心電図
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18 巻, 3 号
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  • 長嶋 正實
    1998 年 18 巻 3 号 p. 277-278
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 飯沼 宏之, Leonard S Dreifus
    1998 年 18 巻 3 号 p. 279-287
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    家兎心房一房室結節標本に早期刺激 (S2) を加えた際CT/IASinputあるいはPerinodalatrial tissue (PNAT) 内にS2-興奮の伝導ブロックが生じ, そのためこれら移行心房組織を回路の一部に含むAV nodal reentry (AVNR) が生じることを観察した.これら移行細胞では, その活動電位波形はoompaot AVNのそれとは異なっていたが, 少なくとも一部の細胞は (1) S2に対するdecrementalな反応, (2) aoetylcholine, verapamilによる伝導抑制, などoompaot AVNと共通の性質を有することが示された.
  • 八木 哲夫, 伊藤 明一, 小田倉 弘典, 滑川 明男, 大友 淳, 石田 明彦, 佐藤 高栄
    1998 年 18 巻 3 号 p. 288-299
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    【目的】冠静脈洞開口部 (CSO) を最早期心房興奮部位とする房室結節リエントリー性頻拍 (AVNRT) の特徴を明らかにする.【対象・方法】AVNRT 91例92頻拍 (男46例, 女45例, 47±18歳) を対象とし, 通常型AVNRT (AH>HA) で, 頻拍中の心房興奮部位がヒス東電位記録部位HBEがCSOに先行した71頻拍 (77%) をHBE群, CSOが先行した13頻拍 (14%) をCSO群とし比較検討した.【結果】 (1) 川頁行性伝導: 洞調律時, 心房刺激時の各指標に差はなかった.ジャンプ現象はHBE群の69例 (97%) , CSO群の13例 (100%) で認められた.〔2〕逆行性伝導: 心室刺激時, 両群間で有意差を示したのは, 低頻度心室刺激時の刺激 (S) -心房電位 (A) (SA) 間隔 (ShortestSA, HBE群: 117±22vsCSO群: 200±41ms; p<0.002) , 1: 1室房伝導を示す最大刺激頻度 (167±30vs142±28bpm; p<0.02) , そのときのSA間隔 (Maximal SA, 135±24vs227±43ms; p<0.0001) , Maximal SAからShortest SAを減じたSA間隔の延長度 (17±13vs27±15ms; P<0.009) , 高頻度心室刺激中のWenokebaoh周期の出現率 (5/57例 (9%) vs8/12例 (67%) ; p<0.0001) であった.また, CSO群の全例の逆行性伝導はCSOを最早期心房興奮部位とする伝導のみであった. (3) 頻拍: RR間隔 (374±69vs420±68ms; p<0.03) , HA間隔 (44±18 msvs 114±25 ms; p<0.0001) , VA間隔 (-1±21 vs 68±24ms; p<0.0001) , AH/HA (9.0±4.5vs2.8±0.9; p<0.0001) で差が認められた. (4) 頻拍誘発率: 高頻度心房刺激 (HBE群: 58%vs CSO群: 23%; p<0.03) , 早期心房刺激 (79% vs 46%; p<0.04) で差が認められた. (5) 薬剤: ベラバミルとI群抗不整脈薬を投与した.投与後室房ブロックを呈したのは, ベラバミルでそれぞれ17例 (36%) , 4例 (31%) , I群薬で2例 (11%) , 2例 (50%) と差はなかった.【考案】CSO群は頻拍や心室刺激時の逆行性伝導に特徴的な所見が認められた.頻拍は逆行性の速伝導路が機能してないときや, 速伝導路の伝導時間と有効不応期が長いときに出現すると考えられた.両群の薬剤に対する反応は類似しており, また, HBEのA波が必ずしも速伝導路の心房端を反映しているとは限らず, COSのA波との比較のみでは, 診断が困難な場合があり, 診断には, 詳細なマッピングと, 電気生理学的特徴を参考にする必要があると考えられた.
  • 奥村 謙, 岩佐 篤, 土谷 健, 田渕 利文, 山部 浩茂
    1998 年 18 巻 3 号 p. 300-306
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    選択的slow Pathwayに対する高周波力テーテルアブレーション (RFCA) の指標としてのslow aotential (SP) の成因と意義を検討した.麻酔成犬を対象に人工心肺下に右房切開し, 冠静脈洞入口部 (CS-OS) 前方の三尖弁輪の電位を記録した.全例でCS-OS前下方に低周波成分 (LP) に続く高周波成分 (HP) よりなるdouble Potentialが記録され, Jackman型SPに相当した.ペーシングによる心房興奮経路の変化により, HPの出現時相は変化したが, LPの出現時相は一定で, 上下大静脈間筋束 (IMB) の興奮時相に常に一致していた.以上よりHPは局所心房筋の, LPはIMBの遠隔電位を反映すると考えられた.次にHaissaguerre型SPを指標にRFCA (平均3回) を行った房室結節回帰性頻拍 (AVNRT) 52例を対象とし, SPの特徴と成因を検討した.成功通電部位はCS-OSとヒス束部のほぼ中間の三尖弁輪部に位置し, この部位でのSPは心房心室電位のほぼ中間に出現し, ヒス束電位に軽度先行していた.同様の特徴のSPは非成功通電部位でも認められたが, 心房電位に対する相対的SP電位高は成功通電部位で有意に大であった.非AVNRT例でも同様のSPが記録された.以上よりSPはslow pathwayのRFCAの指標として有用であるが, Slow pathwayに特異的ではなく, むしろ部位特異的電位と考えられた.
  • 佐竹 修太郎, 大平 洋司, 山下 勝弘, 畔上 幸司, 笹野 哲郎, 沖重 薫
    1998 年 18 巻 3 号 p. 307-314
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    通常型房室結節回帰頻拍 (AVNRT) 55例と稀有型18例, 計73例において, 遅伝導路の心房挿入部位に高周波通電を施行した.その時, ヒス束領域, 冠状静脈洞領域及び, アブレーション部位の電位を高周波ノイズフィルターを用いて記録し分析した.房室接合部の異所性調律 (ER) は, ヒス東電位が他の心房電位に先行するType1 ERと, アブレーション部位の心房電位がヒス束やその他の心房電位に先行するType 2 ERとに分類された.Type 1 ERはType2ERに比してその接続時間が長かった.Type 1 ERは通常型AVNRT全例でみられ, 遅伝導路アブレーションの成功指標である.また, このことは房室結節領域の後方部とCompaot AV nodeとの間に, 周囲より電気的に絶縁された伝導路が存在し, 高周波通電による傷害電流が, この部位を選択的に流れ, 房室結節ないしヒス束の自動能を亢進させることを示唆した.
  • 神吉 秀明, 三田村 秀雄, 佐藤 俊明, 品川 香, 高月 誠司, 末吉 浩一郎, 小川 聡
    1998 年 18 巻 3 号 p. 315-323
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動の受攻因子である心房不応期に与えるNaチャネル遮断薬と, Kチャネル遮断薬の効果を調べる目的で, pilsicainide (Pil) とMS-551 (MS) の抗心房細動作用につき検討した.迷走神経刺激下に15分以上の心房細動が誘発可能なイヌ18頭を対象とした.非心房細動時, 種々の刺激周期における心房単相性活動電位持続時間 (MAPD) と同部位の有効不応期 (AERP) を計測し, また96点マッピング電極にて心房内伝導速度 (CV) を測定した.次に心房細動を誘発し, 心房細動中のMAPのff間隔 (AFCL) を測定し, 5分の時点でPil及びMSの静注を開始した.心房細動停止後に諸計測を繰り返した.Pilは10頭中9頭, MSは8頭中4頭で心房細動を停止させた.AFCLはPil, MS投与により各々39.8%, 88.3%増加した (P<0.05) .PilはCVを減少させた (P<0.05) が, MSは変化させなかった.反対にPilはMAPDを変化させなかったが, MSは逆頻度依存性にMAPDを延長した.一方AERPに対しては両薬剤ともに延長作用を示したがその態度は基本周期により異なり, Pilは頻度依存性に, MSは逆頻度依存性に延長をもたらした.その結果, Pilは基本周期150mseoでもAERPを有意に延長したのに対し, MSはPil投与時よりも短いAERPを示した.
    これらより, Naチャネル遮断薬はCVを低下させたのみならず, MAP口を延ばさずにAERPを有意に増加させた.このpostrepolarization refraotorinessは, 逆頻度依存性ブロックを特徴とするKチャネル遮断薬と異なり, 高頻度興奮時にも維持され, 心房細動の停止に効果的と考えられた.
  • 中谷 晴昭, 大本 由樹, 渡邊 泰秀, 原 幸男, 小林 智, 森 勝巳, 小倉 武彦, 植村 展子, 玉川 正次, 坂下 育美, 坂本 ...
    1998 年 18 巻 3 号 p. 324-332
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心房細動の薬物療法は主に不応期の延長を目的として行われ, その1つの方策はK+チャネル遮断によって活動電位幅を延長させることである.心房筋細胞の活動電位再分極には多くの種類のK+電流が関与するが, 抗不整脈薬が作用する主なものはアセチルコリン感受性K+電流 (IK.ACh) と遅延整流K+電流 (IK) である.多くの抗不整脈薬がIK.AChを抑制し, ムスカリン受容体遮断を介して間接的に抑制するものがdisopyramide, pirmenol, sotalol等であり, K+チャネルあるいはG蛋白に直接的に作用し抑制するものはamiodarone, bepridil等である.このIK.ACh抑制作用は副交感神経依存型の心房細動の予防, 治療に有効と考えられる.また, IKは, 非常に速い活性化過程を示すIKur, 速い活性化過程を示すIKr, 緩徐に活性化するIKsという3つの成分からなるが, 新III群抗不の整脈薬を含めてIKrを抑制する薬物が多く, 一部はIKsあるいはIKurを抑制する薬物もある.今後, 心房細動による電気的リモデリングによってどのようなK+チャネルが変化するかが明らかとなり, より効果的なK+チャネル遮断による心房細動治療法の確立が望まれる.
  • ―I群薬との比較におけるIII群抗不整脈薬の有効性―
    小林 義典, 新 博次
    1998 年 18 巻 3 号 p. 333-342
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, 心房細動 (AF) の薬理学的除細動においてIII群薬の有効性の低さが指摘されているが, その対象患者にAFの長期持続例が多数含まれており, これまでのI群薬効評価の報告とはこの点で異なっている.そこで我々はIII群薬の1つであるdofetiIide (D) の除細動効果を発症1週間以内のAFにおいて調査し, 1群薬のそれと比較検討した.Dは2.5~5.0μg/kgを10分間で静注した.結果: 1) Dは対象13例中7例 (54%) でAFを停止せしめ, 1群薬に匹敵する有効性を示した.2) 除細動成否の予測因子は, AF持続時間のみが統計学的有意差を示した (成: 17, 非: 72時間, P<0.05) .3) 電気生理学的検査 (EPS) では口は心房内伝導指標に影響せす, 両心房の有効不応期を有意に延長させた.4) 心電図f-f間隔はpilsicainide投与により著明に延長したのに対し, Dでは軽度の延長の後にAFが停止した.Dは1群薬とほぼ同等の除細動効果を有し, この効果はAF持続時間に依存していた.EPS指標に対する効果, 投薬中のf波の変化様式より, Dは1群薬と異なる作用機序によりAFを停止させることが示唆された.
  • 大久保 豊幸, 清水 渉, 相原 直彦, 栗田 隆志, 須山 和弘, 鎌倉 史郎, 下村 克朗
    1998 年 18 巻 3 号 p. 343-352
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ATP感受性心房頻拍症の臨床的, 電気生理学的特徴及び抗不整脈薬に対する反応を検討した.心房頻拍 (以下AT) 20例をアデノシン三燐酸 (以下ATP) 静注による停止の有無により, ATP感受性群11例と非感受性群9例に分類した.両群で年齢, 性別, 自覚症状, ATレートには差を認めなかった.ATP感受性群では, 慢性持続型が11例中9例 (82%) と多く, 心房頻回刺激にてoverdrive suppression現象を11例中7例 (64%) , warm up現象を11例中8例 (73%) , delayed termination現象を11例中2例 (18%) に認めたが, entrainment現象は認めなかった.抗不整脈薬に対する反応では, β遮断薬により10例中2例 (20%) のATが停止し, 7例 (70%) でATレートが減少した.また1b群抗不整脈薬では, 9例中6例 (67%) のATが停止し, 1例 (11%) でATレートが減少した.ATP感受性ATでは自動能亢進を主とする, 非リエントリー性の機序を有するものが多く含まれていた.
  • 内田 文也, 笠井 篤信, 大道 近也, 藤井 英太郎, 安田 正樹, 中野 赳, 浜中 恵子
    1998 年 18 巻 3 号 p. 353-359
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ホルター心電図による心拍変動解析を用いて, 房室回帰頻拍及び房室結節回帰頻拍に対する高周波力テーテルアブレーション (RFOA) 後に生じる心拍変動異常について, 焼灼部位別に総通電量との関係を検討した.WPW症候群36例, 房室結節回帰頻拍9例の計45例を対象に, RFOA前後にホルター心電図を記録, 焼灼部位により中隔17例; S群, 右室自由壁8例; R群, 左室自由壁20例; L群に分類し, 副交感神経の指標として時系列解析より%RR50, 周波数スペクトル解析 (FFT解析) より高周波成分 (HF=0.15~0.40Hz) を求めた.またRFOA前後での各指標の変化率を算出した.%RR50及びHFは, RFOA後S・R・L群いすれも有意に低下した (p<0.05) .S群では, %RR50変化率及びHF変化率と総通電量との間に, それぞれ相関係数r=0.657 (p<0.Ol) , r=0.580 (p<0.05) と有意な正相関を認めた.R群でも同様に正相関の傾向を認めたが有意ではなかった.L群では明らかな関係は認めなかった.中隔領域及び三尖弁輪に対するRFOAでは, 総通電量に依存して副交感神経活動が低下すると推測された.
  • 私の心電学への関わりと, 先達・同学の士の思い出
    渡部 良夫
    1998 年 18 巻 3 号 p. 360-362
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 心筋ギャップ結合チャネルの異常と伝導障害
    今永 一成
    1998 年 18 巻 3 号 p. 363-376
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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