心電図
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20 巻, 2 号
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  • 相澤 義房
    2000 年 20 巻 2 号 p. 79-80
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 長田 満, 小森 貞嘉, 田村 康二, Thomas Netticadan, Naranjan S Dhalla
    2000 年 20 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    虚血プレコンディショニング (IP) 効果のメ力ニズムの一つとして, 心筋小胞体 (SR) におけるカルシウム/カルモデユリン依存性プロテインキナーゼ (CaMK) に着目した, ラット摘出灌流心モデルにおいて, 虚血・再灌流後の心機能 (left ventricular developed pressure) をend pointとし, multiple cycleのlPを行った.CaMKの特異的阻害薬であるKN-93の前投与はlP効果を消失せしめた.またSR蛋白のリン酸化によりその機能を制御しているCaMKの活性, およびリン酸化の程度, さらにCaMK依存性のSR Ca2+-uptake活性は, 虚血/再灌流を通してlP群で温存されていた.すなわち, SR CaMKはlP効果のmediatorとして重要な役割を担っていることが示唆された.
  • 大久保 信司, 田辺 裕二郎, 藤岡 央, 竹越 襄, Rakesh C Kukreja
    2000 年 20 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    lschemic preconditioning (IPC) は, 心筋に短時間の虚血負荷をあらかじめ与えることで, 虚血に対する耐性を獲得させ, その後の虚血心筋障害が減少する現象である.そしてearly phaseとdelayed phaseのIPCのメカニズムは異なると考えられる.この異なるメカニズムにtyrosine phosphorylationが重要な役割を演じていると考え, 本研究を行った, その結果, 家兎の心筋虚血-再灌流モデルでは, early phaseにおいてIPC操作による梗塞巣縮小効果やアポトーシス出現抑制が認められ, これはgenisteinによっても抑制されなかった, 一方delayed phaseでは, lPC操作により梗塞巣縮小効果やアポトーシス出現は抑制されるが, genistein投与により消失しdelayed phaseによる心筋保護のメカニズムにtyrosine phosphorylationが重要な役割を演じていることが示唆された.
  • 佐藤 俊明, Eduardo Marbán
    2000 年 20 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    細胞膜表面にあるATP感受性K+ (KATP) チャネル (surfaceKATPチャネル) と, ミトコンドリア内膜にあるKATPチャネル (mitoKATPチャネル) のプレコンディショニングにおけるエンドエフェクターとしての役割について検討した.KATPチャネル開口薬と阻害薬のmitoKATPチャネルとsurfaceKATPチャネルに対する選択性を検討した結果, diazoxideはmitoKATPチャネルをP-1075はsurfaceKATPチャネルをそれぞれ選択的に開口した, 一方, 5-hydroxydecanoate (5HD) はmitoKATPチヤネルをHMR1098はsurfaceKATPチャネルをそれぞれ選択的に阻害した, 家兎心室筋細胞を用いたpelleting虚血モデルにおいて, diazoxideは虚血による細胞死を抑制し, この作用は5HDにより消失したがHMR1098では消失しなかった.これに対し, surfaceKATPチャネル開口薬P-1075では虚血による細胞死を抑制しなかった.すなわち, 虚血心筋保護効果にmitoKATPチャネルがエンドエフェクターとして重要な役割を担っていることが判明した.
  • 北風 政史, 真田 昌爾, 浅沼 博司, 野出 孝一, 南野 哲男, 高島 成二, 中篠 光章, 篠崎 芳郎, 盛 英三, 葛谷 恒彦, 堀 ...
    2000 年 20 巻 2 号 p. 103-111
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    先行する短時間心筋虚血 (ischemic preconditioning) は, 長時間虚血により生じる心筋壊死サイズを縮小する.本研究では, 麻酔開胸イヌを用いそのメカニズムを検討した.その結果, 1) ischemic preconditioningによる心筋梗塞サイズ縮小効果には, アデノシン産生酵素活性化が関与する, 2) protein kinase C活性化に加えてATP感受性K+チャネル開口がアデノシン産生酵素活性化に関与する, 3) 細胞膜・ミトコンドリアに存在するATP感受性K+チヤネルが独立して相加的にischemic preconditioningに関与する, ことが明らかになった.以上の結果より, ischemic preconditioningによる心筋保護作用にはアデノシンーアデノシン産生酵素・protein kinase C・ATP感受性K+チャネル開口が連関している可能性が示された.
  • 堀江 稔, 春名 徹也, 河野 裕, 吉田 秀忠, 胡内 一郎, 縄田 隆三, 村上 知行, 篠山 重威
    2000 年 20 巻 2 号 p. 112-119
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ジギタリスは, 細胞膜Na/K-ATPase活性を阻害するが, 先に我々は, ジゴキシンが, 家兎梗塞モデルで観察される虚血プレコンディショニング (以下IPC) を阻害することを観察した.また, IPCを誘発するために行う5分間の冠動脈結紮は, その後のNa/K-ATPase活性のdown-regulationを有意に抑制することを報告した.一方, ATP感受性Kチヤネル (以下KATPチャネル) は, このIPCの発生機序におけるfinal common pathwayとして働くと考えられている.さらに, ジゴキシンのIPC阻害はKATPチャネル開口薬のcromakalimによりブロックされることが判明した.KATPチャネル活性を高めることによりIPC阻害が, 消失したことはNa/K-ATPaseとKATPチャネルの間になんらかの機能的な連関があることを示唆する, すなわち, Na/K-ATPase活性がIPC時に保たれることから, ポンプによる細胞膜直下fuzzy spaceのATPが消費され, そのレベルが低下することによりKATPチャネルが活性化する可能性が考えられた.
  • 奥山 裕司, 平山 篤志, 上松 正朗, 水野 裕八, 児玉 和久
    2000 年 20 巻 2 号 p. 120-126
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    動物実験で提唱されたischemic preconditioning現象と類似するものとして, ヒトでは1度狭心症発作を起こすとその後狭心痛が生じ難くなるwarm-up現象や, 経皮的冠動脈形成術時に冠閉塞を繰り返すと胸痛が軽減していく現象が知られている.前下行枝1枝病変の狭心症患者で心房ペーシング負荷と経皮的冠動脈形成術を行い, 短時間虚血を反復した際の心筋収縮性および心筋アデノシン代謝について検討した.いずれの短時間虚血でも1回目と2回目の負荷中の前負荷・後負荷に有意差はなかったが, 2回目の方が1回目に比し前壁局所壁運動はより低下していた.以上から心筋収縮性が2回目の負荷時に1回目に比しより低下したことが心筋酸素消費量を抑制し, 虚血を軽減したと推定された.また大心静脈血中アデノシン濃度は2回目の負荷時の方がより高値で, ヒトでの虚血耐性獲得にもアデノシンが関与している可能性が示唆された.
  • 笠巻 祐二, 小沢 友紀雄, 渡辺 一郎, 山田 健史, 橋本 賢一, 中山 清和, 知久 正明, 猿谷 忠弘, 柳川 新, 矢久保 修嗣, ...
    2000 年 20 巻 2 号 p. 127-135
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】lschemic preconditioning (IP) の抗不整脈作用に注目し, 心室筋の電気生理学的不安定性を示す指標であるQT間隔dispersion (QT d) , マイクロボルトレベルのT波オルタナンス (TWA) に対するIPの効果を検討した.【方法】有意冠動脈病変を有する虚血性心疾患例を対象に, トレッドミル運動負荷 (TMET) あるいは心房ペーシング負荷を15分間隔で反復, QT dの変化およびTWAの結果を解析した.【結果】TMETを連続3回施行すると, 1回目に比し, 2回目, 3回目のTMET時にはQT dの延長の程度がいずれも有意に減少した (p<0.001) .一方, 2回目と3回目のQT dの延長の程度は同程度であった.心房ペーシング負荷によるTWAの検討では, TWAの陽1生率およびalternans voltageは1回目に比し, 2回目には, いずれも有意に減少した (p<0.05) .【総括】IPは, 虚血時/再灌流時の不整脈発生の機能的器質となる心室筋の電気生理学的不安定性を改善した.この所見は, IPが虚血/再灌流時における致死的心室性不整脈を抑制する機序の1つを示すものであると考えられる.
  • 八木 哲夫, 大友 淳, 石田 明彦, 大友 潔, 滑川 明男, 小田倉 弘典, 伊藤 明一, 渡辺 淳, 白土 邦男
    2000 年 20 巻 2 号 p. 136-144
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    [目的] Permanent form of junctional reciprocating tachycardia (PJRT) のカテーテルアブレーション (ABL) で得られた所見から, その副伝導路の特徴や至適通電部位を明らかにする, [方法] 対象は心電図上long RP'頻拍を呈し, 電気生理学的検査で長い伝導時間と減衰伝導を示す不顕性の副伝導路 (SK) が関与する房室リエントリー性頻拍と診断された8例 (男4例, 女4例, 21~72歳, 平均43±17歳) , 10SKである, 10SKに対しABL時の通電は計34回 (1~7, 平均3.4回/1SK) 行い, 一過性または永続的な頻拍の停止がみられた15通電 (44%) (停止群) と停止しなかった19通電 (非停止群) の電気生理学的指標を比較検討した.ABLは1SK (2通電) を除き弁上アプローチを用いた. [結果] 1) SKの局在: 右後中隔が4例 (40%) , 右後壁2例 (20%) , 右中中隔1例 (10%) , 左後壁1例, 左側壁1例, 左前壁1例であった.2例は2本のSKを合併し (右後中隔と右後壁, 右中中隔と右後壁) , 3例は左側に副伝導路を有するWPW症候群のABL後にPJRTが出現した (SKは右後中隔, 左後壁, 左側壁) .2) SKのABL: 停止群は非停止群に比し, 通電部位の心房電位が逆行性P波からの先行度が強く (37±12vs, 26±16msec, p<0.04) , 心房と心室電位高の比 (A/V) が大きく (1.0±0.9vs.0.4±0.5, p<0.02) , 分裂した心房波が高頻度にみられた (12/15 (80%) vs.7/19通電 (37%) , p<0.02) . [総括] PJRTに関与する副伝導路は右後中隔に多いが他の部位にもみられ, WPW症候群の通常の副伝導路のアブレーション後に出現する例もまれではなかった.頻拍は通電により一過性の停止はみられるが, 間もなく再発する場合が多く, アブレーション部位は, 心房電位の早期性の他, 分裂した心房波が重要で, 成功部位では非成功部位に比し大きなA/V比を示した.
  • 高月 誠司, 三田村 秀雄, 神吉 秀明, 佐藤 俊明, 品川 香, 小川 聡, 中川 博
    2000 年 20 巻 2 号 p. 145-151
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は顕性WPW症候群の18歳男性.1年前当院で施行した心内膜側からのアブレーションは不成功であった.12誘導心電図上II誘導のデルタ波の極性は陰性で, 心外膜下の副伝導路が示唆された.室房伝導の心房最早期興奮部位は冠静脈洞 (CS) の近位部であつた.CS, 中心臓静脈 (MCV) を逆行性に造影後, 電極力テーテルで, 三尖弁輪部, CS, MCVの順にマツピングを行った.MCV内で巨大なKent電位が記録され, 双極および単極電位上, 最も大きくKent電位が記録できる部位で高周波通電した.計2回の通電により副伝導路のアブレーションに成功した.通電前および通電中に右冠動脈造影を行い, 合併狭窄のないことを確認した.その後はデルタ波や頻拍発作の再発を認めていない.静脈内通電は種々の合併症が危惧されるが, 慎重なアプローチによりアブレーション可能と考えられた.
  • 虚血性不整脈の基礎と臨床―基礎―
    橋本 敬太郎
    2000 年 20 巻 2 号 p. 152-157
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
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