心電図
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18 巻, 2 号
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  • 笠貫 宏
    1998 年 18 巻 2 号 p. 137-138
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 小西 與承
    1998 年 18 巻 2 号 p. 139-145
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    房室結節を巡る最近の展開は房室結節頻拍に対する高周波アブレーション治療に関するものが中心であるが, 元来の機能的関連事項は1) 心房一心室間の収縮間隔をもたらす伝導遅延, 2) 補充 (異所性) 中枢としての自動能, 3) 頻拍発作機序としてのリエントリー回路形成の3つがある.本シンポジウムの導入として, 先ずこれらの歴史的展開と問題点を述べた.房室結節では (1) 二重経路の成立 (2) 自動能の局在 (3) 加重現象等の関与が, 結節入力としては (4) 心房内伝導経路の同定と (5) 心房一結節間の組織的接続が解決すべき問題点である.
  • 羽渕 義純, 田中 秀央, 山本 卓, 西尾 学, 吉村 学
    1998 年 18 巻 2 号 p. 146-153
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    房室結節はその内部での伝導が遅いことで特徴づけられる組織であり, その活動電位立ち上がりをもたらす内向き電流 (INaとIca, L) の性質を, ウサギ房室結節より単離された細胞を用い検討した.房室結節からはrod型の細胞とspindle型の細胞が単離されたが, 安定した律動的な自動収縮はspindle型細胞に観察され, rod型細胞の大部分は静止細胞であった.一方INaはrod型の全細胞に見られたが, spindle細胞の52%はINaを有していなかった.それに対しICa, Lと過分極により活性化されるペースメーカー電流If, はspindle型細胞で有意に高い電流密度を示した.INaを発現している細胞は細胞の形態に関わらずその電流密度はIca, Lのそれに比較し遥かに大きく, INaの95%が不活性化される-65mVの保持電位でもINaを介した内向き電流密度はIca, Lを介したそれの約10倍であった.房室結節には伝導に適したものと自動性に富んだものの少なくとも2種類の細胞が存在するが, 細胞分布のみでは房室結節内の遅い伝導を説明できないようであり, 浅い静止膜電位の重要1生が示唆された.
  • 渡部 良夫
    1998 年 18 巻 2 号 p. 154-161
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    房室結節が伝導能をもたず, その自動能が心房筋の脱分極による電気緊張性変調を受けることで心房興奮に同期した刺激生成を行い, 心室の興奮を導くというMeijlerらの自動能変調仮説と, 古典的な房室結節伝導の概念 (興奮伝導仮説) とを比較検討した.即ち1) 結節内伝導の実験的証拠が不十分と見られること, 2) 大動物と小動物の房室間隔を比較した場合に, 前者が心臓の大きさの増大に比例した延長を示さないこと, 3) 心房細動時に右室ペーシングを行うと, 刺激周期よりも短いR-R間隔の多くも消失するのが見られ, これは興奮伝導仮説では説明し難いことという前者の3つの論拠のそれぞれに批判を加え, これと現在知られている理論的, 実験的ならびに臨床的データを総合した結果, 我々は興奮伝導仮説を支持すべきであろうと考える.
  • 川良 徳弘, 笠井 宏委, 川端 美穂子, 佐藤 正, 鈴木 文男, 比江嶋 一昌
    1998 年 18 巻 2 号 p. 162-171
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    房室結節前方・後方経路の伝導速度はそれぞれ本当に速い・遅いのであろうか.雑種成犬14頭で, 前方心房中隔 (AS) および後方分界稜 (CT) 頻回刺激からHis束までの伝導時間 (AS-SH時間, OT-SH時間) を比較した.最低頻度刺激ではAS-SH時間が短く (75±8ms vs 82±6ms, p<0.01) , 最高頻度刺激ではCT-SH時間が短かった (133±11ms vs 125±12ms, p<0.01) .His束までの全伝導距離はA$刺激で短く (13.2±3.6mm vs 26.9±5.6mm, p<0.001) , 心房筋と房室結節を含む全平均伝導速度はCT刺激で速かった.全伝導距離が長いほど全平均伝導速度は速くなり, その関係は刺激部位に依らなかった.14頭中8頭で, CT刺激部位一冠静脈洞開口部間CT冷却 (-0.5±3.7℃) の影響をみた.Wenokebaohブロック周期長 (WBOL) はAS, CT刺激ともにわずかに延長したが (198±18ms vs 211±22ms, p<0.05; 198±18ms vs210±19ms, p<0.05) , 最高頻度でのSH時間はCT刺激でのみ延長した (131±10ms vs130±10ms, p>0.05; 124±12ms vs133±13ms, p<0.05) .房室結節にむかう主なインパルスに大きな迂回はないと想像され, 房室結節後方経路の伝導速度は, 前方経路の伝導速度に比べ遅くないことが示唆された.
  • 山下 武志, 村川 裕二, 速水 紀幸, 小俣 政男
    1998 年 18 巻 2 号 p. 172-178
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動により生じる心房筋の電気的リモデリングの生化学的な側面を知る目的で, ラット心房を用いて高頻度心房刺激が電位依存性力リウムチャネルのmRNAレベルにおよぼす影響, 及びその電気生理学的影響につき検討した.高頻度心房刺激は刺激開始後2時間という早期から, Kv1.5チャネルのmRNAレベルを顕著に増加させると同時に, Kv4.2mRNAを減少させた.同時に高頻度刺激後24時間を経た単離心房筋では一過性外向き電流の減少と持続性電流の増加傾向を認め, mRNAレベルの変化に呼応する変化と考えられた.このように, 心房高頻度興奮が早期から電位依存性カリウムチャネル遺伝子発現を修飾することが心房細動の電気的リモデリングの一生化学的側面をなすと考えられた.
  • 池田 隆徳, 杉 薫, 山口 徹, Hrayr S. Karagueuzian, Peng-Sheng Chen
    1998 年 18 巻 2 号 p. 179-189
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動が単一リエントリー (spiral wave) のmeandering (さまよい) 現象によって引き起こされるという仮説を, 高解像度マッピングシステムを用いて検証した.イヌ (n=13) あるいはヒト (n=5) の孤立心房筋を509対の双極電極板 (電極間隔0.5mm, 解析能1.6mm) を底に備えた組織浴槽に固定し, aoetyloholineを加えたTyrode液で灌流した.心筋縁からの基本刺激後, 心筋中央から高電流の早期刺激を与えることにより心房細動を誘発した.イヌ心房筋では直径2~10mmの円形の解剖学的構造物を作成し, 細動波の変化を観察した.細動中の双極電位波形をdV/dt法により処理し, 興奮伝播をディスプレイ上にダイナミックに描写した.ヒト, イヌ心房筋ともに, 迅速な細動波が509点の双極電極で記録された.マッピング上, 渦巻き様に旋回する単一リエントリー (spiral wave) が, 心房内を無秩序に移動 (meandering) する現象が認められ, 時折, breakupやnew wave front発生を来したが, 直ちに単一spiral waveへと再生され, その興奮波が再びmeandering現象を起こすことにより, 細動興奮は維持された.比較的大きな円形構造物が作成されると, リエントリーはその周囲を常に接しながら旋回し, meandering現象は消失し, 電位波形は細動から粗動へと変化した.新しい概念である単一spiral waveのmeandering現象は, 心房細動の機序として矛盾せず, 細動の興奮伝播を解釈する上で興味ある知見と考えられた.
  • ―心房細動の発生と持続, 及び, 心房拡大の点から―
    篠崎 毅, 渡辺 淳, 加藤 浩, 船越 正行, 馬場 恵大, 竹内 雅治, 鈴木 秀, 八木 卓也, 田島 拓郎, 石出 信正, 白土 邦 ...
    1998 年 18 巻 2 号 p. 190-194
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    洞不全症候群を除く50症例を, 一過性心房細動 (一過性af) の誘発ができない20例と誘発のできる14例, 及び, 1ヵ月以上持続した慢性afに対して電気的除細動を施行した16例に分類し, 心房筋再分極の指標 (右房有効不応期ERP, 右房単相性活動電位持続時間MAP口90) , 伝導遅延の指標 (右房内局所最大伝導遅延率%CD) , wavelengthの指標 (MAPD90/%CD, ERP/%CD) , 右心房容積の指標 (心臓超音波検査による右房心内膜トレース/体表面積) を, それぞれ計測した.この結果, 一過性afの誘発には再分極相の短縮とそれによるwavelengthの短縮が関与し, 慢性afでは再分極相の短縮に加え, 増強した伝導遅延によりwavelengthはさらに短縮していた.また, 心房が拡大するとwavelengthは短縮した.この様に, ヒト心房筋において再分極相の短縮, 伝導遅延, 心房拡大はいずれもwavelengthを短縮し, afを発生, 持続させ易くすると考えられた.
  • ―受攻性に対する臨床電気生理学的検査から―
    清水 昭彦, 山縣 俊彦, 上山 剛, 早野 智子, 立野 博也, 江里 正弘, 大村 昌人, 田村 健司, 松崎 益徳
    1998 年 18 巻 2 号 p. 195-202
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動の発生機序を検討するために, 右房に期外刺激法と洞調律時の心房内マッピング, P波同期加算平均心電図を行い, 発作性心房細動例 (paf) の心房筋の電気生理学的特性を検討した.高位右房期外刺激で反復性心房応答 (RAF) と最大伝導遅延を求めると, RAF誘発例の83%の有効不応期 (ERP) は250ms以下でかつ最大伝導遅延は40ms以上であった.ジソピラマイドは有意にERPを延長させ, 逆に, イソプロテレノールは有意にERPを短縮させた.両薬剤ともに最大伝導遅延を短縮させて, RAFの誘発は抑制された.心房内マッピングとP波同期加算平均心電図を行った症例では, paf群は対照と比較して有意に異常心房電位数が多く, フィルター化P波持続時間は延長し, P波初期および終末期ベクトルマグニチュードは低値であった.
    心房細動の発生には, 心房細動の基質, 心房筋ERPの短縮と伝導遅延が重要である.
    心房細動の発生機序に関しては, 今世紀の前半よリリエントリーと自動能亢進の問で長く論争が行なわれている.最近でも, fooal atrial fibrillationの報告が行なわれているし, 心房細動の一部の機序に撃発活動も考えられている.リエントリーとしては, Moeらの唱えたmultiple wavelet説が有力であり, 解剖学的欠損を持たずにリエントリーの中心に向かう興奮波によって作られた機能的ブロックの形成によって興奮波が回旋する“leading circle” (図1) 説や興奮が螺旋状に回旋してその中心の核が移動するSplral wave説がある.以上, 心房細動の発生機序は種々考えられているが, 現在の臨床レベルでこれらの電気生理学的現象を直接証明することは不可能であり, 通常は心房細動例と対照例の心房内マツピングやP波同期加算平均心電図あるいは心房期外刺激による心房筋の反応を検討することで, 心房細動の心房筋の電気生理学的特性が検討され, 間接的に心房細動が起こる基質の存在が調べられている.
  • 坂田 成一郎, 早野 順一郎, 向井 誠時, 岡田 暁宜, 藤浪 隆夫
    1998 年 18 巻 2 号 p. 203-209
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心拍変動の非周期性成分に対する年齢の影響を検討するために, 健常者46名の24時間の心電図の心拍変動から粗視化スペクトル法を用いて非周期性成分のパワースペクトルを抽出し, 年齢によるパワーの変化を分析した.対象を年齢によって, 若年群 (16~29歳; 平均23±4歳) , 中年群 (30~49歳; 41±6歳) , 高年群 (50~67歳; 59±5歳) に分け, 非周期性成分の両対数パワースペクトルを各群について平均したところ, どの群でも右下がりの両対数パワースペクトルが得られた.3群のスペクトルを同じ座標にプロットをすると, 低い周波数帯域ではスペクトルは互いに重畳したが, 高い周波数帯域のパワーは若年群>中年群>高年群の順で解離を示した.群間の平均パワーの差をANOVAにより検討した結果, 1.3×10-3Hz未満では有意な群間の差がなかったが, それ以上の周波数では有意な差が見られた (P=0.016) .また, 全対象で, 年齢と対数パワーとの間の相関を検討したところ, やはり1.3×10-3Hz以上で有意な負の相関が見られた (P=0.014) .これらの結果は, 非周期性成分のパワーに対する加齢の影響は周波数帯域によって異なり, 1.3×10-3Hzより低い周波数帯域のパワーは加齢による影響を受けないのに対し, それ以上の周波数帯域のパワーは加齢と共に減少することを示す.本研究の結果は, 心拍変動の非周期性成分が周波数帯域で年齢依存性の異なる2つの成分に分離される可能性を示唆する.
  • 橋場 邦武
    1998 年 18 巻 2 号 p. 210-215
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 古川 哲史, 中島 忠
    1998 年 18 巻 2 号 p. 216-222
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 春見 建一
    1998 年 18 巻 2 号 p. 223-231
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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