心電図
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18 巻, 1 号
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  • 林 博史
    1998 年 18 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―閉塞冠動脈枝による相違について―
    松田 伸一, 安村 良男, 楠岡 英雄, 浅生 雅人, 西村 恒彦, 林 亨
    1998 年 18 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心臓の交感および副交感神経分布は部位により異なるため, PTCA中に神経反射によりもたらされる心拍数 (HR) 変動も閉塞枝により異なると考えられる.PTCA中, 心電図でST上昇を認めた62例において, RCA群 (18例) ではBezold-Jarisch反射によると考えられるHR低下を認めたが, LCX群 (10例) は有意なHR変化を認めなかった.一方, LAD群 (34例) はHR単調増加型 (I型) とHR非増加型 (NI型) に分類できた.I型とNI型では年齢・性別・前胸部誘導ST上昇の総和ΣST (mm) に有意差を認めなかったが, I型はNI型よりも有意に心機能が低く, 対側心筋梗塞の合併率・PTCA中の不整脈出現率は有意に高かった.LAD群のHR変化は, 交感および副交感神経の分布の相違と, 虚血・梗塞巣の広がりの相対的関係に依存して, Bezold-Jarisch反射が誘発されたり抑制されたりするためと考えられる.
  • 丸山 徹, 岸川 敏介, 平松 伸一, 加治 良一, 金谷 庄蔵, 藤野 武彦
    1998 年 18 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    乳頭筋のような束状の心筋組織における興奮伝播過程は一次元ケーブル理論では説明困難である.モルモット乳頭筋の切断端を平面状に定常刺激しつつ微小電極でのマッピングにより三次元の興奮前面波形を作成すると, 表層の興奮伝播が深部のそれに先行する曲面を形成した.この傾向は高頻度刺激時や低酸素状態で顕著となりジソピラミド投与で平坦化した.細胞内外電位の比から細胞外抵抗を推定すると標本の表層ほど小さく, これが表層伝導を力口速している可能性が示唆された.逆に切除標本の深部では酸素の拡散障害から深部虚血が予想され, 高頻度刺激時や低酸素状態ではそれが顕著になることが深部伝導を遅延させる原因と考えられた.またジソピラミドは活動電位の最大立ち上がり速度に対する抑制率をその効果の指標とした場合, 表面で強く作用して曲面状の興奮前面波形を平坦化したと考えられた.以上のように乳頭筋などの束状の心筋組織での三次元的な興奮伝播過程は複雑で, それが酸素濃度勾配や局所の代謝状態, 電解質・代謝産物・薬物の拡散などにより一層修飾されると考えられた.
  • 山口 珠緒, 近松 均, 近藤 貴久, 木下 優, 上出 真一, 森 秀雄, 永井 伸枝, 渡辺 靖之, 嶋地 健, 加藤 千雄, 安井 直 ...
    1998 年 18 巻 1 号 p. 20-32
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    体表面電位図法を応用し, カテーテルペースマッピングにおける波形類似性の評価を定量的に行う方法を検討した.右室心尖部・流出路・左室心尖部・後基部領域において, ペーシング部位を5mmステップで移動させて心内膜ペーシングを行い, 体表面電位図 (87誘導点法) を記録した.記録されたpaoed QRSをA/D変換し, ペーシング部位の異なる2つのQRSデータの相関係数を87誘導点すべてにおいて求め, これらの平均値 (meanr) を2つのQRS波の類似性の指標とした.meanr値は2つのペーシング部位の間隔が5mmの場合0.962±0.03 (mean±SD) であり, 以下10mm, 15mm, 20mmとペーシング部位間隔が拡がるに従って順次低値となり, 各群間で有意差を認めた.本法はVTの発生源からカテーテル先端までの距離を定量的に知ることが可能なため, VTのカテーテルアブレーションの際に有用と思われた.
  • 五十嵐 正樹, 柴田 仁太郎, 森下 健, 武市 耕, 笠貫 宏, 細田 瑳一, 小林 健治, 三井 和幸
    1998 年 18 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    より低エネルギーでの心房除細動法の検討のため, 経食道電極を用いた通電法を検討した.9頭の無菌性心内膜犬を作製し右心耳, 上大静脈部近傍, 下大動脈部近傍の右房3ヵ所に電極リードを縫合した.手術1~4週後にいずれか1ヵ所から電気刺激を加え, 心房細動を誘発した.長さ80mm, 直径20mmの円筒形の食道電極 (表面積12cm2) を陽極, 体表面電極 (100×30mm) を陰極とし除細動を試みた.心房細動における除細動波形は単相波 (M) , 二相波 (B) の2種類であり, Mではパルス幅10ms, Bでは3-1-7 (初期陽性相, 相間時間, 第二相陰性相ms) (B3) , 5-1-5 (B5) , 7-1-3 (B7) , 9-1-1 (B9) で検討した.実際に出力された除細動波形の電圧と電流値を測定し, エネルギー数を算出した.心房除細動閾値 (ADFT) は心房除細動成功での最低エネルギー値とした.9頭中7頭に心房細動が誘発された.2頭では心房粗動が誘発されたため, 本検討ではこれを除外した.ADFTではMは1.9±2.2J, B3は3.3±1.1J, B5は2.5±2.1J, B7は1.9±1.0J, B9は2.1±1.1J (B3vs B7=p<0.05; Mvs B3=p<0.01, B3vs B9=p<0.001) であった.
    経食道心房除細動はMとB7のADFTが低かった.心房細動における経食道電気除細動は臨床上十分応用できるものと考えられた.
  • 新谷 宇一郎, 北村 政美, 大本 恭裕, 辻 みさ
    1998 年 18 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の自律神経障害は患者の「生活の質」を損なうばかりではなく, 合併する他疾患の経過および予後に重大な影響を及ぼし, 時に突然死をもたらす.糖尿病患者60例を進行度別に軽症群, 中等症群, 進行群の各20例に分け, 健常者60例を対照として, ホルター心電図心拍変動スペクトル解析にて比較検討した.1.糖尿病軽症群では副交感神経指標HF値が対照群に比し有意に低下していた (9±1 vs 11±1 msec, p<0.05) .昼間の副交感神経指標の低下が主因であった.一方, 交感神経指標LF/HF値は対照群に比し高い傾向があった (1.8±0.1 vs 1.7±0.1, p=0.08) .従って, 副交感神経機能は交感神経に先んじて障害され, 交感神経機能はこの時期相対的に亢進していると推測された.2.糖尿病進行群では交感, 副交感指標共に低下し, より除神経状態に近づいていると考えられた.これらの自律神経障害の特徴を把握することは, 日常診療において重要と考えられる.
  • 合屋 雅彦, 家坂 義人, 高橋 淳, 山根 禎一, 後藤 昌計, 副島 洋行, 岡本 美弘, 田中 千博, 新田 順一, 雨宮 浩, 野上 ...
    1998 年 18 巻 1 号 p. 46-53
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    下方肢誘導で陰性F波を呈する心房粗動の鑑別法につき, 51例を対象とし検討した.冠静脈洞内及び心房内興奮川頁序, V1誘導のF波の極性 (V1F) , 下大静脈一三尖弁輪 (IVC-TA) での刺激時のconoealed entrainment (CE) の有無を検討した.51例中48例はOEを認めIVC-TAが頻拍回路上に存在した.48例中38例は右房内を反時計方向に旋回する川頁方向性通常型心房粗動 (OCAF) であり, 10例は右房内を時計方向に旋回する逆方向性通常型心房粗動 (ACAF) であった.3例は冠静脈洞遠位に早期興奮を認め左房起源のAF (LAF) と考えた.3群間の周期に有意差はなく, V1FはOCAF37例 (97%) で陽性, ACAF8例 (80%) で陰性, LAFは2例で陽性であった.下方肢誘導で陰性を示す心房粗動にはOCAF, ACAF, LAFの3種を認め, その鑑別にV1F, 冠静脈洞内興奮川頁序, IVC-TAのマッピング, CEの有無が有用であった.
  • 中井 俊子, 渡辺 一郎, 高橋 義和, 近藤 一彦, 小島 利明, 國本 聡, 渡部 弘美, 梶田 潤一郎, 柳川 新, 斎藤 頴, 小沢 ...
    1998 年 18 巻 1 号 p. 54-61
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    薬剤抵抗性で難治性の頻脈性心房細動 (Afib) の一部では頻脈になる原因として, 房室接合部の速伝導路 (FP) と遅伝導路 (SP) の双方に房室伝導が関与している可能性が考えられる.そこで今回我々は, SPを高周波力テーテル焼灼にて離断することにより, Afib時の平均心室拍数を減少させることが可能か否かを検討した.対象は薬剤抵抗性の発作性心房粗動を有する5例および房室結節リエントリー性頻拍1例.方法は, SPに対してカテーテル・アブレーション (CA) を施行し, CA前後でAfib時の平均心室拍数を比較した.6例中3例で心房早期刺激法にて二重房室伝導を認め, 同症例においてはSPのCAにより心房頻回刺激にて誘発したAfib時の心拍数の減少を認めた.心房早期刺激法にて明らかな二重房室伝導を認めなかった3症例では, SP焼灼後も誘発したAfib時の平均心室拍数には有意な変化は見られなかった.
  • 山田 憲司郎, 斉藤 俊弘, 小林 智, 出口 不二夫, 大沼 徳吉, 桑原 洋一, 藤井 清孝, 滝沢 太一, 森 勝己, 唐木 章夫, ...
    1998 年 18 巻 1 号 p. 62-67
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    負荷心電図で有意なST低下を示し, 冠動脈に有意狭窄を有する109名を, 負荷タリウム心筋シンチ所見から定性的に次の4群に分類し, 運動負荷時の各因子を比較検討した.0群: タリウム欠損像を認めない.1群: 完全再分布するタリウム欠損像を認める.2群: 不完全再分布するタリウム欠損像を認める.3群: 完全再分布するタリウム欠損像と不完全再分布するタリウム欠損像を認める.4群間には, 年齢, 狭心症・糖尿病の既往, 負荷時の胸部症状の出現率および最大ST低下度に差を認めなかった.他群に比し, 3群で負荷時の最大心拍数は小で, 肺野タリウム集積は大であった.ST回復過程はすべての群で虚血型を示す例が多く認められたが, 1群に比し3群でHR-STループが時計回転を示す例がより多く認められた.以上より, 運動耐容能の低下と虚血からの回復遅延が他群に比し3群でより強く負荷心電図に反映されたが, 他群間における差は明らかでなかった.負荷心電図ST回復過程の検討と負荷タリウム心筋シンチ所見とはお互いに相補的な診断法であると考えられた.
  • 森 秀雄, 安井 直, 渡邊 靖之, 上出 真一, 山口 珠緒, 木下 優, 野場 万司, 嶋地 健, 加藤 千雄, 近松 均, 渡邉 佳彦 ...
    1998 年 18 巻 1 号 p. 68-77
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    生活動作中の心筋虚血によるST偏位の出現部位とその拡がりの時間的推移を, 多誘導ホルター心電図記録から体表面電位図を作成することにより検討した.対象は冠動脈造影で有意狭窄が確認された狭心症患者29名で, 22例に虚血性ST偏位を認めた.左前下行枝狭窄例ではST下降領域は左側胸部の上下に広範囲に存在し, 左回旋枝狭窄例では左側胸部の下方に限局, 右冠動脈病変例では左側胸部下方に広範囲に認めた.多枝病変例では虚血性ST下降は左前胸部全般に認め, 右冠動脈の冠攣縮性狭心症例ではST上昇領域を左側胸部から下方に, 対側性のST下降を右上方に認めた.ST下降の極小の位置は心筋虚血の間持続してV5の下方に存在したが, ―枝病変例ではST下降領域の広さ及び分布は罹患枝により異なる傾向を示した.以上は従来の運動負荷ST電位図の成績と概ね―致し, 本法は日常生活中の心筋虚血による心電図変化の検討に有用となる可能性が示唆された.
  • 心筋イオンチャネル研究の前夜
    真柴 裕人
    1998 年 18 巻 1 号 p. 78-81
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 博則, 片山 祐介, 倉智 嘉久
    1998 年 18 巻 1 号 p. 82-94
    発行日: 1998/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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