に直流除細動を要した.緊急冠静脈造影で, 左前下行枝近位部にtandem lesionを示す高度狭窄を認めた.緊急PTCAのバルン拡張中に明らかな心電図QRS幅の延長を認めた.バルン拡張約10分後に血栓形成をともなう急性冠閉塞を認め, その直後の拡張ではデフレーション直後に心室細動をきたした.直ちにIABPを挿入しPTCAを行い, 良好な拡張が得られた.その後, 心室性不整脈は完全に消失した.急性心筋虚血が心電図QRS幅の著明な延長から多形性VTおよびVFをきたす経過が再現性をもって記録でき, 急性心筋虚血と心室内伝導障害および心室細動発生の関連を理解する上で貴重な症例と考えられた.
  • 昭和20年代の心電図, ベクトル心電図
    戸山 靖一
    1997 年 17 巻 6 号 p. 737-739
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 受容体によるイオンチャネルの制御
    堀江 稔
    1997 年 17 巻 6 号 p. 740-746
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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