心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
18 巻, 6 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 岸田 浩
    1998 年 18 巻 6 号 p. 815-816
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 山本 忠彦, 宮崎 俊夫, 平野 豊, 猪木 達, 石川 欽司
    1998 年 18 巻 6 号 p. 817-823
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞後の運動負荷時梗塞部ST上昇は心筋虚血の関与なしに誘発可能なことが知られている.しかし, 心筋梗塞後には冠動脈狭窄がしばしば残存し, このような時には運動負荷ST上昇に虚血の関与が考えられる.そこで, 心筋虚血の有無やその部位により負荷時梗塞部ST上昇の程度に差があるか否かを検討した.対象は初回前壁梗塞56例で, 梗塞発症6~8週後にトレッドミル運動負荷タリウム201心筋シンチグラムを施行した.ST上昇はJ点で計測し, 最もST変化が大きかった誘導における安静時と最大負荷時のSTレベルの差をΔSTとした.心筋虚血の判定は負荷直後と4時間後のSPECT像およびbull's eye像を比較して行い, 再分布のない例を無虚血群, 梗塞部 (左前下行枝領域) に再分布があるものを梗塞部虚血群, 非梗塞部 (左回旋枝または右冠動脈領域) に再分布があるものを非梗塞部虚血群とし, これら3群間でST上昇の有無や程度を比較した.運動負荷にて0.1mV以上のST上昇は無虚血群の69%, 梗塞部虚血群の96%, 非梗塞部虚血群の33%に生じ, その頻度は3群間で差があった (p<0.Ol) .運動負荷前後でSTレベルを比較すると, 3群とも有意にSTが上昇したが, ST上昇の程度ΔSTは梗塞部虚血群0.22±0.08mVにおいて無虚血群0.12±0.06mVや非梗塞部虚血群0.08±0.04mVに比べ有意に高度であった (p<0.01) .前壁梗塞では高頻度に運動負荷で梗塞部STが上昇する.虚血がなくともSTは上昇するが, 梗塞部に虚血が生じるとST上昇は一層高度となり, 梗塞部の残存虚血は運動負荷ST上昇を増強すると考えた.
  • 碓井 雅博, 井上 博, 加藤 和三
    1998 年 18 巻 6 号 p. 824-829
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    過去の新薬の臨床試験のデータを用いて自覚症状の改善度に対する諸因子の影響を解析し, 心室期外収縮の治療効果判定に自覚症状の改善度が有用であるか否かを検討した.対象は, 心室期外収縮に対する3つの新規抗不整脈薬 (フレカイニド, ピルジカイニド, ピルメノール) のジソピラミドを対照とする臨床第III相試験の患者403例で, 抗不整脈薬投与前に自覚症状のあった231例において自覚症状の改善度と期外収縮の減少率について他因子 (年齢, 性, 基礎心疾患, 薬剤投与前の自覚症状, 薬剤投与前の期外収縮数) との関連を多変量解析を用いて検討した.自覚症状の改善度は期外収縮の減少率 (r=0.60, p<0.0001) と投薬前の自覚症状 (r=0.22, p<0.001) とに相関が認められ, 期外収縮の減少率は, 年齢と正相関 (r=0.16, p<0.05) があり, 基礎心疾患と逆相関 (r=-0.15, p<0.05) が認められた.すなわち, 心室期外収縮患者の自覚症状の改善度は, 期外収縮減少率に強く影響されるが, 投薬前の自覚症状が強い例ほど高くなる.また期外収縮の減少率は, 高齢者および基礎心疾患を有しない例で高くなる.これらの点は臨床治験ばかりではなく日常臨床の場において治療効果を判定するにあたって留意すべき点と考えられる
  • 臼井 和胤, 田辺 晃久, 楠崎 滋, 半田 俊之介
    1998 年 18 巻 6 号 p. 830-841
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    イヌ虚血心でα1遮断薬bunazosinの虚血-正常心筋間, 心内膜-心外膜側心筋間の不応期差, 血流量差を検討しpropranololと比較した.イヌをbunazosin (BN) 群 (n=11) , propranolol (PR) 群 (n=12) , 対照 (n=9) に分けた.冠結紮前と後, 薬剤投与後に不応期をS1-S2法, 血流Bを非放射性重元素マイクロスフエア蛍光X線法により測定した.冠結紮後, 虚血域では心内膜側に比べ心外膜側の不応期短縮が大であった (各群p<0.05) .冠結紮前血流量は心外膜側に比べ心内膜側で多かった.結紮後, 心内膜側の減少が大で両層間差は縮小した.BN投与後, 虚血で短縮した心外膜側の不応期は延長, 心内膜側-心外膜側差は縮小した.正常心筋への影響はなく, 虚血-正常域間不応期差も縮小した.BNは心外膜側より心内膜側血流量を減らし両層間に差を生じた (p<0.05) が, 対照も同じ傾向を示した.PRは虚血域, 正常域の不応期を延長した.虚血域では心内膜側 (p<0.1) より心外膜側心筋 (p<0.01) の延長が大で, 両層に差を生じた (p<0.05) .PRは心内膜側, 心外膜側心筋の血流量を減らしたが, 両層に差はなかった.
    不応期延長作用はBNは虚血域のみ, PRは虚血, 正常域双方であったことから両剤の不応期延長は別機序と考えた.虚血域では心外膜側の血流減少が心内膜側に比べ大であることはなかったことから, 両剤の心外膜側優位の不応期延長は血流量減少差より, 両層の電気生理学的反応差にあると考えられた.
  • 平松 幹男, 田中 茂博, 岡 由紀子, 俵 穆子, 定 利勝, 吉良 有二
    1998 年 18 巻 6 号 p. 842-848
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    慢性心房細動 (Caf) および発作性心房細動 (Paf) の電気的除細動 (DC) 時に, アプリンジン (AD) 前投与がDC効果を高めるかどうかを検討した.方法: Caf患者28例およびPaf患者10例を対象として, 除細動時にADを前投与する群: AD (+) 群と前投与しない群: AD (-) 群とに分けて除細動効果を比較検討した.結果: Caf例では, AD (+) 群18例とAD (-) 群10例間で患者背景に差を認めず, DCによる洞調律 (SR) 復帰は16/18例, 1/10例とAD前投与によるCaf停止促進効果を認めた (p<0.001) .Paf例では, AD (+) 群3例とAD (-) 群7例の全例がSRに復帰し, 除細動エネルギーは66.7J, 150JとAD (+) 群がAD (-) 群より低い傾向にあった.また, AD投与による合併症は認めなかった.総括: 心房細動のD0時にADを前投与することで, CafではSR復帰を容易にし, Pafでは除細動閾値を低下させる可能性が示唆された.
  • 酒井 俊太, 高野 照夫, 高山 守正, 早川 弘一
    1998 年 18 巻 6 号 p. 849-857
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群発作時の標準四肢誘導心電図aVRのST上昇の意義について検討した.不安定狭心症 (UAP: 220例) は発作時, 急性心筋梗塞 (AMI: 485例) は収容時所見でそれぞれaVRのST上昇群, 非上昇群の4群に分け, 臨床所見, 冠動脈障害枝数を比較した.UAPでST上昇群の3枝/左主幹部病変例の占める比率は49%, 非上昇群3%で, ST上昇群で有意に多かった (p<0.01) .AMIでもST上昇群の3枝・左主幹部病変例の占める比率は59%, 非上昇群6%で同様な差を認めた (p<0.01) .さらにST上昇群はいずれも「左前下行枝+回旋枝」の組み合わせが有意に多かった (p<0.01) .またKillip分類III・IV群がST上昇群45%, 非上昇群13%で, 重症心機能低下例はST上昇群に有意に多かった (p<0.01) .急性冠症候群のaVR誘導ST上昇は多枝冠障害 (左冠動脈主体) とAMI例で重症ポンプ不全の存在を示す.
  • 鈴木 和幸, 古川 泰司, 中村 康彦, 三寺 隆之, 山川 健, 半谷 京子, 小山 豊, 西村 昌雄, 山中 正己
    1998 年 18 巻 6 号 p. 858-866
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    III群抗不整脈薬MS-551のK+チャネル特異1生を確認するために, モルモット心室筋Na+チャネルに対する同薬物の作用を, 全細胞膜電位固定法を用いて検討した.MS-551は保持電位-140mVで, Na+チャネルを用量依存性に抑制し, 同条件におけるIC50は292±20μM (n=11) であった.MS-551300μM存在下, Na+電流は頻度依存性の抑制を示さなかったが, 長時間の脱分極パルスからの回復過程は遅延し, Na+チャネルの不活性化からの回復過程に加えて, 時定数約500msecの遅い回復成分が出現した.しかしながら, 同成分の対照時のNa+電流値に対する比率は小さく, 全電流値の約15%にとどまった.MS-551は静止状態のNa+チャネルに対してはIb群のlidocaineとほぼ同様の抑制作用を有するが, その抑制の電位依存性は小さく, 脱分極した心筋に対する作用は弱いと考えられた.したがって, 臨床的血中濃度では, 同薬物のNa+チャネルに対する作用は無視しうる程度に小さいと考えられた.
  • 大平 洋司, 佐竹 修太郎, 笹野 哲郎, 畔上 幸司, 山下 勝弘, 沖重 薫
    1998 年 18 巻 6 号 p. 867-874
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    房室結節回帰頻拍 (AVNRT) におけるslow pathway (sp) の選択的焼灼時に高頻度に出現する房室接合部調律 (AVJR) に対し, 通電中にsignal separatorを用い, AVJRの起源とその出現頻度を通常型 (31名) と稀有型 (13名) について比較検討した.AVJRの出現頻度は通常型で100%稀有型で76%であった.また, AVJRには (1) : ヒス東電位が先行するtype (His rhythm) , (2) : ヒス束電位よりアブレーション電極でのA波が先行するtype (Ablation site rhythm) (3) : (1) と (2) とが混在するtypeとが観察され, (1) の出現頻度は通常型で (84%) 稀有型 (46%) , (2) は通常型で (0%) 稀有型 (30%) , (3) は通常型で (16%) 稀有型 (0%) であり, His rhythmは通常型において100%にみられ, 稀有型で46%であった.また, 焼灼部位からヒス束電極先端までの距離は通常型で15.8mm-39.6mm (25.6±5.8mm) 稀有型で13.2mm-38.5mm (26.7±7.5mm) であり, 両者に有意差はみられなかった.
    type (1) のAVJRの出現は, 房室結節後方部に周囲の心房筋から絶縁された特殊刺激伝導系が存在し, 高周波加熱によって生じた興奮波または傷害電流がoompaot AVnodeに伝導するために生ずると考えられた.またこの出現頻度に通常型と稀有型で差があるのは, アブレーション法の違いに加えて, SPの順向性不応期が稀有型で長いためと考えられた.
  • 品川 香, 三田村 秀雄, 竹下 晃子, 佐藤 俊明, 神吉 秀明, 高月 誠司, 小川 聡
    1998 年 18 巻 6 号 p. 875-885
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動 (AF) の受攻性因子として心房不応期 (ERP) は重要であるが, AF中のERPの測定は困難である.そこでAF中に単発期外刺激を一定の連結期で繰り返し加えた際の捕捉の有無を統計学的に確認することにより, ERPと興奮間隙 (EG) の測定を試みた.麻酔開胸犬9頭で, 両側迷走神経刺激下に心房へ高頻度刺激を力口えてAFを誘発した.左房表面の刺激電極より, 局所興奮波に対し固定した連結期で単発刺激を加え, 刺激電極から1mmの部位での単極電位記録よりFF間隔を測定した.5msずつ連結期を変化させ, 約100回の単発刺激を加え, 各連結期でのFF間隔のヒストグラムを非刺激時のものと比較し, 2群間の分布の差をMann-Whitney U-testにより検定した.以上の方法によりAF中のERP測定が可能であり, 9頭の平均FF間隔は78±11ms, AF中のERPは64±14msであった.EGは9±5msとなり, AF中のEGの存在が示された.
  • 伊藤 正洋, 鷲塚 隆, 山浦 正幸, 古嶋 博司, 種田 宏司, 庭野 慎一, 池主 雅臣, 相澤 義房
    1998 年 18 巻 6 号 p. 886-891
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は27歳男性.25歳時より動悸発作が出現し, 発作時に右脚ブロック+左軸偏位型の持続性心室頻拍 (VT) が認められた.諸検査では器質的心疾患は認めず, VTはprooainamide, verapamil静注で停止効果を認めたが, これらの内服で予防効果は認められなかった.心臓電気生理検査では, 右室流出路よりの単発心室早期刺激で, 自然発作時と同型のVTが誘発され, 右室流出路よりの頻回刺激にてエントレインメント現象が確認された.頻拍中の心内膜マッピングで左室心尖部中隔側後壁寄りにQRS波の開始より45msec先行する明瞭なプルキンエ電位が同定され, 同部での通電でVTは数秒後に停止し, 誘発不能となった.通電部位で認められたプルキンエ電位は洞調律時にも認められ, 中隔に沿って基部から心尖部の順で認められた.VT時には同様の興奮川頁序が確認されたが, 局所の心室電位は逆方向であった.左室起源の特発性心室頻拍の回路に, プルキンエ線維を下行し正常心筋を上行する回路を有する症例の存在が想定され報告した.
  • 心電図から体表面電位図まで
    山田 和生
    1998 年 18 巻 6 号 p. 892-894
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 心電信号計測の可能性と限界
    石島 正之
    1998 年 18 巻 6 号 p. 895-901
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top