心電図
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19 巻, 2 号
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  • 小川 聡
    1999 年 19 巻 2 号 p. 109-110
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 山田 充彦, 倉智 嘉久
    1999 年 19 巻 2 号 p. 111-119
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心筋細胞のATP感受性K+ (KATP) チャネルは, 細胞内ATPにより抑制される内向き整流K+チャネルであり, 虚血時に開口して心筋収縮力を抑制すると考えられている.最近このチャネルが, ABO蛋白質の―種のスルフォニルユレア受容体2A (SUR2A) と2回膜貫通型K+チャネルサブユニット (Kir6.2) の複合体である可能性が示唆された.そこでSUR2AとKir6.2をHEKX93T細胞株に共発現し, その特性をパッチクランプ法で検討した.SUR2A/Kir6.2チャネルは, インサイドアウトパッチ構成時に自然開口する弱い内向き整流K+チャネルで, その単一電流コンダクタンスは約80pSであった (細胞外K+=150mM) .細胞内ATPは, Mg2+の存非にかかわらず, 約150μMの1C50で自然開口を抑制した.UDPはランダウン後のチャネルを活性化した.この場合UDPはATPの抑制効果に拮抗しなかったが, ランダウン前に投与されると拮抗作用を示した.K+チャネル開口薬のSUR2A/Kir6.2チャネルに対する親和性は, ピナシジル>ニコランジルであり, ジアゾキサイドはほとんど無効であった.したがって, 心筋型KATPチャネルはSUR2AとKir6.2で構成されると考えてほぼ間違いないと思われた.
  • 横式 尚司, 甲谷 哲郎, 北畠 顕, Nicholas Sperelakis
    1999 年 19 巻 2 号 p. 120-124
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    スルポニルウレア剤やK+チャネル開口薬のATP感受性K+ (KATP) チャネルに対する作用は, チャネルのサブユニットであるスルポニルウレア受容体 (SUR) によって制御されていると考えられている.本研究では, 心筋KATPチャネルの機能的なSURを同定するため, 新生児ラット心室筋細胞を培養し, SURのmRNAに対するアンチセンスオリゴ (AS-SUR) を6日間処置し, KATPチャネルへの影響をパッチクランプ法にて検討した.SUR1, SUR2に対するアンチセンス (AS-SUR1, AS-SUR2) ならびに各々に対するスクランブル配列のオリゴを用いた.代謝阻害により誘発された (0mVにおける) KATPチャネル電流は, 無処置群 (Ctrl) では48.9±2.8pA/pF (n=48) であったが, AS-SUR1ならびにAS-SUR2処置により各々34.3±3.5pA/pF (n=21) , 23.5±3.4pA/pF (n=17) に減少した (: P<0.05, : P<0.01vsCtrl) .対照として用いたスクランブル配列のオリゴはKATPチャネル電流量に影響しなかった.したがって, ラット新生児心室筋のKATPチャネルでは, 心筋タイプとされるSUR2のみならず, SUR1もチャネルの構成成分として機能していることが示唆された.
  • 市成 浩太郎, 岡村 みどり, 宮村 明宏, 桶谷 直也, 加計 正文, 鄭 忠和
    1999 年 19 巻 2 号 p. 125-130
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    虚血状態に陥った心筋細胞においては, 代謝阻害により生じる細胞内環境の変化により, 活動電位持続時間短縮をきたす.この活動電位持続時間短縮の機序として, 心筋ATP感受性K+ (K+ATP) チャネルの関与が示唆されている.インサイドアウトパッチモードで記録中, 細胞内側灌流液中のpHを酸1生側に変化させるとチャネルのATPに対する感受性が低下し, 平均電流の増力口がみられた.ATPによるチャネル抑制のK1/2はpH7.2では20μMでpH6.4では40μMであった.また, フリーラジカルを生成させるH2O2によってチャネルは不可逆的な活性化を受けた.さらに, 膜リン脂質であるホスファチジルイノシトールビスリン酸 (PIP2) はK+ATPチャネルを著明に活性化させた.これらの作用は心筋虚血時あるいは再灌流時のチャネル活性化の機序として従来提唱されていたATP/ADP説に加えて重要な役割を果たしていることが示唆される.
  • 堀江 稔, 赤尾 昌治, 河野 裕, 大谷 秀夫, 吉田 秀忠, 西本 紀久, 藍 智彦, 春名 徹也, 高橋 綾子, 胡内 一郎, 村上 ...
    1999 年 19 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ATP感受性Kチャネル (以下KATPチャネル) は, 近年の精力的な研究の結果, Kir6.xとSUR (sulfonylureareoeptor) の2つの異なるサブユニットが細胞膜で4量体を形成して機能することが発見された.我々は, KATPチャネルが, 虚血に際して心筋保護的に働くことから, ラット心筋梗塞モデルを用いて虚血刺激がKATPチャネルに与える影響を, その構成サブユニットことに検討した.60分以上の虚血刺激によりKATPチャネルのチャネル孔を形成するKir6.1分子のupregulationが特異的に観察された.ついで, CDS7細胞を用いた再構築系を用いて, このKir6.1の増力口の意義を明らかとするため4量体を作るKチャネル分子の中にKir6.1が入り込むことによりSUR2A/Kir6.2チャネルの性質を変え, ひいてはATPに対する感受性の変化を起こす可能性を検討した.
  • 渡辺 一郎, 神田 章弘, 斎藤 穎, 小沢 友紀雄, 上松瀬 勝男, Leonard S. Gettes
    1999 年 19 巻 2 号 p. 137-143
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ATP感受性K+チャネル開口薬, pinacidilが急性虚血心筋の細胞外K+濃度 (K+e) の変化, 活動電位持続時間 (APD) の変化に及ぼす作用, および心室細動 (Vf) の発生率に及ぼす影響について検討した.in vivoブタ開胸心およびin vitroウサギTyrode液灌流心室中隔を用いpinacidilが6~8分の急性虚血心筋のK+e, APDに及ぼす作用を検討した.さらに, ブタでは, 60分間の冠閉塞時におけるVf発生率を対照群とpinacidil投与群で比較検討した.ainacidil 25μmol/Lは予想に反してウサギおよびブタのK+eの増力口を有意に抑制した.pinacidil 10および25μmol/Lは急性虚血心筋のAPD短縮を有意に促進した.急性虚血心筋のK+eの増力口は, pinacidil投与前後ともに心筋活動電位のプラトー相の総和に比例していた.対照群では60分間の冠閉塞中に60% (3/5) にVfが発生した.一方, pinacidil投与群では100% (7/7) でVfが発生した.
  • 宮崎 利久, 麻薙 美香, 伊藤 清治, 高木 俊介, 古川 佳子, 三好 俊一郎, 森谷 和徳, 三田村 秀雄, 小川 聡
    1999 年 19 巻 2 号 p. 144-152
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心筋虚血によるKATPチャネル開口が不整脈に及ぼす影響を検証する目的で, 左冠動脈前下行枝の5分間閉塞を反復する麻酔開胸犬モデルにおいてKATPチャネル作動薬の効果を検討した.KATPチャネル遮断薬の前投与は虚血心筋のMAP短縮を有意に抑制したが虚血時ならびに再灌流時のVT/VFの発生率を増力口させ, 逆に開口薬はMAP短縮を促進しVT/VFの発生率を低下させた.MAP持続時間の心拍毎の変動 (alternans) が開口薬により軽減され, 遮断薬により増強する場合を認めた.また, MAPの短縮に一致したERPの短縮は認めず, ERPへの開口薬の影響も軽微であった.以上の結果から, KATPチャネル開口は虚血性ならびに再灌流不整脈に対して催不整脈的ではなく抑制的に作用することが示唆された.β・α受容体遮断薬, 伸展活性化チャネル遮断薬もVT/VFの発生率を低下させたが, KATPチャネル開口薬とβ遮断薬はMAP短縮を抑制せずに抗不整脈作用を示した点で, 心筋保護との両立の観点から理想的な薬物治療と思われた.
  • 池主 雅臣, 内山 博英, 古嶋 博司, 笠井 英裕, 鷲塚 隆, 相澤 義房
    1999 年 19 巻 2 号 p. 153-160
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    先天性QT延長症候群 (LQTS) の14例とE-4031で作成したLQT2のモデル犬 (3頭) で, ニコランジルの抗不整脈効果を検討した.
    臨床例の検討でニコランジル (15~30mg/日) はQT (QTc) 時間を短縮させ, QT-dispersionも縮小させたが, 右室の有効不応期はむしろ延長した.Torsade de Pointer (TdP) 発症時にニコランジル静注を行った2例中1例で, TdPの抑制と単相性活動電位上 (MAP) の八ンプの消失が認められた.ニコランジル静注は特に先行RR間隔が延長した心拍のQT (QTc) 時間とMAP90を短縮させた.実験モデルでは局所の再分極をactivation-recovery interval (ARI) で評価した.ニコランジル静注前は心筋中層のM-oell領域のARlがより延長しており, 貫壁性のAnl-disaersionが認められた.ニコランジルはM-cell領域のARIをより短縮させ, ARI-dispersionを縮小し, 2頭でTdPの発症を抑制した.
  • 北風 政史, 真田 昌爾, 浅沼 博司, 野出 孝一, 南野 哲男, 高島 成二, 中篠 光章, 盛 英三, 葛谷 恒彦, 堀 正二
    1999 年 19 巻 2 号 p. 161-169
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    先行する短時間心筋虚血 (ischemic Preoonditloning) は, 長時間虚血により生じる心筋壊死サイズを縮小する.本研究では, 麻酔開胸イヌを用いそのメ力ニズムを検討した.その結果, 1) ischemic preconditioningによる心筋梗塞サイズ縮小効果には, アデノシン産生酵素活1生化が関与する, 2) protein kinase C活性化に力口えてATP感受性K+チャネル開口がアデノシン産生酵素活性化に関与する, 3) ミトコンドリアに存在するATP感受性K+チャネルはIPへの関与の割合が少ない, ことが明らかになった.以上の結果より, isohemio preoonditioningによる心筋保護作用にはアデノシン産生酵素・アデノシンーATP感受性K+チャネル開口の連関が重要であることが示された.
  • ―肢誘導ST低下の重要性―
    中嶋 民夫, 橋本 俊雄, 土肥 直文, 川本 篤彦, 上村 史朗, 藤本 眞一, 土肥 和紘
    1999 年 19 巻 2 号 p. 170-177
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    急性下壁梗塞患者での退院時運動負荷心電図所見は, 胸部誘導にST低下を示す偽陽性例の頻度が高い.そこで著者らは, ST低下が出現する誘導から冠動脈狭窄を予測できるか, さらに運動負荷時胸部誘導でのST低下の機序について検討した.急性期の経皮的冠動脈形成術により有意の冠動脈狭窄を有さない27例をI群, いすれかの冠動脈に有意狭窄を有する18例をII群とした.胸部誘導でのST低下はI群で症例の37.0%, II群で83.3%に認められた.胸部誘導のST低下を示した症例の中で肢誘導のST低下を伴うものは, II群がI群に比して有意に高率であった (86.7%vs20.0%, p<0.01) .また, I群における左室壁運動異常の範囲は, 運動負荷時の胸部誘導ST低下度と弱い正相関を示した (r=0.43) .したがって, 肢誘導でのST低下は冠動脈狭窄の存在を示唆する所見であり, 虚血のない例における胸部誘導ST低下には壁運動異常が関与しているものと考えられる.
  • 長嶋 正實
    1999 年 19 巻 2 号 p. 179-185
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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