スルポニルウレア剤やK
+チャネル開口薬のATP感受性K
+ (K
ATP) チャネルに対する作用は, チャネルのサブユニットであるスルポニルウレア受容体 (SUR) によって制御されていると考えられている.本研究では, 心筋K
ATPチャネルの機能的なSURを同定するため, 新生児ラット心室筋細胞を培養し, SURのmRNAに対するアンチセンスオリゴ (AS-SUR) を6日間処置し, K
ATPチャネルへの影響をパッチクランプ法にて検討した.SUR1, SUR2に対するアンチセンス (AS-SUR1, AS-SUR2) ならびに各々に対するスクランブル配列のオリゴを用いた.代謝阻害により誘発された (0mVにおける) K
ATPチャネル電流は, 無処置群 (Ctrl) では48.9±2.8pA/pF (n=48) であったが, AS-SUR1ならびにAS-SUR2処置により各々34.3±3.5pA/pF (n=21) , 23.5±3.4pA/pF (n=17) に減少した (: P<0.05, : P<0.01vsCtrl) .対照として用いたスクランブル配列のオリゴはK
ATPチャネル電流量に影響しなかった.したがって, ラット新生児心室筋のK
ATPチャネルでは, 心筋タイプとされるSUR2のみならず, SUR1もチャネルの構成成分として機能していることが示唆された.
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